181 忘却の前奏曲、消失の1ページ
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| (D0) 西 2022/10/26(Wed) 15:02:32 |
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[ 辺りは白い、白くて、何も無い。 その先は永遠に続いてるような真っ白な世界。
ボクの色も、誰の色もない。 何一つ存在しない世界に、ボクは立っている。
聞こえた気がする悲鳴も 感じた気がする涙も
何もかもが現実味を感じられなくて 味のしないガムを噛み続けている気分になった。] (D1) 西 2022/10/26(Wed) 15:03:28 |
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なにもない。
その事実に、何も感じられない。
(D2) 西 2022/10/26(Wed) 15:04:51 |
| (D3) 西 2022/10/26(Wed) 15:06:14 |
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─────────。
(D4) 西 2022/10/26(Wed) 15:06:51 |
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[ 目を開けると、白い天井に虫が湧いていた。]
(1) 西 2022/10/26(Wed) 15:08:12 |
| [ 柄石膏ボードとカーテンレールが包む部屋に 消毒液が充満して、頭が痛くなる。 ボクの、知らない臭いだ。
] ………………。 [ ボクが起きたことに気づいた看護婦さんが 慌てて先生を呼びに行く声が聞こえる。 けど肝心のボクは、まだ身体が動かせなくて。] (2) 西 2022/10/26(Wed) 15:09:10 |
| (3) 西 2022/10/26(Wed) 15:09:43 |
| (4) 西 2022/10/26(Wed) 15:11:00 |
| (5) 西 2022/10/26(Wed) 15:11:22 |
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[ ボクは手を伸ばした 誰もいない空へ、手を伸ばした。
誰も居ない事実に、目を背けて。]**
(6) 西 2022/10/26(Wed) 15:14:33 |
| [ そうやって空に手をのばしている姿が ひとりぼっちで声にならない悲鳴をあげてた 私に、重なる気がして。 大丈夫だよ、私がいるよ、って言いたかった。 ] (-2) alice0327 2022/10/26(Wed) 17:08:36 |
| [ 太陽の傍にいたいんだ。 そんな願いも、消えていく。 >>D6] (D7) 西 2022/10/26(Wed) 17:36:27 |
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[ ボクは嘘つきなんだ。
その事実すら、闇に消える。] (D8) 西 2022/10/26(Wed) 17:37:14 |
| [ 本来いるべきなのが親というもの。 たとえボクがどんな存在だったとしても いて当然なのが親のはずだったのに。 キミの当然を崩壊させるきっかけを作ったボクは あまりに罪深い存在なんだろう。 >>7>>8 でも今のボクには、それを詫びることも出来ない。] (13) 西 2022/10/26(Wed) 17:38:02 |
| [ きっとボクが戸惑っていたとしても キミなら違和感を覚えていてもおかしくない。 本来ボクの身を案じて当然の二人がいないことも。 唯一ボクのことを想って 傍にいてくれたのが君だけだったってことも。 >>9] (-3) 西 2022/10/26(Wed) 17:39:09 |
| [ 伸ばした手を掴んだ人は 甘く優しい香りがする人だった。 >>10>>12 独りかもしれないという恐怖心が 少しだけだけど薄らいだ気さえする。 ] (14) 西 2022/10/26(Wed) 17:40:23 |
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[ わかる。この人は、優しい人だ。 指先から伝わる感情が全てを物語っている。
彼女の手は、ボクにとっては確かな救いの手で。 ボクは彼女に強い感謝の念を抱くことになるだろう。] (-4) 西 2022/10/26(Wed) 17:42:19 |
| (-5) 西 2022/10/26(Wed) 17:42:50 |
| [ 彼女が何者なのか。 どれだけ記憶を辿っても、答えが見つからない。 元親くんって誰の事だろう? >>10 どうして彼女はここにいるのだろう? 何も分からないボクはキョトンとした様子で。] (15) 西 2022/10/26(Wed) 17:43:55 |
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えっと、とりあえず…大丈夫です。
なんか身体はまだ痛いけど まだ耐えられるくらいのものだから。
(16) 西 2022/10/26(Wed) 17:44:13 |
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ところで…
はじめまして、ですよね。 貴女のお名前を、聞いてもいいですか? (17) 西 2022/10/26(Wed) 17:44:41 |
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[ ボクがキミにそう尋ねた時だ。
先生がボクの所へやってきて ボクの身に起きたことを説明してくれた。]*
(18) 西 2022/10/26(Wed) 17:45:21 |
| [ 君の手はいつも握っていた手と同じだった。 その手がちゃんとあたたかくて、 私は安心するんだ。
君が死ななくてよかった、って。 ] (-6) alice0327 2022/10/26(Wed) 18:44:29 |
| (-7) alice0327 2022/10/26(Wed) 18:44:57 |
| 君と私は、付き合ってるんだよ。 私にとって、君は誰より大事な人なんだ。 (-9) alice0327 2022/10/26(Wed) 18:49:51 |
| [ ボクが彼女の名前を聞いた途端に 空気が凍りついたような気がした。 >>21 ボクの言っていることがおかしいと。 信じられないと、そう言いたげな顔で ボクの記憶を否定する。] ……え?
[ でも明らかにボクへの意地悪じゃない。 本当に、心から信じられないって顔だ。 すると決して噛み合わない鎖が 先生が繋げてくれた。 >>22>>23] (28) 西 2022/10/26(Wed) 19:38:20 |
| [ ボクの記憶が無い。 今度はボクが信じられないという顔を浮かべた。 でも、さっきの噛み合わない会話の説明をつけるには あまりにも納得がいってしまう事実で。 ボクは思わず頭を抑えてしまった。 だって頭が、痛くて仕方がなかったんだ。
] (29) 西 2022/10/26(Wed) 19:39:10 |
| (30) 西 2022/10/26(Wed) 19:40:03 |
| [ 何も知らないまま産み落とされた赤子のように 右も左も分からないという恐怖心に 頭がクラクラと悲鳴をあげてしまう。 それでも落ち着いていられたのは ボクと同じくらい真剣な表情で この事態を受け止めている人がいたから。 >>24] あの…先生… ボクの記憶って… それに、ボクの父さんと母さんは… [ ボクの質問に先生が首を横に振る。 ボクの記憶が戻る確証はなく、 地道に治療を続けていくしかないらしい。 そして真にボクの心を抉ったのは 両親がここにいない理由だった。
] (31) 西 2022/10/26(Wed) 19:41:23 |
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