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人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「ん、手っ取り早いのはそれかも。御爺」
荷物を受け取ったのは、白い手袋越しに皺のある大きな手。
運転手は空の助手席へとそれを置き、再び器用に運転を始める。

「だって……数分だけど、家族以外に誰か車乗ってるの、初めてだし……
 家に人呼ぶのも、やったことなくて……」
「全部家族は喜んでたから、良いことだとは思うんだけど。
 創がオレの家に来るの、なんか落ち着かない……」

流れる景色が遅くなっていき、閑静な住宅地へと入り込み。
周りと比べて異質なほどに大きな門の前で、
走っていた車は一度ぴたりと停まり、後部座席のドアが開く。

「……こっち。降りて家入ったら一階左、一番奥。
 二階はたぶん御袋とか居るから、気にしないで」
(-385) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 6:54:34

【人】 鏡沼 創

>>+48 守屋先輩
「……そうですねぇ。
 今回は流石に、無茶って言われてもしゃあねぇですね」

苦笑が漏れる。
鼻血を出しただとか、薬を飲んだだとかの情報が無くとも
二人とも保健室の住人になっている時点で、弁明が出来ない。

「だって、見つけてもらえねぇのってキツいじゃねぇですか。
 お礼してもらう程の事じゃねぇですよ」

口調も軽くそう言うが、あなたにとっては重いものに
なってしまうだろうか。
けれど結局、今回鏡沼が動いた理由は其処へ集約されるのだ。

「して欲しい事なんて、急に言われても思い付かねぇですし。
 あんな無茶二度としねぇってんなら、それで構わねぇです」
(75) RIN 2021/11/04(Thu) 7:00:11

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「落ち着かねぇってのは、嫌だからとかじゃねぇです?」

少し意地悪な問い掛けをしてしまったかもしれない、と
口に出してから思う。
自分と違って真っ直ぐな存在が、そんな事思う筈もないのに。

止まった車から降り、「大きい家でやがりますねぇ」と
シンプルな感想を漏らした。
豪邸だろうというのは、今までのやり取りで予想出来てた
ので、驚きはあまりない。
事前情報が無かったら、流石の鏡沼も動揺していただろうが。

「はい、お邪魔しちまいますねっと」

あなたに続き、部屋へと向かう。
一体どんな部屋なのだろう、と想像しつつ。
(-386) RIN 2021/11/04(Thu) 7:07:02

【妖】 鏡沼 創

/* 一つ弁明させてもらうなら、地獄に進んで関わっている訳ではなく
  鏡沼の関わる先が片っ端から地獄と化しているだけなんです
  透くんとの関係も、別に吊られるってなったから急に生やした訳ではないんです
  実は、初日の持ち物検査から繋がってますホントダヨ
($7) RIN 2021/11/04(Thu) 7:12:09

【妖】 鏡沼 創

/* ちゃんと纏めたら、初っ端はイマジナリー鏡沼でしたね
  本日の本体時系列です
  授業出てないけど、
君何しに学校来てんの?


守屋先輩との繋がりを追う
(結果として、イマジナリー鏡沼が放送室に発生する)
→放送室へ。イマジナリー鏡沼とタッチ交代
→異能解放。守屋ちゃんにのみ認識出来る状態に。
(イマジナリー鏡沼が全員消える)
→守屋ちゃん・朝日くん両名と共に、白へ飲み込まれる
→朝日くんにも認識出来る様になったり、朝日くんにしか認識出来なくなったり
→三限終了と同時に、白から脱出。(ここまで放送室)
(イマジナリー鏡沼復活。同時に、朝日くんに鏡沼が認識されなくなる)
→保健室へ。あちこちとメッセージやり取り
→守屋ちゃんや普川くんとのやり取り(ここまで保健室)
→普川くんに呼び出されて事情聴取
→透くんと車に乗る
($8) RIN 2021/11/04(Thu) 7:17:46

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「嫌じゃ、ない。そういうんじゃなくて、なんか……
 この前みたいに、ぴりぴりする。すげー変な感じ。
 色々気にしすぎてる、とかなのかな……」

広い庭は手広く整えられ、一角には丁寧に並べられた盆栽。
西洋風の住宅は正しく豪邸で、『金持ちの家』そのもののようでもある。入れば内装もそれに見合った二階建て。
青年はそれらには目もくれず、階段ではなく一階の奥へと貴方を案内することだろう。

「……オレの部屋、誰も見たことないからさ」

ぽつりと呟き、辿り着いた部屋の扉を開けば。

……その先には、学生の自室としてはかなり殺風景、
生活の上で最低限の家具以外、大凡殆ど何もない大きな一室が在る。
白い床、同色の豪奢なベッドやテーブルに椅子と棚、空色の壁紙と天井。
あるのは本当に、その程度だけの部屋。
(-387) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 7:27:07

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「────……それは」

答え掛けて、言葉を切る。
今なら、その想いを摘む事も花開かせる事も自在だろう。
あなたは素直過ぎるから。染まり易い純白だから。
けれど自分は、無理に染めたいとは思わなかった。
在るがままに任せるのが一番だろう、というのもあったし
何より、自分自身が“透明”だったから。

「その内、自然とわかるんじゃねぇですかね?」

だから。
あなたの部屋に足を踏み入れて、目を瞠ったのだ。

「……此処、静の部屋なんです?
 てっきり、ぬいぐるみが沢山あったりしやがるのかなとか
 思っちまってました。水族館を作る、とも言ってましたし」

こんなに空っぽなのは、予想外で。
(-389) RIN 2021/11/04(Thu) 7:43:44

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「……、……」

ふ、と瞼を僅かに伏せ、向かい並んだ椅子の片方に腰掛ける。

「そう。ここだよ、オレの部屋。
 そういうのは物置の方に飾ってる。近くに置きたくなくてな」
白と青ばかりの部屋に青年は溶け込んでいて、
そうでないものは足元へ置いた鞄と、招かれた貴方自身ぐらいのもので。

「……あまり、物全般に興味向かねーんだ。
 水族館は作りたいし、売ってるものとか全部集めたいけど、
 それはオレが一緒に泳ぎたいからで、魚が好きなだけだし」
「家族は色々装飾品とか買ってたけど、全部断った。
 あってもどうせ、オレは水の中にばかり居るから」
(-390) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 7:57:34

【人】 鏡沼 創

>>+49 守屋先輩
「確かに、異能なんて手に負えるモンじゃねぇでしょうね。
 なんかよくわかんねぇ変な薬に手ェ出しての事なら
 猶更でやがるでしょうよ」

何を今更と言わんばかりの軽さなのは、鏡沼の異能が
生まれてこの方、手に負えた試しなんて無いからだ。

「……ま、でも、自分の手には負えなくても
 何とかしようとしたり、出来たりする奴が居やがる事が
 あるんですよねぇ。
 しかも、自分以上に諦めが悪かったりしやがるんですから」

不思議なもんですよねぇ、と笑う。
(76) RIN 2021/11/04(Thu) 7:59:12

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「……成程。     
世 界

 じゃあ僕は、静と同じ水の中に初めて入れてもらえた存在って
 事になりやがるんですかね?」

近くに何も置きたくないと言うあなたが、自分の事は
招き入れたいと願ってくれたのだろうかと。
光栄だという想いと、騙してる様な罪悪感が綯い交ぜになる。
(-391) RIN 2021/11/04(Thu) 8:07:25

【秘】 朝日元親 → 鏡沼 創

スマートフォンが手の中で震える。
その瞬間だけ、何処に居るか分からない鏡沼が、確かに何処かには居るのだと確信できる。

『どうも』
『いいのに、別に』

悪い気はしないけど。

『逆、かな』
『ここぞと言う時に異能が使えないと困るんだよね』
『守屋先輩の事とかもそうだし』
『ああいう時だけは、この異能に感謝できるから』

『そりゃ良かった』
『僕もこの歳で前科者にはなりたくない』

勢喜のことは殺してやるくらい思った事もあったけだ。
それは打ち込まない。

『うん、そうだね』
『また何時でも連絡して』
『僕、1回寝るよ。流石にキツい』
(-392) oO832mk 2021/11/04(Thu) 8:12:33

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「……。うん、創は部屋に居ても、やな感じしない。
 なんでか、わかんないけど……
 一緒に飯食べたり、寝たりとかするの、平気だと思った」
「仲良し、そういうことするもの、合ってる……?
 そういう話、ちょっとだけ他の人のを聞いた」

足と腕をそわそわ、ぱたぱた揺らしつつ、
何処ぞで耳にしたのか言葉を続ける。

「好き、恋、人はたくさんする。好きがいっぱい居る。
 小学校からたくさん、でもオレはしたことない」
「創みたいに仲良しができたら、
 こんな風に部屋に入れたらいいのか……?
 オレ、何も知らないけど、創は知ってるか……?」
(-393) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 8:23:52

【秘】 鏡沼 創 → 朝日元親

『僕が、言いたかったから言っちまっただけですんで』

『まあ、確かにそうでやがりますね』
『僕が抑制アクセを着けてまで、この七面倒臭い異能を
 垂れ流しにしてる理由も、似たようなもんでやがりますし』
『常に完全に使えねぇってのは、困っちまいますよね』

『僕も、友達を前科者にはさせたくねぇですね』

『はい、ゆっくり休みやがってください』

返信は、其処で一度途切れた。

実は鏡沼は、相手からの連絡以外でメッセージアプリを
使う習慣が無かったりする。
自分から連絡する分には、相手の前に現れた方が早いからだ。
だから、性格に反してスタンプの類もろくに持ってない。
けれどきっと、その内賑やかな文面になっていくのだろう。
(-395) RIN 2021/11/04(Thu) 8:28:34

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「ええ、合ってやがりますよ。
 僕も、静と一緒にご飯食べたり寝たりするの嫌じゃねぇです。
 って言うか、そうじゃなきゃ来ねぇですよ。
 仲良しだから、平気って感じちまうんでしょうね」

そこまで肯定して、話の流れが変わった事に少し言葉を切る。
厄介なのは、流れが変わったという自覚があなたに無い事だ。
友情と恋を同列に語っていると、気付いていない。

「……友達としての好きと、恋の好きは、またちょっと
 違げぇんですよ。同じ好きって言葉なんで、紛らわしくて
 しょうがねぇんですけどね」
「僕は確かに、静よりは色々知っちまってますねぇ。
 そうですねぇ。僕みてぇな仲良しが出来たなら、こうして
 部屋に招いてあげたら喜ぶんじゃねぇでしょうか。
 僕も、招いてもらえてんの嬉しい感じしやがるんで」

自分に出来る範囲で、あなたに理解してもらえそうな
言い回しを探っていく。
あなたの興味が、今は恋にあるのだろうと当たりをつけて。
(-397) RIN 2021/11/04(Thu) 8:44:16

【人】 鏡沼 創

>>+50 守屋先輩
「抗ってみたかった、でやがりますか。
 僕には、そんな勇気すらねぇんで共感は出来ねぇですが。
 ……守屋先輩が、結局何処を目指そうとして、どうなる事を
 望んでやがったか、聞いても構わねぇです?」

「大丈夫でやがりますよ。
 僕は、誰かさんたちみてぇに変なモンは口にしてねぇんで」

顔色がいいとは言い難いが、鏡沼はそう軽口を叩いた。
異能だけでなく、こういう所もあなたとは似ているのかも
知れない。
(77) RIN 2021/11/04(Thu) 8:52:57

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「部屋に入れたら嬉しいのか、そうか……」
「で、あそこも合ってる、うん……。
 ……? んん? 言い方同じなのに違うのか」

丁寧々々に、ただ悪意に触れることの無いよう守られ続けた青年は、純真無垢ないきものといえば言い得て妙で。

「じゃあ、オレとアンタの場合はどっちなんだろ?」
「沢山する恋のうちの一人に、
 オレはアンタを含んでんのかな。んー……?」
「でも絵本じゃ、恋は一人にしかしてなかったから、
 なんか聞いた話と噛み合わないんだよなー……」

至極厄介なことに、青年の聞き齧った知識は中途半端が過ぎていて、
自身がどう思っているのかも、
貴方がどういったひとであるのかも、未だに理解しきれていない。

貴方の言葉を聞き、食事の到着を待ちながらも、
聞いた話と読んだ話の食い違いに首を傾げている。
(-399) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 9:06:05

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「人によって感じ方は色々で、静の場合は違う可能性も
 ありやがるんで、軽い気持ちで聞いて欲しいんですがね?
 友達としての好きは、心が温かくなるような感じで
 恋としての好きは、胸が高鳴るとかドキドキするって
 表現を聞く事が多い感じでやがりますね」

一つ一つ、慎重に言葉を選ぶ。
妙な先入観を与えれば、簡単に染まってしまうだろうから。

「恋の仕方も、人それぞれって感じでやがりますからねぇ。
 沢山の恋をするタイプも、一人の人に夢中になるタイプも
 そりゃ居やがるでしょう」

こんな話をしてたら、親御さんに怒られちまいませんかね?
そんな事を内心呟いた。
(-400) RIN 2021/11/04(Thu) 9:22:13

【秘】 風紀委員 普川 尚久 → 鏡沼 創


「わからん」

思わず頭の悪い本音が漏れた。

「いや何一つわからんという訳ではないですよ。
脳の認識をイジってオンオフにして消えた風に見せかける。
それも可能なクソ物騒に聞こえる異能なのは。

ただ『今は本体』って事は分体の時もあるんでしょ?
あれ一時的に一部の人間の認識だけ書き換えてるって事?
それか、ワープは出来ないってことはー……
本体が来るまでの繋ぎとしてそうしてる感じなんですかね」

ふわふわとした認識しかできていない。
もとい深く考え過ぎると頭がショートしかねない。
自分は既に、もうその手の考え過ぎる異能で手一杯だから。
(-401) poru 2021/11/04(Thu) 9:22:58

【人】 鏡沼 創

>>+51 守屋先輩
その“誰か”が誰だなんて、聞くまでもない。
だから敢えて、其処には触れずに。

「意地張んのは結構でやがりますがね。
 最後、だとか縁起でもねぇ事言うと怒られちまいますよ」

自分の失言には流石に気付いたが、気取られぬよう
いつもの笑みを維持する。

「……この数日、そういう話ばっかでやがるでしょう?
 お馬鹿さんが多くて困っちまいますねってだけですよ」

鏡沼創は、まだ気付いてない。
自分がそれらの騒ぎに、
不自然な程関わってしまっている
事に。
誤魔化しの為とは言え、そう言えてしまう事が異常なのだと。

昨日に引き続き、今日も彼の手元に異能抑制剤は無い。
(78) RIN 2021/11/04(Thu) 9:42:13
鏡沼 創は、四限目以降なら、探せばすぐに見つかるだろう。何せ、何処にでも居るのだから。
(a75) RIN 2021/11/04(Thu) 9:43:51

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「個人差ってやつか? んー……あ、ごめん、急にこんなこと聞いて。
 ちょっと気になってて……
 こいつと接吻しちまった時、好きだなーって思ったから……」
ふと自分の鞄を漁り、取り出したのは――
アノマロカリス
(の玩具)

水に浮かべて遊ぶタイプのようだ。

「創の話聞く感じだと、こいつのことは友達っぽいな」
でもなあ、と微かに呟く。
それより前に何度か感じた貴方への"違和感"は、そうではなく。
貴方の説明に当てはめるのだとしたら、
「……創はこいつとは違う気がする。後者なのかな」
理解しているのかは不明瞭な様子で、ぽつぽつと声を漏らす。

「結局の所、悪い方じゃなさそうだな、この変な感じ。
 だったらいいんだ、安心した……」
(-403) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 9:49:32

【秘】 鏡沼 創 → 風紀委員 普川 尚久

「ええ、大正解でやがりますよ。クッソ物騒な異能です。
 しかも、単純なON・OFFだけじゃなくて“鏡沼創”を
 どう認識させるかも自由でやがるんですよね。
 鯱やらハムスターやらの僕が居ても、おかしかねぇんです」

「仰る通り、今朝みたいに一時凌ぎで使う事もありやがります。
 けどまあ問題は、僕がこのクソ物騒な異能を
半分ほどしか

 
制御出来てねぇ
って事でやがりまして。
 他人の脳に負担掛けねぇ様に、野放しにせざるを得ないんで
 誰かが『居るかも』って思った所に僕が生えやがるんですよ。
 ま、全部の情報は僕にフィードバックされやがるんで
 記憶の齟齬とかはねぇですが」

「で、本題に戻しちまいましょうか。
 このクッソ物騒な異能のせいで、僕のアイデンティティって
 割とガッタガタでやがるんですね。
 それを何とかしてぇなーって思ったのが、守屋先輩で
 やがった訳ですね」

「要するに
この件の発端、元凶の元凶が僕
でやがります」
(-404) RIN 2021/11/04(Thu) 9:59:09

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「接吻」

現代日本では中々聞かない言い回しに、思わず復唱する。

「あー……悪い事じゃねぇとは思うんですがね。
 悪くはねぇんですよ、何も」

額に手をやり、言うべきか言うまいか逡巡した。
けれど、交友歓迎が広がろうとしているあなたを、何も
知らないまま放置すれば、重大な事故が起こりかねない。

「静は、キス……接吻しちまって、そいつの事は友達だって
 思いやがった訳ですよね?
 例えば、接吻すればどっちの“好き”かわかるとして
 静は、僕としたいと思えちまいます?」
(-406) RIN 2021/11/04(Thu) 10:09:52

【秘】 風紀委員 普川 尚久 → 鏡沼 創

口は閉じていた。
開いた口が塞がらない、という慣用句はこう言う時か。
そう妙に自己解説的なナレーションが流れる程には、考えれば考える程、眩暈がしそうな異能だった。

「……上には上がいるもんなんだなぁ、やっぱ」


思わず髪をくしゃりと掴むように抱えて呟きが零れた。
自分の異能も相当、で済むのだろうか。
面倒すぎる類だが、少なくとも制御不能ではない。何より、

「……どっちかというとそれ、」

「全部フィードバックされるのが問題じゃないですか?
脳と記憶の負担がかかるってレベルじゃないでしょ。
よくそれで発狂しないな、と一周回って感心しましたよ」

脳に負担を掛ける、の程度がわからない。
ただ、もしも、これが己の異能で選べたとしたら──
自分も“彼”も、目の前の彼と、同じ選択肢を取るだろう。
だからそれについて、何も言葉にはできなかった。

「まあそらヤンキーの鏡沼と風紀委員の鏡沼がいると、
 アイデンティティって何?ってなりかねませんね。

まあ、守屋女史なら知ったらやりかねないのはわかりますよ。
俺でも今正直同情したレベルです。そらなるでしょうね。

ただ、それでなんで守屋が消える事件になったんです?
元凶の元凶は否定はしませんが、
まあそちらに関しては勝手に一人でやらかす方の問題ですので」
(-408) poru 2021/11/04(Thu) 10:23:48

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「接吻……」「って言うらしい」
ひとつ肯定で頷いた。

「ああ、こいつはそれをしても変な感じしなかったし、
 格好良いなーってあったかくなった」
アノマロカリスを少し弄ると、
玩具らしく仕掛けがあるのかわさわさ動き始めた。かたかた……

「うーん? 創とするの嫌じゃないし、できるならやる……?
 ……んん、でもそういうこと考えると、すごいむずむずする」
「なんだろ、痒いっていうか、ぴりぴり、息苦しいな」

呼吸関係の症状と思っている、のかもしれない。
実際近いような感覚は感じてはいるのだけども。

「これから飯と風呂済ませて寝るって考えるだけでも、
 ちょっとこう、そんな感じするから、
 あんまり考えないように、してた……みたいな……」
「不調とかで、心配掛けたくなかったし……」
(-409) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 10:28:59

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「…………結局考えてるし、聞いちまったけど。
 ……よくわかんないんだ、ほんとに」
ぽつ、ぽつ、付け加えるように呟き続ける。

「オレのこれは変なやつで、そうやって好きにならない方が
 いいって感じなら、もう考えないようにはしてみる」
(-410) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 10:32:29

【秘】 鏡沼 創 → 風紀委員 普川 尚久

「生憎と生まれた時からコレなんで、普通の感覚の方が
 よくわかんねぇんですよね。
 異能抑制剤飲んでる時の、いやに静かで落ち着ける感覚が
 ソレかなーって程度でやがりまして」

鏡沼創が、ある種神がかり的な処理能力を持ってるのは確かだ。
異能の一部なのか、必要だから開花した才なのかは不明だが。

「ヤンキーも風紀委員も生徒会役員も居やがりますねぇ。
 なんで、最低限のアイデンティティは作ってんですが」

常に浮かべられた微笑みも、態とらしい口調もその産物だ。

「コレは、あんま守屋先輩には聞かせらんねぇ話なんですが
 守屋先輩には僕を救いてぇって気持ちがあって、
 僕にはアイデンティティがねぇんですよ。
 つまり『守屋先輩が救える“鏡沼創”』が出来ちまった訳で」

「僕も詳細は聞いてねぇですが、守屋先輩の異能は
 認識阻害系でやがるんですね。
 で、守屋先輩の異能で僕を『誰にも認識できない世界』に
 手加減なしの全力で吹っ飛ばそうとしちまったんですよ。
 誰にも影響されねぇ世界に置いちまえば、僕でも
 アイデンティティが確立出来るんじゃねぇかって理屈で
 やがりますね。二人で其処へ行って、互いの認識も
 ぶった切っちまおうって。
 ま、その前に守屋先輩が一人で飛んじまったんですが」
(-411) RIN 2021/11/04(Thu) 10:49:31

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

それは恋だ、と言ってしまうのは簡単で。
あなたがその言葉を信じてしまっても、鏡沼創は問題無い。
相手の思った自分になってしまえる程、アイデンティティが
薄いのだから。
けれど、だからこそ選択権はあなたにあるべきだ。

「……じゃあ、こうしちまいましょう。
 したいか、したくないかで考えてみやがってください。
 静がしてぇって言うなら、僕はしちまいます。
 したくねぇって言うなら、僕はしません。
 ただ、したくねぇをしてぇに後で変える事は出来ても
 その逆は出来ねぇですから、よく考えやがってくださいね」

実際は、自分の異能で認識を書き換えてしまえば
『無かった事』にも出来てしまうのだけれど、敢えて伏せて。
鏡沼創は、あなたに選択を迫る。

「その感覚自体は、不調でもおかしい訳でもねぇんで。
 そこは安心しやがってくださいね」
(-413) RIN 2021/11/04(Thu) 11:02:55

【人】 鏡沼 創

>>+53 守屋先輩
「えー。『ダメですぅ』って言っちまいてぇんですが。
 説明しちまっても怒りやがりません?
 僕、理不尽にビンタとかされたくねぇんですがねぇ」

態とらしく、酷く軽い調子で述べる。
まるで大した事なんて無かったと言わんばかりに。
空っぽの言葉を並べ立てる。
(79) RIN 2021/11/04(Thu) 11:10:05

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「うん……、よく、考える……」

言ってから大体十秒と少し。
青年が再び言葉を発するのには、そう長い時間は掛からない。

「……し、たい」
もしもの僅かな想像で貴方を思い浮かべて、
「創と、してみたい」
胸の底から滲み出たものは、容易に青年の口を開かせた。
(-415) mrsnsrm 2021/11/04(Thu) 11:13:33

【秘】 風紀委員 普川 尚久 → 鏡沼 創

「途中からの才能開花じゃなくてよかったですね本当に
下手に“普通”をしててからそうじゃなくなるほうが、
余程ヤバい事になってたでしょうから、生まれつきで」

──そもそも耐えられない人間は、もう死んでいるのでは?
鏡沼に適性があったからこそこの異能でも生きてるが、
生まれつきでも精神が強い場合じゃなければ?
……考えれば考える程、深みに嵌りそうでやめた。

「まあへらへらしていまいちよくわからない不躾な奴。
という認識はあるからそれが作ったアイデンティティです?」
しかも増えたと、“救えた”のが。……」

「一つ思ったんですが、アイデンティティがないって事は『本体』って言ってもどの君も結局は全部君なんですよね?逆に言えば、救える鏡沼後輩が生まれたなら、結果的に救った事になったりした──的にはならないんです?」

あー…、と声が漏れた。なるほど、突然薬を飲みだしたのも、突然一人ぶっ飛んだのも。このややこしい異能と動機を聞けばやっと理解ができた。

「一人で飛んでってのが薬の効果で暴走したみたいなあれ?
……とは言えお前ら一旦消えてたじゃないですか。
そこで何とか試せて……ああ、でも朝日後輩もいましたか。

まあなら、3人では“朝日の認識する鏡沼”、が、────」

続きは紡がれなかった。
あの時、片方が言えばわざわざ言う必要がない言葉を“どっちも”が戻ってきた際にかけて来た。つまるところ、それは。
(-416) poru 2021/11/04(Thu) 11:16:13