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【秘】 元弓道 マユミ → 甚六 カナイ「鹿乃」 眠る貴方から離れる直前。 その音はこぼれ落ちる。 「……もし、そちらに拙も行けたのなら」 「もうこれ以上変わらず、貴方とも」 「ずぅっと、何にも怯えず一緒に過ごせるのでしょうか」 「拙はもう、どうしたらいいのか分からないのです」 (-54) もちぱい 2022/07/11(Mon) 14:14:44 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ「諦めることだけはしたくない」 液晶に視線を落としたまま彼の言葉を繰り返す。無意識に、きゅうと目が細められた。 『辛さと苦しさに苛まれ続けるとしても、ですか? それでも深雪は、諦めないと?』 叶わぬ願いに手を伸ばす愚かさを、虚しさを、改めて痛感する。 掴めないものに手を伸ばし続ける限り、内側を蝕む淀みは湧き続けるまま、心は痛みに泣き続けるままだ。 ▽ (-57) もちぱい 2022/07/11(Mon) 15:12:56 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ『意味ですか?』 『……少なくとも、今の拙では見いだせません』 一瞬でもあらゆる痛みすら掻っ攫うような、冷たい水を被ったかのよう。 続くメッセージを見た感想を見て、何故だか血の気が引くような心地に襲われる。 なんだかそれは、温度のない終わりに手招きされているような気がして。 『死んでしまえばもう変わることなどありませんから。そう考えれば、無理に生きるよりもずっと魅力的に思えます』 『でも』 『今しかないのに、その今は変化していく』 『その曖昧な今という範囲をきみは好きなんだろ』 『変化しないわけないじゃん、今だって』 『どっかで飽きるよ、きみだって』 『そんでまた新しい今を欲しがる』 『好きな今を。楽しい今を』 『或いは、悪魔がいたとして』 『満足したという事実を忘れてまた今を繰り返す』 『別に、態々いう事でもないでしょ、こんなこと』 入力中。入力中。入力中。 入力中………… ▽ (-58) もちぱい 2022/07/11(Mon) 15:13:34 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ貴方の考えは痛いほどに理解できる。 そこに反対の気持ちなど欠片も無くて、稼働している頭の殆どが夢川の意見に頷いている。 『でも』 それでもまだはっきりと答えを口に出来ないのは、 『まだ拙は、自分自身のことを、理解しきれていないから。このままだとあちこちに流されてしまいそうだから』 『本当に意味が無いのかもう少し考えます。 拙自身の結論を、ちゃんと出します』 答えを出したくないと思考することを拒んでいるのか。 或いは、未だ微かに少女の中で諦めたくないという気持ちが息をしているのか。 『……深雪は』 『生きていることよりも、生きることを手放すことに』 『意味を見出しているのですね?』 (-59) もちぱい 2022/07/11(Mon) 15:15:07 |
【秘】 不知 ミナイ → 元弓道 マユミ「……突拍子もないことだ、端的に説明しようか。 ボクはこの校舎で死んでしまった人と会話をした、できた。 おかげで、 "生きて居ない人達は確かに居る" 、そんなことを知れてしまった、誰かって? 気付いていない? じゃあ、今は教えてあげない」 観察される気配からぼんやりと貴方を見て、 そっと、ひとさし指を口元に持って行く。 手首の包帯を垂らしながら、その口は朗らかに。 「怪我? そうか、気になっていたんだね、聞いて良かったのに。 これは、誰かがボクが生きて居る証だ。 ボクが だよ」誰かを傷つけた分の痛み ▼ (-70) toumi_ 2022/07/11(Mon) 19:21:05 |
【秘】 不知 ミナイ → 元弓道 マユミ「わかりにくいかい?」 「例えば、もしボクが誰かの視力を奪ってしまったとしたら。 同じ分だけ失うこと をしないと、不公平だろう?一部分を貰ったら、 代わりになる物をあげないと 不公平だろ」薬袋は被虐趣味ではない、ただ、 優しかった子だった 。母親が連れてきた誰かに酷いことをされて悲しかった。 それでも、その日頼まれた人を殴る行為に、悦びと罪悪感を感じた。 ごめんなさい、ごめんなさい、けどそれが気持ちが良くて。 その代償は、ボクの払える物は、自分の身体しかなくてさ。 「だから、たくさんあげていたんだ。 ボクが、みたい物を貰う分、欲しい分、生きて居る証。 その代金をあげていたら、血が足りなくて参っちゃった」 ゆらりと揺れた。その前髪が、白い髪を揺らして。 とん、と貴方の瞳を見上げるようにそっと、胸に手をついた。 「その上で、」 「子供が子供のままでいるのは 成長を止めることでしか出来ない」 「ボクはそう思うな、大人になることをやめないと 子供のままでは居られないって」 (-71) toumi_ 2022/07/11(Mon) 19:23:07 |
【秘】 奔放 クリス → 元弓道 マユミ『手出すなよ』 殴り合いになったら一方的に不利だ。 趣味の悪い場所を言おうとした。此処にはあるかどうかも分からないからやめておいたけど。 『教室でいいよ、味気ないぐらいがちょうどいいだろ』 (-77) chizuaquarii 2022/07/11(Mon) 20:01:09 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 元弓道 マユミ『意味なんて無いよ』 短い返信。 自分から意味はあるのかと問うたのに、 意味など無いと返すのはどこか破綻しているようで、けれど。 『生きてる事にも、それをやめる事にも』 『それそのものに大層な意味を付加しようなんてナンセンスだ』 『生きてる理由があるから生きてるように、 生きてるのをやめる理由があるから生きてるのをやめるだけ』 『どっちもただの手段でしかなくて、その先に目的があるだけ』 君とはそもそも思考の重点を置く箇所がずれているのだと思う。 生きる事も、生きる事をやめる事も、単なる手段でしかない。 少なくとも、夢川にとっては。 (-97) unforg00 2022/07/11(Mon) 23:52:29 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 元弓道 マユミ『それでも、生きていく事なんて分の悪い賭けだよ』 『確かに生きていないとできない事は多いけど、 それが生きている事で味わう辛い思いに釣り合うとは限らない』 『その上賭けに乗るには『今』を賭け続けないといけないし、 配当金は常に理不尽に変動し続けて 急に一方的に不利なルールを課される事だってある』 『何より、唐突に賭けを台無しにされる可能性だって』 (-98) unforg00 2022/07/11(Mon) 23:58:26 |
【秘】 海市蜃楼 ユメカワ → 元弓道 マユミ『俺があの日死んじゃったみたいにね』 ──夢川深雪は、死んだ人間だ。 来家に引っ越す事を打ち明けた少し後のいつかの日。 最後にもう一度だけ話をしようと彼の家を訪ねようとして、 そのまま、不幸な事故であっけなく帰らぬ人となってしまった。 前触れも、理由も、意味も無く、何処までも唐突に、理不尽に。 『弓道部であった事も、牧夫兄の事も、突然だったでしょ』 『生きていたら、これからも何度も同じ経験をするんだよ』 『もっとひどい事があるかもしれないし、俺みたいになるかもね』 『見て見ぬ振りは長続きしない。いつかは限界が来るよ』 『それとも、麻弓ちゃん達が生きていく内に』 『新しく得たものが少しずつ 俺達の事を遠くへ追い遣っていくのかな』 『麻弓ちゃんが嫌だって思う事を捨てていくみたいに』 メッセージが送信されるテンポは、他愛無い日常会話と同じ。 君を責めるつもりは無い。どう思うかは君次第だけれど。 (-99) unforg00 2022/07/12(Tue) 0:00:20 |
【秘】 海雪 ユメカワ → 元弓道 マユミ『俺はそんなのは嫌だ』 『皆一緒の、いつも通りの日常があればそれでいい。 今が今のままあればいい。新しいものなんて要らなかった』 『だから、皆で一緒にずっと居られる場所を選ぶだけ』 たとえそれが、死の先であっても。 我儘な子どもは、自らの望む不変の為に他者の不変を壊す。 鳥飼の死という形で既に一つ壊していて、 そしてこれから幾つも壊していく。自らの信じるものと共に。 『きっと先生が皆を連れて行ってくれる』 『離れ離れにならなくていいようにしてくれるんだ』 『おいでよ、麻弓ちゃん』 『皆が待ってるよ』 強欲な子どもの願望は、皆で変わらず共に居続けられる事。 皆とは、今日ここに来た全員の事だ。 飽くまでもそれは願望、分不相応な高望みだけれど いつか君が来てくれるなら、確かに一つ実現に近付くだろうな。 (-100) unforg00 2022/07/12(Tue) 0:01:27 |
【秘】 元弓道 マユミ → 奔放 クリス『ご存知です?そう言うと今度は"じゃあ足を出すね"って言われるんですよ。 今回は話し合いですし、滅多なことがない限り拙は足も出しませんから安心してくださいな』 貴方が何処を指定しようかなどつゆ知らず。 教室でいいと言われたならば合流場所として使用している空き教室……から少し離れた教室を指定した。 貴方がそこへ足を運ぶなら、腕を組んで椅子に座る少女の姿が見えることだろう。 いつも通りの仏頂面に見えるが、唇はにわかに固く引き結ばれている。 (-134) もちぱい 2022/07/12(Tue) 15:51:54 |
【人】 元弓道 マユミ>>25 マユミ こっ、こっ、こつん。 こっ、こっ、 。 爪の先が鍵盤の表面を叩く。 爪の先が欠けた鍵盤を叩くふりをして、何もない空間に指が沈む。 「あり得ない話ではないでしょう」 至極冷静に、真面目な顔つきで唇を震わせる。 「たとえば拙が外に出られない現象について、どう説明するのです?信じられないならば梢も学校の外に出るのを試みてください。 ……そのような不可解な現象が起きているのですから、幽霊のような存在に殺されるといった不可解な現象で命を落とすのもおかしな話ではないと拙は思うのです」 それは真剣に考えた結果ではあるが、同時に友人達を疑いたくないが為に出した答えでもあるかもしれない。 (31) もちぱい 2022/07/12(Tue) 16:04:43 |
【秘】 元弓道 マユミ → 不知 ミナイ生きていない者がいる、その事自体は既に不可解な現象が起きているのだから別段派手に驚くこともなかった。 むしろ、死んでも人と会話できるのだと、良くない知見を得てしまった。 「…………」 黙って貴方の話を聞く少女の顔は、微塵も変わらず。 「拙には、理解が難しい話ですね」 まず飛び出してきたのは、そんな一言。 音もなく手を伸ばす。柔らかな白い髪を、そっと梳くように撫でる。 「難しいですが、明日香は優しい子だということは分かります。平等、公平を重んじる子なのだと。 ただ、同じように傷つくのは対価になることは無いんじゃないかと、拙は思うのですが」 言葉をまとめる合間、うむむと唸るような音がした。 「例えば片目を貰い、対価に明日香が片目を失ったとしても。それは実際に眼球を移植しあったということですか?そうでないなら、決して等価交換ではないでしょう。 明日香の自己満足で、互いに損耗するだけだと拙は思うのです」 「やめろとは言いません。明日香が好きでやっている事ならば、止められません。 ですがその生きる証を得たいが為に傷付き続けて、限界を迎え死んでしまうなんて本末転倒なことにならないか。 ……拙はそれが、明日香が心配なのですよ」 ▽ (-139) もちぱい 2022/07/12(Tue) 16:58:05 |
【秘】 元弓道 マユミ → 不知 ミナイ胸に手をつかれれば、貴方の手には控えめな柔らかさが伝わってくるだろう。 その様子を黙って見下ろしながら、淡々と紡ぐ。 「明日香。 ……拙は、大人になりたくありません。子供のまま、皆とずぅっと過ごしていたい」 「その為に死ぬ、なんてことは。 …………愚かだと思いますか?」 (-140) もちぱい 2022/07/12(Tue) 16:58:22 |
【独】 元弓道 マユミん?ああでもミナイの秘話で死者ほんとにおるん?の会話してるから、ユメカワとのやりとりはミナイの後じゃないと不自然か なら自然とユメカワはミナイの後になるな (-142) もちぱい 2022/07/12(Tue) 17:06:28 |
【秘】 空っぽ カナイ → 元弓道 マユミ『拙はもう、どうしたらいいのか分からないのです』 抜け殻の喉は、声を発せない。 亡骸の耳はもう、零れ落ちた音を拾えない。 ただ、そこにあるだけの。 これはきみに、何も返しやしない。 瘠せ衰えた死体は、ただ眠るだけだった。 ▽ (-143) 榛 2022/07/12(Tue) 18:02:39 |
【秘】 幼なじみ カナイ → 元弓道 マユミ (-144) 榛 2022/07/12(Tue) 18:30:56 |
【秘】 奔放 クリス → 元弓道 マユミ「そんな不機嫌そうな顔するなよ」 そんな言葉で現れた男は、機嫌よさげに教室の中へ入り込んだ。 とつ、とつ、とつ、と歩みを添えて。 近づくわけでもなく、教卓の前に立つ。 「やあ、永瀬」 「……こんなところなのに、いつもみたいだな、これじゃ」 空き教室で、そのささやかな日常は続いていた。 永遠に続くはずのない、今だけの、あの空間は。 それを延長され、引き伸ばされ、終わりがないような錯覚を称えて。 確かに、今、この瞬間にも。 終わっていく。 (-153) chizuaquarii 2022/07/12(Tue) 20:38:29 |
【秘】 不知 ミナイ → 元弓道 マユミ「ボクも理解できなかった、お母さんのこと。お父さんのこと。 だけど真似をしたら、気付いたんだよ。 そんなもの聞いただけではわからないし、やってもわからない。 傷つけることは正しくないのに、 怪我をすることは好きじゃないのに。 好きになったら辞められないんだよね、そういうこと」 するりと腰に手を回し、じゃれつくように抱きついてその軽い体重でよりかかる。 「変なの、真弓くん。 なんで心配するんだろう、死のうとしているくせに。 ボクの体力がが限界になるときは、きっと。 誰かの命を奪って同じように捧げた時だよ」 「なーんて。ボクは"元気"だよ。 皆の生きている証を貰って、とても元気だ 」くすくすと、不気味な雰囲気を隠さず笑えばそのままキミの瞳を見上げた。 (-184) toumi_ 2022/07/13(Wed) 3:20:33 |
【秘】 不知 ミナイ → 元弓道 マユミ「それで……なるほど、そうだったんだ。 子供のままが、全然知らなかった」 「ボクとは違う意味でわがままさんだね、キミは。 ……うーん、じゃあボクは答える前にこの質問をさせてくれ」 「キミがボクに言って欲しいのは肯定? それとも意見?」 するりと腰に手を回せば、じゃれつくように抱きつきその軽い体重でよりかかる。 「彼らに連れて行かれようとでもしているの? いなくなって、皆と過ごす事が出来なくなって寂しいから」 「そんな理由だけで、人生を辞めようとしていないと嬉しいな」 (-185) toumi_ 2022/07/13(Wed) 3:22:33 |
マユミは、ふにゅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (a68) もちぱい 2022/07/13(Wed) 3:28:46 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 夏の雪 ユメカワ『難しいことを考えているのですね。 拙より深雪のほうが、ずっと大人です』 少女はただ、避けようのない事実から目を逸らして駄々をこねていただけ。 逃れられないと知っていながら、それでも何もせず意識しないよう遊び呆けていただけ。 「……」 入力中。 それは、貴方が故人であると知ってから。 暫く、入力中の三文字が貴方の視界に映るかもしれない。 『死んだ人と会話をしたと、とある子から聞いていましたが』 『深雪がそうなのですね』 『まず、拙達に会いにきてくれたことに、お礼を言いたいです。 ありがとうございます、深雪』 ▽ (-204) もちぱい 2022/07/13(Wed) 15:51:04 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 夏の雪 ユメカワ『そうですね。突然でした』 『突然、拙の"いつも通り"が崩れました。 完全に元に戻ることはありません。 どれほど拙が大丈夫なように振る舞っても、周りが意識するのです。壊れた時の傷跡は、必ず何処かに残っている』 それは不可逆の変化。 知ってしまったら、知らない頃に戻ることなど出来やしない。 『あの日、崩れた時から』 『拙はずっと考えていました。子供のままいられたら、と。大人になるにつれ皆と離れ離れになることが嫌で、叶うならばずっとずっと皆と何も難しいことを考えることなく遊んで楽しく過ごしていたい』 『まさに深雪の考えと同じです』 『けれど生きている以上、歩むことを放棄し時を止めることが出来ない以上、叶えることは無理難題と同義で』 『それこそ死ななければ、深雪のいる場所に行かなければ掴めないことです』 ▽ (-205) もちぱい 2022/07/13(Wed) 15:51:28 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 夏の雪 ユメカワ『でも』 『見て見ぬ振りは長続きしないと言ってくれたように』 『ずっと続く"今"に浸り続けても決して満足しないだろうと言ってくれた人もいます』 『拙にとっては、深雪もその人も大事な友達です。無視できない言葉です』 液晶をなぞる指の動きは緩慢で、けれど着実に。 『拙は考えることを沢山やめてきました』 『辛いのが嫌だからと、痛みを感じたくないからと、何も考えないようにしていました』 『けれど、今ここで何も考えずに答えを出してしまったら。今まで通り、流されるまま流されていたら』 『真摯に拙に言葉をくれた深雪にもその人にも、同じだけ返せたとは言えません。誠実ではありません』 『深雪はきっと、自分側に来てくれるだけで構わないと思うかもしれませんが……拙が納得できないのです。 話をちゃんと聞いて自分で考えて出した答えでなければ、拙はきっと死んでも死にきれない。昔通りの楽しい気持ちで深雪と一緒にいられない』 『それこそ、"楽しかったあの頃そのもの"になれない』 思考は錆びついている。動かすことは容易ではない。けれど、同じものを同じだけ返せないまま流されることも許容できなかった。 『ですからどうか、皆ともう少しだけ待っていてください。 答えを出して、改めて話に来ます』 (-206) もちぱい 2022/07/13(Wed) 15:53:21 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ少女は何かを感じ取ることが出来た。 素直に受け取って、染まりやすく、流されやすかった。 その音を、その声を拾えたのはそれが理由だろうか。或いは、感じぬふりをしながらも貴方をずっと想い続けていたからだろうか。 「っ」 ぎぃ、と。床が鳴る音。何かが確かに存在する証。 それを拾い上げて、思わず其方へ勢いよく視線を向ければ。 「かな、い」 「鹿乃!」 今までと何一つ変わらないように。 名前を呼んで、駆け出して。 今までと何一つ変わらないように。 すっかり馴染みとなった転ぶ貴方に、当たり前のように手を貸そうとする。 嗚呼、それでも。不可逆の変化は確かに訪れた。 差し伸べても、今まで通り貴方に触れられるだろうか? (-207) もちぱい 2022/07/13(Wed) 15:59:31 |
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