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人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   ウユニを受け入れるためには
   彼女のことを知る覚悟がいる。

   肉親との決別をもたらした病のことも
   その症状や、病の行く末も
   今の自分はあまりに知らなすぎる。


(-21) 西 2022/08/10(Wed) 21:52:05

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   その憂いに応えるかのように
   ウユニの声に決意が帯びていく。

   味方であって欲しいと。
   あの日彼女の肉親に感じた小さな憤りを
   まるで同じことを願うかのように。


   一度彼女から目を離し、背を向け
   花々の様子を伺っていたサルコシパラが
   もう一度導かれるように振り向くと

   
(-22) 西 2022/08/10(Wed) 21:54:26

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   衣服の擦れる音
   純白の肌に囲まれて


         ─── 一輪の花が咲いた。



(-23) 西 2022/08/10(Wed) 21:56:53

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   サルコシパラは驚きを隠せずに
   思わず息を飲んでしまう。


      「それが……あなたの……?」


   あと数年しか生きられない身体だとか
   癌に侵されているだとか

   思いつく限りの最悪な想定の外側で
   彼女の秘密が明かされていく。


(-25) 西 2022/08/10(Wed) 21:58:20

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   命の終わりは美しい。
   その一瞬の輝きに全てが詰まっている。

         今掴み取ってしまった未来も同じ
         この一瞬が、全てなのだ。*



(-26) 西 2022/08/10(Wed) 22:01:28

【人】 ウユニ

   

   私はひどい提案をしたと思う。
   
貴方を利用します、
と言っているようなもの。

   勿論利用されるのは構わなかったし
   例えば家事とか、私にできることを頼まれるのなら
   こなすつもりでいたし、たとえ頼まれなくとも、
   何かの形で貴方へ恩を返すつもりでいたの。


 
(73) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:05:38

【人】 ウユニ



   人は自分の理解を超えた出来事に弱い。
   人であり花になりかけている私を見て
   どうしても理解ができなかったのだろうし

   
―――――感染るかもしれないと。

   
   そんな恐怖があったのだとしたら
   家族を責めることも躊躇ってしまう。>>69


   それでも味方でいて欲しい、なんて
   私のわがままでしか、なかったのよ。
   そうして諦めなければ苦しくて仕方なかった。


 
(74) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:06:44

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   独りなんて、嫌だった。
   でも、信じていた人たちに裏切られたり、
   傷つくのも嫌だった。

   
だから諦めて、独りを選ぼうと思っていたのに。


  
(-27) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:07:36

【人】 ウユニ



   あの時選び取ってしまった理由の一つはきっと
   心のどこかでは諦めきれなかったから。

  
  
(75) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:09:13

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



    「ありがとう。
     次に住む場所を見つけるまで……。

     よろしくお願いします、ね?」

 
(-28) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:09:53

【人】 ウユニ



   淡く微笑み返して、>>71
   叶うなら、握手をしようと手を差し出したの。**

 
(76) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:10:22

【人】 ウユニ



   数年たっても秘密を守っていたのは
   そう、最後の線引きのつもりだった。

   花咲病のことは、
   これだけは、知られてはいけない。
   知ってしまえば、病を背負わせること、
   私の心に踏み込ませることと同じだと思うから。

   彼のためだから、そうやって言い訳して
   ずっと言わなかった。


 
(77) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:10:54

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   背を向けていた彼がこちらを振り返って。
   驚かれるのは当たり前だと、思っていたから
   私は貴方の反応を見ても顔色は変えず。
   

    「花咲病。身体に花が咲く、病です。」
   

   
いつか死ぬ病……とは言わなかった。

   治療法について聞かれたなら、
   探している途中だと、
をついたでしょう。


 
(-29) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:12:16

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   肝心なことはまだ言わず、それでも
   私にとって、この病を明かすこと自体は
   かなり勇気のいることだったから。
   ふ、と目を伏せて。
   はだけた服を戻しながら、


    「気味が悪いとか、怖いとか。
     貴方も、そう思いますか……?」



   か細い声で、聞いてしまうの。
   貴方なら違う、と思っていたから
   話したのに、それでも信じ切れないのは、
   家族につけられた
が深いから。

 
(-30) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:13:05

【秘】 ウユニ → サルコシパラ

   
   
    「こんな女を住まわせていると知れたら。
     貴方も困ったことになるかもしれない。
     もし、家族だと呼ぶのなら、なおさら。

     それでも、
貴方は……。」


 
(-31) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:13:45

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   その先を口にすることはできなかった。
   家族のように寄り添って欲しい、なんて願う資格は
   私にはないのだから。

   いつか死んで、貴方の元を離れる私は
   貴方に寄り添うことなんて、できなくて。
   だから、私にとって貴方は家族ではなく友人。


   それでも一方的に寄り添って欲しいなんて
   わがままにもほどがあるから。

     
 ―――――望んでは、いけないの。*


 
(-33) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:14:23

【独】 ウユニ

/*
アンネロズとキャラ被りしてそう(というかしてる)というのが今の悩みですね……演技幅狭い……()
(-32) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:17:12

【人】 ウユニ


  ***


   私は、弟妹の世話をしていたこともあって
   家事は一通り、できるつもり。
   掃除は特に、出来るだけ積極的にしていたの。
   何故かって?

   見たことのない花弁が
   いつも床に落ちていたら不自然でしょう?


   だから花咲病の痕跡を残さないように、と
   出来る限り、私が使う部屋、
   出入りする部屋は綺麗にしていた。
   彼が触れて欲しくない物には触れないように
   入ってもいい場所、触ってもいいものは
   事前に確認していたから。
   彼の気を悪くするようなことはしなかった…
   そのはずだけれど、どうだったのかしらね。


   秘密を明かした後も、習慣づいてしまったものを
   変えられなかった、というのはまた別の話。

 
(78) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:48:45

【人】 ウユニ

   
 
   普段はそうやって家事をするだけではなくて。
   街に出て、布を買ってきては
   服や帽子を作って、
   店に持ち込んで買い取ってもらう。
   私はそんな風に生活にかかるお金を賄って。

   住まわせてもらっている対価のつもりで
   貴方へと稼ぎを渡そうとしていたけれど…
   受け取ってもらえなかったのなら、
   家のどこかに纏めて置いたままにしていたでしょう。


 
(79) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:50:28

【人】 ウユニ



   裁縫が得意だとは彼にも伝えていたから。
   彼の服のボタンが取れていたり
   ほつれていたりするのを見つけたときは


    「それ、直しますよ?
     そのままだと着づらいでしょう?」


   と言って、服を直そうとしたこともあった。
   また、ある日には。

 
(80) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:50:58

【人】 ウユニ



    「売り物にするには作りが甘くて。
     もしよければ、貴方に貰って欲しいんです。」


   と、もっともらしい理由をつけて
   貴方にひざ掛けを作って渡そうとしたこともあった。
   竜胆の刺繍飾りがついた、
   充分売り物になりそうな、ひざ掛け。

 
(81) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:51:29

【秘】 ウユニ → サルコシパラ

   

    心に寄り添うあたたかなものを、と。
    ひざ掛けを選んだ理由は無意識だった。

 
(-34) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:52:16

【人】 ウユニ



   住まう場所を提供してくれる彼に
   何かを返したい、そんな思いを形にした贈り物。


    「使わないのなら、私が使いますし
     無理に、とはもちろん言いませんから。」

  
   押し付けるのは本意ではなかったから。
   そう付け加えて、差し出したそれは
   受け取ってもらえたんだったかしら…?*   

 
(82) alice0327 2022/08/11(Thu) 0:55:05

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「花咲病…………」


   知らないと言わんばかりに
   サルコシパラは彼女の告げた病を復唱する。

   聞けば治療法は今も探している途中で
   この先どうなるかも分からないようだった。

   彼女が恐れているのであろう拒絶よりも
   サルコシパラが思ってしまうのは強い不安。
   病気などという不透明なもののせいで
   家族
を失うかもしれないのだから。


(-35) 西 2022/08/11(Thu) 8:10:00

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「思いませんよ。

      私は普通ではありませんので。」


(-36) 西 2022/08/11(Thu) 8:10:42

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   サルコシパラは不安を胸に抱えながらも
   怯えたようなウユニに向かって
   正直に自身の思いを告げてみせる。

   W普通Wの反応をよく知っているウユニは
   W普通Wの答えを強く恐れている。

   サルコシパラにはそんな様に思えてならず
   強い否定の気持ちが募っていく。

   サルコシパラは気づけば
   ウユニの手を取り、強く握りしめていた。


(-37) 西 2022/08/11(Thu) 8:11:10

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   彼女が勇気を持って飛び越えた一線。
   その一線はサルコシパラの強い感情を
   理性の檻から解き放つことにもなる。

   ウユニが自身と家族でありたいと
   そう思ってくれてるのだと考えれば
   これ以上の幸福などありはしない。

   サルコシパラにとってそれは願いであり
   望んだ未来の形そのもの。



(-38) 西 2022/08/11(Thu) 8:11:41

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「ウユニさん。

      どうか、此処にいてください。
      私にはあなたが必要なんです。」


(-39) 西 2022/08/11(Thu) 8:13:00

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   途切れた言葉のその先をなぞるように
   サルコシパラは真っ直ぐにウユニの瞳を覗く。

   いてもいい、のではなく
   いてほしい、のだと。

   その言葉の違いはウユニにしか伝わらない。
   ウユニの想いの全てを知らないままの人間は
   身勝手に、貪欲に、彼女を受け入れる。

   それがサルコシパラの答えなのだ。


(-40) 西 2022/08/11(Thu) 8:13:44

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   結局はわがままと一緒だ。

   彼女がこちら側に歩み寄ってくれたから
   サルコシパラも一線を超えることに
   もう耐えられなくなってしまったのだから。**



(-41) 西 2022/08/11(Thu) 8:14:12