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人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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【秘】   天狗 → 書生 茅

[常ならば、天狗の妖力は毒として人を染め上げ変えていくだけのものだ
結果として異形となることはあれど、元が人である以上「妖力は使えない」

だが、本当に極稀に、人に妖力が「移る」ことがある、それは

その「ヒト」が、心から天狗を、そのすべてを受け入れた時]
(-31) sammy 2021/06/23(Wed) 1:19:17

【人】   天狗

[天狗は、この時初めて「恐れた」のだ
天狗の妖力の暴走、心が闇に囚われたまま飲み込まれてしまえば
心を無くしただ荒れるだけの鬼となる
物の怪よりも質の悪い魔性、そんなものに、小僧を変えるわけにはいかないと]

 
落ち着けぇ、小僧!!


[声を上げ小僧の顔をあげさせ唇を合わせ軽く吸う
小僧が、それを喜んでいたと、欲しがる様を思い出して
そうして、体を引き寄せ、強く、強く抱きしめる]

 お前の居場所はここじゃ!
 お前はワシの嫁じゃ、そうじゃろう?

 ここに居れ、何処にもいくな、
小僧!


[呼びかける、生まれてこの方、初めて
愛しい
と思った者に
届かないなら、何度でも**]
(36) sammy 2021/06/23(Wed) 1:21:34
  天狗は、メモを貼った。
(a3) sammy 2021/06/23(Wed) 1:24:42

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 腕の中の若者の母親は──恐れを知らず強情な娘だった。
 望まぬ許嫁と結ばれる未来を憂い、
 その輿入れにより益を与える家のことも嫌悪していた。

 鬼に懐く程、村に居場所を見つけられなかったのだろう。
 いつしか己に会いに来ることも山に踏み入る目的となってしまい
 何度もこうやって抱え、探しに来た家の者に引き渡したものだ。 ]
(37) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:49:14

【赤】 鬼 紅鉄坊



「でもわたし、どれだけ辛くてもいいの。自由になりたい
  何の苦しみもない世界には、喜びだって存在しないでしょう?」

[ さとは見目も仕草も淑やかな令嬢であったが、
 どこか飄々とした部分があり、その奥に苦しみを抱えていた。

 だが、いつかそう言った時の姿は
 村の外、国すら越えた遥かな世界を夢見ていた彼女は
 ただただ眩しく、強い生き物と映った。
 ──鬼には見ることが出来ない夢だったから、なのかもしれないが。

 それでも、その夢を掲げるのが田舎育ちの若い娘では
 空想家で現実が見えていないと人間は思うだろう。

 そこを支え、さとの知らぬ世界へ手を引いてくれる筈の男は
 鬼が手引きし駆け落ちの手助けをする予定だった恋人らの片割れは
 あの花が咲く頃に迎えに来ると約束し、結局帰っては来なかった。 ]
(*0) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:49:32

【赤】 鬼 紅鉄坊



[ 鬼は二十年近く村人に嘘をつかれていた。

 再び子が山に通い詰め人外と心を通わすことを避けたかったのか、
 はたまた、本当に鬼の子である可能性も見ていたのか。

 訪ねて来なくなったさとを心配し、どうしているのか聞いた時
 さとはあの約束の男──異人の商人の子を孕み、
 結局はどちらも助からなかったのだと、教えられた。

 真実を知ったのは数年前、輿入れの季節。
 想い人がいたらしい花嫁が、
 私ではなく「鬼の子」が選ばれれば良かったのにと泣き出した時。

 花嫁の様子とその普通ではない呼び名が気に掛かり、
 一体誰のことなのか問い詰めれば、
 鬼を恐れる村人は正直に答えるしかなかった。 ]
(*1) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:49:48

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 抱けぬ筈だったあの娘の子供の重みを感じていると、
 やはり鬼などの元に置いてはおけないと強く感じた。

 ──母親が叶えられなかった夢を、継がせてやろう。 ]
(38) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:50:04

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 暴れも嫌がりもせず、大人しく抱えられているのは>>1:139
 この行いが正しいからこそであると、鬼は思っていた。
 繰り返す言葉が何をその胸に与えているのか、気づくことはなく。

 知らぬ過去があれば、その想起は読めまい
 過去を見ていれば、側にいる者の心は分かるまい。

 互いに互いを分かっていたつもりになっていた鬼と鬼子、
 今この時はそこに通い合うものは、失われている。 ]
(39) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:50:18

【人】 鬼 紅鉄坊



さあ……着いたぞ
ほら、此処から先は山の外だ。初めて見たのではないか?

[ どれ程歩いたのか、廃寺のある辺りからは反対側。
 優しく下ろしてやり、口を開く。
 途切れた木々の並びの先に見える開けた世界は、光に溢れていた。 ]

私も実際に見たわけではないのだが、
真っ直ぐに歩いて行けば、半日程で村に着くらしい
山と比べてずっと歩きやすい、思うよりはきっと辛くないさ

そこはお前のことを知らない者達の住む場所だ
誰にも虐げられないところから、新しく始められる

本当はもっと、時間を掛けるつもりだったのだが
……否、きっとこれでいいのだろうな。こうなる定めだったのだ

[ 千太郎と暮らし始めてから鬼は少しは饒舌になった。
 それでもここまで口を挟ませずに一方的に語ることは無かった、
 無論、意図的なものだ。 ]
(40) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:50:34

【人】 鬼 紅鉄坊



心配するな。千太郎は賢いし、怠け者ではない
髪は戻してやれなかったが……もう身体もあの頃とは違う
少しばかり口に気をつければ、働き先は見つけられるさ

お前の母親は、村から出て自由になることが夢だった
彼女の……さとの叶えられなかった夢を、果たしてくれ

[ 寺の外に千太郎を置き、勝手に包んで来た荷
 持ち込んだ品と共にあの書物も入れておいた。
 例え嫌がられても強引にでもしっかり抱えさせ、両肩に触れる。

 常のように加減した力は容易に緩み簡単に離れ、鬼は背を向ける。 ]
(41) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:50:50

【人】 鬼 紅鉄坊




既にあの寺はお前の家ではない
再び山に入れば、私の同胞に殺されると思え

[ 低い声を更に低くし、はっきり聞こえるよう脅しを掛ける。
 望んでいるのは役目を与えた者に求められること
 ならば、ただ死にたいわけではない筈だ。 ]

お前との日々は、とても幸せなものだった
人間たちと共に暮らし、同じ気持ちを感じてほしい

[ 何を見ても何が聞こえても振り返ることなく、
 本来の歩幅と歩調で慣れた山の中に消えて行った。 ]*
(42) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:51:10

【人】 鬼の子 千



[鬼子にはとても恐ろしかった。

交わされているようで突き放されている会話が、
見る見る内に慣れた道を過ぎて、知らぬ場所へ運ばれていくことが
鬼が自分を見ていない事実が。

行動を起こせる時間は充分あったというのに、決定的な瞬間まで何も出来なかった。]
(43) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:51:46

【人】 鬼の子 千



 だから何で、

[こんなところまで来たのか、と
少し踏み出せばそこにある外の世界にも目もくれず、問い詰めようとしたのだが。

次々と語られると挟むことが出来なく、それ以前にあまりの内容に声も失い固まってしまって
その間にされるがままに荷を抱え直されることとなり、肩に大きな掌を置いた鬼を呆然と見上げた。

喉が乾いた音を鳴らす、離された肩が震えた。
用意されたこれからの為に大切な内容も真摯な励ましの言葉も、賢いと称された頭には少しも入らない。]
(44) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:52:00

【人】 鬼の子 千



[ただ、穏やかな鬼に向けられたことのない声は耳に留まる。

それはまさしく決別の証。
静かで低く紡がれた言葉が、怒鳴られるより鋭い棘になる。]

 何で、どうして……
 待って、待ってくれよ……

[明滅する光の幻に視界を奪われる
自分の物ではないように遠のく手足の感覚。

その中で必死に伸ばした手は届くことなく鬼は踵を返し、大きな背は直ぐに見えなくなった。
嗚呼、今まで随分気を遣って横を歩いてくれていたのだ。現実逃避の思考が過る。]
(45) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:52:13

【人】 鬼の子 千

[暫くの間、足は石のように動かなかった。*]
(46) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:52:24

【人】 鬼の子 千



  ─ 少し後/帰り路を求めて ─



[朧な足取りで、鬼子は歩き始める。

望まれた光のある世界ではなく、閉じた山の中へと。]
(47) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:52:36

【人】 鬼の子 千



[人間の人生の二つ分よりずっと多く、鬼は山で生きている。
きっと隅々までよく知っていて、遮る枝も草もあの身体が簡単に退けてしまう。

今から追いつくことは不可能だろう。
それでもいい、寺にさえ帰れたのなら同じことだ。

喰らうことを拒まれるのもまた同じこと。
求めてもらえたというのは勘違いで、どれだけ過ごしてもその気にはなってもらえなく、ついには役目を果たさないまま別れを告げられた。

再び連れて行かれることになるのかもしれない。それでも──]
(48) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:52:49

【秘】 鬼の子 千 → 鬼 紅鉄坊



[もう一度会いたい。

何かを堪えるように唇を噛み、単純な想いに突き動かされる男の姿は

   最早鬼子などではなく
  
            ただの人間であった。]
(-32) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:53:18

【人】 鬼の子 千



[日の出と共に目覚め、日暮れと共に眠るのが人間というもの。
鬼に許されていた範囲ですら夜には出歩かなかったのだ。

初めてやって来た廃寺から離れた場所は、夏の日差しを頼りにしても同じような風景が続いているようで分かり難い。
気づけば昼間とは表情を一変させた宵闇の中に独り彷徨っている。

重なる睡眠不足を抱えていた身体は、疲れ果て不安定な軸で歩みがぶれている。
それでも立ち止まらなかった。あの大きな身体と紅い目を、ひたすらに求めていた。

だから側の茂みから音が近付いてきた時、期待を持って呼んでしまった。]
(49) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:53:39

【人】 鬼の子 千




 紅鉄様……?

[だが、現れた姿は彼ではない。
鬼はおろか自分よりも背が低くより濃い異形を持った何かは、毎年花嫁を求めている妖怪の内の一体なのは確かだ。

あの鬼が絶対に会わせなかった仲間、いつでも側にいたのにもしもの時について話した理由。
目を見開き後退り、すぐに逃げ出す。

老人にも赤子にも思える不鮮明な笑い声が、背後から聴こえる。]
(50) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:53:58

【人】 鬼の子 千

[早く寺に、早くあの男の元に────

視界もまともに確保出来ない夜の山、地を蹴り駆ける。
追いかける音が一体分ではないことに、すぐに気づいた。
ただの人間にも、この山の夜の異様な雰囲気が今は分かる。

戻らせない為の脅しも、確かに自分を想っての言葉ではあったのだ。]


あっ、……!

[廃寺はおろか、門すらも見えない内に声が上がった。
太い根に躓き、呆気なく逃走劇は終わる。

手から離れ解けた包みより零れた何かが、地に伏せた頭の近くに落ちた。
それは持ち込んだ薬より大きく、替えの着物より小さい。

あの時花を挟んだ、いつか鬼と開く筈の。]
(51) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:54:18

【人】 鬼の子 千

[本当に捨てられたのだと、そう思った瞬間。

身体に力が入らなくなった。
これから起きる全てがどうでもよくなってしまった。*]
(52) ガラテア 2021/06/23(Wed) 1:54:35

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 仕方なかった。生きる世界が違った。
 最初から理解し目的を定めていた筈なのに、
 脳裏に何度も言い訳のような──自分を慰めるような言葉が浮かぶ。

 これ以上共に在れば、いつか喰い殺していたかもしれない。
 この選択が間違っているわけがない。

 今日からまた独りになる廃寺、不要になる品をどうするか考えねば
 しかし何故か帰る気にはなれなくて、
 大木を背に座り込み、色を変えていく空を見上げていた。 ]
(53) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:55:08

【赤】 鬼 紅鉄坊

[ そういえば、最後にさとに問われた時
 何も返すことが出来なかった────

 遠い記憶が蘇るのは、再びの別れがやって来たからか。 ]
(*2) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:55:21

【人】 鬼 紅鉄坊


[ さとによく似た形の目が、
 呆然とこちらを見上げていたことを思い出す。>>44

 そこまで喰われたかったのか、
 生きたくはないのかと思うと心苦しい。

 共に過ごした時間、幸せだったのは自分だけだったのだろう。
 ならば新しい村で、今度こそ幸せを見つけてくれたらいい。 ]
(54) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:55:52

【人】 鬼 紅鉄坊



なんだ……?

[ 風もないのに森がざわめく。
 同胞たちの気配の幾つかが、同じ場所に集まっている。

 昼間の熱が半端に冷めたような、生暖かい空気の中
 鬼は来た道を戻るように、気配の元を辿っていく。

 本当は暫く独りになりたかったのだが、
 どうしてかとても気になってしまった。 ]
(55) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:56:11

【人】 鬼 紅鉄坊

[ どこぞの娘が一人で山に入り込み、
 奥まで行ってしまった時も確か────

 はっと目を見開いた鬼は歩みを早め、やがて走り出した。 ]
(56) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:56:22

【人】 鬼 紅鉄坊




「捨テタ!捨テタ!紅鉄坊ガ花嫁ヲ捨テタ!」


   「喰ッテモイインダナ!」

            「男ハ美味クナイケドナ」


  「人間ハ中々喰エナイ、ワシハ男ノ肉デモイイゾォ」


[ 興奮した様子の妖怪らは──より異形を持った鬼たちは
 喚くように叫ぶように同胞と言葉を交わし合う。

 一番先に会った一体が、転んだ獲物の上に伸し掛かるように乗り
 手に比べ長細い指の先の鋭い爪を、その首に向けて振り上げ── ]
(57) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:56:43

【人】 鬼 紅鉄坊

やめろ!

[ 近付いてきた草を掻き分ける音の正体が、鬼がそれを掴み上げ近くの木に叩きつけたことで阻まれた。]

違う、違う!私は千太郎を捨ててなどいない!
帰れ、お前たちにこの子を喰らう権利はない!
──聞こえないのか、散れ!

私はお前たちを叩き潰す為にあの方に口添えしてもよいのだぞ!

[ 口々に上がる不満の声。繰り返される「捨てた」
 同胞と千太郎の間に立ち塞がりながら、声を荒げ怒り言い争う。

 両者にある隔たり、どちらも互いの言葉を真実と認識している。
 その中で同胞が引くことになったのは、
 実質的な山の主を引き合いに出したが為に。 ]
(58) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:57:02

【人】 鬼 紅鉄坊


何故だ、何故帰ってきてしまったのだ……
私はあれ程言ったではないか

[ 漸く静かになった闇の中。

 膝をつき抱き起こしながら、鬼は嘆く声を上げる。
 夜目の効く紅色が見下ろした顔は、どんな表情をしていたか。 ]**
(59) ガラシア 2021/06/23(Wed) 1:57:17

【赤】 鬼の子 千


 ─ 鬼子が生まれるまで ─


[鬼子には産まれた時から親がいなかった。母は出産に耐え切れず、父はその腹が膨らむ前に外套と首巻きだけを縁に残して消えたらしい。
その異人は家が決めた許嫁がいた妹を誑かしたのだと、忌々しげに伯父が吐き捨てた。

鬼子の家族は伯父と祖母しかいない。
伯父の妻子はお前の家族ではないと、だから近寄るなと教えられたからだ。

綺麗な着物を着て温かく充分な食事を取り、不釣り合いな程教育を受けられたのは、かつて幕府の膝下で呉服問屋を営んでいた裕福な家に生まれたからでしかない。
もし貧しくあれば、真っ先に捨てられたことだろう。]
(*3) ガラテア 2021/06/23(Wed) 2:01:30