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【秘】 暗殺屋 レヴィア → 小夜啼鳥 ビアンカ───まだ、終わらない。 頭のリボンを片方解いて、きっと痛みに俯く貴方の首にかける。 そのまま、ギリギリ、と上に持ち上げるようにしながら、 どんどん締め上げていく。 人間の身体は高性能だ。 首を絞められれば、その苦しさから逃れるように、 体が勝手に力を加えられた方へ引き寄せられる。 上に持ち上げられるように力を加えられていたのなら。 苦しさから逃れるように立ち上がってしまう。 そうして立ち上がったのならば。 貴方は、従業員と女の間に張られた、肉の壁となる。 女の力加減は絶妙だ。 首に痕は残るものの、死にはしない。 蜘蛛の糸が垂らされた地獄のような苦しみを貴方に与えて。 そうして。 「私はここに、お金を届けに来ただけよ。」 「背中を向けた所を不意打ちで発砲しようとしたのはそちらの方。」 「ここで私を殺したら、貴方と、貴方の所属する組織の立場は相当に悪くなる。」 「戦争の火種になりたくないのなら。」 「───表を開けてくださるかしら。」 底冷えするような声で、再度、告げた。 (-208) arenda 2022/08/19(Fri) 0:32:11 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 暗殺屋 レヴィア――ああ、まずったな。 銃声が響き、あてどなく放たれた弾丸がアンティークのランプを砕く。 降りしきる硝子の雨の中は、どばどばと放出されたアドレナリンせいでいやにゆっくりと落ちてくる。 後悔の色が、色濃く脳裏に滲んでいた。 ビアンカ・ロッカは育ちが悪い。 それでも、この街でマフィアに尻を振って傅く日々の中 まだ自分にこんな狂犬じみた部分が残っていたことに驚いていた。 ――ちょっと脅すつもりだったのに。プロじゃねえか、こいつ。 足元を刈り取られ、肩から床に叩きつけられる。 潰れた肺から空気が絞り出されて、喉が締まって―― 「 ぎ 、ぁっ…」脳を貫くような衝撃に、再びぼたぼたと鼻血が落ちた。 あえぐように伸ばした手が掴まれて、爪を立てる間もなく伸びて── ばき、ごき。 伸びきった間接が軋む音は体内を伝わり、妙に確りと聞こえてきた。 「 あ 、、ッ、ぐ 、ぇああ あ ああ !!」痺れるような破裂音と、骨の内側から感じる熱。 錯覚だ。 一瞬遅れて、もう痛みとだけは認識できないような激痛が走る。 壊れた玩具のように、押さえつけられた格好で絨毯を転がって―― ↓[1/2] (-209) gt 2022/08/19(Fri) 0:48:26 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 暗殺屋 レヴィア↓ がくん、と。 その体が、持ち上げられる。 「っ、……ぁ、――ち、……──ぃぎ、、ぁっ、……ぅ、え…ッ」 釣りあげられた雑魚のように、足をばたつかせる。 床に散らばった硝子でずたずたになった肩口の肉が、暴れるたびに鮮血を溢し、 モノトーンの服をワイン・レッドに染めていった。 「……、……っ、」 かふ、と乾いた呼吸に、ぼごりという汚らしい水音が混じる。 血の泡が唇の端に浮かんで、絨毯を汚した。 「……、…〜〜!」 たん、たんと。 首を絞め揚げるリボンのふちを、掌がタップする。 「……、……わが、……った、…、も、…やめ、……て、…」 こちらを向く従業員たちの目と銃口は、戸惑うように揺れている。 ビアンカはそちらに向けて、掌を下に向けて振った。 ――ばらばらと、銃が床を向く。 「……、あけ、…るから、……はな、……、ってよ……」 涙でぐしゃぐしゃになったアイシャドウが、充血した瞳を不気味に彩る。 肩越しに無理矢理振り返った横顔に、抵抗の意思はないようだった。 (-210) gt 2022/08/19(Fri) 0:49:39 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 暗殺屋 レヴィア「何も。くだらない与太話です。」 台本通りの恍けが返れば、何とも白々しくそう答えた。 あなたは答える義理も無いのだから、想定通りの返答だ。 「あの様子じゃ、処断でまた揉めに揉めるんじゃないですか。 お二人は殺さないって方針で一致していたように見えますけど。 他がどうだかは、わかったもんじゃありませんし」 お二人、という言葉が指すのは、件の顧問と幹部の事。 けれど幹部相当の立場の者など他にも居る。 姿無き第三者も。 彼らの一存が全てではなく、そも現状のトップはアンダーボスだ。 何処も彼処も一枚岩ではない。一夜にして見解が覆る事もあれば、 まったく予測不能の場面で死が齎される事もあるだろう。 「どうなるにしても、どうにもならないことです。 あんたが始末される事になって、その時まで俺が生きてたら。 その時は責任持ってあんたを猫にしてやりますよ。」 結局の所、これは取るに足らない口約束でしかない。 もしも死ぬなら、生きていたなら、それが実行可能であれば。 何もかも、そんなくだらない皮算用の上の与太話に過ぎないのだ。 (-212) unforg00 2022/08/19(Fri) 0:51:11 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 暗殺屋 レヴィア「俺は人殺しの道具に罪は無いと思いますがね」 「人殺しの人間だろうと、どうだっていい事ですが。 誰も彼も、死ぬ気が無いなら せいぜいいつまでも死に損なっていればいいだろうに」 ふと視線を外して、殆ど独り言のように投げ出したのは その通り、誰に言うでもない言葉でしかない。 (-213) unforg00 2022/08/19(Fri) 0:51:32 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 小夜啼鳥 ビアンカ時間にすれば、10秒足らずの攻防戦。 素人の従業員では発砲などできなかっただろう。 貴方に当ててしまう可能性があるから。 悲鳴にも,血にも。 たじろぐ様子一つ見せず、その手で腕をへし折って。 食い込むリボンは、貴方の命をギリギリ潰えさせない。 マフィアの中で、最も死に近い女。 それがこの暗殺屋だ。 銃が床に向くのを見て、締める力を緩める。 きっと緊張状態から解除された貴方の身体は、 床に崩れ落ちる事となる。 そっと、貴方の血がべったりとついた自動拳銃を拾い上げた。 「物分かりが良くて助かるわ。」 「病院には早めに行くことね。」 汗の一つもかかない女は、そう告げて。 扉が開けられたなら、そちらへと歩を進める。 ▼ (-250) arenda 2022/08/19(Fri) 11:06:57 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 小夜啼鳥 ビアンカ店を出る、その直前に。 女は一度、貴方の方を振り向いて。 「何もなかったわ。」 「あの子とは。」 そう告げた。 何もない、わけがない。 血の香りがする女と夜鷹など、関わる場面は多くない。 しかして、マフィアが街娼を態々狙って殺す理由もない。 もし理由があるとすれば……"たまたま、仕事の場を目撃された"時くらいだ。 ───暗殺者は、自身の行った殺人を知る者全てを殺さねばならない。 だから。 『深く調べようとするな』と、言外に告げているのだ。 もし、知れば。 今度は貴方を殺さなくてはいけなくなるのだから。 「Addio.」 そうして女は今度こそ、店を後にしただろう。 後に残ったのは、床に散らばって汚れた、 くしゃくしゃの紙幣。それだけだ。 (-252) arenda 2022/08/19(Fri) 11:15:43 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 鳥葬 コルヴォ「下請けは大変ね。」 「それでも、従う事だけが私達の価値だから、仕方ないわ。」 上の手となり足となり、汚れ仕事を行い危険を冒す。 それだけが自分達に求められた役割だ。 これといった見返りがあるわけでもない。 そんな役割なのは、きっとお互い様で。 「そう、よかったわ。」 「自分がいた痕跡なんて、一つも残したくはないもの。」 それは暗殺屋としての矜持か、 はたまた女の思想か、それを語ることはなく。 何の強制力もない一つの口約束を、 ただ淡々と交わし合う。 「貴方は。」 「人が死ぬことが嫌いなの?」 ふと、逸らされた分、夕闇があなたを見上げて。 零したのは、そんな質問だった。 (-254) arenda 2022/08/19(Fri) 11:25:24 |
レヴィアは、血に濡れたリボンを捨てて、新たなリボンを買った。いつもの黒色だった。 (a31) arenda 2022/08/19(Fri) 11:27:23 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 暗殺屋 レヴィア「面倒事が好きな奴はそう居ないでしょうよ」 投げ掛けられた問いに返るのは、 いつも通りに軽薄な笑いに乗せた、薄っぺらな慇懃無礼。 とはいえ、この掃除屋はどこか望み好んで その面倒な役回りに甘んじていた節はあるけれど。 「死にたいなら死ねば良い。 死ぬ気が無いなら生きれば良い。 誰がどちらを選ぼうとどうだっていい事ですが、 下働きからすれば無闇矢鱈に仕事を増やされちゃたまらない。」 「それが急を要する仕事でもないなら、なおのことです。 それだけのことですよ。」 何処までが本音で、何処までが建前かは定かではない事だ。 頼まれりゃやりますけどね、と続けた言葉も淡々としていた。 何せ死体というものは大きな情報源になり得るから。 放置すれば困るのは自分達の方、それは確かな事でもあって。 「そういうあんたはどうなんですか。」 人が死ぬという事をどう思っているのか。 音も無く眇目が夕闇を見下ろして、 問い返しはすれど、やっぱり然程答えに期待してはいない。 聞かれたから聞き返す。たったそれだけのこと。 (-263) unforg00 2022/08/19(Fri) 13:45:53 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 鳥葬 コルヴォ「そう。」 「じゃあ、死んでほしくはないのね。」 結論だけを抜き取って、言葉にする。 仕事が増えるから、それはそうだろう。 死体は必ず処理しなければならない。 敵も、身内も、死体から分かることは非常に多い。 武器の種別などは最もたるものだ。 おかげでかのボスも、死因が狙撃銃であることが分かっている。 例えばアルバの構成員が死んだ時、 その死因が最新型の兵器であると露呈すれば。 それだけで戦争の火蓋が落とされるかもしれない。 ゴミ処理は、大変で敬われもせず、忌避される割には重要だ。 暗殺と同じく。 「興味がないわ。」 「でも、どうせならみんな猫のようになって欲しいわ。」 「消えて、居なくなって、死んだかどうかも定かじゃないように。」 「その方が、目につかなくていいから。」 なんて言う物言いも、どこまでが本音かなど分からない。 死や殺人を忌避する権利など、女にはない。 女は無感情だ。 「今日は何か買っていってはくださらないの?」 (-265) arenda 2022/08/19(Fri) 15:26:47 |
【人】 暗殺屋 レヴィア【花屋】 女は花屋にて。 ヒヤシンスを一本買った。 紫のそれを包装してもらい、店を後にする。 女の瞳と同じ色。 それを胸に抱えながら、またどこかへと歩いていく。 黒の日傘が今日も女に日を当てないように広げられていた。 (38) arenda 2022/08/19(Fri) 16:20:46 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ/* ごきげんよう!暗殺者(役職)です。 この度、ランダムダイスでラウラさんが襲撃対象となってしまいました…! つきましてはご連絡と、いくつかヒアリングをさせていただきたく思い、 秘話の方飛ばさせていただきました。 Q1.暗殺RPを希望されますか? (他のやり取りで忙しいという事であればなしでも大丈夫です!) Q2.暗殺される際のシチュエーションのご希望はありますか? (狙撃であっさり、銃撃戦、毒殺、など) 尚暗殺の理由としては、『モブ上司から、ラウラさんが他組織のスパイであるかもしれないため処罰せよ』という命令を与えられ、赴いた、という形になるかと思います! 突然のご連絡申し訳ありません。よろしくお願いいたします。 (-283) arenda 2022/08/19(Fri) 19:18:14 |
【秘】 piacere ラウラ → 暗殺屋 レヴィア/* 御機嫌よう、暗殺者様! タイミングの良さに楽しくなっております。おやつはたい焼きです。 以下に問いへの解答失礼致します。 Q1.暗殺RPを希望されますか? → 暗殺者様にご負担がなければ是非。 Q2.暗殺される際のシチュエーションのご希望はありますか? → 特にはございませんが、託された事がございますので多少何かを行える時間はいただきたく存じます。 とはいえ暗殺者様の不利になるものではなく、死ぬ前に独り言に何かを残せたらいいな程度ですが。 また暗殺の理由につきましてはそちらで特に問題ございません。 ご丁寧にありがとうございます! お手隙の際にご確認よろしくお願い致します。 (-284) sinorit 2022/08/19(Fri) 19:42:55 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ/* こちらも表のロールを見ながら襲撃対象ダイスを振ったため、 おい!!!!!!!!!となってしまいました……… ロールご希望、ありがとうございます! こちらも出来ればやれたらいいなと思ったため、嬉しいです! シチュエーションに関しても了解いたしました! でしたら、ラウラさんがお一人になったタイミングで 話しかけ、これから殺すことを伝え、最後に猶予を与えるような 形にするか、あるいは死に際に少しだけ行動できる程度の 怪我を負わせるか、といった形にしても大丈夫でしょうか? 殺害宣告に抵抗してこちらに対し発砲をする、等のロールを して頂いても大丈夫です!ご自由にどうぞ! 大丈夫そうなら、改めて秘話を送らせていただこうと思います。 (お返事は少しゆっくり目になります!申し訳ありません!) (-289) arenda 2022/08/19(Fri) 20:07:28 |
【秘】 piacere ラウラ → 暗殺屋 レヴィア/* 順調にフラグを積んでおりましたので、 そろそろ来るのではないかと感じていたところでした! 初日処刑回避からきっとそういう運命だったのです… レヴィア様とはお話出来ずにおりましたので、 こうした機会でも接触できることを嬉しく思います! またシチュエーションに関してありがとうございます。 こちらは託された写真立てを何とかしてツィオ様かリカルド様にお渡ししたく。 置き手紙なりを利用してレヴィア様との秘話に繋げようかと! 念の為死ななかった時を考慮しての内容にする予定です。 猶予をいただける場合には無抵抗ですので、 置き手紙を利用する場合そちらの方がスムーズに行われるかもしれません。 お返事速度に関しましてお気になさらず。 無理のない範囲で楽しく遊びましょう……!! (-291) sinorit 2022/08/19(Fri) 20:39:01 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ/* 了解しました〜〜〜! こちらもお話の機会に恵まれ、嬉しいです! では一人でいる所に声をかける形で秘話を送らせていただきます! また、殺す前に猶予を与える方向性で行こうと思います! ヒアリングありがとうございました〜〜〜! よろしくお願いいたします! (-295) arenda 2022/08/19(Fri) 20:48:23 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラさて、どこかの時間帯。 貴方は独りになる機会はあるだろうか。 それはアジトの中か、あるいは路地か。 どこか、誰かの家であるかもしれない。 貴方がどこに居たとしても。 貴方が独りで居る時に、パンプスの足音が響く。 「ごきげんよう、Signorina.」 ゴシックな服に身を包み、頭にリボンをを付けた、 まるで人形のような可憐な容姿と、温度のない顔をした女が、 貴方の傍に現れる。 偶然会った、という風ではない。 明らかにあなたを探していたのだという風に、 貴方に向かって、ゆったりと歩いてくる。 (-297) arenda 2022/08/19(Fri) 20:54:13 |
【秘】 piacere ラウラ → 暗殺屋 レヴィア上司の姿が消えてから、随分とひとりで行動することが増えた。 三日月島の岬で、埠頭で、路地裏で、あるいは自室で。 紫煙の香りを纏わせながらそこに居るだろう。 響くパンプスの音に視線を向ける。 耳にしたことのある音だ、その主が誰か理解するまでそう時間もかからない。 「……………レヴィア 様、」 偶然というには貴方の反応として違和感を覚える。 それに、こちらが見かけることは多くとも話をする機会など殆ど無かったはずなのだから。 何の用かは分からない。 ただ、少しだけ。 ほんの少しだけ──嫌な予感がした。 「…何か、ラウラにご用事 でしょうか」 (-304) sinorit 2022/08/19(Fri) 21:32:04 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラではそこは、路地裏であったはずだ。 女は仕事をするとき、路地裏を好む。 光の届かぬ細道では、誰がいなくなろうとも気づく者はいない。 夜鷹が連れ込まれ殺されるのなど日常茶飯事なように。 ここでは死体一つ転がっていても、何ら不思議ではないから。 片手に黒い日傘をステッキのように持ち歩き、 貴方の前に立つ女は、夕闇の瞳で貴方を見上げる。 「年下にも様付けするのね。」 他愛のない会話。 貴方と話した事なんてほとんどないのに、 そんな世間話を今ここで。 する、はずもなく。 「私の役割はご存じかしら。」 用事、に対する答え。 何一つの色もない、無機質な声を響かせる。 それは、万象の鐘が鳴り響くかのような。 "終わりを告げる宣告"に等しかった。 (-314) arenda 2022/08/19(Fri) 22:16:40 |
【秘】 piacere ラウラ → 暗殺屋 レヴィア組織の中で己よりも背丈の低い者はあまり見ない。 だからか、見下ろす形になることにはあまり慣れていなくて。 「……ラウラとレヴィア様は、お立場が異なります から」 いつものように真っ直ぐに双眸を向ければ、互いに交ざり合う。 不思議な気分だ。見つめていることが不安になるほどに。 世間話であれば、どれほど良かったのだろう。 表情に変化はない。見えるものに変わりはない。 何ひとつも咎められるべきを行った覚えがないのだから。 けれども、その意味を理解できないほど愚かではない。 「……………理由を お伺いしても、よろしいのでしょうか」 凡そは考えつく。理由なんて、それくらいだ。 それでも問わずにはいられない。…大切な約束が、あるから。 理不尽に死ぬことは受け入れ難い。今は、そう考えてしまう。 けれどきっと、逃れられないことも理解している。 (-328) sinorit 2022/08/20(Sat) 0:52:50 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 暗殺屋 レヴィア「じゃあ、死んだ人間を見たくはないんですね。」 平然と返すのは、意趣返しのような言葉ひとつ。 殺しもすれば、殺されもする。 死体を粗末に扱えば、死体を粗末に扱われる。 Chi la fa l'aspetti. その報いの先は自分だけとも限らない。 そのやり取りに感傷の色は無く、互いに考える事は同じだろう。 「あんたに商売っ気があったとは知らなかったな」 続く言葉は、その後に投げ掛けられた問いに対してのもの。 それは遠回しに、客として来たわけではないのなら。 つまり他に用向きが無いなら帰れという事なのだろうけど。 「そうですね。なら、時計を一つ買う事にします」 「ただし、選ぶのはあんたです。 壁掛けや置き時計は遣り場が無いんで、 持ち歩けるものにしてくださいよ。 その中から、あんたがこの店で一番気に入ってるものを。」 無いならせいぜいこれから悩んでください。 実に適当で書類も介さない注文は、結局はやはり口約束だ。 「買いはしますが、取りに来るまでは預かっといてください。 今使ってるものが壊れるか、 あんたが死んだら受け取りに出向きます。」 (-330) unforg00 2022/08/20(Sat) 1:24:38 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ「私は気にしたことはないけれど。」 「窮屈ね、組織というものは。」 深く、沈み込むようなアメジストの瞳。 全ての光を飲み込んで、一つも返さないかのような。 暗い、昏い眼を向け続けて。 中指をくい、と伸ばせば、そこについた透明な糸に 繋がれたものが、袖口から手のひらに収まる。 改造された小型拳銃。殺傷力と装弾数を落とす代わりに、 違和感なく袖に仕込めるようになった、暗殺用の銃。 「貴女が、敵組織の間者だと判断された。」 「だから指示が出た。それだけよ。」 誤情報だとか、誰かの陰謀だとか。 あるいは、本物の間者の策略だとか。 きっとこうなった可能性は山ほどあって、そして……… その全てに、女は"興味がない"。 ただ、指示されたとおりに仕事をするだけ。 それ以外の価値など、自分にはないのだから。 「恨み言はあるかしら。」 殺しのプロである女は、標的を絶対に逃がさない。 だから、抵抗しないでほしい、と思う。 抵抗されれば、その分だけ死体を汚くしてしまうから。 銃口は、まだ貴女には向けられない。 女は、貴女に猶予を与えている。 (-331) arenda 2022/08/20(Sat) 1:31:44 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 鳥葬 コルヴォ「死体を見たい人間がいるのかしら。」 淡々と返す。 何故見たくないか、の理由は言及しない。 聞かれる事もきっとない。貴方は興味がないだろうから。 「そう。私、商売人なのよ。」 だから冷やかしなら帰ってくださる?と、 遠回しだったそれを、今度は近道に言う。 しかしてどうやら、貴方はお客様でもあったようで。 「アンティークは自分で選ぶから楽しいのよ。」 馬鹿ね、と告げながら、席を立つ。 こつ、こつとカウンターから出て、一つの時計の元へ。 少しだけ錆びついた鉄の蓋がついた、無骨な懐中時計。 お世辞にも奇麗とは言えないそれを、手に取る。 「一番古い時計。いつ壊れてもおかしくない、 死にぞこないの時計。」 「明日には止まっているかもしれないわ。」 「でも。」 「今、懸命に動いている。」 死を看取るのが、貴方の仕事でしょう、と。 女はそれをもって、カウンターまで戻る。 「早めに取りに来ることを願うわ。」 「踏み倒されたら癪だもの。」 (-332) arenda 2022/08/20(Sat) 1:43:57 |
【秘】 piacere ラウラ → 暗殺屋 レヴィア首をゆっくりと横に振る。窮屈などと感じたことは一度だってない。 これでいいと思っていたし、今もそう考えている。 逸らされない視線を真っ直ぐに受けて、僅かに目を細める。 淡々と語られるそれらに納得はいかないものの、理解は出来た。 そして貴方が"それだけ"が理由だとしても、間違いだとしても。 どのような可能性でも……命である以上完遂するだけなのだろう と。 女もそうだった。命令に忠実で、けれど違うのは上司の存在。 あるいは周囲の人の存在……なのかもしれない。 貴方がそうではない、とは限らないが。 「…………託されたものが、あります から。 出来れば少しだけ……時間を、くださいません か」 恨み言はない。けれどやるべき事がある。 だからそれだけはどうにかして誰かに繋げたい。 約束が叶わないのは昔からだ。あまり、意外だとも思わない。 最初から最後まで、そうあり続けるだけ。 男が守れない約束をするなと、ツィオ様は仰っていましたが。 それはわたしも一緒。…謝る時間は、ないのでしょう。 出来ればそれだけは叶えたかったのですが……仕方がないこと、です。 恐れは感じなかった。本当は"あの日"死ぬはずで、次は"あの時"。 その全てを回避してきたけれど、"いつか"はやってくるものだ。 (-336) sinorit 2022/08/20(Sat) 2:40:48 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 暗殺屋 レヴィア【路地の店】 ふと、足があなたの店に向く。 石畳をごつごつ鳴らして、カップを傾けながら。 今は昼を過ぎ、夕刻が近づく頃か。 店の扉に目をやった。 開いていなければま、そりゃそうかと踵を返すだけ。 開いていれば、軽く覗いてみるくらい。 さて、店は開いているか、否か? (-345) shell_memoria 2022/08/20(Sat) 4:25:15 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ"それだけ"が理由だ。 女にとって人を殺す理由はそれだけで良かったし。 それ以外の理由を求めることは許されなかった。 命令通りに仕事をするお人形。 求められるのはその役割だけだった。 女は、殺しのための道具だった。 「そう。」 「興味がないわ。」 貴方の嘆願を、冷たい言葉で切り捨てて。 …だというのに、銃口は未だ向けられることは無かった。 「人に会うことは許さないわ。」 暗殺の仕事は、誰にも知られてはいけない。 だから知った人はみんな、殺さなければいけない。 先日、現場を目撃した街娼の少年をそうしたように。 だから、人には会うなと。 それは、それ以外の行動については許容するという言葉でもあった。 死までの時間はあと僅か。 さて、あなたは溶け切る蝋燭を前に、 何を成そうと言うのだろうか。 (-347) arenda 2022/08/20(Sat) 6:51:38 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 冷たい炸薬 ストレガ女は、店にて。 今日はいつもより早い時間から、鎮魂歌を演奏していた。 気まぐれか、何か理由でもあるのか。 なんにせよその音は、扉の前に立てば鮮明に聞こえてくるはずで。 「いらっしゃいませ。」 と、顔を出した貴方を一瞥もせずに、 淡々と告げるのだった。 (-348) arenda 2022/08/20(Sat) 6:54:05 |
【秘】 piacere ラウラ → 暗殺屋 レヴィアラウラはあの日、 許されてしまった 。好きにすればいいと、だから今尚ひとりで行動していた。 泣くことも、想うことも。呪いすら残して。 ただのアソシエーテではなく、ひとりとして……。 興味が無いと口にする貴方から、ラウラは目を逸らさない。 だから向けられない銃口にも、それ以外であれば許容してくれるのだろうという言葉の裏にも直ぐに気が付けた。 感謝は口にしない。貴方にはするべきではない。 きっとそれでいい。ラウラはそう判断して。 肩から提げたバッグに手を伸ばす。ゆったりとした動作だ。 敵意など微塵も感じられない、相手にも正しく伝わる程に。 取り出したのは 預かった 写真立て。それを腕に抱えた後にバッグの中身をひっくり返した。 財布、連絡用端末、メモ帳にペン。それからペーパーナイフ。 それらが地面に散らばりしゃがみ込んで、必要な残りの3つに手を伸ばす。 「……一筆だけ、失礼致します ね」 何を残すべきか。…なんて、既に決めている。決まっている。 迷いなくメモ帳から一枚を切り離し、ペーパーナイフで半分に。 続いて写真立てを膝に置き、ペンを握る。 空中では書きづらいものだからメモ帳を下敷き代わりとして、半分にしたメモに何かを書き込んだ。 貴方に見せるように言われなければ、そのまま"したいこと"を続けるだろう。 (-349) sinorit 2022/08/20(Sat) 8:01:10 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 暗殺屋 レヴィア音を聞けば遠慮なく。扉を開けて、顔を出す。 「ciao。昼間に空いてるとは思わなかった」 熱気が家具に当たる前に、さっさと入り込む。 また、前に来た時と同じように家具を眺めていく。 「なんとも、嫌な感じだねここ数日は」 (-360) shell_memoria 2022/08/20(Sat) 11:21:36 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ好きにすればいいと言われたその言葉で、 一人の時間を多くしたというのなら。 一人でいたために殺されてしまうことを、 果たしてその人はどう思うのだろうか。 吐いた言葉を後悔するだろうか。 あるいは殺人犯を、蛇蝎の如く恨むだろうか。 …どちらでも、興味のないことだ。 自分の仕事は、指示通りに殺すことなのだから。 「ご自由に。」 冷ややかな言葉。 貴方の行動を見守れど、内容を見せるよう要求をすることはない。 中を見ようともしない。 貴方がその気になれば、この女を告発する文を書き、 誰かに託すことで、女への報復をすることすら容易にできる。 それほどまでに、ある種不用心な立ち居振る舞いをしている。 「終わったら教えてくれるかしら。」 「それと、その手紙は死体に持たせたままでよかったかしら。」 視線を逸らして、懐から取り出した懐中時計に目線を移す。 貴方がやりたいことをやり終わるまで、 きっと女はそうし続けていた。 (-374) arenda 2022/08/20(Sat) 13:56:44 |
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