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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「……?」

口ごもるあなたを暫しの間待って、
それでも出てこない次の句に首を傾げて。
――この青年は多弁ではない印象だったが、だとしても。

その沈黙を破ろうと、口を開いた……瞬間。
投げかけれた言葉。
質問のような、断定のような、逆説。

少しだけ困ったように眉を下げて。
半分口を開き、閉じて、ゆっくり瞬きをひとつ。

「……仕事で。
 そう、仕事で、少しだけ大変なことがありまして。
 ちょっとだけ疲れているだけです。

 フランはお仕事、少しは落ち着きましたか?」

穏やかな声色で尋ねる。
(-316) 968. 2022/08/19(Fri) 22:30:45

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「そう、ですか」

困らせてしまったろうか。
帽子のつばを引き下げて視線が落ちる。
穏やかな声色が、沈む心を少しばかり慰めてくれた。

「自分の方は、相変わらずです。
 でも、祭りの終わりも近いのでそろそろ落ち着いてくると思います」

街を賑わせている祭り関連の仕事がなくなれば
配達業務も落ち着きを取り戻すだろう。

「お疲れでしたら、あの。
 立ち話もなんですから、また甘いものでもと……思ったのですが。
 以前のご恩も、ありますし」

口下手な自分の話を聞いてくれたあなただから、同じように聞きたいと思った。
とはいえ、"仕事"の重みが違う。
青年に話せることは限られているのだろう。
(-319) dome 2022/08/19(Fri) 23:04:57

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「それは……良かった、というべきか、
 残念、というべきか迷うところですね。
 危険なお仕事が減るのでしたら喜ばしいことと思いますが」

さっとあなたの全身に目を走らせる。
少なくとも大きな怪我を負っているようには、見えない。

「ふふふっ、やっぱり甘いものがお好きなのですね」

変わらずの甘党ぶり可愛らしさに小さな笑いが零れる。
この数日で、大きく変わってしまった身の周り。
その中で変わらないものを見つけて。
それが、嬉しくて。

誘いの言葉をかける青年をじっと見て、にこり笑う。

「折角のお誘いですもの、お付き合いいたします
 何処へでも、お付き合いいたします」

誘い返すように、笑う。
(-353) 968. 2022/08/20(Sat) 8:55:28

【独】 ショウダウン ヴィオレッタ

 
えぇ、何処へでも


普段だったら気付いただろう青年の優しさにも気づけず、
自棄になってそんなことを言う。

壊れた日常を見つめることができず
己の犯した罪から逃げる酒もなく
思い出に浸る余裕なんていうものも、ない

だから、一時でも何かに溺れてしまいたくて。

享楽でも
痛苦でも
狂気でも

忘れさせてくれるなら。
……今この瞬間なら、死ですら厭わない。

それらを己で為す勇気のない女のそんな自棄が、
普段なら絶対に言わないであろう言葉を、吐き出させた。
(-355) 968. 2022/08/20(Sat) 9:23:37

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

誘い返す笑みが、硬い面持ちを和らげた。
その笑みも甘いものに入ります、なんて言ったら笑われてしまうだろうか。
あまり眠れていなさそうなあなたを連れ歩くのも気が引けたのだけれど、それでもまた話せることが嬉しかった。

「遅くまで開いているカフェがあって」

此方ですよ、と踵を返す。
沈黙があまり続かないように、時折なんでもない話をして。
不慣れであることが手に取るように判るエスコートで店までの道を歩いただろう。

「酒類も提供していますから。
 ……でも、ヴィオレッタさんはホットミルクとかの、方が」

余計なお世話ともとれるのだが、強い酒で思考を誤魔化すよりはそちらが良いと思った。
歯切れ悪くそんなことを零しながらも、何もなければ、そのまま店に着いて席に通される筈だ。
(-362) dome 2022/08/20(Sat) 11:34:25

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「カフェ、ですか?
 えぇ、ご一緒いたします」

”何処へでも”と言ったのに。
くすり、小さく微笑って、エスコートのままに着いていく。
初心なそれに、笑みを湛えたままに。

「お忘れですか?
 お酒は結構、強いのですよ。

 でも、そうですね……。
 フランが今日はお酒の気分ではない、というのでしたら
 それにお付き合いいたしますが?」

今日も喧噪に沸く街を歩いて、落ち着いたカフェへ。
席に着くとメニューも見ずに、あなたの様子を伺った。
(-372) 968. 2022/08/20(Sat) 13:35:31

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「お強いとは承知してますが……それでも、心配……なので。
 体調が優れないときのアルコールは良くない、ですし」

口を出しすぎているだろうかと躊躇いつつも
隠しきれない腫れた目元をどこか痛ましそうに見ながら。
いつも一枚隔てた壁のように己を守る帽子は、屋内では外されて。
あなたを案ずる気持ちと一緒に未練がましくそれを抱えて今度はメニューに視線を落とした。 

「では、あの。
 お付き合いいただけると嬉しいです……」

遠慮がちに口元を緩めて。
青年はクロスタータとミルクセーキを頼む。
生地にジャムやチョコクリームなどのフィリングを詰めて焼いた定番のタルト菓子だ。
このカフェのものはブルーベリージャムを使っているらしい。
おすすめですよ、なんて言いながらあなたが注文を決めるのを待った。
(-376) dome 2022/08/20(Sat) 14:18:15

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → ショウダウン ヴィオレッタ

「お客さんでもないのに、嘘なんかつかないよ──…」

揺れるワインとグラスの面を、透かすようにあなたを見る。
瞳が。いつだってそれは、透かしたような玻璃の向こうに、
僅かに潤んで、掠れて、消えていく。


「うん。
 ──……そうなったら、とても素敵。
 ワインはそんなに飲まないからね、あなたに任せて──……
 ふふふ、あっちはどうだったかなあ」

夢、なのに。
まるで、そこに誰かを見ているかのよう。

夢と酒に酔う彼女の瞳に、あなたならもうすっかり見慣れたであろう色がにじんでいる。
――落としてきた過去。もう二度と戻らない、決してつかめないまぼろし。

彼女の夢は、もう叶わない。多分、ずっと昔には、もう。


乾杯と共に揺れるグラスに、艶のある唇が触れる。
流れ込む液体が、こくん、と一度喉を鳴らして。


「……おいし」

今日の彼女は、くるくると表情を変える。
この笑顔も、そうだ。
少し驚いたようなどこか子供っぽい笑顔を、あなたに向けた。
(-395) gt 2022/08/20(Sat) 16:19:36

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「お優しいのですね?
 疲れ切っていなくても、女を酔わせて……
 と考える方もいるのに」

テーブルの上に肘を立てて、指を組む。
そこに乗せた顔がくすくすと笑って言う。
腫れた目も、やんわり弧を描いて。

「えぇ。それではお付き合いいたします。
 ホットミルクと、そのおすすめを」

メニューを全く見ずに、あなたの望みに従った。

「そういえば……コンペート、でしたか?
 美味しかったです。仕事の休憩時間にいただいています。
 ありがとうございました」

今も鞄に入っている小瓶は、少し減っている。
(-400) 968. 2022/08/20(Sat) 16:57:55

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「……そうですね。
 世の中、信じられないくらいの暴力が急に降りかかる。
 まるで嵐です。後には残骸しか残らない。

 自分には、そんなことをするつもりも度胸もありませんから」

テーブルを見つめたまま、帽子の生地に少し皺が寄る。
息を吸って吐いて、気分を切り替えた。

「………喜んでいただけたのなら良かった。
 また差し入れができれば嬉しいんですが」

願望を一つ呟く。
明日の命も不確かなことなんて知らないけれど。
少し待てば、注文はつつがなく運ばれてくるだろう。
(-405) dome 2022/08/20(Sat) 17:28:38

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 小夜啼鳥 ビアンカ

>> ビアンカ

「”お客さん”とのあなたを知っているから、言うのですよ。
 ……でも、まぁ……私も、」

あなたとの会話では見得も謙遜も要らない。
弱みも愚痴も、誰にも言わなかった夢も、隠さずに済む。
仕事先は知っていても連絡先も知らない、
けれど他人というにはお互いによく知っている。
 
あなたとの関係は――


ふと浮かんだ言葉は、ワインと一緒に流し込んで。
そんな青春あおい事を言える仕事でも、歳でもないのだから。

「えぇ、お任せてください。ワインも、料理も。
 素敵な……きっと、素敵な夜になるよう、いたしますので」

女の夢もきっと叶わない。
金の為に手を汚して、子飼いファミリーになった時に諦めたのだから。
未練で買い続けている本は、棚の上の方に押しやられて
手の届くところには手品やマナーの仕事の本ばかりだ。

 
本当に今日は変わった表情ばかりするのですね


また、思う。けれど、それは口に出さずに。
代わりに、トマトを一つ口に放り込んで、キッチンへ戻る。

「……何か、あったのですか?」

視線は料理を再開した手元へ向けながら、尋ねる。
(-406) 968. 2022/08/20(Sat) 17:49:48

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

――本当に、いい可愛らしい人です。
  こういう人が、幸せな家庭というのを作るのでしょうね。


少し、羨ましくて。
少し、悔しくて。

だから少しの意地悪を。

「今日は……よくお話くださるのですね?」

また、くすくすと笑う。
注文の品が届くと、テーブルから手を下ろして
ホットミルクのカップを両手で包んだ。
夏の最中にホットミルクを、と思ったけれども
手から伝わる温もり、ほのかに甘いミルクの香り。
それらにどこかほっとして。ゆっくり口へ運ぶ。

「そう何度も貰ってばかりは。
 今度、お店を探してみることにします」

少し申し訳なさげに断って、
ゆっくりカップをテーブルに戻した。
(-414) 968. 2022/08/20(Sat) 18:37:56

【人】 ショウダウン ヴィオレッタ

【賭博場】
――これはいつかの話
  数週間、数か月、あるいはもっと前かもしれない
  まだ三日月島に祭りの気配が遠い……あの頃の日々の欠片

>>マウロ

「……お客様、お楽しみいただけていませんか?」

アウグスト様お連れ様が少しばかりお席を離れる間、
一緒に来店していた青年に話しかけた。
青年の手元のチップ掛け金は……
来店時の半分ほどに目減りしているようだ
(57) 968. 2022/08/20(Sat) 19:03:20

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → ショウダウン ヴィオレッタ

酒が入ると、ビアンカはいつも口癖のように言っていた。

マフィアなんて嫌い。

けれど、金のために体をうる自分は、もっと嫌い。
――そうとしてか生きられず、そうである今に安心してしまっていることが、はらがたってしょうがないから。

「んー、…ふふ」

もうかなわない夢は、この先も叶わない。
力も、金も、学も意思もないひとりの女は、
いまさらかたぎの仕事に戻ることすらできないだろう。
グラスの水面に映る顔に、曖昧な笑みを浮かべ直す。


「ああ、……素敵。
 ワインも、料理も。
……友達も



グラスを片手に持ったまま、空いた片手で手慰みに、手入れの行き届いた机をつんと突く。
一本、二本。指遊びをするかのように、白く細く指が、朱色に彩られた爪が互い違いに机に触れる。

「んー」

何かあったのか、と聞かれたら。
まだ酔ったわけでもないだろうに、甘く熱い息を口の端から漏れさせて。

↓[1/2]
(-428) gt 2022/08/20(Sat) 19:20:56

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → ショウダウン ヴィオレッタ



「もういいかなって」

答えにはならない、それが答えだった。
(-429) gt 2022/08/20(Sat) 19:21:29

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「……妹を思い出してしまって」

疲れを覆い隠して笑む姿が。
口説き文句には到底ならない言葉だ。
ともすれば、自信なさげなこの青年の方が年下に見えそうなものだし。

「だから、かもしれません」

不思議といつもより言葉が多くなるのは。
ホットミルクを飲む姿の方が、この人には似合っている気がして安心した。
断りの言葉にはこちらも少し申し訳無さそうな顔を見せて『すみません』と返しただろう。

「お仕事、あまり無理はなさらないでください」

上手い言い方なんて思いつかなくて、だからそれだけ。
帽子は膝に置き直してフォークを左手に取り、
一口分の大きさにタルトを切り崩してから口に運んだ。
薄く、表情に明るい色が乗る。
(-432) dome 2022/08/20(Sat) 19:24:46

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 小夜啼鳥 ビアンカ

>> ビアンカ

その部分で、二人は似た者同士だった。
マフィアなんて嫌いで、でもそこに依ってしか生きられない女。

ただ、ソルジャーの女ヴィオレッタそこファミリーに居る人々は嫌いじゃなかった。
――好きだった。

皆に甘い男サルヴァトーレさんも、根は真面目な花屋ソニーさんも、
大人しい少女ルチアさんと、その保護者アベラルドさんも、頼りになる先輩マキアート先輩も、実は可愛い女性ボスけなげな少年ヴェルデさんも、
もちろん、美しい花あなたも、だ。

だから律義な女があなたの口癖を
口にすることは、滅多になかった。
あなたが酔い潰れるか、席を外したその背中に、だけ。

朱いヒールの散歩と零れた感想にはに頬を緩めた。
感想が嬉しくて、あなたの指遊びそれ可愛らしくて好きで

[1/2]
(-453) 968. 2022/08/20(Sat) 20:55:11

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 小夜啼鳥 ビアンカ

小気味よい音を立てて卵をかき混ぜていた手が、止まる。

「……そう、ですか」

それだけ返して、再び手を動かし始める。
この稼業をしていれば別れは多い。ともすれば出会いよりも。
名前しか知らない誰かが
死亡・失踪・自殺いなくなった、なんて日常茶飯事だ。

幸いにも、というべきか。
女が親しいと感じたもので少なかっただけ。



溶いた卵をフライパンに落とす。

ジュウ

大きな音が響く。

……寂しいです


そんな呟きのような本音は、掻き消えてしまったかもしれない。

[2/2]
(-455) 968. 2022/08/20(Sat) 20:56:59