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【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志体温が徐々に移る布団の中、母親を思い出した。 あの時、母親に怒られたと思っていたのは間違いだった。あれは、叱っていた。 「……『たすけて』って言ったら、見ないフリされないの?」 そろり、と布団から目元だけを出した。 貴方の問いに答える前に、尋ねたいらしい。 尤も、そちらへの返事はもう決まっている。 「聞こえないフリされない?」 ここに来て色んな境遇を知った。必ずしも助けてもらえるわけではないと、理解している。 「ほんとうに?」 (-67) wazakideath 2021/09/24(Fri) 19:28:36 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 腕を取る。辿り、節の目立つ武骨な指で、すらりと長い少年の指を絡めとる。指の股を割り開いて、深く、手を繋ぐ。 「……慣れているといえば、慣れている。 『父親』に教わったからな……ああ、」 繋がれた手を軸に、腰を浮かす。締まった腰に腕を回す。折り目正しく纏われた制服の上着に、皺が生まれた。 力を籠め、ぐいと引き寄せる。 「リードはしてやるが――」 くるりとターン。男の胸元、銀色が揺れて――――どさり、倒れ込む。 揺れた藤色が広がり、シーツに散らばる。 いくら所作が軽やかであっても、現実、平均身長はゆうに超えている男が二人だ。スプリングが軋み、跳ねる。 ……二人の間、揺れる金属の向こう。見下ろす瞳に、欲の色は無い。 バージン 「――初めてか、お嬢さん?」 (-73) 榛 2021/09/24(Fri) 22:31:56 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+21 闇谷 指をぴたりと止め、貴方の様子を伺う。 フードを引っ張る仕草を見やりながら脳裏で誰かの声が蘇る。 ……本当なら恋人同士がするようなことで、してるのが誰でも、 見たら恥ずかしくて、見られたら恥ずかしくて、 二人だけでするはずの秘め事で。 「……ああ、すまない。配慮が足りなかったな。 次からは二人きりの時だけにする」 一度菓子を置いて淀みなくそう答えた。 ……ああ、もしかするとこれも秘め事にするべきことなのだろう。暁には悪いことをした。 ……。 ………………? 何かが頭を引っかく。引っかくが、その正体が掴みきれずに思わず小さく首を傾げた。それも些細な事でしかなかったから、すぐに貴方の話に耳を傾けることにしたが。 「これか。厨房を覗いたら最後の一皿だったんだ。食べ足りなかったらまた後で頼むとしようか」 なお、この後どこかの参加者によって白と黒のヌガーが振る舞われる事になるが……二人は果たして手に取るのか。それはまた別のおはなし。 (+34) もちぱい 2021/09/25(Sat) 4:59:02 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ「必ず助けられるかは分からない。俺は一番大切なものを見つけたから、俺はそれを最優先に動く。 それに助けられるかもそもそもその時の状況による。俺では力になれないことだってあるだろう」 無責任に貴方の心を明るくさせる言葉でも吐けばよかっただろうか。一瞬思案したが、やはり出来なかった。期待させて裏切る方が不誠実で、より彼を傷つけてしまうと思ったから。 「…………でも」 頭から貴方の額へと手を滑らせる。労るようにそろりと一度撫でて、ゆっくりと横から覗き込むように顔を近づけた。 「お前が姿を見せ、声を上げてくれたなら。 そして俺の目に映り、俺の耳に届いたなら。 ──俺は、貴戸高志は、お前をいない者扱いなんてしない。そう約束しよう」 小指を立てた手を貴方に差し出した。指切りの仕草だ。 (-106) もちぱい 2021/09/25(Sat) 5:15:48 |
【独】 4432 貴戸 高志助けてくれ暁!このままではおはる黒塚に雌にされてしまう!!助けてくれ!! いや俺は勝ってみせる……暁……俺を守ってくれ………… (-108) もちぱい 2021/09/25(Sat) 5:23:06 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+36 闇谷 「???ああ、分かった。 暁、そんなにあのお菓子が気に入ったのか……覚えておくか……」 厨房へと立ち向かう貴方を見送った。あまりの勢いだったので目はまんまるだし首はこてんと傾いた。堅物人間のテンションだけ置いてけぼりだ。 それからしばらくしてやって来た貴方の皿に視線を注ぐ。 先程自分が持ってきた物と違う見た目に、少しだけ興味が芽生える。 「うん?随分早い補充だな。だが先程俺が持ってきた物とは些か中身が異なるみたいだな。味も違うのだろうか……」 続くように菓子を手に取り、口へひょいと運んだ。 すぐに効果はやって来ないが、後ほど18%発情するだろう。 (+37) もちぱい 2021/09/25(Sat) 5:51:11 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+38 闇谷 「色合いなどが微妙にな。違うと思うが、どちらにせよ満足いく味なら問題ないな」 貴方が和菓子を、特にみかん大福を好んでいることは覚えている。だからこそ、ヌガーを面白い勢いで食べ進めている光景が少しだけ珍しく映ったのかもしれない。 もう一つおまけに摘みながら、一瞬流れた貴方の視線を追いかける。視線の先にあったのは端末だ。でもそれだけでは疑問も何も浮かぶことはなかった。すぐにお菓子や貴方へと目を向けるだろう。 どれだけ穏やかな時間を過ごしていても、貴戸の手元には朝食の席に置くにしては無粋な撮影機器が異物のように鎮座していた。その存在感はまるで逃れる事はできないと言外から伝えてきているようではあったが、本日手渡された少年はまるきり無視をした。 今は貴方と過ごすひとときを楽しみたい。 あまりに拙い現実逃避かもしれない。けれど、それでもいいと少年はルームメイトであり想い人でもある貴方としばらく他愛もない話に興じるだろう。 腹の奥底に火が灯ることに気付くのは、そして己に課せられた義務に苛まれるのは、まだもう少し先の話。 (+39) もちぱい 2021/09/25(Sat) 6:50:28 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人流れるように結ばれた互いの手と手。 躊躇いの欠片もないその動きに目を奪われかけたが、耳に飛び込んできた話に思わず眉間に皺が寄る。 「黒塚の……お父様に?そうか……」 貴方が手を取った相手は、他人の込み入った事情にずかずかと足を踏み入れるような気質ではなかった。それ以上を聞こうとはしない。何を考えたのかは知らないが、難色を示してはいたけれど。 「……っ」 世界が回る。 力強く腕を引かれ、たまらず飲み込んだ息が喉奥を滑り落ちる頃には既にシーツの海に沈んでいた。 縫い止められるまでの鮮やかな動作に、なるほど慣れていると言うだけはあると心の内で舌を巻く。 ただ、それも此方を見下ろす少年の視線と混ざり合うまでのこと。 煌めく銀色の向こう側。手に取ればきっとひやりとした感触が伝わってくるであろう金属の温度を反映させたかのような瞳。 いっそ清々しいまでに情欲が一切ない双眸の色が自分にも移ったのだろうか、相手の勢いに飲まれているのに内側は酷く凪いでいた。 つい先程まで、まるで恋人を思わせるほどに深く触れ合った手の温もりは確かにあった筈なのに。 どこかちぐはぐな印象を受けて、笑いにも満たない小さな吐息を一つこぼした。 「……。そうだな。この体はまだ抱かれる悦びを知らない。 初物を散らすのは面倒で嫌か?それなら謝ろう」 本当は処女と呼べるものなどとっくの昔に喪っているけれど。 本人はその事に気付かない。意識の外で失くしてしまったのだから。 (-116) もちぱい 2021/09/25(Sat) 7:37:53 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志貴方の冷淡にも思える言葉に、少年は安堵し、喜んだ。 自分に関係無いことなのに。 他人の気持ちを、こんなに嬉しいと思ったのは初めてだった。 緩む口元を隠しながら、相槌を挟む。 「うん、……うん」 貴方の手が額を滑る間、気持ち良さそうに目を閉じていた。目蓋の裏にかつての日々を見る。 目を開けた。 「……ふふ。うん、わかった。 ちゃんとツッキーにごめんなさいって、言うね」 布団から一本の腕が伸びる。 傷ひとつ無く、指先も荒れていない、綺麗な腕だった。 「あのね。 別に、助けてくれなくて良いんだよ。 自分のことは自分でやる。もう失敗しない。自分の夢は、自分で叶える」 貴方の小指に、少年の小指が触れる。 「だから、」 指が絡む。 (-118) wazakideath 2021/09/25(Sat) 9:54:14 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウゆびきりげんまん。 嘘ついたら…… …………きっと、針千本すら生ぬるい。 あんな質問をするということは、過去に似た経験をしたのかもしれない。 再び同じことをしてしまえば、二度と人を信じられないような傷を彼に与えてしまうだろう。そのことを思えば、針千本の苦痛など己の罰にしては軽すぎる。 「……そうか。迷彩はひたむきな強さを持っているな。羨ましいくらいだ。 俺はお前の夢を詳しくは知らない。だが、俺と俺の大切なものの前に立ちはだかる事がないのであれば応援しよう。 仮令それが、人から指差されるようなことだとしてもな」 小指を絡める。 貴方が込めた力と同じくらい強く、きつく小指を折り曲げた。貴方がその内側で何を抱いているかは分からないけれど。 (-133) もちぱい 2021/09/25(Sat) 15:50:22 |
【墓】 4432 貴戸 高志密かに決めたことを実行する為には情報が必要だ。 普段は外で読むことのなかった分野の本に触れる為にふらりと図書室を訪れていたが、今は明確な目的のもとカメラを入れた鞄を念の為に持ちながら堂々とした足取りでやって来ていた。 途中廊下で一冊本を抱えたルームメイトとすれ違ったが、ただならぬ様子に声をかける事は躊躇われた。 あれはなんだっただろうか。週刊誌?いったい何故……と首を傾げるも、すぐに答えが出ないので考えることを放棄した。どうしても気になるなら後ほど聞けばいい。 静けさ満ちる書物の楽園。 文字を追いかける楽しさと静けさに身を委ねる穏やかさを知ったのはここに来てからだ。今ではお気に入りの場所の一つになっている。 しかし今はそれも不要なもの。迷うことなく一つの棚へ。区分30、社会科学。 指先を泳がせ、それぞれの背表紙をなぞる。 その時だった。 「……っ」 ▽ (+46) もちぱい 2021/09/25(Sat) 17:31:13 |
【墓】 4432 貴戸 高志少年の指がぴたりと止まった。めぼしい本を見つけたからではない。もしそうであったなら、少年は顔を歪めてなどいないのだから。 全身を巡る血液に乗って、身体中に熱が広がっていく感覚。腹の底を見えない何かが無遠慮にざらりと撫ぜるような不快感。一度見つけてしまった違和感に呼応するように溶け出していく思考回路。 何も知らない頃であれば気のせいだと一蹴していた事だろう。しかし、今の少年は同じ状態を既に経験していた。 体が熱い。 軽くこぼした吐息も既に重さが乗っている。指が乾いた本の背中を擦るだけでもやけにくすぐったく感じて、思わず忌々しげに顔をしかめてしまう。 調べ物どころの話じゃない。このまま放っておけば、また前のように── 「──っ、……」 桜色の爪がかりりと棚を引っ掻いた。 相手の顔が脳裏に浮かぶ。前と同じ鎮め方ではいけない。彼は少し前に無茶をして、その名残に未だ苛まれているのだから。 幸いまだ頭は回る。体も動かせる。 それなら今のうちに誰の目にも映らない場所へ行かなければ。 来た時よりもやや早足で、少年は図書室を後にするのだった。 (+47) もちぱい 2021/09/25(Sat) 17:33:15 |
貴戸 高志は、普段よりも忙しない足音を連れながら移動した。自室から遠くへ、なるべく遠くへ。 (c23) もちぱい 2021/09/25(Sat) 17:33:44 |
貴戸 高志は、自室から最も遠い手洗い場に転がり込むようにやってきた。前にも一度だけ来たことがある場所だ。 (c24) もちぱい 2021/09/25(Sat) 17:34:31 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁貴方の端末に一つの連絡が届く。 『暁。体の調子はどうだ? 腰などは痛くないだろうか。他に変わった様子はないか?』 短くまとまった文字の羅列。ただそれだけが、貴方の端末に納まっている。 (-139) もちぱい 2021/09/25(Sat) 17:42:51 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志『元気』 簡素な文字列。 メッセージアプリの返信が素朴なタイプの人だ。 きっとスタンプとか買った事がない。 少しだけ間を置いて、もう一件。 『どこに居る』 (-142) osatou 2021/09/25(Sat) 19:15:22 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁一歩も動けなくなるような効果じゃない。頭だって回るし、体も十分動かせる。 それでも外気に触れる肌から異常なほどにくすぐったさが齎されるし、煩わしい倦怠感が熱となって全身を這い回る。 トイレの個室に座り込む己の行儀の悪さを許してしまう程には弱っていた。半端に意識がはっきりしているものだから、自己嫌悪のちくちくとした痛みが胸を刺す。 個室の扉にもたれかかるのが気持ちいい。無機質な冷たさを甘受しようと背を弓なりにしならせれば藤色の髪が乱暴に擦れる音が水場に響いた。 その中に混じる電子音。 差出人の名前を見る。──闇谷暁。 たったその三文字だけで、暴力的な熱とは異なるやわらかな温もりが胸に広がった。吐息だけの笑みが溢れる。 特定の文字が三つ並んだだけなのに、どうしてこんなに心が揺れ動くのか。どうしてこんなにも相手が好きで仕方ないのに、今まで気付くことがなかったのか。不思議でたまらない。 返信を打つ。大して長くもない文章であるはずなのに、それにしては時間がかかってしまってたまらなくもどかしかった。 ▽ (-145) もちぱい 2021/09/25(Sat) 19:55:05 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁『元気そうなら良かった。 俺は散歩中だ。しばらくしたら部屋に戻るから、気にするな』 場合によってはスタンプを使用することもあるが、こちらも基本的には淡白な文章をしている。 ただ、今回に限って言えばこの程度の文章量であるにも拘らず返ってくるまでにやや時間がかかっていた事に気がつくかもしれない。連絡を送ってきたのはこちらの筈なのに。散歩中だったとしても、だ。 (-146) もちぱい 2021/09/25(Sat) 19:55:18 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志『俺は』 『どこだって聞いてる』 貴方が返事をして、すぐ。 そんなメッセージが届くだろう。 それは殆ど、探偵の勘のようなものだった。 (-147) osatou 2021/09/25(Sat) 20:03:28 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁長いようで短い、そんな空白を置いたあと。 『部屋から一番遠い手洗い場』 たったそれだけの返信が貴方の端末に届くだろう。 (-150) もちぱい 2021/09/25(Sat) 20:19:33 |
【独】 4432 貴戸 高志俺思ったんだけどよかれと思ってやったことが裏目に出て最悪の方向に加速し絶望する愚かポジ多くない? 迷彩リョウ……和崎……許せねえぜ…… 闇谷……おさとうちゃん……ごめんな…… (-151) もちぱい 2021/09/25(Sat) 20:21:38 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志貴方が返事を送った後。 少し時間をおいて、忙しない足音が聞こえてきて 蹴破るように扉を開ける音がして、荒い呼吸が耳に入るだろう。 個室の扉を、控えめに叩く。 「……ッ、おま、え…… 随分変わった散歩を、するんだなあ……?」 皮肉を言えば、深く深呼吸。 「流石に、鍵壊せねえ、からッ、 何だ、落ち着いたら、開けろよ…………………、」 (-152) osatou 2021/09/25(Sat) 20:27:56 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「…………暁」 僅かに昂っただけだ。 どうして来た。 ああ、来てくれた。 「……どうして」 曖昧な問いかけ。 扉の向こうから聞こえる声はいやに落ち着いている。 否、そうであろうとしているのだ。上手く出来ているかは分からないけれど。 心配をかけてはならない。自分の異変は些細なものだ、だから大丈夫。 (-153) もちぱい 2021/09/25(Sat) 20:38:48 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志同じだけの力が小指に伝わってくる。 気持ちが伝わったような気がして、嬉しかった。 自分が色を持てたような気がして、嬉しかった。 「カガミンにも言われたけど、大丈夫だよ。 コジコジの周りには良い人しかいないでしょ? オレの夢は、悪い奴がいなきゃ叶えられないことだから」 良い人の周りには良い人が集まっている。 少年の少ない人生経験の中でも、少しずつ学んでいることだ。 蛙の子は蛙。類は友を呼ぶ。 「覚えててね、オレのこと。……できれば、母さんのことも。 無かったことにされるのは、イヤだから」 指を離し、布団の中へ戻す。 目を細めて貴方の瞳を見る。他人の色だ。 それでも自分を、その瞳の端に映してくれるだけで。 オレたち 迷彩にとっての、救いになる。 (-154) wazakideath 2021/09/25(Sat) 20:42:27 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志息を吐く、深く吸う。 薄い扉越しの会話。 扉の向こうの貴方は、一体どんな表情だろうか。 嫌がる素振りは無いから、あながち気の所為でも無かっただろうか。 「……何となく? 好きな奴の顔見るのに、理由いるのか。 必要なら、後で考えとく。」 未だに開かぬ個室の扉へ背を預け ずるずると座り込んだ。 (-155) osatou 2021/09/25(Sat) 20:46:54 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ「……」 自分がその悪い奴だと言ったら、貴方はどんな顔をするだろうか。少年は一度たりとも自分を善良な人間だと思ったことがない。 己の為に他人の罪を利用してここに飛び込んできたのだから。 「……勿論。迷彩のお母様の事も覚えていよう。 お前が俺の叱りを聞いてくれたように。俺もお前の頼みをちゃんと聞く」 少し考えて、もう一度だけ手を伸ばした。 柔らかな髪を撫でる。小豆色の瞳の中に貴方を閉じ込めたまま。 そうしてささやかな触れ合いをした後、少年は己の部屋へと戻っていくだろう。 貴方がどんな夢を抱えているかも、貴方がどのような素性であるかも。何一つ分からないまま。 貴方が走る先を見通すこともないままに、少年は背中を押したのだった。 (-156) もちぱい 2021/09/25(Sat) 20:58:29 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁ああ、またこの感覚だ。 たまらなく嬉しいのに、たまらなく苦しい。 「好き」という感情がこんなにも複雑な形をしているなんて思わなかった。 たまらず首を少しだけ動かして、後ろを見ようとする。けれど見慣れたフードを被る貴方の姿なんて見える筈もなく。あれだけ気持ちがいいと寄りかかっていた扉が今となってはあまりに煩わしかった。 薄い扉一枚隔てた先にいる貴方。 近くて遠いような距離感に、もどかしさだけが募っていく。 「……顔なら、部屋に戻っても見せられるだろう。暁、暁………………」 媚薬の影響はさほど受けていない筈だ。 それなのに、どうしてこんなに体が熱を帯びているのか。 貴方の声こそが、貴方の存在こそが。 自分にとって、きっと一番のクスリなのだろう。 だから、ああ、我慢していたのに。 声がこぼれる。想いがあふれる。 「………………ふれたい」 自分で自分を──抑えられない! (-157) もちぱい 2021/09/25(Sat) 21:11:24 |
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