187 『Ambivalence』
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「お前に…っ、俺の何が……」
分かるってんだ。
プライドを傷つけられた怒りが ふつふつと湧き上がってきて。 言い返そうとする俺に被せるように 浅見から浴びせられた嘲笑と >>*29>>*30 目を覆いたくなるような現実が 俺の身体から血の気を奪っていく。 (*37) 西 2022/12/21(Wed) 22:53:10 |
| (*38) 西 2022/12/21(Wed) 22:53:25 |
| まるで頭をバールで殴られたような 重い鈍痛が頭の中を駆け巡る。 >>*31 今すぐ抜こうと精一杯の力を込めても 上を取られてしまっている以上、 そう思い通りに事は運ばない。 地獄の釜の底に落とされた感覚は 絶望を通り越した虚無を連れてやってくる。 それを見透かしていのかどうか。 向けられた哀れみは傲慢で底意地が悪い。 いつか俺がこの女に向けたものと 全く同じものだとすぐに分かる。 >>*32>>-13 (-16) 西 2022/12/21(Wed) 22:54:10 |
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「これで…満足かよ。
てめぇのくだらない人生の 憂さ晴らしができて…満足か?」
(*39) 西 2022/12/21(Wed) 22:54:36 |
| 俺はあの日の浅見と同じだと言う。 >>*29 報復が成されて、声色が変われば 向けられるのは同情の目。 >>-14 捨て犬を慈しんでいるつもりか。
怒りを微塵も感じさせない指先が 俺にどうしようもないくらい 強い嫌悪と心頼の感情を芽生えさせる。 (*40) 西 2022/12/21(Wed) 22:55:18 |
| (-17) 西 2022/12/21(Wed) 22:55:53 |
| (-18) 西 2022/12/21(Wed) 22:57:23 |
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「お前、俺の事好きだったろ。」
(-19) 西 2022/12/21(Wed) 22:58:42 |
| 俺の上で嗤う女に向けて 俺は小さく微笑むと。 「俺が居なきゃ生きてる価値がない だから俺に居場所になって欲しい どうだ?違うか?」 嗤う浅見に疑問をぶつける。 それが正解かどうかなんて分からない。 だが今はもう、そんなことはどうでもよかった。 (-20) 西 2022/12/21(Wed) 22:59:39 |
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「残念だったなぁ。 相手が俺じゃなかったら
少しはマシな人生だったかも しれねぇっていうのに。」 (-21) 西 2022/12/21(Wed) 23:00:16 |
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「お前にW律W以上の価値なんてねぇよ。馬鹿が。」*
(-22) 西 2022/12/21(Wed) 23:01:19 |
| わかりますよ。 私とあなたは似てますから。 あぁ、似てるって思われるのは屈辱だろうか。 こんな私と一緒にされるのは嫌? >>*37 同類にされたくないのなら、 自分の行動を省みればいいのに。 何処までも愚かだと思う。 あなたも私も、心底くだらない人生しか歩んでない。 だから、引き合ったんじゃないですか? (*41) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:18:39 |
| 突きつけた最悪の事実は 流石にあなたに衝撃を与えたらしい。 一回の行為で感染するとは限らない。 それでも焦ったように抜こうとするあなたの身体を 体重をかけて押さえつける。 >>-16 ちゃんとW幸せWの余韻に浸っててくださいよ。 台無しにしたのは私ですけど、ね。 (-23) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:19:15 |
| 満足か、という言葉には応えず。 指先から伝わっただろうか、 この同情は嘘偽りのない本心だという事が。 世界から見捨てられた哀れな人を 慈しんで何が悪い? >>*40 あなたを理解出来るのは、不幸なことに私だけ。 (*42) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:19:47 |
| (-24) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:20:22 |
| あなたの微笑みに一瞬言葉を詰まらせる。 そう、好きだった。認めたくはないけれど。
嘘でも居場所をくれたあなたは 確かに救いだったし 秘め事に耽っている間は 独りの現実から目を逸らすことが出来たから。 (-25) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:20:49 |
| 「好きでしたよ。 あなたとの時間が、ね。
あなただけが、私に価値をくれた。」 目を逸らして、小さく呟く。 聞こえても聞こえなくても、よかった。 (-26) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:21:12 |
| あなたが吐き捨てるように言った言葉は 澱んでいて、やっぱり最低だと思う。 普通なら、泣き叫ぶとかするんだろうか。 ただ、壊れた女にそんな反応は出来ない。 (-27) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:21:43 |
| (-28) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:22:00 |
| 「まだわからない?
私は、あなただけのW律Wでいてあげる。
そう言ってるの。 逃げられたくないんでしょう? だから、逃げないでいてあげる。 私に逃げられたら、あなたは心を保てない。」 (-29) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:22:44 |
| 「私に依存させたかったのは、 あなたが逃げられたくないと思ってたから。」 (-30) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:23:08 |
| 女ならだれでもよかったのなら 私に逃げられたところで困らないはずだ、と。 正解かどうかなんて、この際どうでもいい。 どっちだったとしても、 あなたのプライドを傷つけられるのなら。 あなたの選択肢を潰すことが出来るのなら。
あなたから、冷静さを奪えるのなら、なんでも。
(-31) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:23:47 |
| 顔を近づけて、強引に唇を重ねた。 歯列をなぞり舌を絡める、深い口づけを交わそうと。 愛情を確かめ合うためでも、 快楽のためのスパイスでもない。 目的なんて一つだけ。 私の唾液をのませるための口付け。 事実を知ってしまった今なら、嫌悪しそうな行為を あなたに施した後、耳元で囁く。 (*43) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:25:31 |
| (*44) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:26:31 |
| 囁いた後、 私はあなたのお望み通り、腰を持ち上げる。 栓がなくなった中からは 白濁が流れ落ちて脚を汚した。 私はそのままあなたの上から離れて ロープの傍に放ってあったカッターナイフを 持ってくると、あなたの手首の縄を切る。 切り終わったらカッターはあなたに渡して。 そうすれば、足の縄は自分で切れるだろうと。 (*45) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:27:10 |
| 渡した後、私はあなたのスマホを拾い上げて。 あなたの方へと差し出しながら。
「通報でも何でも、ご自由に。
私がしたことはれっきとした犯罪だから。 この場の行為に限って言えば あなたは不可抗力だったと言える。
でも、このスマホに保存されてる 動画を見られたら、 あなただってただじゃ済まない。」
(*46) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:27:35 |
| 「選んで。 私を破滅させるか、二人で破滅するか。」 (*47) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:27:53 |
| 微笑みながら、私はあなたに選択を迫る。 私のくだらない人生が破滅したところで 何にも困ることなんてない。 私はあなたを同じ場所まで引きずり下ろしたいだけ。
そのために。 私はあなたの怒りを膨らませてあげようと。 (*48) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:28:23 |
| 「さっき満足か、って言ってたけれど。 私は満足なんてしてない。 >>*39 だって 玩具は情けないことに すぐイっちゃったから。 年下の小娘一人満足させられないなんて 本当に、情けないし可哀想。」* (*49) alice0327 2022/12/22(Thu) 2:29:12 |
| 俺が負け惜しみのように吐いた疑問は どうやら正解だったらしい。 >>-26 それが一矢報いることになるかもと わずかな期待をしてみたものの 浅見律という女は、そんな次元では済まない程に 人の悪意と我欲を知りすぎている。 >>-27 (*50) 西 2022/12/24(Sat) 3:36:34 |
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