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【赤】 小満末候 麦秋至―― 過去/雪の中に答えを探して ―― …………どうしよう、道に迷っちゃった。 [寒空の下にいて、わたしは正直参っていた。 左右を見渡せば木々が並んでいて、誰かが住んでそうな家は見当たらない。 わたしに吹き付けている風はとても冷たく、 空からはひっきりなしに重たそうな雪が降っている。 わたしは冬至域にいた。 それも、もっとも冬の寒さが厳しい時季に] (*123) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 3:39:47 |
【赤】 小満末候 麦秋至[冬が長く昼は短い冬至域において、>>0:255 “鬼節”と呼ばれる厳しい時季があることを、 わたしは旅に出る前から知っていた。 近隣の統治域に関する書物も読んでいたからだ。 とはいえ、文面で把握するのと、実際に体感するのとでは、 あまりにも差がありすぎる。 そう、わたしは実際“鬼節”をナメていたのだ。 寒さに強いひとの多い小雪域に生まれたとはいえ、 わたしの灯りは、秋めいたうつろいを見せていたのに] だれかー、だれかいませんかー。 わたしは今とっても困っていますよー。 [声を張り上げた、けれど、風の音の方が強いよねえ…… 今すぐあったかい部屋の中に行きたい。 火の粉が爆ぜる暖炉の前でのんびりしたい。 そんな願いもかなえられるかどうか……] (*124) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 3:45:25 |
【赤】 小満末候 麦秋至[ポケットの中に入れた手が、自然と丸いものに触れる。 これは……わたしの灯りが入っているいれものだ。 器の見た目は完全に羅針盤なのだけれど、 針はなく、決して未来を示すことなく、 わたしの灯りがただ限られた範囲をふわふわと漂っているだけ。 その灯りも今は、わたしと同じように、 震えてどこかひとつにとどまっているのだろう。 もしも、わたしが誰にも見つけられず凍え死んでしまったら、 ほんの半日前までは縁もゆかりもなかったこの地で、 わたしの灯りはどうなってしまうのか。 もちろんそんなことは知りたくなかった。 だから、懸命に足を前に動かせって自分に言い聞かせた。 道には雪が積もってて、わたしの足も雪に埋もれてたから、 歩くだけでも体力が削られていく感じがするけど、動かないとそれこそ命にかかわる] (*125) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 3:46:05 |
【赤】 小満末候 麦秋至だれかー…… いませんかー…… [ゆっくり歩きながら振り絞った声はなかなかにかすれていた。 わたしはもう祈るしかできない気持ちでいた。 その時だ。 わたしの声が届いたというのか、 なにものかが駆け寄ってきたのだ。ぽてぽてと。 …………ぽてぽて?] (*126) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 3:47:40 |
【赤】 小満末候 麦秋至------------------------ [“わたしは冬至域で遭難しかけた時、 雪兎らしきいきものに道案内されてどうにか助かった” こんな話、今でこそ笑い話にできるけど、 『慈雨』のお客さま方にする話じゃあないし、小満さまや蛍のお二方にもすることはなかった。 とはいえタイミングよくお店を訪れていれば知っていてもいい話だ。 いつだったか『慈雨』に訪れた冬至さまには、 その話をしたことを。 会合でその姿を見かけてから、もしかして、という予感がしていた。 その予感を口にするまでにはちょっと時間がかかったけれど] (*127) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 3:48:59 |
【赤】 小満末候 麦秋至……死にそうな人間には何か変わったものが見えるんだとか。 だから、あの時助けてくれた雪兎は幻かもしれない、 そう思ってたんです。 なにぶん、どこかの道を彷徨ってて、雪兎に会って、 気がついたらあたたかい部屋に寝かされていた、という有り様でしたし。 ですが……冬至さまに会って考えが変わりつつあります。 もしも冬至さまがかつてのわたしの恩人であるのでしたら。 ただ一言お礼を言わせて欲しいのです。“ありがとう”と。 (*128) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 3:50:09 |
【独】 小満末候 麦秋至/* 〆……〆とは(哲学)みたくなっているわたしです 雨水さますごい! おつかれさまです〜〜〜 雨水さまも白露さまもだけどお手紙のやり取りがいい味出している (-956) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 14:25:57 |
【人】 小満末候 麦秋至[パーティーがお開きになる前、 わたしは一枚の紙を手に神妙な顔つきをしていた。 例の、つぶあんとこしあん、どちらが好きかという問いを書いた紙である。 「皆違って皆いい」――なるほどです。>>3:46 「おまかせ」――これは小満さまの字ですね。>>4:9 「つぶあん」――端っこの方に書いてあった。>>4:34 「こしあん!」――シンプルかつ勢いを感じさせる回答。>>128 他にもあったかもしれない。 第三勢力>>3:48が現れる様子はなく、でも、現れてたら現れてたで、 わたしの心は乱れていたかもしれない。 白あんを使った練り切りは何を隠そう、いっとう好きな和菓子だ] うん、好きにも色々あるけど、対立せず仲良くやるのが一番だよねえ。 [戦争などもってのほかである。本当に。 涙はとっくに乾いていて、空が夜の訪れを感じさせる色に染まっているのもよく見えた。 紫から藍色へのグラデーション] (216) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 15:20:49 |
【人】 小満末候 麦秋至[わたしは紙の余白部分に「ご協力ありがとうございました」と書き込んで、 その場に残しておいた。 持って帰っても正直なところ使い道がないし、 立春さま宛のメッセージも書いてあるので、そもそも持って帰る意味がない。 それから小満さまのところへ向かうと、小雪さまとの間にあったことを話した] というわけで、はい、温泉を堪能しに、 ちょっとの間小満域を空けたいとお思いでして。 [これはいわゆる「わたしを冬至域に連れてって」的なお願いをする目的も含んでいる。 どことなく畏まった態度だったけれど、これは、 今夜にでも行きたい気持ちを頑張って抑えていたからだった*] (217) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 15:22:50 |
【独】 小満末候 麦秋至/* 音楽…… そういえばまだ本名案「二胡」を転がしてた時 自分の名前は楽器から取られてたけどその楽器の実物を見たことがない、っていうのをフックにしようと思ってたのを思い出したああああ たぶん小満さまとの ていうか自設定にもっと音楽を絡めてもよかったあああああ(遅い) (-980) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 17:00:08 |
【人】 小満末候 麦秋至―― なんだかんだで雪見温泉 ―― 見てください、月が綺麗ですよ! [夜の露天風呂の圧倒的な情景に目を奪われる。 空には丸いお月さまが浮かんでいる。 入り口から湯舟までの道を点々と照らすランプよりも明るいんじゃないかってくらいだ。 月ははっきりと見えるのに、雪がしんしんと降っていて、 その雪も、どこかうっすらと光を放っているように見えた。 雪と月、両方が楽しめるなんて粋な計らいじゃないか。 思わず立ち止まって見いっていれば後ろから風が吹く。寒い。 しっかり服を脱いで、タオル一枚巻き付けてるだけだからね。 手に持っているのは風呂桶と、マジョラムflowerの刺繡が施されたてぬぐいだ] はああ……………… [体や頭を洗ってから湯舟につかると、 すぐに温泉のあたたかさが体中に染みわたってくる。 日頃の疲れなんかも溶けていって、ふにゃふにゃになってしまいそうだ] (231) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 17:05:42 |
【人】 小満末候 麦秋至旅に出てから、本当に色々なことがありました。 [わたしはまだふにゃふにゃになっていない口を動かした。 長い話を始めるつもりで。 特別な事件の話をしたわけじゃない。 統治域の名物や名産品に触れた。 路銀を稼ぐためにあぶない仕事以外は色々やった。 優しい人がいた。 そうじゃない人もいた。 本で知っているだけの光景を見た。 知らない光景も見た。 どこかで聞いたことのある歌をうたった。 やがて声は夜空に吸い込まれて消えた] (232) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 17:07:14 |
【人】 小満末候 麦秋至……わたしは、世界を知ることでわたしを変えたくて旅に出たんです。 でも、なんでしょうねえ、根っこのところは今も変わってない、って、 今なら言える気がします。 色んなものを見てきたけれど、 今でもちゃんと故郷のことが好き。 小雪域のことを退屈だって言ってしまって、ごめんなさい。 [決めていたのだ。 今度はちゃんと小雪さまの目を見て謝ろうって*] (233) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 17:08:47 |
麦秋至は、ひゅ〜〜〜〜(拍手) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 19:32:34 |
【人】 小満末候 麦秋至―― 会合後/真・麦ちゃんのポトフ ―― [約束されていた宴会、皆様いかがお過ごしでしょうか。 今日のポトフはコンソメスープを使わないで、 お肉から染み出るうまみと野菜のうまみ、 そして各種香辛料の味わいを合わせて、 あっさりだけどコクのある味に仕上げました。 隠し味は八角という名前のスパイスです。 小満さまの厨房にはいろんなスパイスがあるんですけど、 この八角は星図盤に書いてある星みたいな形をしているんです。 香りが独特ですのでほんとうにちょっとだけ入れました。 楽しく召し上がってくれると嬉しいです] (259) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 19:33:14 |
【人】 小満末候 麦秋至[雨水さまが持ってきてくださったお肉類を見て、>>195 「これなら沢山ポトフが作れる」と口走ってしまったためでしょうか。 わたしは宴会の席で一品ふるまうことになりました。 お肉類、わたしが雨水域にいた時に食べたものとは、ランクが違うと一目見て思っていた。 お金を節約して高級店ではお買い物しませんでしたし。 正直緊張したけれど、うまくできたようでよかった] あ、あの、どうですか、これ。 わたしが作ったポトフなんですけど。 雨水さまが持ってきてくださったベーコンやソーセージも、 入っていますよ。ほら! [文字通りごろごろとした大きさに切られた野菜に混じって、 ごろごろと厚切りにしたベーコンが入っている。それを指差した。 断られなければ向かい側に座って、 食べるかどうか、それを見守った] (260) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 19:35:03 |
【人】 小満末候 麦秋至…………。 [じーーーーーー……。 会合後のパーティーの時のチュウくんとは、 互角な目力比べができそうな勢いだった。 彼女が美味しいと言ってくれたなら、 飛び上がる勢いでよろこびました] [嬉しくても涙が出るということを、わたしは経験したばかり。 だから、雨水さまが人知れず涙ぐんだのを見ても、 ただ、それが拭われるのを見守っていた。 灯守りだからって泣いてはいけないわけでもない、そうでしょう?*] (261) Akatsuki-sm 2022/01/30(Sun) 19:37:14 |
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