情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【秘】 どこにも行けない ヴェルデ → 家族愛 サルヴァトーレ「あんたはよくたって、」 見上げた瞳に翳りを見たのは、逆光のせいだろうか。 ……きっと、違うだろう。 翠の目はあなたを見ている。 学はなくとも、そう鈍くもないのだ。 「――アイだってタダじゃない」 頬へ口付けが降り落ちるそのとき。 少年もまた、あなたへ囁いた。 愛してる、などと。そんなことを言うのはあなたぐらいのものだ。 それは本当であるならあんまりにも過ぎたことだし、そんな価値はこれにはない。 だからすこし、眉を下げた。 促されて、「ん」と短く応える。 受け取った焼きたての串焼きへふうと息を吹き、冷ましながら歩き出す。 「少なくともおれは、何か選べるほど上等じゃない」 (-7) beni 2022/08/20(Sat) 21:07:52 |
サルヴァトーレは、家族を愛している。 (c2) rik_kr 2022/08/20(Sat) 21:21:56 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ「あら、私は優しいほうだと思うけど――……?」 笑顔が揃い、並ぶ。 本心をさらけ出したり、心から触れ合ったりしなくても、笑い合うことはできるし、できた。 「私みたいなのに似ないでほしいんだけどね。 はーあ、変なのひろっちゃったなほんと」 大きくのびをするように、そう語る彼女は、母親のようで。 「ふふ、ふ。でしょう? あなたは私を裏切らないし、裏切れない。 そう思っておくから、よろしくね」 あなたに対して遠慮なく笑いかける姿は、恋人のようで。 どの顔がほんとうだったのか、もうわからない。 (-46) gt 2022/08/20(Sat) 21:56:49 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「楽しみだ」 ────約束が叶うことはない。 言葉と共に咲う。心底楽しみだ、と表情で語る。 男のかんばせに、言葉に、いつだって嘘はなかった。彼が君に嘘をつくことはなかった。誤魔化すことも、はぐらかすこともなかった。 男が家族を心から愛していたことを、きっと君は知っている。 幼なじみである君には一等心を傾けていたことを────ただ愛し与えるのではなく、与えられることを楽しんでいたことを────君は知っているだろうか。 男が繰り返し言った、「君の好きなものが好きだよ」という言葉は、きっと本心だった。 「おや。ふふ、気が合うね?」 両肘をテーブルだか膝だかに置いて手を組む。その上に顎を乗せる。少し横柄で、リラックスした仕草と言葉。 笑みを含んだ声音で、口元を緩めたまま。どうやら揶揄う材料を見つけた目つきで、彼は首を傾げた。 「……へえ。色々」 「色々、ね。……ふうん?」 グラスを受け取る際に上目遣いで君を見る。 「ぜひ、拝聴したいな。ドニ?」 (-75) rik_kr 2022/08/20(Sat) 22:57:37 |
【秘】 ザ・フォーホースメン マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「それは……おめでたいことですね。 家庭を持てば人は案外変わるものですし、けれど根っこの方はそのままだったりもするでしょう。家族を想う気持ちとか、今までと一緒ですよ」 親愛の籠った笑い方と、小さな円を見れば自然と顔も綻ぶ。 どうか健やかに育ってほしいものだ、とこの頃の島を憂いつつも明るい気持ちが内から湧いてきて。 「ふふ。ギャンブルも、そのままの腕っぷしも、 そこらの輩に好き放題されるほど鈍ってはいません。 だからこそ、なんでしょうね。 きっとうちの賭場の誰かですよ。乱暴な客を搾るだけ搾り取るための方便にオレみたいなのが最適だっただけ」 「……まあそう、悪い気はしません、が」 腹の前で自らを抱くように腕を組む。 嫌悪というよりかは、やはり、気恥ずかしさから来るもの。 (-82) backador 2022/08/20(Sat) 23:18:17 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー男は家族を愛している。きっと誰よりも。 彼はアルバの名の下に集う全てを愛した。全てに心を割いて本当の家族のように接した。誰よりも彼らを思っていた。 けれどそちら側として身体を許したのは君だけだ。 ぎらぎらと瞳が光を増す。焼き付けるようにゆっくりと瞬くさまは、まるで映画のスローモーション。 ────消える直前の火は、一際強く輝くという。 男は、君の頬に手を伸ばした。 指の背で触れる。右の頬を撫で、それから左の輪郭を同じ優しさでなぞる。 ▼ (-91) rik_kr 2022/08/20(Sat) 23:43:25 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー「ソニー」 形のいい唇が君の名を紡ぐ。男は眉を下げて目を細める。 それは眩しさに目を細める表情に似ていた。 或いは痛みに耐えるようでもあった。 「僕は、君のことも愛しているよ」 すり、と撫ぜる手が後頭部に回る。梳かれた髪が軽い音を立てた。風の音だけが聞こえる。地上の喧騒は届かない。 赤に近い紫の瞳。すみれ色の瞳。燃えるような夕焼けの後の、夜闇の一つ手前の色。 ただ穏やかに誘う色が、何もかもを抱いて包む色が、君を見ていた。 (-93) rik_kr 2022/08/20(Sat) 23:53:31 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → どこにも行けない ヴェルデ「そりゃあそうだ」 声に翳りはない。 「僕の愛は金銭じゃないもの。簡単に買えるわけないだろう?」 そういう意味ではないと、無論わかっている。 わかっているから、わからないふりで否定するのだ。 足並みを揃えて歩き出す。歩幅はあまりに違うのに、君と男が二人でいる時、君が置き去りにされることは一度たりともなかった。近くの席は埋まっているようだから、スープの屋台まで歩こうか。 「ああ、またそんなことを……」 苦笑するようでいて、あえて嘆くようでもある、作った声色を大袈裟に。 「上等かどうかなんて、些細なことだよ」 「僕が見たいんだ。君が思う素敵なものに囲まれている君を」 (-94) rik_kr 2022/08/21(Sun) 0:25:49 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 墓場鳥 ビアンカ「ああ、まったく。そんなふうに笑われちゃ敵わないな」 男は笑顔を曇らせない。自然な、あくまで自然な、飾りですらないように笑いながら、降参! そんな仕草で肩を竦める。恋人同士がじゃれ合うような無邪気でおどけた仕草だ。 「そんなこと言って────可愛い子じゃないか」 「最近はよく食べるようになったね。昔と比べれば、だけど」 君が入る前から男はここにいて。 君が入った頃に男は今の地位について。 だからあの子のこともはじめから知っていた。 少年といる時の君のことを、男は喜ばしく見ていた。 「誓いのキスは必要かい? ビアンカ」 かつ、かつ、と石畳を踏む。 君の好む音が導く先は鳥籠だ。それが、そろそろ姿を見せるだろうか。 (-99) rik_kr 2022/08/21(Sun) 1:03:46 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ザ・フォーホースメン マキアート「そうだね、めでたいことだ。僕も心から嬉しい」 「今度、子どもに会わせてくれるってさ────泣かせないようにしないとね」 男の気さくさを煩わしく思うものがいないわけではない。 けれどそのまめさは、親しげな様子は、優しげな態度は、概して好かれているようだった。中枢の動きを知らされず、不安を募らせがちな末端には尚更。 サルヴァトーレは、不思議な程に裏表のない男だった。心に引っ掛かりを残さない男だった。ただの善人、或いは兄、親、友人のように大抵の者が思った。そしてその印象を利用する素振りも、一切なかった。 「太刀打ちが出来ることは不安に思わないことにはならないだろ?」 「君が傷つけられでもしたら僕は耐えられない────もちろん、身体だけの話ではなくてね」 その頬はやや紅潮しただろうか。していても、青みを帯びた空間では気づきにくいかもしれない。 男の指先が、擽るように撫でる。 (-107) rik_kr 2022/08/21(Sun) 1:25:03 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「はは。いつ以来だ? 最近じゃあお互い間が合わなかったもんな。 俺も楽しみが一つ増えたな」 その約束もついぞ果たされなかっただろう。チケットを握る事すらなく。 貴方が自分に嘘偽りを騙る事が無い、という事は薄らと勘付いていた。 ここまで一緒に居ればそれはそうだ。 だから信頼して物を勧めたし、受け取ったし、 気持ちでだってそれは同じ事。信じていた。 だから、貴方が繰り返し言ったその言葉もその通りに受け取っていたのだろう。 期待や望みは突き放すけれど、愛は素直に受け取る男だった。 「…………はぁ。まあ」 「サヴィにならいいか……」 軽い溜息が一つ。それから、緩い笑みを浮かべた。 気が抜けている時の笑みだ。 探られているとも取らず、警戒の一つもないのだろう。 グラスの中のワインをくるりと回して、 「ほら、乾杯」と風情も雰囲気もなくグラスを差し出し傾けた。 それから一つ口を付け、そのまま話す。 「あいつを拾ったのは俺だからさ」 「あるだろ。なんか、その。責任って奴とかが」 「……拾ったからには大事にしたいんだよ。大人まで」 「それに、」 視線が花の栞へと一瞬向いた。 「いや。姪に似てる……それだけだ」 (-113) susuya 2022/08/21(Sun) 1:47:50 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「そうだねぇ。僕も、見なければいけない相手が増えたし」 「────もちろん幸福なことだ。家族が増えるのは。……けど、ふふ」 楽しみが増えた、と君の言葉尻。そこを捕まえて、男は気分を良くしたようだった。 片眉を上げて口の端を持ち上げる。前傾していた身体を伸ばし、背もたれに遠慮なく体重を預ける。それから君を真っ直ぐ見据えて、見せつけるように足を組んだ。喉で笑いを転がして問う。 「僕が恋しかったかい、ドニ?」 君が恋しかったよ、と。 普段なら、その言葉を吐くのはこちらの方。寂しいのは自分の方で、会いたいのは自分の方で、愛したいのは自分の方だ。それを、男はよくわかっている。 ささやかな乾杯が行われるのであれば男も従うだろう。丸みのあるボディを軽く触れ合わせれば小さく音が立ち、透明な液体がグラスの中で踊った。その液面が静まる前に、君と同じように一つ口を付ける。気に入ったらしく、満足そうに頷いた。 「ああ。……そうだったの。道理で君に懐いてる」 「そりゃあ、可愛いわけだ。大切にしてあげなきゃね」 ▼ (-120) rik_kr 2022/08/21(Sun) 3:25:43 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド合点がいったともう一度頷く。それからもう一人の子どもの方のことを思い出した。 アルバファミリーは横の繋がりを大事にする、家族のようなマフィアだ。だからだろうか、拾った拾われたがとかく多い。それ自体はほかのマフィアでもありうる話だが、拾われる側が本当に子どもであることが多いように思う。大抵はもっと年齢がいった半グレのような連中が、使い捨ての即戦力として連れてこられるものだ。 家族が増えることは男にとって好ましい。だからじわりとした満足げな心地のまま君の言葉を聞いて、その視線の先を同じに追った。 「へえ。それは」 「さぞかし可愛い子だったんだろうね」 ワインをもう一口。 緩やかな相槌は話を促すだろうか。閉じてしまうなら、それはそれで。 (-121) rik_kr 2022/08/21(Sun) 3:27:52 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「……なんだよ。ズルい聞き方するな。当然だろ」 「お前もだろうが」 悪戯な問いには拗ねたような言葉を返す。 少し苦笑を浮かべて、わざとふいっと視線を逸らした。 それでも、『当然だ』とは言うのだ。 完全に気を許せる相手というのは少なく、 一緒に居て気が楽なのはやっぱり貴方だから。 カチン、と控えめで軽やかな音。 ワインの味を気に入ったであろう様子を見て、 当たりだったなと自分ももう一つ口を付ける。 「俺なんかに拾われちまってさ。もっと幸せになれたんじゃないか、アイツ」 「出来る事はやるよ。やってるつもりなんだけどな」 「……可愛いよ。そりゃそうだ。俺のあげた花にいちいち喜ぶ」 なんとなく困った様な、この話題がむず痒いような。 頭を掻いて、もごもごとした語り口はそのままに。 ……昔から、貴方の前では会話の端々に 自分を卑下するようなことを言う時があった。 自分への評価が低いのも昔からだ。 平素はそんな素振りも見せないが。 「あ〜あ……巻き込まれないといいんだけどな」 ルチアも、あいつも、お前も。 ふとポツリと零した呟きは、今起こっている事に対してだろう。 その呟きに自分は含まれていない。 (-135) susuya 2022/08/21(Sun) 11:03:07 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「もちろん恋しかったさ。当然だろ?」 なぞるように言葉を返す。小気味いい笑いが零れる。 「素直で可愛いね、ドニ。おいで」 言って、男は腕を軽く広げた。左の手首に巻かれた時計が室内灯の光を弾く。光を吸うような重い色の衣服を纏った男の身体で、唯一明るい色をしているのがそれだった。嫌味のないゴールド。 「大切なものが出来ると、欲が出るものだね」 「幸せにしてやりたいんだ。いくらあげても足りない。もっと幸せになってほしい、苦しまないで笑っていてほしい────」 男は家族を愛している。 だからだろうか、愛を語る時彼は少し饒舌になった。自分の愛を示すように、或いは確かめるように、間違いを探すように。それは語るようでも独り言のようでもあった。 不器用に言葉を紡ぐ君に向けられる目は優しい。慈愛に満ちた赤みの紫。 「今度、ルチアの顔をよく見てご覧」 「悲しい顔をしていたら、足りない顔をしていたら────言っておあげよ。愛してるって。抱きしめて、花のひとつでもあげて」 「……いいや、君だと頭を撫でるくらいが関の山かな? あは」 こんな風に、と君の髪を撫ぜる手つきは普段より少し乱雑だった。君のそれを真似たつもりなのだろう。 ▼ (-137) rik_kr 2022/08/21(Sun) 12:09:11 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「全くだよ。誰が死んでも僕は悲しい」 「家族を失うのは、辛いからね」 誰が死んでも僕は悲しい。 昨日見た顔がいない。今朝会ったやつがいない。そんなことは、日常茶飯事だ。誰かがいなくなれば新しい誰かがやってきて、その誰かも結局またすぐいなくなったりする。この社会の常だった。 だから男の言葉は甘い。 ────甘い。 (-138) rik_kr 2022/08/21(Sun) 12:12:35 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「子ども扱い」 文句を一言。 けれどその仕草を拒む事も無く、 グラスを置いて広げられた腕に納まった。 少し預けた体重が体温を伝える。 「愛してる、ねえ」 「本当に、欲だらけだよ。何事も無く居て欲しいもんだが、 そんな訳にも行かないだろ。こんな所に居るんじゃあさ」 「……そんくらいは出来るけどよ」 じと、と貴方の顔を見た。くしゃりと撫でられた髪を整える。 いつもこうやって、なんだか貴方には敵わない。 せめてもの抵抗に、肘で軽く小突いた。 「俺は、……お前みたいに優しくないから 誰でもなんて言えないけどさ」 「本当に嫌なんだよ、今。……はあ、やる気出ねえな」 「…………」 「俺は巻き込まれる気がするんだよな」「はは」 なんとなく、なんとなく。そんな気がする。 (-139) susuya 2022/08/21(Sun) 13:02:09 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド男の手が衣服の上から肌を撫でる。大きく、性別なりに硬いその手のひらで、指先で、素肌に触れられたこともあった。腰、背中、肩、項。 「恋人扱いの方が好みかい? ハニー」 笑みを交えて耳元で囁く。耳朶に軽く口づける。整えた端からまた乱す。 こうやって言葉で、態度で、体温で、男はいつも愛を伝えた。後から後から絶え間なく溢れ続けるものを注ぐように、そうしていないと死んでしまうかのように。 「伝えるべきことは伝えるべき時に伝えなきゃ。そうだろ?」 「家族なんだから追い出せやしない。でも、いついなくなるとも限らないんだから」 男は確信している。君があの子を愛していることを。 「騎士でいるのもいいけれど、王子様に掠め取られてから後悔しても遅い」 その形が、内容がどうであっても、愛であると。 男もまた、君を愛おしむ。 「────……」 「やっぱり、張り合いがない? 彼がいないと────」 (-141) rik_kr 2022/08/21(Sun) 15:12:08 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「そんな事言って……っ、おい。悪戯が過ぎるぞ」 撫でられるまではまだ大人しくしていたが、耳朶に口付けられれば 背筋を伸ばして少し身を離した。 こんな男とっ捕まえて何がpiccolinoだ、と貴方の額を指で突く。 その上げた手のまま、わしゃわしゃと今度はこっちが貴方の頭を撫でて。 「誰が追い出すかって。……そうなる時は、アイツが自分から離れて行ってからだよ」 「でも、まあ、何も言えなくなる前に、言っておきたい事は」 「……言わなきゃかあ。面倒臭い」 掠め取っていくのが王子ならまだかわいいものだ。 今は、死神に奪われるかもしれないのだから。 そしてそれは今に限らず今までもで、これからも。 だからアベラルドは、この世界の事はやはり好きじゃなかった。 家族は好きだ。それを脅かすのが、本当に嫌なのだ。 脅かされた過去がある故に。 「……見えてたゴールが目の前から急に無くなっちまったみたいだ」 「結局、敵は他の誰かさんが獲ったって訳さ。じゃあさて、 俺はこれから何をしましょうか、って思ってな」 「どうせ今までと変わらないんだろうが。はは」 元々気力の多い方ではない。快活な方でも無ければよく喋る方でもない。 けれど貴方の目には、やっぱりそういう風に見えるのだろうか。 実際、活力は前より無い。宙ぶらりんな気分が、 もともと投げやりだった性格をさらに助長させているようだった。 (-147) susuya 2022/08/21(Sun) 17:37:54 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ「でしょう?」 ふふん。 そんな声が聞こえそうな笑顔とともに、あなたの降参を認める、とばかりに頷く。 くるくると変る立場。組織としての立ち位置、男女としてのまぼろし。 自然なような、不自然なふるまい。 けれどその幻想が、あやふやな真実としてふたりの間でかたちをつくる。 「どうだか。ガキは嫌いなの。 はーあ、どうやって放り出せばいいんだろうか」 4年前。ファミリーの傘下に娼館に身を寄せた彼女は、身を売ることになれた様子だった。 ――いや、それしか知らないかのようだった。 彼女は何かを失って、この街へと追い立てられるように逃げてきたのだ。 その何かを、ゴミ捨て場で拾った少年との日々で取り戻していた。 そんなことは、一言も言わないけれど。……あなたが見る限りは。 「いらない。 そういうのはもうこりごりなの」 横を見上げて、べ、と舌を出して。 「男との約束なんて、誓たってしょうがない。 ──守れるかぎり、守ってくれたら、それでいい」 かつ、かつかつ。 ほんの少し足を速めて、鳥籠を背に振り返る。 「ありがとう、トトー。……エスコートはもうおしまい」 (-149) gt 2022/08/21(Sun) 18:05:26 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレクリスティーナのための兵となった時、青年はまだチンピラあがりのごろつきでしかなかった。 それが、何かの折に伝手を辿って推薦されたのだ。勧めてきたのは、孤児院だった。 ノッテの私腹を肥やし、人員を育てるために作られた、およそまともなばかりではない施設だ。 施設へと預けた両親の情報から、血筋についての断定が為され今こうしてメイドマンとして属している。 敵対する組織の庇護下から逃れてきた人間がどれだけ、好意と信頼に値するのだろうか。 「……オレも。 みんなの役に立てるよう、頑張りたいよ」 触れる手を振り払ったりはしない。心地よい人の熱を受けて、細めるように瞼を緩め。 火の着いた煙草を灰皿に立てかけるように片手を机に預け、残った体はもう一歩相手の方へ。 自分よりもずっと高い位置にある肩に額を預ける。くったりと体重が掛けられた。 声にも、目にも、嘘があるわけではないのに。 身の内に秘めた何かは、誰にも言おうとしない。きっと、これからも。 「ありがとう、サルヴァトーレさん」 (-171) redhaguki 2022/08/21(Sun) 20:47:25 |
【秘】 どこにも行けない ヴェルデ → 家族愛 サルヴァトーレうそつき。 子供だと思って、すぐにはぐらかす。 少年はウインナーを齧り、咀嚼し、飲み下す。 「そういう話じゃないって、わかってるだろ」 「金は使えばなくなるし、気持ちだって他人に向けりゃ目減りする」 「余計なもんまで拾わなくていいって言ってんだ」 なんて、そんなことをいくら言ったって。 「それでも結局、あんたはおれみたいなのも構うんだろうけどな」 歩幅が違うように、住む世界だって違うのだ。 それなのにあなたは少年を置いていくことはないし。 無視することもないのだろう。 「素敵なものに囲まれるって言うならさ、」 「おれは結構、もう十分だと思ってるよ」 「何でもかんでも施されなくったって、あんたと話ぐらいはできるし」 「選り好みできるような立場じゃないけど、」 「選ぶのはあんまり得意じゃないけど、」 背が低い分、ずっと短い脚で。 歩幅を広げて、大きく一歩。 「今こうやってあんたと歩いてるのは、ちゃんと、おれが選んだことだ」 (-173) beni 2022/08/21(Sun) 21:09:50 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新