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【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ>>a72 あいつってほんとうに仕方のない奴なんだよ。 言葉が話せたのなら、猫はきっとそんなふうに言っていました。 あなたと受け取り方が全然違っていたんでしょうね。 おかしさだなんて、きっと感じていなくて。 あんまりにも場違いな調子で、わらっているようでした。 (-194) 66111 2022/07/13(Wed) 12:14:46 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ少女は何かを感じ取ることが出来た。 素直に受け取って、染まりやすく、流されやすかった。 その音を、その声を拾えたのはそれが理由だろうか。或いは、感じぬふりをしながらも貴方をずっと想い続けていたからだろうか。 「っ」 ぎぃ、と。床が鳴る音。何かが確かに存在する証。 それを拾い上げて、思わず其方へ勢いよく視線を向ければ。 「かな、い」 「鹿乃!」 今までと何一つ変わらないように。 名前を呼んで、駆け出して。 今までと何一つ変わらないように。 すっかり馴染みとなった転ぶ貴方に、当たり前のように手を貸そうとする。 嗚呼、それでも。不可逆の変化は確かに訪れた。 差し伸べても、今まで通り貴方に触れられるだろうか? (-207) もちぱい 2022/07/13(Wed) 15:59:31 |
【秘】 甚六 カナイ → 傷弓之鳥 マユミ「んぁ、 ……んふ。 まぁ、だ」きみの耳朶を打つのは、ぽそぽそと内気な、 親愛をぎゅっと詰め込んだ声。 その声も、 転んで膝をつく、短パンからひょろりと伸びた脚も、 「ねーちゃんまた、転んじょった…」 前髪とフード越しにへにゃりと笑う顔も、下がる眉も、 「す、すまね」 おずおずときみの手に触れて重なる、長袖から覗く指も。 いつも通りに、いつかと同じで。 齎された不可逆を示すのは、その体温。 熱をどこかにうっかり、置いてきたみたい。 (-252) 榛 2022/07/14(Thu) 12:13:41 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ「はい。拙ですよ」 いつも通り、にしては何処か少し、噛み締めるような低い声音。 ぽそぽそと内気な、親愛をぎゅっと詰め込んだ声。 転んで膝をつく、短パンからひょろりと伸びた脚も、 前髪とフード越しにへにゃりと笑う顔も、下がる眉も、 おずおずと自分の手に触れて重なる、長袖から覗く指も。 いつも通りに、いつかと同じで。 ……嗚呼、けれど。 触れる体は、もういつも通りじゃない。 「ふふ、相変わらずですね。転んでもいいですよ、拙が何度だって手を貸しますから」 それでもいい。貴方が貴方であるのなら、自分は。 ▽ (-256) もちぱい 2022/07/14(Thu) 14:30:25 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ「その代わり」 少女はさらさらと流れる黒髪を揺らしてそっと両腕を広げた。 そのまま小柄な貴方を囲うように、腕を回して閉じ込めて。 「…………今だけ、こうさせてください」 縋るように、或いは何かから隠れるように。 貴方の肩口に、力なく顔を埋めた。 熱はない。いのちの欠片が何処にもない。いつも通りと一緒に、何処かに置き去りにしてしまったのだろう。 けれど、貴方が貴方である証はいくらでもある。 声を、華奢な体を、詰め込まれた親愛を。 残っているいつも通りをよすがにして、少女は貴方に体を寄せる。 「……」 「…………」 「ねーちゃん……」 ぽつり。 それは、いつも通りじゃない声は、貴方の服に吸い込まれた。 今まで一度も、そんな呼び方をしたことがない。けれど、いつも通りじゃない今だからこそ、少女はその呼び方を音にした。 少女は一度も、貴方を「だめだめなねーちゃん」だと思ったことなどなかった。 気弱でも優しくて、一緒に過ごしてくれた大切なお友達。 寄り掛かりたいと思う、素敵なねーちゃん。 (-257) もちぱい 2022/07/14(Thu) 14:30:52 |
【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス見上げるきみに笑いかけた。 口をもにもにさせて、笑い声はその中に含んで。 「じゃ、そぉま は…… んぇ 」それも、束の間。 ちかちか瞬き、息を継ぎ。 「 ……ん。」んん、 「す、すいり。……が、がんばれ よ 、しゅ い、す …すひ 、ぁう。」「 すいぎむ 「ぁと、…あと!」 「 こ ずちゃん のこと、おねが い、な」 ▽ (-259) 榛 2022/07/14(Thu) 14:44:07 |
【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス慌ただしく、言葉を重ねて。 さいごにぎゅっと、きみの手を握ってから。 「元気でな、そぉま」 廊下の奥に駆けていった。 (-260) 榛 2022/07/14(Thu) 14:45:36 |
【墓】 電灯 カナイ暗い暗い夜のすきま、 どこかの、何かの、誰かのあわい。 ぱたぱたきぃきぃ足音と木の軋む音を響かせながら、 彼を背にして廊下を走って、角を曲がって、 「 あ えぁ」なにかに蹴躓いたらしきいつもの声が。 暗い廊下に小さく響いて、 ▽ (+17) 榛 2022/07/14(Thu) 15:48:46 |
【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリス「そぉま」 「ぼくもさ」 「きみくらい賢かったら、 呆れた顔とかさせなかったんかな」 「がっかりもさせなかったかな」 「ねーちゃんのくせに、 悲しませたり、しなかったよな」 「あの子のことも、わかってやれたんだろな」 (-263) 榛 2022/07/14(Thu) 15:52:45 |
カナイは、ちかちか、 (c13) 榛 2022/07/14(Thu) 15:52:58 |
【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリスけどな、 きみと話してると、ぼくは いつのまにか、 ぼくが馬鹿でどうしようもないやつだったことを いつもちょっとだけ、忘れてて、 それって なんだか、 なんだか とても (-264) 榛 2022/07/14(Thu) 15:54:46 |
カナイは、ちか、 (c14) 榛 2022/07/14(Thu) 15:55:03 |
カナイは、 (c15) 榛 2022/07/14(Thu) 15:57:50 |
カナイは、電池の切れたマグライト一つだけが、転がっていた。 (c16) 榛 2022/07/14(Thu) 16:01:03 |
【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ「僕は賢くなんてない」 「ただ、知りたいことを」 「ただわかりたいことを」 「ただ、そうあろうと……」 「きみだって、出来たはずなんだ」 「きみだからこそ、出来たことはいくらでもあったはずだ」 「勝手に諦めて、押し付けていくな、馬鹿が」 (-287) chizuaquarii 2022/07/14(Thu) 20:58:20 |
【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ「僕は、」 「僕だって、何かを出来ればいいと思っているんだ」 その声は、幻だったのか。 いいや、きっと違う。 きっと違うと信じて見せれば、違うのだ。 だから、 (-290) chizuaquarii 2022/07/14(Thu) 20:59:38 |
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