【独】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン(遠くにメイレンさんとリディ第三王子が見えたってエピソードと、 すでにコンペの第一演奏者が演奏始めてるってエピソード書き忘れた顔) 今日の9時くらいからずっと箱の前座ってるんやで…… 遅筆よ…… (-12) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 2:53:11 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a5) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 3:07:56 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―会場近くの宿にて― [ 貸し切り可能の練習ホールがある宿を 音楽祭開催のこの時期に取るには、 半年以上前からの予約が必要らしい。 エリクソンらが取った宿も例に漏れず、 宿の1階から練習室がある地下へ伸びる階段前には、 本番直前ぎりぎりまで練習をしていたい 音楽祭の参加者達で溢れていた。 6人組もその中の1組。 六弦担当のエリクソン、 同じく六弦でかつ下手担当のヨハン、 コンセールカリヨン出身の四弦担当ディミトリエ、 組打鑼鼓担当のニルソン、 電子洋琴のノード、 そして主歌唱担当かつフロントマンのダンテ。 6人はめいめいに自分の楽器を荷車に括り付け、 後ろ手にゴロゴロ…と押しながら さも重たそうにロビーを歩いている。 ] (65) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:30:54 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ エリクソンは、自国から 電子六弦を5本持ち込んでいた。 予備用もあるが、一番の理由は楽器毎に 調弦と木材を変えているためだ。 調弦を変化させ、第六弦の開放弦を その曲の"核"となる音に一致させると、 弾きやすさが段違いなのだ。 また、音の"鳴り"を最も左右する 電子六弦の本体部分の木材は 演奏する曲調や、メインに奏でる音域に応じて、 品種を慎重に選んで設計されている。 ] (66) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:32:06 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 調弦自体は、舞台上で変えることも 出来ると言えば出来るが、 やはり曲と曲との間に間が空いてしまうのは 避けたいことであった。 エリクソン達に与えられた持ち時間は40分。 一曲の尺はさほど長くないため、 自己紹介>>3含め、数曲は演奏出来る。 今回の目的は、『演奏力を評価されること』ではない。 自分らが1から創り上げた楽曲、歌詞、演出、 全てを総合して観客たちにぶつけ、 圧倒させることが唯一の目的。 したがって、持ち時間40分をどれほど 濃密なものにし、観る者達を釘付けにするか が一番の課題なのだった。 調弦する間も惜しい。] (67) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:32:43 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 宿は、宿泊者用以外にも、 一般利用者向けに大小いくつもの 練習室を解放しており、受付の前には 今からでも予約をしたいという音楽家たちで ごった返していた。 エリクソン達6人はそれを横目に見つつ、 音楽祭招聘の返事をした直後に王室から送付 されてきた推薦状 (第三王子リジィのはからいだと いうことを、コンセールカリヨン出身のメンバー・ 四弦担当のディミトリエから聞いた) を片手に、何の苦労もなく宿一番の 貸し切り専用の大ホールに入場する。] (68) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:33:12 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―宿の地下・貸し切りホールにて― [ まずは持ち込んだ荷物をほどこう。 荷車から、アタッシュケースを大きくした様な箱を 引っ張りだし、フタ部分を下においてミを取り外す。 中には手のひら程の大きさの機械が 規則正しく並べられている。 スイッチを押すことで音像を変化させられる 位相変換器・位相増幅器・波動増減器・調和複写器・ 踏板。 演奏しながら調音が可能な、自動調弦器。 それらを組み合わせて、アタッシュケースのフタに 貼り付けているのだ。 そのまま持ち運べるし、 機械を1から組み直す必要がなくなるため便利だ。 すぐ隣には、予め持ち込んでおいた キャスター付きの棚のようなもの―ラックという― があり、そこに手際よく送電線を繋いでゆく。 棚の中には、分厚い書物を横倒ししたような形をした 平たい金属の箱がいくつも積み上げられており、 そこからも送電線が何十と伸びて、 また更に別の、大きな4つの黒い箱へと繋がっている。 これが音を鳴らす装置だ。 ] (69) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:35:15 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 電子六弦は、それ単体ではシャカシャカとした 貧相な金属音しか出ないが、 本体に埋め込まれた磁気コイルが弦の振動を検知し、 その信号がアタッシュケースの機械たちを 通って演奏者の任意の音像に変えられ、 ラックでそれを増幅、 最後に4つの黒い箱に送られ、 全く違った『音』に生まれ変わって発せられるのだ。 機材を正確に繋ぎ、 単調だがスキルアップに不可欠な運指練習を 繰り返し行ったのち。 エリクソン達6人は、直前の打ち合わせと 通し練習を開始した。 ] … …… … [ 練習は滞りなく進む。] (70) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:36:28 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン――申し分ない。このままの勢いで本番に 持ち込もう… [ そう、思った矢先だった。] ビシィッ!!! ヴヴッ……ヴヴヴッッ……!! [ 突発的な痛みが右の大腿部に走ったと同時に、 六弦に繋いだ4つの箱が不快な爆音をあげたのだ。] (71) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:39:34 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 普段から爆音慣れしたメンバー達も さすがに驚いたようで、 はっとして演奏をやめ、エリクソンを見る。 まさかと思って、弾いていた電子六弦の裏側を見る。 裏側には、弦の張力の均衡を保つために、 3本のバネが付いていた…のだが。 それが今…ものの見事にはじけ飛んでる。 ついでに第1弦と第6弦も切れてしまっており、 楽器から無様に垂れ下がっている有様だ。 不運にも、壊れた電子六弦は、 弦が一本一本独立した形式ではなかった。 これで正確に仕上げた調弦はすべて狂ってしまった。 それに問題がもう一つ。 弦の変え自体は大量に持っているが、 まさかバネがはじけ飛ぶとは… バネの換えが、今、手元にないのだ。 ] (72) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:40:08 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 助けを求めるように、 同じく弦担当のヨハン、ディミトリエを見る。 しかし二人とも不安に翳った表情で 首を横に振るだけだった。 ] わ、わかった。すまない。 俺が自力で換えのネジを探してくるから、 お前らはいつも通りで練習を続けてくれ。 決して焦んじゃねーぞ。 必ず、必ず見つけてくるからな。 [ 仲間達にそう言い含めて、貸し切りホールの外へ出る。 1階に上がり、ロビーを抜け、 すっかり太陽が昇って 明るくなった外に躍り出た。] (73) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:44:21 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―楽器工房へ― [ そのまま楽器屋のありそうなメインストリート へ向かって、あてもないままに走って行く。 色々な場所を探し回り、 15分ほど経っただろうか。 気づけば小さな楽器工房の前に立っていた。>>0:22 何を専門にした工房なのか… そんなことを考える余裕すら、今はない。 息も絶え絶えに、倒れ込むかのように店に入る。 しかし…六弦奏者の希少なこの国で、 この楽器の修理を出来る者は、 もしくは所見の楽器のリペアを行える腕利きは この工房にいるのだろうか? ]* (74) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:48:15 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a11) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 19:52:17 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a13) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 20:52:07 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―楽器工房にて― [ 工房内には、ヴァイオリンを持った 客とおぼしき少女と、父親風の男性、 そして、すらりとした長身の女性がいた。>>93 彼女が工房の職人だろうか? ちょうど内側からドアを開けるところだったようで、 爆速で見知らぬ男が突っ込んで来るのを見て かなり驚かせてしまっただろうと思いきや、 彼女は冷静に客の少女親子に向きなおり、 彼らをにこやかに見送ったようだ。 ] (103) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 23:51:30 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 工房内に入り、息を整える。 着いたときは肺がオーバーヒートを 起こすかと思ったが、すぐに呼吸は元通りになった。 まぁ当然の話だ。自国や周辺国の演奏会では 2時間以上も立ったまま通しで楽器を 弾き続けるなんて日常茶飯事。 日頃から持久力や筋力を鍛えるトレーニングも 怠っていないのだから。 あらためて工房の女性に向き直る。 先ほどの客がヴァイオリンを持っていたし、 ひょっとしたら弦楽器全般に対応できる工房 なのかもしれない…と淡い期待を抱きながら、 事情を説明した。 ] 俺のこの電子六弦なんだが…、 裏のここ…バネがあったのが… はじけ飛んじまったんだ。 [ 背負っていた電子六弦を取り出し、 一つ一つ指差しながら説明していく。 ] (104) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 23:51:54 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソンあんまし慣れないモノだってのは 分かってる。だから… [ 破損したバネを彼女に手渡す。 弦と釣り合うために 作られているため、強度はそこそこ高く、 両端に、六弦本体に引っかけるための 輪っかがついた 10cmほどの金属製のものだ。 ] とりあえず、 『これと同じ大きさ・同じ材質・同じ強度の ものを3つ』 作ってくれないだろうか? (105) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 23:52:36 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 取り付けるのは自分一人で出来る。 バネのせいで全体の調整が狂ったから、 本当は全て見てもらいたいところだが、 そこまで無理は言えない。 ] もし、時間がかかりそうなら、 今日の夜までに 『グランソ・シュトランド』という宿の エリクソン宛にこれを届けてくれてもいい。 音楽祭の本番まで時間がないんだ。 頼む。やってくれるだろうか。 [ 彼女を正面から見据え、 真摯に、そう頼み込んだ。 無理を言っているのは重々承知だ。 彼女は、はたして 引き受けてくれるだろうか。 ]* (106) Yuma_K 2020/09/21(Mon) 23:55:44 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a17) Yuma_K 2020/09/22(Tue) 0:00:26 |
【独】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソンバネ作るだけだったらそこらの鍛冶職人から廃材貰ってきた方が…という突っ込みはさておき。 にしても電子六弦の関連語を日本語に書き換えるの骨だぜ 楽しいからやるんだけど (-27) Yuma_K 2020/09/22(Tue) 0:03:40 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―小さな楽器工房にて― [ 工房の彼女は 電子六弦を見て驚いた様だったが>>137、 何かアテがあるのか>>138、すぐに 表情を引き締め、] ――『オーケー。 見繕って今日の夜までには届ける。』 [ そう言って、快く引き受けてくれた。>>139 その言葉を聞いて、 先ほどから肩にのしかかった重圧と、 体中に渦巻いてたチリチリとした焦燥が すっ…と音を立てて抜けていくような気がした。] (ひとまず、助かった……。) (146) Yuma_K 2020/09/22(Tue) 15:00:37 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン本当にありがとう。 恩に着る。 [ 普段の彼とはかけ離れた殊勝な態度で、 丁重に礼を述べた。 改めて、宿の所在地と宛名を、 置いてあった紙に書き付け、彼女に手渡す。 そして紙幣を10枚ほど――この国の国王が、 溺愛してやまない王妃を>>0:n0肖像として 描かせた、流通しているものの中で最高額の 豪奢な紙幣だ―― 机の上に置いた。 ] (147) Yuma_K 2020/09/22(Tue) 15:04:37 |
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