「すっきり？してよかった！」
よかったかなぁ……

「あ〜、そっか！たしかに仮ってことにしとかないとさすがに怒られるかも〜……、
っていうか、イヤじゃないってことだよね！確認とってから、ってことはさ！よろしくボーカル候補〜絶対説得するから！」
わ〜！して握手しようとしたところであなたの手がファイルで塞がっていたので、抱きついてわ〜！する方向に切り替えた。
わ〜！背中バンバンバン！

「そりゃあこれだけ熱烈にスカウトされてて心動かない人間なんてあんまいないって。……まあやるとなったら全力でやる人間だから安心してほしい、とりあえずは説得の結果がどう転がるか楽しみにしてる！」

わ〜！されて背中バンバンバンされているのも悪い気はしない。なのでこちらもファイルをそっと近くにおいてあなたを抱きしめてバンバンバンした。
なお、コートや衣服や手袋は見た目以上に硬質だ。微細な電子機器が編み込まれているのだろう。

「だからまあなんつーか、改めてよろしく？どうしても他の楽器が欲しかったら練習頑張るから言ってなー」

「はい 私 カストル様とご一緒にノッております
ノリノリでございます」
ポヤポヤ歌詞でも拍手を贈りましょう。 ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

「･･･なるほどでございます

私が初めとは光栄でございますね こちらこそありがとうございます」
不審者は不審者様に語られた犯行動機を聞いて喜びました。ｴｯ?

「え〜〜結構断られることあるんだけどさ〜、素直に言ってよかった！」
何かかたいな、と変な感想のつぶやきとともに離れた。
というか背中に回り込んでつっついている。

「他の楽器っていうとなんだろ〜……なにかやってたのとかある？
やりたいのあったらオレも勉強するよ〜！曲作る時混ぜられなきゃダメだもんね〜」

「ノっておるですね」
口調がだめになった。

「喜んでもらえてよかった！ねぇ、次は誰の曲作ったらいいと思う？」
不審者様は不審者さんに次の犯行先を相談した。本当に行くつもりだ。カストルはチェーンメールの生まれ変わりなのかもしれない。

「ノッておるですよ」
一緒にだめになりました。不審者仲間ですから。

「そう･･･にございますね
私 *ヌンキ様* の曲 気になります」
ｱｯ! これはノッてくれそうだからという理由な気がします！

そして完全に止める気がございません。
存分に犯行して行きましょう。

「あっ！ヌンキは2曲あるよ！」
なんで？

「……これがヌンキ登場のうた」



「これがヌンキありがとうのうた！いいでしょ！……3曲めはなにがいいかな？エンディング？」
本当にノってくれたらしい。ヌンキを終わらせてはいけない。

「おや 既にございましたか」
静かに聴きます。

くらいは鳴っていたかもしれませんが。

「わ〜 素敵でございますよ カストル様
そうでございますね エンディングもよろしいかもしれません」
終わらせる手伝いはやめましょう。
あ 曲が終われば拍手します。ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ ｼｬﾝｼｬﾝ

「他の方といいますと *バーナード様* は如何でしょうか」

「そりゃよかった！あんま突っつくなよー、硬くて気になるようなら脱ぐけどさ」

まあ突っつかれたところで壊れるほど柔じゃない。

「実は楽器は全然！手先が器用ではあるからひとつに絞れば結構頑張れると思う。……硬いの全部電子機器でさ、服とかにぜーんぶ仕込んであんの」

「……」
……ジャーン。


きっとと思ったことだろうが、たまたまヌンキとバーナードのテーマソングが存在しただけなのだ。ほんと。

「シェルタンは……センスがすごいかもしれない！」
テーマソング適正を見抜いていると言える。

「なかなかの自信じゃん！じゃあ考えちゃおうかなー、似合うやつ！
っていってもオレそんなにいろんな楽器詳しいってわけじゃないけど……」
知らないことはわりとすぐ知らないと言う方。

「ううん、なんかヘニャヘニャしてなくて面白いな〜って……へぇ！重くないの？」

「俺もそんな詳しくないけど、ギタロンとキーボードに合わせる楽器かー。ゲーム終わってポルクスにも許可取れたらその時に決めつつ探しに行けばいいかもな」

知らないことは調べるけど楽器同士の相性は分からない男だ。

「最初の頃は重かったけど今はそうでも！上手く操作できるようになるまでがやっぱ大変だったけど、その辺も割と慣れたから問題ないって感じだな。難しいんだぜこれ、ちょっと動き変わるだけで挙動が変わる」

「おやおや バーナード様もございましたか」
3度目の拍手でございます。ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ ｼｬﾝｼｬﾝｼｬﾝｼｬﾝ

「私 生まれてこの方 平凡の肩書きでしたがセンスがあると喜んでもよろしいのでしょうか」
※余りにも勝手な判断で選択しているだけでした。

「･･･そうですね *ハマル様* そして *レグルス様*の何れかも楽しそうではございます」
3度目のノッてくれそうをピックアップ致しました。

「う〜ん……打楽器が足りない感じはする。何か見に行きたいよね〜、ボンゴ？」
ボンゴだけはないだろ。

「へぇ！面白そう！バーナード器用そうだもんな〜……そういうのオレでも使えるかな？」
何用なのかよくわかってないけど。

「非凡を名乗ってよくない？非凡なセンスだよ！」
喜んでもよろしい許可を出しました。

「そしたら、その二人も間違いないなさそうだね！
よ〜し、じゃあ早速鳴らしてくる！ありがと！
どうしようかな〜いや！どっちかだけなんて選べない！」
そして二人を探して走り出した。どっちもに、やる。それしかない。
鈴は置いて行っちゃった。

朝っぱらからあなたを呼ぶ声が聞こえるぞ！うるさい！

早朝！騒音！
あなたを探し歩く不審者がいる。こいつはスルーしてよい。

「おっとご愉快ユニットの気配。ポルクスの慧眼に期待すっかな」

ギタロンがある時点でご愉快寄りなのはまあ間違いなさそう。

「使えるかもしれないけど練習はやっぱ必要だぜ？とはいえ生体情報系、環境調節系、身体補強系、戦闘系……とここまで色々使い分けしないならそこまで難しいことじゃない、ギタロン弾けるやつなら問題ないだろ」

「おはようカストル。元気のいいのはいいことだ。ふぁ…」
寝ぼけ眼で部屋の扉を開ける。
ちなみにハマルのハマルも起きているようだ。自己主張だね。

「よし、一句読んでみよう」

べべん。

べんべべべん。

「うん、悪くないんじゃないかな」

「やった〜 にございます」
許可をいただいたので喜びました。ﾔｯﾀｧ

「ええ ええ 行ってらっしゃいませ カストル様」
手を振り送り出します。完全にチェーンメール送信者です。
2人へはどのようなものを生み出すのでしょうか。



「･･･おや」
そして鈴を返し忘れていたことに気づきましたが時すでに遅し。

というわけで次回まで、シェルタンがお預かり致します。
またお越しくださいませ カストル様。

あるいは、私から いずれ。