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人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「────。」

「"幸せ"は人間のものじゃない。個人のものだ。
 誰しもが他人の不幸で笑って、他人の幸福を羨む。
 それが同じになることなど奇跡に近い、他人の幸福が幸福だ?

 "それ"は、他人が幸福になっているのを見ていて嬉しい気になっているだけだ、高揚感、優越感だ、快楽、その他諸々だ。
 "それ"は、お前自身の幸福だとは限らない。他にも存在するだろう、お前だけが得られるものが。
 そうでなければ――他人と触れあわなければ一生幸せでは無いと言われている。
 そんな世界があってたまるものか」

「――帰っていいか。俺の幸福はここにはない、少なくとも本を読んでいる時間の方が有意義だ」
(-63) toumi_ 2021/09/24(Fri) 18:10:32

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

「ほんならなんでつけたのさ、それ……」

 二杯目、ミスティsakeに手を付けつつぼやいた。

「お堅いって言うより、情けなくなりたくないだけと違うかな…
 …もう、榊さんには晒してるから言ってていいけど、さぁ……」

「なんだろ、プライド高いし、普通気にしなくていいことを、
 気にしてて。色んなことに矛盾だらけの自覚はあるなぁ」

 語るのは酔いからではない。呟きの範囲内だ。二杯目を飲み切っても、普川は酔った気配を感じていない。
(-68) Vellky 2021/09/24(Fri) 19:43:49

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久

「……ただ、――させたいことがあるのかと聞きたくて?」

「俺は、人の不幸を見たいんじゃ無くて知りたいんじゃ無いかと問われた。だから、何か聞きたかった」

「幸せ探しのためにな」

そして二つ目の酒――日本酒に手をつけた辺りで、突然膝が砕けたように躓き、流し場に手をかける。
鈍い刺激と、冷たい感覚に疑問符を浮かべて立ち上がろうとするが、めまいがする。

これは、もしかして。もう飲めない。

「……? めがまわる……くすりを飲まされたときと似てるが、……なん、だ?」

すごい頭に疑問符浮かべてる。上手く立てない……。
(-72) toumi_ 2021/09/24(Fri) 20:58:59

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

幸せ探してるの? 何。そんなとこまで鏡でいるなよ。やめてほしい。

 
いや僕は探してるわけではないけど、分からないのは同じぃ……?

 
しいて言うなら聞こうかなて思ってたやつひとつないなったじゃないか……


 ハーブの独特の味がキツい二杯目はそれほど好みではなく、顔を顰めつつちびちび飲んでいた。酒に慣れていない喉が熱くなる。一杯目より度数は高そうだなぁとなんとなく思ったが、一先ずはそれだけだった。

 三杯目のパライソグレープフルーツsakeに手をつけようとしたところで、相手の様子がおかしいのに気付いた。

「もうギブ? 冗談だろ。薬の時と似てるって何、媚薬?
 ……ああ、そういえば榊さんて麻薬周りで来た人だった。
え?


いやどれにしろ弱…………
ワンチャン照明で雰囲気酔いしているとか
 そんなことあったりしないか榊さん??」

 ないです。目を閉じたらどうにかなりませんか。手を伸ばして、あなたの視界を塞ごうとする。
(-79) Vellky 2021/09/25(Sat) 0:04:47

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久

「照明で雰囲気酔い……そんな馬鹿なことがあるか」

目を塞がれてもぼんやりとして、その手を取って体重をかけてくるのがわかる。
正気はありそうだが意識が揺れている。この男この状態ならよく眠れるのでは。

「……、……。部隊は続けないと、ブーイングが来ると思うが……?」

不服そうに、眉をひそめて酒のせいか状況かはたまた両方か酷く不機嫌そうに呟いた。
(-91) toumi_ 2021/09/25(Sat) 2:26:58

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

 手を取ったなら、彼の手首の金属に指が触れたかもしれない。彼の抑制装置は手首と足首の金属の輪だ。

「そんな馬鹿なことがあった方が嬉しかったんだけどなぁーーー
 なかったかぁ、えーー……お水飲みます?」

 具合よくならなさそう。肩を貸してから手を抜こうと、もぞもぞとした。普川の筋力は一般的な成人男性程度だ。

「……というか、舞台ってなんの話?
 何かのお話でもやってる気だったの、榊さん」

 続き飲んでくれないかな。ほーら起きて〜〜〜〜なぁ。なぁ。
(-101) Vellky 2021/09/25(Sat) 3:32:56

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久

「……舞台……は? 上から、誘われたから、作られたんだ……」

「あいつらは……役者で、俺達は踊らされてるだけ、だろ…。
 ただの、たとえ話だ……」

続きを飲める様子もなく、あなたにすがりついたままうとうととしている。
どえやら勝負は決してしまったそうだ……。

「……それ、で? 何がご所望だ」
(-120) toumi_ 2021/09/25(Sat) 10:14:47

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

「役者よりサーカスのピエロの気分だけどな。そぉ……………」

 ぺち、ぺち…、ゆさゆさ、むに、……だめそう(だめそう

「はぁ、お願い事の方は後で考えさして。
 ……条件つけられてるんだもんなぁ、もう…
 …ほら榊さん、僕君にいれる方で動くからな」

 勃たないわけでない事は、この企画中に主催側にも知られている。普川が勝っても道具で済ませるのはNGだと言い渡されていた。

 ──カシャン、コトン。

 何かが外れて、置かれたような音が四回ずつ。それから、あなたの両目は眼帯の上から何かに覆われた。人の形をしていないどころか、決まった形すらなさそうな流動体。ベタつかないスライムか何かが意思を持ったようなそれは、あなたを持ち上げ、普川から引き剥がした。
(-125) Vellky 2021/09/25(Sat) 14:22:39

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「……また親だ」

「結局みんな何だかんだ理由をつけつつも、好きになって欲しかったのかな。両親がいないから何もわからない。でも殆どの子がそれを理由にするから浮くのかな。……親が居たらもう少し、俺も変わったのかな」

少年犯罪に両親の存在が関わっていない方が類まれな筈だ。にもかかわらず、それをいまいち納得、もとい理解していなさそうな顔をしている。

只管その単語が出て来る度に、その彼らの親に対する重さがそのまま自分の不理解の重さになるようで複雑だった。

さて、この複雑の感情が『親が居ない』からに由来するかは実は別なのだが、いずれにせよ今の南波は認識していない。

「不幸の根源」

「俺、他人の事は幾らでもそう思うけど、自分の事は不幸って思った事が『一度も』ないからそれは楽しませてあげられなさそうだ。ごめんね」

そんな異常な言葉を、貴方が会話を切り上げる間際、伝えた。

 ▼
(-159) poru 2021/09/25(Sat) 21:32:03

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「────……」

最中、比較的喋りながら行為を行える方だが。
この時、殆ど南波から何か返答が返ってくる事はなかった。

単純だ。“返さなかった”のではなく
“返せなかった”。


だから貴方が淡々と、薄々そう来ると感じていた返答を投げて来た後に、その答えが緩やかに返されていく。『幸せか』を聞くために行為を行ったのだ。他の事に気を取られる訳にもいかなかった。

「……わからない。その子に相手がいて幸せなら、別、かも。
 
対象指定の詳細な定義が行われていない為、不明です。定義付ける場合は、本来の──。

 ただ義理の有無は問題じゃない。俺はその相手が『みんな』とされているから、それを叶えられないなら、……」

例えば『好きな人間相手以外は』なんて問い、小学生ですら本来『みんなを幸せにしたい』なんて言い出した時点でそれらに気付くものだ。

なのにこの男はその可能性を“考えた事が無い”。

正確にはそんな存在を見た事が、これまた“一度も”なかった。その時点で環境が異常、あるいは本人の性質が人間離れしているのか。両方か。察するのは容易いだろう。

 ▼
(-160) poru 2021/09/25(Sat) 21:35:11

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
 「俺は、……
俺は、靖史、自身?」


そして、おかしな所で引っ掛かりを覚える。貴方の言葉の重要な箇所はそこではない。しかしながら“この前提”がそもそも異なっているのなら、

「なあ潤くん」

「──俺、“『南波靖史』自体”じゃないよ」


価値を下げたつもりが無い。嘘偽りのない真実だ。

貴方の言う事は『南波靖史』自身であれば励ましになったのだろうが、逆に言えば、この男が『南波靖史自身ではない』場合は、どうなるか。

 ▼
(-161) poru 2021/09/25(Sat) 21:36:43

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「誰かの代わりに“も”、どころか。
 “俺は俺しか存在しない” “役目の為に生まれた”」


「なのに役目を果たせられないから最も嫌う代替え品なのかと思って、それすら成れないと言う事で、結局そして俺は『みんなをしあわせをする』を遂行できない。何かの代用品、に……?」

先程から思考がループしている。
否定しても否定しかできない。『せいぎのみかたになれる』と諭された、なれると言われ続けていた少年が夢破れた、みたいなものに一見見えるかもしれないが、それはあくまで人間だった場合の話で。

  
「 個“人”ですらないんだよ 」



 ──声が震える。

数刻前の時と違う震え。
貴方の言葉を“もう一人”は本当は聞いているけれど。聞いて、目を閉じているし貴方の言葉はそちらに届いているけれど。

今、この瞬間に貴方の目の前で貴方に言葉を返す『南波靖史』には届いていない。

貴方の言葉は、
“前提として人間に宛てられている”言葉だ。

それを
“人間じゃない物”が受け取れるはずがない。


「潤くん、『この布を切るためにだけに作られたハサミが、切れない』って知った時、どう思う?舌打ちするだけだろ?不良品を掴んだって思うだけだろ?

わざわざ『切れなく作られたハサミが可哀そうに。大事にしてあげよう』なんて、一体どこの誰が思うんだ?そんなのさ、」

「──“捨てて終わり”、だろ」

「ハサミは幸福を望むように作られていない。あるとすれば、役目を果たせた時だ。少なくとも俺は、そう感じる」
(-162) poru 2021/09/25(Sat) 21:44:31

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久

お前が願いを言ったら、俺の願いも言ってやろう。そんなことを言った後に、今置かれた環境が追いついてくる。

「……イヤだな」

酩酊している脳みそでも立場は理解をしたのか、不機嫌そうに呟けば目が覆われ身体が勝手に動かされた。
音だけが機敏に聞こえる環境で、ぴたりと動きを止めれば。
あなたの様子をただ黙って伺う。

「ひとつ。いつからそれは……できたんだ?
本当にここの連中は……勝手に異能を使いすぎる……怒られても知らんぞ」
(-235) toumi_ 2021/09/27(Mon) 0:13:18

【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「……大人共に呼ばれているんだ、30秒で返すぞ」

ため息をついた。たとえ話としては理解が出来る。
道具扱いをされていたのか、何なのか。
価値観の定義も暮らしで訪れた価値観も違う。
だから、言える、だから押しつけられる。
限りなくエゴイズムを、お前にたたき付ける。
それが人間である証だ。


たとえ、お前が人でないとして。
言うことはきっと同じなのだが。

「はさみを作った人間は、そのはさみが使われることを願った。捨てるためにつくったわけじゃない。
もし捨てるためにつくられたのであれば、――そのはさみは使われることを願ってもいい。それが淘汰されるかどうかなど、他人次第だ。モノがきめるもんじゃない」

「幸福を押しつける前に。
その"はさみ"は使って欲しいなら、声を上げろ。"口が付いてる"はさみなんだから、馬鹿かお前は……汚いモノでも好む者はいるさ、この場に居なくともな。せいぜい60になってから、決めつけろ」

それではご機嫌よう。そういって背を向ければあなたの元から彼は去った。希望を持たせる残酷な言葉で。根拠もない幸福を論じて。
(-242) toumi_ 2021/09/27(Mon) 0:32:45

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

「僕もいやよ」

 素直な感想が口をついた。具合を確かめるように、影があなたを取り巻き蠢く。目を覆う影から、コーヒーがわずかに香ったような気がする。直ぐに消えたが、妙に印象に残ったかもしれない。

「壊してないから多分セーフだろ。キッパリ『いいよ』だなんて
 言えないだろうから、明言をもらったわけじゃないけど。
 ……受けがいい層にはいいタイプの異能だと思う?」

 寝る時は自室でだとかの注意は受けたが、装置を外すなとは実は言われていない。不自然なほどに全くなかった。つまりはそういう事だと受け取っている。

「何のいつからを聞いているのか分からんな。
 異能は生まれつきだし、装置外せたのもつけられた時からよ」

 どちらについてを聞いているにしろ、最初からだった。
(-251) Vellky 2021/09/27(Mon) 1:16:31

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

「……ああ、ヤるんにお薬、あった方がよかったりってする?」

 影が器用にあなたの下半身の着衣を緩ませ、丁寧に脱がしていく。抵抗がかなわない事以外、乱暴さはなかった。

「他も何か欲しかったら言っといてな、
 ヤるの以外のオプションは言ってくれたのしかつけないから」

 普川は何もせず、影だけが動いてあなたに触れていた。きゅっ、ボトルの蓋が開く音。程なくしてぬめりを帯びた、小指よりも細い細い影があなたの後孔に入ってくる。
 肉を押し広げるように、反応の良い所を確認するように。ぐ、ぐ、と力が込められた。

「お酒飲むと萎える人は萎えるんだっけ……
 ……いいや、ぬくくするよりはもらっとこ」

 調理台に寄りかかって三杯目を飲みながら、榊の穴が広げられていくのを眺める。様子を見つつ二本三本、四本五本……とあなたの中を出入りする影の本数は増えていった。
(-252) Vellky 2021/09/27(Mon) 1:17:18

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久


「なるほど……? はじめからか。
くすりはいらない、きらいなんだ、つかうの」

ああ、得心いった。
つまり俺の異能は、世間からもこの催しからも必要とされていないわけか。
ここに居る間、耳に付いた制御装置が外されるまでは、一切それは使われることは無く。使うつもりもない。
それに対して、不満も違和感も何も感じなかった。
それが、おかしいことである違和感は存在する。
俺という人間が、抑えられ、異能という特技を使えないことが不満にならないわけがないのだ。
では何故、そんな感情がなくなっているのだろう。
全く見当も付かない。
(-265) toumi_ 2021/09/27(Mon) 2:06:22

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久

「――――っ、……ぁ」

快楽は無くとも視界が制限される中、ぬち、と自分が拓かれていくのを感じれば、いやでも様々なものに敏感になる。
1本、2本。異物感は、そこから増していき、3本、4本目にもなれば、流石に声を漏らさずに居ることは出来なかった。
裂けるような苦しみでは無く、圧迫感と"異物"感。入れられたことのないものが、感じたこともない感覚を伴って、己のナカで蠢いている。気持ちが悪いのに、ソコを掠めるとビリッと電流が走るような刺激が身体をむしばみ震える肌と漏れる声が、それをあなたに知らせた。

いくらか解されれば次第に後孔は緩んでくる、酒のせいで抵抗する力は鈍く、もし影に抵抗する感覚を感じられてるのならそれに。無ければ後で、彼を押さえつけていた肌に抵触した部分が赤くなっているかもしれない。
それが、本能や自発的に反抗したのか、生理的な反応で逃げようとしたのかは別としてだ。

「も、……いれる、な…ぁっ……!」

何本だ? 数えたくもない、何が入っているんだ。影の異能であることは、察している。
だから、"これ"は、何なんだ。締め付ける度に感じられる複数と、受け入れている事実が何よりも気持ちが悪い。それにゆっくりと熱く反応し始めている、己の身体に対してもだ。
(-266) toumi_ 2021/09/27(Mon) 2:07:43

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「──そうやって。
 また、空想上の『誰か』に押し付けて、
 勝手に良い事を言った風にして、美談にするんだ」

「ほんと人間、面白いよね。
 やってる事の本当に意味に気付いてないんだもん。
 それで生きろって言ってるつもり?」

「──とどめさしてきた奴が、そう言うんだよなぁ」

曇っていた気持ちが、どこか晴れやかな気がする。
守護者を名乗り続けて、死の宣告をされることは想定外ではあったけれど。思ったよりは、何も変わらなかった。

相手が去るのを見送ってから、踵を返す。
もうここには何もない。
(-290) poru 2021/09/27(Mon) 12:48:28

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
数日後。
適当にその辺を歩いてるのを見つければ捕まえて、
淡々と律儀に宣言だけしにやってくる。

「あー、今日の襲撃、潤くんになったから」
(-291) poru 2021/09/27(Mon) 12:50:19
榊 潤は、流石にその缶を開けた食堂に行きたくないと思った
(a60) toumi_ 2021/09/27(Mon) 13:08:18

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

「んー……?
 あと三本で十だから、そこくらいで。それで指三本分程度だし」

 聞き入れる気の全くないらしい発言が返された。実際そのまま、数は増やされていった。

 服の上から布を隔てて。潜り込んで直接肌に。腰、腹、胸、腕や脚まで、からだのいたるところを影はまさぐり、ゆるい刺激を与えてくる。まるで恋人にするような愛撫だが、得体の知れないものに与えられているという事実が、その表現の邪魔をしていた。

「なんか、、すこぉしはふわふわしてきた……?」

 ジュースみたいな味のカクテルのグラスを空けて、まだ中身の残っている榊の二杯目に手をつけた。独特の風味にちょっとしぶい顔をしたが、そういう味だと思えば飲み込めた。

 影と感覚を共有しているわけではないのだろうか。それとも単純に気にしていないだけか。どれにしろあなたの抵抗のそのタイミングで、普川が特別リアクションを取る気配はなかった。抵抗しているなぁと眺めてはいるが、眺めているだけである。

「声上げたくなかったりするー?」

 間延びした声の問い掛けが飛んできた。オプションは言ってくれたのしかつけないと言ったのは誰だろう。
(-294) Vellky 2021/09/27(Mon) 13:18:11

【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「……俺が?」

想像をあまりしていなかった、少なくとも舞台にあがろうとしていたもののつもりだったから。所詮は淘汰される演者の役を突きつけられていただけなのかもしれないが。

「そうか、……そうなるのか。
お前たちとしばらくいたかったんだが。――都合が悪く、お前たちの話も聞けずじまいだったしな、それで?」

一度目を伏せて、そのままま片目はあなたの瞳を捉えようとする。

「どうやって、連れて行くんだ今回は」
(-306) toumi_ 2021/09/27(Mon) 15:25:37

【秘】 0043 榊 潤 → 8435 黒塚 彰人

部屋のノックがされるのは相当後になってから。
あなたが顔を出せば一言。

「……どこかで俺にあてられた連絡事項を知らないか?
あいつからか、お前から。話を聞いてから退場をしてやろうと思ったんだが……どうやら上から通達は来ていないらしい。

誘われてやったぶんは愉快に踊らされたぞ。……全く、不本意な方法でな」
(-307) toumi_ 2021/09/27(Mon) 15:28:18

【秘】 8435 黒塚 彰人 → 0043 榊 潤

 扉を開けて現れたのはどこかまだ、眠そうな姿。
 意外そうな顔を隠しもせず、少しばかり掠れた声で答える。

「……特に、聞いてはいないが。
 何かあるなら、あいつの方にいってるんじゃないのか。

 ……そういやお前、しばらく見なかったな」
(-308) 榛 2021/09/27(Mon) 15:49:25

【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久

「っ、はっ、……あっ」

ゾクゾクと背筋に走る不快感と快楽。鳥肌が立つようなこの感覚はどちらのものかすでにわからなくなっている。
激しいともつかず、確かに質量を増やし続けられるそこは、己の体の一部であることを否定したくなるほどに変わり始めていた。

どれもが触れるだけのもどかしさを与えてきて、   と強請る浅ましさに嫌気が差した。

「こえ……?」

いやな予感が、する、イヤな予感がした。だけど、

「あげ、たく……ないっ……ふぁっ、ぁっ、…」

甘い声も、俺の声も聞きたくない、縋るように助けてと、口だけが動いた。なにかが、これ以上来る前に。怠惰に揺れた瞳は眠気に連れて行かれることを拒んだ。
(-323) toumi_ 2021/09/27(Mon) 17:26:36

【秘】 0043 榊 潤 → 8435 黒塚 彰人

「運営の、……いや。違うな。
ここの上の人間に呼ばれていたんだが、少なくとも調子に乗っているやつらの声は聞けると聞き及んでいたが、全くもってなかったらしい。どうせ伝達ミスか俺の怠惰のせいなんだろう」

なんだか、ぼんやりと瞳を揺らせば、勝手に部屋に入ってくるらしい。
あまりあなたに意識を向けている様子はない。

「……誘った手前、あとのことを話そうと思ってな。
ただの縁だ、戯言と思っていいんだが―――きっと一人ぐらいには覚えてほしかったんだろう」

聞いてくれるか? とは聞かなかった。お前は舞台に上がった大根役者だ、そして共犯者はひとりでに語る。あなたに勝手にその役を押し付ける。
それでいい、お前を一人前だと決めつける。

「俺は、あと少しで。
いなくなる。

愉快に踊れるのはあと数日だろう、なにかしてほしいことはあるか?」
(-325) toumi_ 2021/09/27(Mon) 18:38:10

【秘】 9949 普川 尚久 → 0043 榊 潤

「ほんなら、」

 言うや否や、ごぽりと蠢いた影が口を塞いだ。形の定まり切らないそれは中にまで広がって、歯列を撫ぜ、舌をさらって弄ぶ。噛みついても妙な弾力が返ってくるだけで、なんにもなりやしなかった。

「……見えてないけど、見えてない方がいいよな?」

 ぐわん、一瞬、天地が分からなくなったかもしれない。影が動いて、あなたをひっくり返した。身体を前に折っての前傾姿勢。
 尻を突き出す形になるのと、顔を見られているのと、どっちがマシなんだろう。顔なんてもう殆ど隠れてしまったから、その点で言えばそのままの方がまだ良かったのかもしれない。

 腕は前の方で絡め取られて、少し下。流し台か調理台かは分からないが、それくらいの高さの辺に手が触れた。影達と違う、形のある物。
 力を込めても込めなくても、体勢は大して変わらない。身体はしっかりと支えられている。快楽による行き場の無い衝動をぶつけて誤魔化しやすくなっただけだ。

「・・・・・・・・・・・・」

 無言のままに引き抜かれた粘液濡れの細い影達は、今度は頭をもたげているあなたの性器に触れた。あなたのナカでぬくもった体温が、そのまま移ったようななまあたたかさだった。
 雁首をつつき、竿を上下に扱いて、睾丸を転がす。遊んでいるかのようだが、子どものそれよりは明確に目的を持っていた。

「あのさぁ、、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「……いいや。口はずしたくなったら、自分の肩叩いておいて」

 あなたの上と下以外から、水音が聞こえ出した。
 彼の短い呼吸も。
(-327) Vellky 2021/09/27(Mon) 19:04:05

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「俺は人の思考は知らないからわかんないね」

嘘。
少なくとも、相方と相談はしていた。
適当でも、指示を受けた訳でもない。
この男は納得しない限り、選ばない。意外にも意固地だから。

「別に?潤くん、元々俺たち側だったし。
 特別なにか思い知らせてやるー。とかそう言うのもないでしょ。

 だから俺、伝えに来ただけ。後でビデオカメラ持たされるだろうから、頑張ってね。ってさ」

それじゃ、と。何時もより早口でそう伝えて、何か呼び止めなり制止がないなら立ち去ろうとするだろう。
(-329) poru 2021/09/27(Mon) 19:10:10

【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「……結局、その程度か」

誰に対しての言葉だったか。
あなたに対してにしては、少し空虚で。
自分のことにしては、他人事のような声色。


「……お前、あの異能は、はじめから使えたんだよな。
この、趣味が悪い企画が始まってから。
……俺は使えるようにならなかった。
……なぁ、俺の研いだものの方が必要とされていないと思わないか?」

本当に使われていないハサミはどこの誰だろうな。

「それではごきげんよう、いい写りは期待するな」
(-331) toumi_ 2021/09/27(Mon) 20:24:59

【置】 0043 榊 潤


タイムリミットはもうすぐだ。慌ただしく上の連中は何かを用意していて。
思い残すことが無いわけではないが、彼らに挨拶をする必要があるだろう。
適当にばらまいただけのあの環境は、上の人間にお気に召しただろうか。
そして、褒美が与えられたとして。俺に意味をなすものなど無いのだが。

榊潤の罪は、既に全て証明されている。
"事故"で病院を経営していた両親を亡くして製薬会社を率いる叔父に引き取られ、裏で麻薬の密売人をしていた。
それが悪事だと知る前に、たたき込まされ、そのクスリの正体を知ってもそれが罪であるとは認識することが出来ない。

罪は、軽い。一年もすれば出されるものだ。だから"出所"は近い。


―――眠れなくなったのはいつからだった。
―――それは何年前だった?
―――一体いつから、俺は。

―――17の誕生日を祝われたのは、何年前だ?


教わったことが本当ならば。
今の俺には、どうでもいいことなのだが。
(L2) toumi_ 2021/09/27(Mon) 20:57:12
公開: 2021/09/27(Mon) 23:55:00