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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 葬送 コルヴォ → 陽炎 アベラルド


そうして路地裏はまた静寂に包まれる。

交わした言葉の通り、烏は屍を啄まない。
爪を下ろし、嘴を閉じて、暫しその亡骸を見下ろすだけだ。
本来であれば狩る側だった筈の、まだその時ではなかった筈の、
けれど狩る側ではなく、ただ相対する事だけを選んだ者の。

或いは、帰りを待つ者が居る筈だったその亡骸を。

「本当に、運の無い」

「なんであんた達が先に死ななきゃならないんだか…」

後悔はしていない。殺す事を躊躇った事も無い。
後悔するくらいなら、初めから誰も殺していない。
だからただ、人知れず零した言葉は遣る瀬無さだけのもの。

「Addio. 嫌な仕事だ」

口の端を切って、頬を切って、鬱陶しく血の滴る片頬を
手袋に覆われた手の甲で乱暴に拭えば、鈍い痛みが走る。
心底嫌気が差したように呟いた。

「だが、誰かがやらなきゃあならない仕事だ……」

かつん、なんて軽いものではない足音が響く。
踵を返し、そのまま重く、鈍く、靴底を鳴らして。
たった一人の葬列は、路地裏を去って行く。
後に残るのは、屍だけ。
(-247) unforg00 2022/08/19(Fri) 10:34:08

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 陽炎 アベラルド

/*
これまた描写をフニャ〜と曖昧にしても困りそうだな……と思ったため
結果やこちらの行動などなどやや確定気味にお送りしました。
何か挟みたい行動や描写などあれば確定で挟んで頂ければと思います……

楽しんで頂けていたらうれしい とても すごく……
こちらもお付き合い頂ける事に毎秒感謝しています……Ciao!
(-248) unforg00 2022/08/19(Fri) 10:40:18

【墓】 陽炎 アベラルド

>>+10 サルヴァトーレ

「よかった。お客様の声ってのは大事ですからね」

伺い見る先はいつもの笑顔で、やっぱり読み切れない。
けれど、まあ、悪い気もしない。
長い間の付き合いでその態度に意表を突かれたり、
調子を崩されたりしたけれど。
それでもアベラルドにとっては付き合いやすい人間だ。

「祭が始まってからはこの店も忙しくてね。
 エスコートして頂けるなら、お言葉に甘えるのもいいな」

会計を通して、代金を受け取り。
紙袋をあなたに差し出しながら、こちらも似た笑顔を向ける。
(+11) susuya 2022/08/19(Fri) 14:44:19

【秘】 陽炎 アベラルド → 鳥葬 コルヴォ

銃弾は確かに貴方に当たり、
けれど肩口じゃ動きを阻害するのが関の山だ。
そしてそれで動きが止まる訳もないのだろう。お互いに。
手の痛みは貴方へしかとこの拳が届いたことを告げたが、それだけだ。

崩された勢いで照準を正確に合わせるなんて、
そんなのは並大抵の芸当ではない。

嫌な仕事。自分も心からそう思うよ。


手がブレた瞬間に結末は悟った。
銃声が 二つ。

目の前が白く赤く弾けるような感覚がした。
吐きだす息で溢れる血が泡立って零れた。
声が出ない。体を強かに打ち付ける衝撃で、
銃創からまた血がさらに。

貴方の頬に轢かれた赤い線もこちらからじゃあ何も見えない。
見える位置にあったって、生理的に溢れた涙に霞む目じゃ
どうせ何も見えやしない。見下ろす貴方の表情も。

声が出ない。息ができない。熱い。痛い。寒い。
なんだ。やっぱり簡単だ。
人の命を奪うのが簡単なら、奪われるのも、また。

笑えた。


(-274) susuya 2022/08/19(Fri) 17:28:50

【秘】 陽炎 アベラルド → 鳥葬 コルヴォ

遠のく意識の中で、意外と色々と考えられるものだ。
今までの事も、これからの事も。
この時間はきっとあっという間で、
それが長く感じられるのは自分だけなんだろうけど。

願うなら。

はく、と口を開いた。勿論言葉など出なかった。

これ以上自分の『家族』には手を出さないでやって欲しかった。
自分の娘の事は、見逃してやって欲しかった。

ああ、自分が死んだらあいつに花ももう届けてやれない。
あの花屋に通う事ももう無いな。また明日って言ったんだが。

あの子はきっと泣くだろうし、自分の事を噓つきだと言う。
でも、どうなんだろうな。
あそこに居るのが枷なら、俺が死んだら自由になってくれるかな。
ちゃんと大人になってくれたらいい。

狙われたのが俺でよかったな。
結局、置いていく側になったな。


……怠いなぁ、



とうに動かなくなっていた体の思考も、不意に途切れて。
そこに残るのはただの亡骸。
命も、心も、ここにはもう無い。
これで、貴方の仕事も終わりだった。
(-276) susuya 2022/08/19(Fri) 17:42:44

【秘】 陽炎 アベラルド → 鳥葬 コルヴォ

/*
ciao〜!これでこちらからは〆にしたいと思います!
後は物言わぬ骸です!!
お付き合いいただきありがとうございました!!
死の福利厚生、とても感謝いたします……。
(-277) susuya 2022/08/19(Fri) 17:44:42

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド

受け取る際に男は君に顔を寄せた。
特に不自然さはない動き。荷物を受け取るのにおかしくはない距離。それよりは僅かに、ほんの少しパーソナルな距離に踏み入って、囁く。

「今夜、空いてる?」
(-278) rik_kr 2022/08/19(Fri) 17:51:01

【墓】 陽炎 アベラルド

>>+12 サルヴァトーレ

「四日目? ああ。その日丁度非番ですよ。
 一緒に回るにはぴったりですね」

本気で受け取ったとも、冗談ともとれるような答えだ。
わざとそういう答えを返したのは、
本当にその日は非番で回れる時間もあるだろうから。
どう転んでもいいか、と判断して。

「ええ、またどうぞ。お待ちしておりますよ」
「またいつものも取っておきますから」

そんな事を言って、店を後にするあなたを見送るだろう。
(+13) susuya 2022/08/19(Fri) 19:42:54

【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ

チラ、と貴方の瞳を見る。
それから薄く笑って、「ああ」と肯定を。

「空いてる。どうしたよ」

普段は客に向けない、いつも通りの言葉遣い。
(-286) susuya 2022/08/19(Fri) 19:45:19

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド

bene.よし

短く。

「そのまま開けておいて。部屋に行く」

告げて。
自然な緩慢さで離れる。パーソナルスペースより少し広い、従業員と客の距離。

そのまま、場は後にした。

×××
(-323) rik_kr 2022/08/20(Sat) 0:18:55

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド

×××


その夜。
ノックだかチャイムだかインターホンだか、とにかく君は来客を告げられる。
一応の警戒をするも、平然と迎えるも君の自由だ。結局最後に男が訪ねてくることには変わりないのだから。
(-324) rik_kr 2022/08/20(Sat) 0:21:16

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 陽炎 アベラルド


足音は徐々に遠ざかっていく。

掃除屋はきっとその声無き言葉を見届けていた。
けれど何も言わず、ただ一瞥を落としただけ。
あなたの言わんとした事を、その願いを汲もう、なんて。
そんな事を考えるような、よく出来た人間ではないのだ。

死んだ奴にくれてやるのは、墓石と、手向けの花だけで十分だ。

そして、その役目は決して自分のものではない。
或いは、今ではない。


だから死にゆくあなたに贈るものは、餞別・・だけ。
それが自己満足以外の何になるか、なんてのは知らぬこと。


足音は徐々に遠ざかっていく。
それがすっかり聞こえなくなった頃。
もう、路地の暗がりに、動くものは何も無かった。

贈るものは、餞別だけ。
死に方を選ばせて、それを冒涜しないだけ。
人殺しはそれ以上の事をしない。

然して余程の意味や理由も無しに、
誰の何を奪う趣味もありはしない。
人殺しは、これ以上の事をしない・・・・・・・・・・・・・・・
そこに余程の意味や理由が無い限りは。

これはただ、たったそれだけのこと。
(-333) unforg00 2022/08/20(Sat) 2:00:35

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 陽炎 アベラルド

/*
こちらもこれにて……〆!となります!
お楽しみ頂けたなら幸い デス物騒をやれてよかったです よかっ……
エ〜ン こんな良い男がどうして死ななきゃいけないんですか
わたしが襲撃したからです 
ぐうの音も出ないな……


様々な意味でもうこんな男と関わり合いになる事無く
穏やかに居て欲しいなあという気持ちでいっぱい……
ひとまずここで一区切り、本当にお疲れ様でした。 Addio……
(-335) unforg00 2022/08/20(Sat) 2:12:20

【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ

貴方がアベラルドの部屋の戸をノックして、数秒。
カチ、という音は鍵を開けた音だ。
そのまま扉は少しの隙間を開けて、それから開いた。

「よお。いらっしゃい」
「入れよ」

そのまますい、と貴方が部屋に入りやすいように避けた。
(-363) susuya 2022/08/20(Sat) 12:04:29

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド

「うん。お邪魔します」

つい、と遠慮なしにお邪魔する。なんの警戒もない、気安い態度だ。

「冷蔵庫、借りるよ」

入るなり、そんな声をかけて。
止められなければ、そのままキッチンへと直行。
冷蔵庫をぱたん、開いて。ぱたん、閉じて。
どうせ君の好きな酒でも買ってきたのだろう。この男はいつもここに来る時、何かしらの土産を買ってくる。
(-370) rik_kr 2022/08/20(Sat) 13:28:11

【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ

部屋の中は物が少ないなりに生活の色が見える。
落ち着いた色の内装の中に、壁に貼った花の栞や古ぼけた蓄音機など趣味の物も見られる。
そんな風景も貴方には見慣れたものだろうか。
冷蔵庫の中には、いつも最低限度のもの。あとお酒。
……今日は一つチョコラータの箱もあった。

「あ、おい。……なんだよ、毎度毎度いいのに」

そう言う声も、嫌そうな雰囲気はない。
こちらもこちらで慣れている。

「適当に座れよ。何飲む?」
(-380) susuya 2022/08/20(Sat) 14:46:32

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド

「いつ来ても片付いているね、ここは」
「そういえばどうだったの? 行くって言ってただろ、新作のオペラ」

君の人となりがわかる調度品。こじんまりとして、しかし確かな存在感を持った趣味の品。
そう代わり映えしないそれらを、来る度男は面白そうに見遣った。何かが増える度にこれは、と聞いたものだ。時には勝手に持ってくることも。

「いいもの飲んでるね、ドニ」

冷蔵庫におさまったワインのラベルを指でなぞる。

「うん?」

それからチョコラータの箱に目を留めた。
見慣れないパッケージだったのかもしれないし、それがこの冷蔵庫に似つかわしくなかったからかもしれない。

「試作品?」

軽やかな口調で問いかけながら振り向いて。
二人でいる時、この男は普段より少し早口だ。
(-412) rik_kr 2022/08/20(Sat) 18:19:12

【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ

「散らかるものがねぇんだよ。物が多いと面倒臭え」
「ああ、あれな。良かったよ。評判通りだ。
 もう一度見に行ってやってもいい。お前の分のチケットも取ってやろうか」

面倒臭いだの怠いだの言う割に、片付けを放り投げる真似はしない。
プライベートでも仕事でも本当に面倒な事になる前には動く方だ。
部屋に並ぶものは人に貰ったものも多い。
それこそ、貴方がそうやって持ってきたものも並んでいる事だろう。

「それなぁ、バーのマスターに譲ってもらったんだよ。いつも来るからって。飲みたいなら出すぞ」
「……何? あー、それ」

冷蔵庫の中を後ろから覗く。何の話かと思ったが、すぐに合点がいって。

「今度売り出す新作。ルチアが気に入ったらしいんでな」

またやるんだ、と。
……アベラルドも、貴方と話す時は口調も態度もいつもよりは軽い。
(-415) susuya 2022/08/20(Sat) 18:40:05

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド

「違いない」
「へえ、じゃあお言葉に甘えようかな。連れて行ってよ」

笑みを含んだ同意。それから素直に誘いに乗る。
先導して何かを与えることが好きな男は、しかし君からの厚意はいつも素直に受け取った。こうして音楽鑑賞に出かけたことはこれまでもあっただろうし、食事を共にしたこともあるだろう。
男は食事も娯楽もなんでも、君に提案されたものをそのまま喜ぶ。だからこそ、本当に好きなものが見えにくくもあった。

「飲みたいなぁ。やっぱり赤より白だよね」

こんな、簡単な二択が時々零れることはあれど。

「へえ、ルチアか」

思い出そうとするような素振りは見せず、すぐに名前を反芻した。多くいる構成員の全てを、男はほとんど完璧に把握している。よくアジトに顔を出す者であればなおのこと。
名前と顔を一致させる手間なんて必要ないのだ。

「可愛がっているね、随分」
「わかるとも。家族は大切だからね」

冷蔵庫の前を君に譲る。準備してくれると言うなら任せよう。
手頃なソファにでも座って、もてなしを待つだろう。
(-427) rik_kr 2022/08/20(Sat) 19:15:45

【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ

「進んで物買う性分でもないしな」
「それじゃあ今度連れてってやるよ。席の広さも悪くなかったし、
 聞いてる途中で疲れるこたぁないだろ」

親しい人には、アベラルドも施したがる方だった。
貴方から貰う事も、貴方に渡す事も、きっと前から好きだった。
以前、『嫌なら断ってもいい』と声を掛けたことはあるかもしれないが。

「だよなぁ。俺も同意見。なら用意するか」

そう言って冷蔵庫からボトルを取り出し、
栓抜きを取り出してコルクを抜く。
ポン、と小気味いい音が響いた。

「そりゃあ……まあ、な。放っては置けないし」
「色々あんだよ。懐かれてるし……」

モゴモゴとそう言いながら、ワイングラスを二人分。
透き通ったリースリングが品の良い香りを立てて注がれていく。
それから、隣に座って片方を貴方に差し出すだろう。
(-435) susuya 2022/08/20(Sat) 19:30:14