01:55:39

人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「そうさ。
 まだ若いんだから、これからどう楽して生きていくか考えなきゃ」

根拠のない言葉。なのに自信ありげに語る、この男は悪党だ。
悪党は意見も聞かずに勝手に道を曲がり、人気のない道をがたごととタイヤを揺らしながらすり抜ける。
きっとあなたが誰にも見られないように、
――それは仕事に支障が出ないように──
ほとんど対向車もいない場所ばかりを通って、すぐに。


「とうちゃーく」

出発した地下駐車場へと、小さな車が滑り込んでいく。

「ここでいいか?」
(-8) gt 2023/09/14(Thu) 21:44:08

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

rrr……

『……』

『………』
『……』

『…………そうですかあ。』

了解ですho capito。』
『またいつでもアジトの方へ。』
『…少し、意見を聞かせて欲しいですねえ。』

『今日は、お疲れでしょうからあ』
『ゆっくり、おやすみくださいねえ。』
(!1) oO832mk 2023/09/14(Thu) 21:52:01

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

眺める景色に誰もいないこと。
ただ往くには不自然なルートであるということ。
見回りという名の街歩きをする女だ。
そのことくらい、きっと薄々に察していた。
――それが何のためなのかだって。
…だから。



「はあい。お疲れ様でしたあ。」

素知らぬ顔に、気怠げな声。
けれどドアを開くより前に一度、不自然な一呼吸の間があった。

「……アレッサンドロさん」
「…………。」

結局、くすりと笑って、終わる。

「気をつけてくださいねえ。…帰り道」

ノブに手をかける。
人気のない地下駐車場とはいえ、ひとたび外に姿を見せたなら、即座に車を離れなければならない。

何もなければ、恙無く、外へ。
(-15) oO832mk 2023/09/14(Thu) 22:15:37

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「おう、おつかれさん」

ばたんとドアを閉じて、スイッチをぱちぱちと跳ね上げて、

「ん?」

と窓越しに目を向けて。

「勿論、マフィアの幹部として、
 最低限必要な警戒はしていきますとも」

に、と、きっと笑っている。
そうしてあなたが立ち去っていく姿を、
ハンドルに肘をついていつまでも見送っているのだ。
見なくてもわかる。
何度も見送られたのだから。



地下駐車場を出てからしばらくして、ぶうん、というエンジンの音が遠く聞こえた。
(-17) gt 2023/09/14(Thu) 22:22:29

【神】 日差しにまどろむ ダニエラ

広がる動揺の声。
それらが全て薄膜の向こうにでもあるかのように現実感がなかった。

もとより勤務態度があやふやである女だ。
嘆くも憂うも似合わないのは自分が1番よく知っている。
強いて言うなら、仕事が増えそうだとどこかで交わした雑談のように肩を竦めるくらいで丁度いいような気もしていた。

それも、結局、空気に呑まれてできないまま。

「あー。」
「……甘いもの食べたいなあ…。」

やっとそれだけぼやいて、こつりと革靴の底を鳴らす。

#警察署_朝礼
(G9) oO832mk 2023/09/14(Thu) 22:29:46

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

いつも通り、女の姿は速やかに消える。
しかしいつもと違うことがただひとつ。
『忘れ物』が後部座席に残されていたのだ。

『忘れ物』は地味な濃色でラッピングされており、落ち着いて車内を見てようやくその存在に気付く程度の――手の平程の大きさをしていた。

  ―― Caro 親愛なるあなたへ.

そう貼られたシールを見るに、男性宛てのプレゼントだ。
中に入っているのは、イタリアの伝統工芸である革細工を使ったキーリング。
あなたが封を切らなければ、それも知ることはないのだけれど。

――まあ、つまり。
あなたの部下は、本当に、ひねくれていて素直じゃない。
そこにあるのはきっと、ただそれだけの事実だ。
(-26) oO832mk 2023/09/14(Thu) 22:40:24

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

男がそれに気が付いたのは、ガレージに帰りついてから。
あいつが忘れ物なんかするか、という疑問とともにそれを拾い上げて、
ぱり、と封を切り開く。

「………」

息を吸うような音。
しばらく、とんとんと包装を指で叩く音。


…ちゃり。

くるくると、いつも通り鍵を回しながらカウンターへと戻っていく。
革細工のキーリングが、小さな鼻歌に紛れるように、くるくると揺れていた。
(-31) gt 2023/09/14(Thu) 22:53:52

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

取締法施行により世間が騒然としたその日のこと。
勤務を終えた女が向かったのはあなたのモーテルだ。

あなたがきっと今日は忙しくしただろうということは想像にかたくない。
問題はその忙しさが少しも想像できない上、きっと想像したところでそれを遥かに凌駕しているだろうことだった。

…いるだろうか。
若しくは帰ってくるだろうか。
帰りがどれだけ遅かろうと、その入口で女はあなたを待つつもりでいるが。

――夕方からは、雨が降る。
女は傘を持ってはいない。
(-37) oO832mk 2023/09/14(Thu) 23:14:33

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「へへ。
 意外だったってだけです!
 オレも恥ずかしいことよくあるから、お揃いだなって」

機嫌を損ねた……わけではないのは、尖らせた唇がすぐに収まったことから分かるから。
約束してもらえたことに顔に浮かべた喜色を隠さないままの男は、添削をしてもらえそうとわかれば、ぱ、とさらに表情を明るいものにさせた。

「必要!です!!」


「やった、じゃあえっと今思い付いているの書くから、文章変じゃないか見てもらっていいですか?」

なんて言いながらもやる気百倍そのままに、白紙だったそこに文字を記していく。
時折繋がりがおかしな文章はどうにも子どもっぽさが抜けきらない。
貴方に見せたらそんなところを指摘してもらえたり、もっと上手な言い回しを教えてもらえたりしただろうか。

何はともあれ手助けを得て、一人で済ませるよりはずっと早くに完成させられたはずだ。
貰ったドーナツは最終的にそのご褒美に、普段食べるよりもずっと美味しいものに思えたから、『すげ〜幸せです!』と満面の笑みを貴方に送っていたことだろう。

──噂していた法がまだ現実となっていなかった、それは穏やかな午後の話だった。
(-46) mspn 2023/09/14(Thu) 23:42:50

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

モーテルの扉には『chiuso』お休み中の看板。
本来ならこういう時は一緒に理由の書いた紙が貼られている
(ただし、大抵は「昼寝」だとか「散歩」だとか)
のだが、今日に限ってはその紙すら貼ってない。

きっと朝から既にモーテルの主の姿はなく、
昼を過ぎても帰る事もなく。
珍しく一般客が寄ってきたかと思えば、
看板を見て首を傾げて帰っていく。

いつもならシエスタの時間と洒落込む頃にも帰らず、
緩やかに伸びる影は建物と空を覆う雨雲だけ。
ぽつ、ぽつと降り始めた雨音が少しずつ数を増し、
モーテルの軒先に隠れても濡れる頃。

「腐れ署長が金でずぶずぶの癖しやがって俺の時間をめちゃくちゃにした挙句大した情報も寄越さずにへらへらしくさりやがるクソが俺がプレデター並みにステルス出来てたらあのボケの歯全部にドリルで穴開けてキンキンに冷えた炭酸をスポイトで毎秒垂らし続けてやるっつーの」


疲労と殺意を漲らせた女が小さな折り畳み傘で防ぎきれない
雨を受け、覚束ない足取りで歩いてくるのが見えるだろう。
そしてあなたの姿を見たなら、驚いた顔で呆然と立ち尽くす。
口をはくはく、どうしたらいいかわからないという風に。
(-55) shell_memoria 2023/09/14(Thu) 23:59:54

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>14 テオドロ

「ええー。だってえ、どれを気に入るか分かりませんからあ。」

たくさん並べた中にひとつでも気になるものがあるなら僥倖。
それくらいの感覚とのことだが出力されたものが情報の渦であることに変わりはない。

「ごめんなさあい。」
「お詫びに今日1日い、がんばりまあす」

非番である。
なあんて、とからころまた喉を鳴らして、ピスタッキオを口の中で溶かす。

「んふふ。やったあ。」
「それじゃあ署内でもお、間食したくなったら教えてください〜」
「…って、みんなに言ってもいいんですねえ。言いまあす。」

などと宣う手元では、スプーンがカップの底を撫でる。
寄せ集めた欠片を最後に口の中に入れて、ごちそおさまでしたあ、と小さく口にするのだった。
(28) oO832mk 2023/09/15(Fri) 6:09:09

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「ふふ。」
おまかせくださあいSignorsì。」

元気に提案を受ける姿を見て、にこりと弧を描く。
やや大仰な言い回しで応答すると。
散らかった己のデスクを離れ、あなたのデスクの傍へと椅子を寄せた。

それからは、書類の完成まであなたを手伝って。
小さなご褒美が口の中に消えていくのをにこにこ顔で見守った。

穏やかな午後。
まだあなたが何も知らなかった頃。
例えば添削のさなか、やる気百倍で紙面と向き合うあなたの姿に女が一瞬目を伏せたことだとか。
そもそもこの日々を過ごす女の胸中だとか。
――約束が、果たされる日が来ないだろうことだとか。
そんなことをあなたが知るはずもなかったその頃。
穏やかにゆるやかに、けれどあっという間に、平穏な時間は過ぎ去っていった。
(-106) oO832mk 2023/09/15(Fri) 6:11:27

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*

襲撃予告です。


お世話になってます。おさとうかえでです。
こちら、役職は
波魔
となりました。
次回の襲撃対象にニーノくんを指定させていただこうと思っています。

襲撃耐性のある役職(妖花など)であったり、襲撃そのものになにか不都合ありましたらご連絡ください。
ブッキングなどありました際は…そのあとで考えます。
ですが可能でしたらダニエラが襲撃をしたい、という強い意志だけうっすら残しておきます。


上記、まず一度よろしくお願いします。
おさとうかえででした!
(-107) oO832mk 2023/09/15(Fri) 6:12:14

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

強まってきた雨の中、どれだけそこで待っていたのか。
軒先で膝を抱えた女はあなたの姿に気付くと徐に立ち上がり、濡れることも厭わずその姿へと近付いた。

「よかったあ…。帰ってこないかと思ったあ…。」

へにゃりと脱力した笑顔。
髪が頬に張り付き、眼鏡のレンズも結露みたいに濡れていく。
幸いというべきか、この雨のお陰か付近に人気はなかった。

「…おかえりい。お疲れ様あ、ミネ。」

雨音に消されない程度の、けれど決して大声でもない間延びした声。
そうこうしているうちに、女の衣服も雨に濡れて少しずつ重くなっていく。
(-108) oO832mk 2023/09/15(Fri) 6:14:00

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

/*
お世話になっております、おやすみ硫酸ナトリウムです!
朝から三度見しました、とても驚いています…

当方としては襲撃耐性もなく不都合もありません。
ブッキングも現時点ではなさそうなので、是非に襲撃していただければと思います。
早めの予告とても助かりますのでありがとうございました!
牢獄までの余生を走ります。
(-118) mspn 2023/09/15(Fri) 9:16:37

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*
朝から目を疑わせてすみません…。
ではその旨で、エリカさんには報告を致しますね!

また日付変更24h前になりましたらご連絡をするのですが、

襲撃ロールを行うかどうか

行なうとしたらご希望の形などあるかどうか


上記2点をふんわり考えていていただけると嬉しいです!

襲撃ロールをする+特にご希望がない場合は、お手伝い権を何か悪いことに使おうかな…と思っていましたが具体的には何も浮かんでいません…
こちらももちろん引き続き悩みますが、その案も頭の片隅で考えていただけると助かります…すみません…!

それではあと数日、余生をお過ごしくださいませ。
おさとうかえででした!
(-144) oO832mk 2023/09/15(Fri) 12:42:58

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → マスター エリカ

小指の爪を、するりと撫でる。
マリーゴールドカラーのエナメルの上に塗られたトップコートのお陰で、小さな面積でもつるりと陶器のような手触りがした。

(……ごめんね)


誰にも届けない、届けてはならない言葉が頭をよぎった。
…かぶりを振る。躊躇してはいけない。

だって、これは、必要なことだから。


/*
お世話になってます、おさとうかえでです!
今回波魔は襲撃をパスしません。襲撃対象は
ニーノくん
です。
ご本人には連絡済、承諾頂いています。

以上、何卒よろしくお願い致します!
(-149) oO832mk 2023/09/15(Fri) 12:50:44

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

/*
いえいえ、嬉しいですというのも何ですがありがとうございます…
また二点についても承知いたしました。

襲撃ロールに関しては折角ですのでさせていただければと思います。
希望の形は現状ぱっとは思い浮かんでおりませんが、お手伝い権の行使はしていただいても全く問題ありませんので先にそちらはお伝えしつつ…
考えてくださってありがとうございます!
こちらも何か良き流れは無いかふんわりと考えておきますね。

改めてご連絡等ありがとうございました、数日後よろしくお願いいたします!
(-151) mspn 2023/09/15(Fri) 13:04:34

【秘】 マスター エリカ → 日差しにまどろむ ダニエラ

その色を見つめて、あるいは握りしめて 
一体何度、誰にも聞かせられないそれらを
思い浮かべてしまったものだろう。

形にならずに消えた言葉は数知れず。
さてこの先にはまたいくつ。

/*
能力行使対象ニーノくん、確認しましたありがとう〜!
変更ありましたらまたお知らせください、なければそのままで大丈夫です。
引き続き村をおたのしみください、Ciao〜!!
(-153) 66111 2023/09/15(Fri) 13:28:30

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

こういう時、お喋りな奴ほど言葉が出ないのはなぜだろうか。
恐らく、その大半は後になって同じ事を口にする。
『言いたい事が多すぎて何も言えなくなっていた』と。
カンターミネもまた、そう口にするだろう。

「なっ」
なんでこっち来ちゃうんだよせめてそこにいた方が濡れなくて済むだろよかったじゃないよなに笑ってんだよあーあー雨が当たっちゃって。


「い、」
一体いつからそこにいたんだよまさか朝からとか言わないよなそうだよな今日仕事のはずだろって事は来たのはさっきだろ昼とかも言わないだろ幾らエーコでもそうそう早退とかしないだろうしいや半休か?いやそこはどうでもいいんだ今なんつった帰ってこないかもって?


「ま……」
まさかとは思うが心配だったとか言う気か?だからってこの雨ん中で膝抱えて待ってたって?本気で言ってるのかおいおまわりさんがこんなモーテルの前で座り込んで誰かに見られたらそれこそ怪しまれるだろ、心配してたんだとしたらあの法律の事だってわかってるだろわかっててここにいるのかそんな訳ないだろ思い上がりすぎだろ俺いやそうじゃなくてああもう。


言葉の欠片だけ、雨よりもずっと少なくぽつりぽつり。
疲労と混乱でこういう時ばかり動かない頭の代わりに、
ひとまず動く身体で近寄り、小さな傘をぐっと
あなたの方へと傾けた。ほとんど密着するような距離で、
また口をもぞもぞ動かして、あー、とか、うー、とか、
そういった欠片の後にやっと一言。

「……ただいま、エーコ。」

零した後に、ため息もセットにして、やっと頭が回りだした。

「……これ以上濡れたら風邪ひくぞ、とりあえず入ろうぜ」

鍵を開けて、中へと誘う。
どうせ客は来るまい、看板は『chiuso』のまま。
(-167) shell_memoria 2023/09/15(Fri) 17:37:16

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「んー?」

その欠片だけで、不思議と。
言わんとすることの大半が分かったような気がしてまたへにゃり。

「ありがとお。」

あんまり変わらない背丈の2人がひとつの小さな傘の下。
それでも少しだけ大きい女は、ほんの少し屈む形でもう少しだけ身を寄せた。
頬の水滴を軽く拭う。そんなしぐさでも小指のエナメルが目に留まった。

はあい、とゆるく首肯をしてまた軒先へ。
あなたが鍵を開けるまでの間、ようやく少し濡れた眼鏡を気にしてガーゼのハンカチで拭った。
誘われるまま屋内へ足を運ぶ。先日と同じように、靴底が床を叩いて鳴らした。

「…忙しかったでしょお、今日〜。」

世間話、というには真に迫っている。
たった1日で、がらりと世界が変わってしまった。
(-176) oO832mk 2023/09/15(Fri) 18:40:17

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「我らがお嬢はこんな時でもお可愛らしい事で」

嫌味のような言い方で嫌味のような内容の言葉を
しかし嫌味ではない音で投げ渡し、
そこでむう、と頬を膨らませる。なんだか諸々悔しいぞ。

折り畳み傘をばさばさやって軒先に水を飛ばして置いて、
屋内に入ったら入ったで今度は白衣をばさばさやって、
こりゃ着回しはやめとこ、と雑に洗濯物として籠に放った。

「……そりゃあなあぁ〜。まあお互い様警察も相当忙しかっただろ?
 で、そんな状態で俺のモーテルの前におまわりさんが一人、
 膝抱えて待ってたら心臓止まりそうになると思わねえ〜?
 雨ん中で傘も差さないでさあぁ」

なるべく明るい声音で、ふざけるような仕草も見せた。
それからあなたの服があまりに濡れてるようなら、
着替えを貸すから脱いどきなよ、と白衣を放った籠を示す。
そしてシャワーの準備するかあ、とカウンターを越えた。
(-201) shell_memoria 2023/09/15(Fri) 21:57:35

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「あはー。ごめえん…。」

それに関しては。
責められるとぐうの音も出ないというのが本音である。
己の立場がデリケートなものであるという自覚だって当然あるのだ。

…その上で、それでもここに足が向いてしまった。
不在の理由なんて分かりきっているのに、不安を拭いきれなかった。

「……ミネはあ、あたしが逮捕しに来たって、思ったあ?」

お言葉に甘え着替えを借りることにして、上着をするりと脱いで籠に入れる。
背を追いながら、微かに茶化すように、けれどどこか静かに訊ねる。
(-207) oO832mk 2023/09/15(Fri) 23:05:34

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「俺も心配させるくらいには普段からあちこちに
 虫ばら撒いてるからな、そこもお互い様って事で」

器用な事に歩きながらブーツを脱ぎ捨て、
よろめきながらニーソックスも放り、
ぺたぺたと足音を響かせて歩く。
後ろからの静かな声にもその歩み、止まることなく。

「いいや?エーコは俺をよく知ってるからな。
 俺を逮捕するとしたらエーコじゃないね。
 ……そう願ってる。お前に俺を捕まえさせるなんて、
 そんな惨い事あるか?俺が一番嫌がる事だぜ、それ」

にひ、と笑って振り返る。疲れの色が滲む笑顔だ。
そして上衣を脱ぎながら、もごもごと布の向こうで声がする。

「まあ、エーコが警察の上からの命令で
 絶対そうしなくちゃ疑われるってんなら、」

ぷは。

「俺はいいよ。捕まってやるさ。
 けど、俺のチームがどうするかはわかるだろ?
 だから、出来ればお前が逮捕には来ないでほしいな」

ぷち、ぷち。ブラを外して、スカートもその場に落とす。
丁度、浴室の扉前に着く頃。一糸纏わぬ姿で、背を向けた。
(-212) shell_memoria 2023/09/15(Fri) 23:31:04

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「…うん、そっかあ。」

やわらかな声。

「せいかあい。…捕まえないよお。」
「ぜったい。あたしも、ミネを檻の中に入れた人になりたく、ないしい」

それはもちろん、あなたのことやそのチームのことをよく知っているというのもあるけれど。
…けれどの先も、女は告げやしないけれど。

「…でも」
「………」

「……ううん」

ふるりと、言いかけた言葉を止めて。

「とりあえず、行ってらっしゃあい」

微笑み顔で、背なを見送る。
(-227) oO832mk 2023/09/16(Sat) 0:45:32

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「お、意外〜。『一緒に入る』なんて言い出すかと思ったぜ」

けらけら笑って、すぐ出るわー、なんて告げて扉を閉じて。
ノズルを捻り水音を出す。ざあざあと外の雨より激しい音の中、

「――――――」

何事か呟いて、大雑把に身体を流した。

「……?あっ眼鏡外し忘れてた」

妙な視界に気付くのは、バスタオルを手にしてからだった。
大雑把に水気を拭いて本当に数分程度で出てくる。

「お待たせ。エーコも入るだろ?
 風邪引いたって俺は看病に行けないんだぜ〜?」

へらへら笑いながら、下着もつけずに
ぶかぶかのシャツと新しい白衣を身にまとう。
今日はもう仕事場に戻らないで自室内に留まるのだろう。
シャワー使わないにしろ着替えはその辺の使ってくれ、と
示す棚には多少、あなたの趣味に合わせた服が入っている。
(-231) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 1:15:35

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「いいのお。…行ってらっしゃあい」

再度、念押すように言って今度こそ見送る。
浴室の扉が閉まる音がした直後、その顔から笑顔は消え失せていた。

次に扉が開いたときには、元の変わらぬ姿でそこにいる。
借りまあすなんて言いながら脱衣して、こちらはきちんと眼鏡を外すと入れ替わるように浴室へ。
ただでさえぼやけた視界が湯気で曇り、霧の中にいるようだった。

「ただいまあ。」

雑に拭いた身体で女が浴室から出てきた女は、眼鏡を外したままあなたと同じように1枚だけシャツを着る。下着はない。
…徐にその手が伸びてあなたの服の袖をきゅ、と掴んだ。
それだけで、続く言葉も特にない。
(-235) oO832mk 2023/09/16(Sat) 1:32:11

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

浴室が使われている間、鼻歌を歌う。
口遊む音は子守歌Ninna Nanna

「ん、おかえり〜」

その姿を見て、おや、と首を傾げる。
続く動きにもまた、おやおやと今度は口に出した。

「……とりあえず、俺の部屋行こうぜ。
 廊下で、この格好で、じゃまた冷えちゃうから」

服の袖を掴む、その手に手を添える。
あなたの意図が何にせよ、この後どうなるにせよ。
拒否されないなら、手を引いていく。
熱が足りないならば、腕を抱く。

部屋まで行けたなら、ベッドに腰かけて。
ぎ、とスプリングの音と共に、珍しく静かになるだろう。
(-240) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 1:46:07

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

いつもとは違うルートでのメッセージ。
ポストに突っ込まれたダイレクトメールの中に、
見慣れた様式の暗号文。

『荷物を預かってほしい。
 時間のある時に、西港のB3番倉庫』

それだけだ。
そこは黒眼鏡の息のかかった倉庫であり、
君は管理用のパスワードを知っている。
人目に触れず侵入することはたやすいだろう。
(-244) gt 2023/09/16(Sat) 2:01:07

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

視界は不良。
おやおや、の声にまた脱力した笑みが返る。
えへへと漏らす声にも照れや躊躇いはない。いつも通り。

提案にはまた間延びした返事を返し、大人しく手を引かれている。
まるで迷子の子どものようだ。
…いや、どちらかというと迷子から連れ帰られる子どもだろうか。

部屋へとたどり着き、あなたがベッドに腰かけると、そんな女の手がまたするりと伸びた。
肌の表面を掠める程度に頬に触れる。そのまま通り過ぎて、濡れたライムグリーンの髪を退かせた。

珍しくて鮮やかなこの髪の色が、あなたの瞳と同じこの色が、女は本当に好きだった。

「……ねえ、ミネ」

どこか静けさを纏った声が、空気を揺らす。

「……暫く、もう、…会えなくなる…?」

――現実を見れば。
それが当然であると、女だってわかっている。
(-248) oO832mk 2023/09/16(Sat) 2:31:38

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

――それから、暫く。
メッセージを受け取った女が姿を見せたのは、夜が深け始める頃だった。

はやる気持ちがないでもない。
だが、慌てた母猫は目の見えない仔猫を産むLa gatta frettolosa fa i gattini ciechiものだ。

女の影が倉庫の中で、きょろりと辺りを見回している。
(-250) oO832mk 2023/09/16(Sat) 2:52:48

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

指定された倉庫の一角に、ブルーシートがかけられた荷物があった。
シートには「signorina DD嬢へ」と書かれている。
……

シートをめくれば、
ボストンバッグとスーツケースが身を寄せ合っていた。
バッグの中には中には硬質で重量のあるものが、乱雑に詰め込まれているようだ。

バッグには、
『開けずに家に置いておけ』
…なんて書かれている。

君の家を荷物置き場かなんかだと思っているようだ。
(-255) gt 2023/09/16(Sat) 7:53:35

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

ブルーシートに目を留め、近寄る。
どうやらこの下のものが目当てのブツらしい。

剥ぎ取り、しゃがみ込む。
バッグに書かれた文言には、ついくすりと。

「…まあ、いいですけどお。」

ただ、そこそこ重量がありそうなことだけ、文句を言ってバチは当たらないと思う。
あたし女の子なんですけどお、とその心のままに独り言ちる。それでも声音はそう満更でもなさそうだ。

そうしてバッグを運び出す。
スーツケースはどうだろう。重さやらで中身の有無を確認すると、必要そうならばそちらも運び出しただろうか。
(-257) oO832mk 2023/09/16(Sat) 8:48:47

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

バッグはずっしりと重く、ガチャガチャと音がする。
まったく、女子に運ばせるようなものではないだろう。

スーツケースの方も同じく、何かが入っている。
こちらも大分ずっしりと重く、しかし バッグ程…つまりは金属ではなさそうだ。
キャスターが付いている分、バッグよりは楽だろうけど。


…それを家に持ち帰ったのなら、新しい宅配便が届いている。
箱を開けると、

『おだちん』

なんてメモと一緒に、
まるでイチゴのジェラートのような薄紅色のバスボムが、
ファンシーなラッピングと共に収められていた。
(-263) gt 2023/09/16(Sat) 13:31:21

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

昼夜問わず、女の姿なくとも明かりのついた一室。
だから帰りついた女は、玄関時点ではあなたの在室に気付かなかった。

「……? あー」

だからあなたに気づいた時、そんな間の抜けた音を漏らす。
多少の肉体労働のあとで、このとき女も少しばかり疲労していた。
そうっと近寄り見つめた後、傍に静かにしゃがみ込む。

……電気、消した方がいいのだろうか。
顔の上の新聞紙を見ながら、そんな逡巡。
(!4) oO832mk 2023/09/16(Sat) 13:45:34

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

アパルトメントへと荷物を運び込み。
なかなかの肉体労働だった。次に会ったとき何か仕返しに困らせることでも言ってやろうか。
結局実行になんて移しやしないくせに、そんな益体のないことをひとりで思う。

ダンボールの積まれた室内に、スーツケースとボストンバッグが仲間入り。
…もうひとつ、新しい荷物が届いていた。
箱を開け、中を見る。バスボムを持ち上げ見つめた後、もう一度箱に戻した。

左手小指のエナメルがまた欠けている。
それに気付いたのは、もう更に後のことだった。
(-266) oO832mk 2023/09/16(Sat) 14:19:37

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

…暫くして、立ち上がり電気を消した。
振り返った室内は暗く、それでも何も見えないほどじゃない。

「…」

今朝持って出た
弁当
の中身は、半分ほども減っていない。
昨日と打って変わって食欲がしなかった。
…パオロは今頃、どうしているんだろう。檻の中の冷たさを女は知らない。

それでも彼が眠っているうちに、これだけは空にしたかった。
黙々とひとくち、ふたくち、食べ進める。
(!5) oO832mk 2023/09/16(Sat) 16:42:26

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

新聞紙のたてた音に振り返る。

「おはようございまあす。」
「…お疲れの様子ですねえ。」

何事もなく女は笑みを浮かべた。
手元のお弁当は、完食にこそ至らなかったがそれでもほとんど減ったらしい。

「休める場所が他にないなら、気にせずいてくださいねえ。」

「でも、そおですねえ。」
「次の調査対象の話は、早いうちに聞いておきましょおかあ。」

早く取りかかれた方が休む時間もできるかもしれませんしいだなんて、気遣いのようなことを言う。
(!7) oO832mk 2023/09/16(Sat) 18:13:19

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

頬と髪。それに触れて嫌な顔をされない者はたったの二人だ。
ひとりは、自分。そしてもうひとりが、あなた。
そのあなたの口から伝わる静けさを受け取り、
真面目な顔で暫し、考える。触れたままの手は、そのままに。
髪の水気があなたの指を湿らせる頃、その手に手を重ねた。

「いいや。毎日だって会えるさ。
 だって俺は変わらず街ん中を歩くから、
 巡回の警察と会う事くらいおかしくない。
 秘匿回線で通信するのもいいな。端末隠しとけばいいし。
 まあ開き直って毎日通ってもいい。
 俺から警察署に行ってみるってのもアリか?」

重ねた手にすり、と頬を寄せる。
手の平に唇をつけ、上目遣いに微笑みを渡す。
冗談なのか、本気なのか。子供染みた、屁理屈のような言葉。

(1/2)
(-282) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 18:25:12

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「……なあ、エリーダニエラ

昔はきっと、そう呼んでいた。
けどいつからか、ファミリーネームの方で呼び始めた。
理由を聞けば、そっちの方が可愛いとか、言っていたけど。
一度だけ、徹夜と酒でふにゃふにゃの時に零した事がある。
『この名前は俺だけが持っていたいから』。
他人に聞かせないように、内緒でしまいこんだ大事な名前だ。
それを取り出す時は、決まってあなたの傍にいると決めた時。
カンターミネがノッテに入る時も、きっとそうだった。

「そんな寂しそうな顔するなよ。釣られちゃうだろ。
 大丈夫だ、俺はいつだってお前の傍にいるから。
 捕まったら?その時は……はは、毎日尋問しに来てくれ。
 エリーが捕まったら毎日面会に行くさ。
 それで俺が捕まったら、隣同士の独房になって、
 毎日壁越しにモールス信号でお喋りだ。
 いいだろ、楽しそうで。足りない?それじゃあさ――」

いつもの笑みとも、楽しそうな笑みとも、違う。
頬に触れる手を、唇でなぞりながら。

「今日を、お互い一生忘れられない夜にしてみる。
 ……ってのは、どうかな、エリー。」

誘惑するように、唇の端を歪めた。
(2/2)
(-284) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 18:29:07

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

子どもの頃から、あまり思いを顔に出さない方だった。
だけど、笑おうと思えば笑うことだってできる子どもでもあった。
どれだけ寂しくても、笑って母を見送れる、そんな子ども。

そんな女の“寂しい”に気づける人は数えるほどしかいない。
そしてその1つ目の指に、あなたがいる。

ミネmine……。」

ほんのささやかな、言葉遊び。
たったひとりの友人の名前を縮めると、とある国では“わたしのもの”と意味する言葉になるらしい。
ほんの少しのいたずらごころが芽生えた子どもの頃からずっと、女はあなたをそう呼んでいる。

(1/2)
(-302) oO832mk 2023/09/16(Sat) 20:10:05

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

あなたの髪に触れ湿った指先にうすらと熱が灯る。
けれどそれは女から見える蠱惑的な景色を理由としたものではなかったように思う。
ただその言葉がひとつひとつ、じんわりと胸に染み込んでいって、息が詰まる。

「…うん」

「ミネが捕まったら、尋問にこっそり食べ物持ってくしい」
「一緒に捕まったときはあ、夜通し、おしゃべりするんだあ…」

するりと衣の擦れる音がして、あなたの身体に覆い被さる。
その耳元に顔を埋めた。心臓の音が、とくん、とくん。

「約束…するの。忘れないよおに」
「ミネがいつも傍にいるって、…あたしが忘れちゃわないよおに」

やおらになだれ込むように。あなたの身体と一緒に、布団にころぶ。

「…忘れられない夜」
「ご教授、お願いしまあす」

へにゃり、と笑った。
今度は寂しさを隠すための笑顔では、なかった。
(-304) oO832mk 2023/09/16(Sat) 20:11:06

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア。
長駆の上級警部殿。

「…………“怖いおじさん”」


口の中で転がした小さな声は、きっとほとんど聞き取れない。
考えるようないとまのあと、ラザニアの残りをまた口に入れる。

「わかりましたあ。お任せしますねえ。」
「あとで前金と、今回の報酬もお送りしておきますう」

きっと前回と同じように、どちらも手早く振り込まれるはずだ。
やはりいち巡査が躊躇なく支払うには大きな額であるはずだが。

「……」
「心配事、はあ」

言い淀んだ瞳が、傍らの鞄へ向いた。
中には薄紅色のバスボムが、丁寧にラッピングされて入っている。

「…捕まらないで欲しい人がいる、くらいですかねえ。」

静かな声。続いた声は、それに比べると朗らかだった。

「お兄さんは、そういう人、いますかあ?」
(!9) oO832mk 2023/09/16(Sat) 20:44:58

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「そう来なくっちゃな」

くすくす、笑いながら肌が重なる。
薄衣二枚、所により一枚、或いは遮られず。
鼓動が響く。皮、肉、骨、血液、伝わっていく。
――余裕そうな顔をしながら、あなたよりずっと速い鼓動が。

「……ばれちゃった?」

ふへ、と笑う。何が、とは絶対言わないけれど。
だって、今更恥ずかしくて言えないし。
笑顔で誤魔化せないその分を、
動かない口の代わりに身体に乗せて。
おずおずと指先を絡めて、衣の内に指を這わせる。
上に居るあなたに、顔を寄せて、重ねた。
建物に打ち付ける雨音に、微かな水音と吐息を混ぜて。

「エリー」「約束、して」「俺にも、エリーを刻んでよ」

見上げる微笑みに、瞳を潤ませて。

「傍に居させてくれよな」

きっと、昔と同じように、屈託のない笑顔で。
あなたの傍で、あなたを求めた。
(-308) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 20:52:05

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*

こんばんは、おさとうかえでです。
よき余生をお過ごしいただけているでしょうか。
…言っておいて苦しくなりましたので、本題にさっさと移ります。

確認は、襲撃ロールの内容についてです。
先日お伝えしましたように、お手伝い権を用いて罠にはめるような予定です。
内容について運営Mさんと共にうんうん悩ませて頂きましたこととその感謝をここに色濃く残しておきます。

そこでこちらから出ました案は、
・ダニエラが大量の食べ物を用意してニーノくんに処理の『お手伝い』を頼む
・警察はダニエラが配るからニーノくんは他のお知り合い(村のメンバー上マフィア)に配ることに
・(マフィアに食べ物をお裾分けしたあと)マフィアとの密会の疑いで拘留、逮捕
上記のような形になります。

仲のいいマフィアの方がいらっしゃることが前提になりますので、まずは提案として。
墓落ち後にも墓落ち前時空でお裾分けロールなどできそうですし、どうかな〜と。…どうでしょう?
(-328) oO832mk 2023/09/16(Sat) 22:16:24

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

重ね絡めた指の先。
控えめに艷めく、マリーゴールドの色をしたエナメル。

「…えー。」
「知ってたよお。」

くすりくすりと、喉を鳴らして。
そう言ってしまえば恥ずかしがってくれるかなとか。
そこまで深くは考えなくとも、自分にしか見せないあなたの姿をつよく望む。
するりと素肌に滑らせたもうひとつの指先もまた同じように。
誰も知らないあなたを求めて。自分を求めるあなたを求めて。

「…うん。約束。」
「あたしも、ずっと」「ミネの傍に、いるよお」

「だから」「ミネも。」

落とす言葉に、吐息を混ぜて。
時折2人の吐息も交ぜて。

「そばに、」

ぱちんと頭の中が白んで震えて。
それでももっと、もっとと、あなたを求む。
(-336) oO832mk 2023/09/16(Sat) 22:57:33

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>66 ロメオ

「あれえ」
「こんにちはあ、お兄さあん」

よく見る顔が、全然見ない場所にいる。
遠巻きにその長身を見つけた女は、軽く手を振って寄ってきた。

…足元に何かいる。
猫とあなたと見比べた後、小首を傾げ。

「…何してるんですかあ??」
(69) oO832mk 2023/09/16(Sat) 23:17:20

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

名が出たことには率直に驚いて。大きく瞬いたミントブルー。
けれどその視線を少しずつ低く落としていく。

「覚悟、とかあ。」
「そーゆうの、よくわかりませんけどお…」

フォークを1度置く。
上手く言葉にできないけれど、妙な蟠りだけ溜まっている。

「自己満足とは、違うんです…よねえ?」
「自業自得だから、心配してない〜とか」
「……いやあ、ええとお」

結局、言い表せないままかぶりをふった。
ごめんなさいー、と一言置いたあと。

「母子家庭、だったんですう。」
「だからあんまり、」
「男の人の考えてる事はわからない…って、言いますかあ。」

「でも、そういうもの、なんですねえ…。」
(!11) oO832mk 2023/09/16(Sat) 23:41:52

【独】 日差しにまどろむ ダニエラ

/*
>>69
何も考えてなかったけどキリ番だ!
むくです!
(-346) oO832mk 2023/09/16(Sat) 23:48:59

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

今日が大騒ぎの日でなかったなら。
もし、その上で来ることが分かっていたなら。
そしてそれでも同じような事になっていたのならば。
きっと、こちらの指先も瞳と同じ色に染めて、
あなたの全てを見ようとしていた。

「……ずるいよなあぁ〜……」

結局、全部見られていたのは自分だった訳だから、
頬に朱を差す羽目になる。顔を隠そうにも、
両の手はもう捧げて、絡めて、滑らせ、重ねているし。
吐息も、心も、身体も混ぜるような、そんな距離では。
きっと、薄い闇なんて衣では、ミントブルーを遮れない。

「した、からな」「約束」
「取り消せ、ない」「から……っ」

それは、自身の内に。そして、相手の内に。
刻むように、深く。抉るように、強く。
吐息だけじゃ足りないから、と重なり、混ぜて、交ぜて。

ああ。

抑えが、利かない――。

「そば、に――」

そうして幾度も、幾度も。幾度も……。
どちらともなく、どろどろのまま、眠りに落ちるまで。
或いは、落ちても。どこまでも――忘れない夜を、過ごした。
(-347) shell_memoria 2023/09/16(Sat) 23:54:59

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

/*
こんばんは、おやすみ硫酸ナトリウムです!
早い宣告のお陰で己の尻を叩きながら余生を過ごしております、ありがとうございます…

そして内容について承知いたしました。
Mさんともたくさん悩んでいただいたとのこと、双方に対して私からも感謝を…
お手伝い権の行使方法、逮捕への経緯について問題ありません!
ニーノ自身は相手がマフィアであるとは知らないのですが、仲の良い方は数人いらっしゃるので丁度よいかなと思います。
良い感じに"悪"な使い道で私自身はテンションが上がりました、罠に嵌めてくださりありがとうございます。

一点お聞きしたく、お裾分けロールですが三日目入る前に話題に出していても問題なさそうでしょうか?
(丁度仲のいい方から話し始めの秘話を頂いたところなので、提供が叶うかはわからないですが話題に載せようかなと…)
少々時空が歪んで不都合あるかもなので、三日目入ってからの方がよさそうであればそこからの開始としておきます〜!
(-364) mspn 2023/09/17(Sun) 0:22:06

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*
刻々とその時が近付いており苦しんでいます。
この情報は無料です。

承諾の旨、ありがとうございます!
ご質問の件ですが、構いませんよ。ぜひぜひどうぞ!
ただ何の食べ物にするかを考えきれておらず…ご希望あったりしますか?
なければ、冷凍庫が蟹で埋まっていることですし、傷みやすい何か(果物とか)が無難かなと考えていたりします。
もしそちらがお渡ししたい食べ物があれば、こちらの都合は気にせずご提案ください!

よろしくお願いします!
(-369) oO832mk 2023/09/17(Sun) 0:40:37

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

/*
日付が変わってしまったなとこちらも思いながら過ごしております……どきどき……

そして質問に関しても承諾していただきありがとうございます!
特に希望はありませんでしたので、果物で問題ありません!
秋の果物を検索してみましたがキウイやザクロやぶどう…大量にということなので詰め合わせとかでもよいのかもですね。
問題なければそんな形で怪しまれない程度に話題に載せたり渡したりしたいと思います!

襲撃ロール自体は三日目になりますかね…?
(お手伝い権使っちゃおうの話し始め等は、今から始まっててもこちらとしては問題ありません!)
よき感じに波に乗りますのでお世話になります……よろしくお願いいたします!
(-374) mspn 2023/09/17(Sun) 0:52:54

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

――そうして。
声も、水音もいづれ聞こえなくなくなって。
微かな雨音と呼気の音だけが残されてから、暫く。

穏やかに眠る女の寝顔があなたのすぐ隣にある。
身じろぎ。擦り寄るように、肌に触れる。

「……んぅ…」

ゆっくりと、目を開けた。
そのミントブルーに映ったのは、あなたの体に残ったいくつかの鬱血痕キスマーク
女からあなたへ、あたしのひとmineと主張するためだけの。
必要とした証。必要とされた証。…約束の証。

満足げに目を細めて、またそっと口を寄せた。
(-386) oO832mk 2023/09/17(Sun) 1:27:22

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*
あと20時間……

そうですね!では秋の果物詰め合わせセットをお願いすることにしましょう。
そうと決まれば始めてしまっても構わないのですが、眠いので…
明日の朝こちらから、開始の秘話を送らせて頂きたいと思います。
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
(-389) oO832mk 2023/09/17(Sun) 1:31:08

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「ニーノくうん」

間延びした声が、署内でかけられる。
夕方のことだ。定時が近づき、女がいきいきとし出す頃。

「あんねえ。…ちょっとお」
「いーい?」

真面目そうな顔。ちょいちょいと手招き。
お呼び出しだ。
(-408) oO832mk 2023/09/17(Sun) 6:08:41

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

昨日……もう一昨日になるか、その時とはまた別の、
幸せそうな穏やかな寝息と寝顔。
そんな深い眠りも、約束の前では形無しだ。
だっていつでも、お姫様を起こすのは王子様のキス――

「……これじゃ立場が逆じゃんかぁ……」

ふにゃふにゃの声と顔。伸ばした手がぎこちなく髪を撫でる。
ライムグリーンの監視カメラは、自分と同じような状態の
素敵な装飾品キスマークで着飾った姿を映しただろう。

「肌の出る服、着れないな?……いや、着てもいいけどさ」

ベッドの上で、もぞりと動く。
淫靡さではなく、親愛を込めて身体を重ねて熱を共有した。
それと同時に、気付いた事がある。

「……またシャワー行こうぜ、朝が来る前に」

互いに浴び、擦りつけ、吸い……証明し続けた結果。
そこには『どろどろ』なんて言葉が生易しく思えるほどに、
二人の混ざり物が広がった痕跡が残る。
恐ろしい事に、それにすら――愛しさしか、感じない。
だから提案はしたけど……あなたの手を取って、口を付ける。
狙いは一か所だけ。左手の、薬指に。少し長めに、お返しを。
終わった後に、少し残った頬の朱を自覚しながら。

「あのさ」
(-422) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 9:46:29

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「だいすきだよ、エリー」

今まで軽口や早口で言っていたものとは違う。
心根の奥底から、そう。
自然に溢れたあなたへの約束の証を耳に沁み込ませて、
きっと霧と闇で見辛い中でもよくわかる、
耳まで真っ赤な顔が、真っ直ぐにあなたを見つめていた。
(-425) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 9:50:40

【念】 日差しにまどろむ ダニエラ

「……」

一瞬の沈黙。受け取ったナプキンで口元を拭う。

「お母さんは、亡くなりましたあ。」
「飲酒運転の車に、轢かれて。…でも」

「お母さんが生きてた頃から、支援してくれる人がいてくれたのでえ」
「…親孝行。親じゃ、ないですけどお。」
「その人に、してるつもり…ですう。」

できてるかはわかりませんけど、と。
茶化す素振りなく真面目な口調で言い切って。

「…ごちそおさまでしたあ。」
「ありがとおございます。用意してくれた人にも、お礼、言っといてくださあい。」
(!13) oO832mk 2023/09/17(Sun) 9:58:18

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「? はーい」

名前を呼ばれると本日の書類に向けていた視線を上げる。
いつもの雑談かなと思ったところ……どうやら表情を見れば違うようで。
だから席を立ち貴方の方へと駆け寄って行った。

「どうしました?
 オレ、何か失敗やらかしました……?」

貴方がそういう表情を浮かべていることは少ないから、過るのは悪い予感だ。
恐る恐ると尋ねている。
(-432) mspn 2023/09/17(Sun) 10:00:36

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

薬指へと、長めの口付け。その隣で煌めくエナメル。
女はとても幸せそうに、へにゃりと笑った。

「――あたしもお」
「…ミネ。だあいすき」

甘えた声で言ってまた肌を寄せる。
あたしの王子様。ずっと昔に、ひとりぼっちの“寂しい”から救ってくれたひと。
いつもと違う姿。頬に刺す朱はもちろん、交じり汚れたその肢体すら愛おしい。

満足するまで、なんてしてると朝が来てしまう。
だからほどほどに切り上げて体を離した。

「…ミネ。あの、ねえ。」

シャワールームへの道のさなか。
ゆっくり、女は切り出した。

「お風呂、終わったらあ。」
「マニキュア。…塗って欲しいんだあ。」

えへへぇ、と少し気恥ずかしそうに。
気付けば、左手の小指のエナメルが欠けている。
(-439) oO832mk 2023/09/17(Sun) 10:36:55

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「んー…それが、ねえ。」

部屋の片隅で、変わらぬ真面目顔。
同じくして日頃に比べれば硬質な声音で迷うように口にして。
ミントブルーがあなたをじいと映した後。

「…なあんて。」
「ふふー。驚きましたあ?」

「実はあ、お願いが、あってえ。」
「“お手伝い”…して欲しいことが、あるんですよお。」

へらり、と笑った。
誰にもバレないように、笑顔を作るのは、得意だ。
(-443) oO832mk 2023/09/17(Sun) 10:46:29

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「へへぇ」

すり、と衣と肌を寄せる音。
俺のお姫様。ずっと昔に、どこにも馴染めなかった自分を救ってくれたひと。
あの時からずっと、一目惚れだなんて言ったら笑われるかな。
笑われないよなあ。だから好きなんだ。いつまでも。

「んー?」

いつもと同じ声と顔。……いや、どっちも今は着崩して。
繋いだ手をふりふり歩みを進める。

「喜んで、俺のお姫様。……にしても派手にやったよなあぁ」

お互いの姿を改めて眺めて、思わず笑う。
頭をあなたに軽く傾けて、二人でくぐった浴場の扉を閉じた。
(-445) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 10:48:22

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

ご、ごくり……。

せんぱいから怒られることは、まあままあるのだが。
同じ階級の貴方から何か……というのはないので。
緊張したのも束の間のこと。

「……あ、あれ?怒られるわけじゃない?」

拍子抜けした様子で瞬き、それから。

「!!!」

"お手伝い"と聞けば分かりやすく表情を明るくさせた。

「よ〜やく決まったんですか?
 なになに?オレができることならなんでも!」
(-449) mspn 2023/09/17(Sun) 11:01:44

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「あはー。うん、どろどろお」

頷いて笑いながら、扉の奥へ。
暫くすると、浴室の外に、さぁと雨のようなシャワーの音が微かに響く。
また髪を濡らしてそこを出た。今度は、ふたり一緒に。
ドロドロがなくなっても、赤いしるしは消えていない。

昨日のまま置かれていた眼鏡をかける。視界は良好。
着衣を整えると、鞄から15mlの小瓶が幾つか入ったポーチを取り出した。
ベースコート、ポリッシュ、トップコート。
除光液と脱脂綿、あとは保湿のオイルも。ネイルセットだ。

「じゃあー、お願いしまあす。」

欠けたエナメルを拭い、オイルを塗布。
椅子に座るとその左手を差し出した。
ゆら、ゆらと足がふうわり揺れている。
(-452) oO832mk 2023/09/17(Sun) 11:16:38

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

へらへら顔で、頷く。
怒らないよお、疲れるもん〜とは当人談。
そうやって、人々の油断を狙ってきた。


「えへへ〜、お待たせしちゃったねえ。」
「今あ、ちょっと困ってることお…あってえ」

笑顔には少し気後れする様子だ。
緩んだ口元を、一度閉める。

「……ちなみになんだけどお、ニーノくんってえ」
「警察の外にも、お友達とか、多い方〜?」

これには、少なからず「YES」に近い返答が返る。
女はそう察しつけている。
(-455) oO832mk 2023/09/17(Sun) 11:36:14

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

湯気も立たせて、手もまた繋いで。
なんなら、しるしは入る前より増やしたかもしれない。

「手ェ震えないように願っといてくれよ、
 仕事と一緒にお姫様のお世話で手が過労だから」

へらへら笑いながらネイルセットを手に、
一先ず傍のデスクに並べて、指を鳴らす。
オイルで滲まないように、少し時間を置いてから
のんびりとベースコート。乾かす傍ら、口を動かす。

「毎日会えるし、毎日会おう。街で偶然でも、連絡しても」

爪の先端にポリッシュを。集中しても口は止まらない。
どちらにせよ手は震える訳だし。
今度は付け根から。案の定はみ出たから、
はにかみながらリムーバーで整える。

「いつだって、どこだって駆けつける。
 約束したしな。安心して、生きようぜ。
 毎日、ずっと、どこでも、一緒だよ。エリー」

トップコートでしっかりと保護。
ドライヤーで冷風を当てながら、微笑みを。
最後に、ネイルオイルを添えてマリーゴールドに輝きを。

「……どうよ?」

少しの緊張と共に、小指を恭しく持ち上げた。
(-462) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 11:49:14

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「うんうん!」

困ってること、があるのはよくないが。
それでも手伝えることがあるのは嬉しいから前のめりだ。

「……お友達、ですか?
 ええっと、そういっぱいってわけじゃないけど。
 いるにはいます」

「友達じゃないけれど繋がりって意味なら。
 多いところもある……かな」

貴方の頼みごとにそれらが何の関わりがあるのかは分からないが、素直に答える。
前者は警察じゃなくても遊びに行く家族のような人や、友達は確かに居るしの意味。
後者は出自からスラムや養育院にはよく足を運ぶから、顔見知りは多いの意味。

「それがどうかしました?」

こてんと首を傾ぐ。
何にも気が付かないまま。
(-466) mspn 2023/09/17(Sun) 12:47:24

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「いいよお、ちょっとくらい、歪んでもお。」
「それはそれでえ。」

けたけた、それでいて控えめな笑い声。
あんまり笑うと揺れてしまうから、すぐにそうっと落ち着いた。

「…うん。」
「………うん。」

「…………………、うん…」

毎日。どこでも。いろんな場所で。
お互いを守るために決めた、月に2度の逢瀬。
自分の立場を思えば、絶対に捕まってはならないことに変わりはないけれど。
少しだけ、怯えは減った。王子様が傍にいてくれる。傍にいたい。

左手小指に咲いた太陽の花。
艷めくそれを見つめては、目を細める。
…これで、もう、忘れない。
大切なものを、間違えない。


(1/2)
(-474) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:33:52

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「…えへへ〜。」
「ミネ、じょおずう。」

――果報者だ。
大切なものが、ふたつもある。
ひとつはもちろん、あなた。
もうひとつは、…父親代わりの、papà gambalunga 。

そのどちらも守りたい。これからはこの小指を見る度に、そのことを思い出す。
手の甲に記した、メモみたいに。

「ありがとお、…ミネ。」

静かに、万感込めて女は言った。
そうしてまた幸福そうに、へにゃり、と笑う。

(2/2)
(-475) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:35:57

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「そっかあ。なら、よかったあ。」
「あんねえ、実はあ、家に大量に果物が届いてえ。」
「…冷凍庫、まだ蟹で埋まってるからあ。どおしよおって」

用意していた言葉を吐く。

間延びした声。そこでえ、と続く。

「減らすの、手伝って欲しいんだあ。」
「あの、警察のみんなには、あたしが配るからあー。」

ここまで言えば、質問の意図も伝わるだろうか。
へらりとまた気恥ずかしそうに頬をかく。

「こんな手伝いでも、いいかなあー?」

そうして小首を、こてん。
頷いちゃ、だめだよ、
それは、ただ心に浮かんで蓋をされるだけの、口にはできない言葉。
(-477) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:55:10

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「どういたしまして、エリー。」

にへ、と笑顔を返して立ち上がる。
今度はちゃんとした着替えを用意した。
あなたのものと、自分のものと。

「……さあ、少し休んだら俺はベッドのお片付け!
 そして……『エーコ』は、朝帰りだな?
 なんか聞かれたら言わせんな恥ずかしいとか言っときな。
 じゃなきゃ……首筋にもうひとつくらい付けとくか?」

へらへら笑ういつもの顔。『先生』にしては過激な発言。
その内に幸福と愛を込めて、頬をもう一撫で。
約束の通りに、これはあなたと共にある。
あなたを送り出してなお、魂はあなたと一緒に歩く。

情報を盗んで食らい、生きてきた。
人の口から出る言葉が、次の瞬間裏返るのを知っていた。
カンターミネにとっては、全てが疑う対象でしかなかった。
たったひとつ、あなたを除いて。
これからも、あなたは不動の位置に在り続ける。



何があっても。
(-481) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 14:19:47

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「蟹の次は果物が……?」

以前貴方が話していたPapà gambalungaの新しいお届け物だろうか。
しかし冷蔵庫が蟹で埋まっているとなればそれは大変だろう。
だって果物は傷みやすいし、と。

何も疑わない。だから。
(-487) mspn 2023/09/17(Sun) 14:36:32

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「──任せてください!」

「それぐらいならお安い御用……っていうか。
 お手伝い権なくても手伝うぐらいですよ。
 いっぱい届くとほんと大変ですもんね〜」

職場に持ってきているのだろうか。
それとも大量だって言うぐらいだから家に置いたままだろうか。
そんなことを考えながらも男はただ。

「あ、ちょっとだけオレの分も貰っていいですか?
 家族も食べるかなって思って……」

貴方に頼ってもらえた事実に、嬉しそうにしていた。
(-489) mspn 2023/09/17(Sun) 14:39:12

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「ふふー。だいじょおぶう。」
「だあれも気にしないよお。」

母が亡くなってから、家はひとり暮らしだし。
そうして頬に触れた指先に面映ゆさを感じはにかんだ。

「…じゃあ。ミネ。」

――大切な、あたしの王子様。

「いってきまあす。」

ひらりと手を振り、立ち去る指先に。
塗ったばかりのマリーゴールドが、煌めいていた。

あたしが、まもるよ。
…絶対に。
(-497) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:29:16

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

女は。

「そっかあー。頼りになるう。」

笑顔のあなたに。その首肯に。
さも嬉しそうに、へらりと笑った。
誰にもバレないように、笑顔を作るのは、得意だ。


「もちろん、ニーノくんの分も、いいよお。」

「じゃあ、今日仕事が終わったら、家に呼ぶねえ。」
「ほんとたくさんだからあ、覚悟しててえ。」

暢気そうな声でそう言って、この場は一先ず解散。
定時の後、「それじゃあ行こっかあ」と女はあなたに声をかけただろう。
(-501) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:35:54

【影】 日差しにまどろむ ダニエラ

子どもの頃から、あまり思いを顔に出さない方だった。
だけど、笑おうと思えば笑うことだってできる子どもでもあった。

行ってらっしゃい、とか。
大丈夫だよ、とか。

そういう特技がこの日常に活きているんだと思う。
活きていたんだと、思う。

気付くとこの笑顔が本当なのか嘘なのか自分でもわからなくなっていて。
そのことに気付いたその日から、少しずつ、狂っていっていたんだろう。
(&0) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:36:22

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

覚悟してて、なんて言葉にはくすくすと笑っていたが。
「は〜い」なんて間延びした声も呑気に返していた。

そうして定刻後、声を掛けられれば待ってましたと言わんばかりに近寄る。
そのまま二人で貴方の家までを歩いて行くのだろう。
朝に比べれば少しマシなようには思うが、それでも街中に漂う緊張感は変わらない。
道中に交わす会話は普段通り他愛ないものと、それから。

「──そういえば本当にこうなっちゃいましたね。
 やっぱり現実になると、少し無理矢理すぎるなって思うから……その内少しでも落ち着くと良いんですけど」

貴方にだけ聞こえる声でそんなことも呟いていた。
(-505) mspn 2023/09/17(Sun) 15:59:24

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「そりゃあ……よかったかなあ?」

気にしてくる奴競合相手が傍に居ないのを喜ぶべきか、
気にしてくる奴心配する人が傍に居ないのを心配するべきか。
まあ、後者は自分だからいいと言えばいいのか。
そんな事を勝手に考えてひとり頷く。

「はいよ、エリー。」

――大切な、俺のお姫様。

「いってらっしゃい。」

身体は手を振り見送り、心は共に。
それから部屋に戻ってさあて、と一声。

「……ベッド買い直した方が早いかなこれは」

スプリングどころかその下まで水気が落ちていそうなほどの、
約束と……愛の結果を見て苦笑した。
(-506) shell_memoria 2023/09/17(Sun) 16:07:04

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「あー。うーん、取締法〜?」

目的地は、そう大きくもないアパルトメント。
街中を少し歩いて、そう遠くない距離にある。

「パオロさんも、逮捕されちゃったんだっけえ?」
「…あんまり話したことなかったけどお、本当にマフィアと繋がり、あったのかなあ。」

そんなことない、パオロはただの真面目な巡査。
今頃何をしているかなんて、考えない方が絶対にいい。


「…とか言ってたらあ、あたしたちも捕まっちゃう?」
「繋がりがあったって、信じるしかないよねえ。」

「どんなに強引でも、それが決められたことなら」
「あたしたちは守らないと、だしい。」
「…やっぱり、あんまり考えすぎると、苦労するよお。ニーノくん。」

ね、と顔を覗くようにして笑いかける。
誤魔化す意図も込めて。だって、歯が浮くような台詞だ。
先日、あなたと同じ話をした時にも感じたこと。
その法を、女は悪用しようとしている。
(-509) oO832mk 2023/09/17(Sun) 16:27:40

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「パオロさん……そんな風には見えなかったんですけど」

少しだけ視線が落ちそうになる、のを堪えた。
ふるふると軽く首を横に振ってから、貴方の言葉に耳を傾けつつ。
顔を覗かれて笑みを見せてもらえれば、少し眉を下げて笑う。

「心配してくれていますか?
 ありがとう、ダニエラさん」

「そうですね。
 ……前話したときはもう、深く考えなくていいかもって思ったんですけど」

貴方なりの励ましの言葉だと、男は勝手に受け取っている。
だからこそ素直に頷けないことにほんの少しの申し訳なさを感じながら、それでも抱いた感情を言葉にした。
込められている意図も今は、見える筈もないから。


「簡単に答えが見出せなくても、やっぱり考えていたくて。
 人を思いやること、信じること、疑うこと。
 全部大事だってせんぱいが教えてくれたんです。
 法律が絶対に正しい訳じゃなくて、そこを疑うことをやめたら……ただの独裁者になってしまうって」

「すぐにどうにかできることじゃないかもしれないけど。
 ……考えて、オレなりの答えを見つけて、できることがあるならしたい。
 ただの下っ端が何言ってんだ〜って感じですけどね」

気恥ずかしそうに頬を掻いた。
(-513) mspn 2023/09/17(Sun) 17:08:03

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

「あー。ありますよねえ、そういうことお。」
「ついつい美味しそうで、買いすぎちゃってえ。」

なんの騒ぎだろう、と寄ってきた女。
どうやら見ただけで全てを察したらしい。
したり顔でうんうん、頷いている。

#警察署
(80) oO832mk 2023/09/17(Sun) 17:23:17

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「…んー。そっかあ。」

そういうところも含めて、「苦労する」って、思う。
それと同時に好感を抱く。
そんな不要なものは、見ないふり。


「えらいねえ。ニーノくんはあ。」
「…あたしは、んーー。」

軽く、眉を寄せる。口尖らせて、その間、革靴が床をたたく、たたく。

「やっぱり、我が身がかわいいかなあ。」

それは、混じり気のない本心。
あの法案に捕まる訳には、絶対にいかないから。


「…幻滅、したあ?」

角を曲がる。往来を1本、離れていく。
(-526) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:25:14

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

「やったあ。あたしもいただきまあす。」

それでも控えめに、1番小さなパンをいただいた。
お昼にはお弁当を持ってきていたのもありけりだ。

#警察署
(90) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:39:14

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>89 ロメオ

「はあい。せーかいですう。子供舌のお。」

へらりと笑う。
そうしてもう少し近寄――ろうとして、足を止め。

「あー。」
「あたしはあ、お仕事中でえ…。」

「……お困りなんですねえ。」

何となく、時勢柄職業を口に出しにくい。
誤魔化すつもりで話を戻して、うーん、と唸る。

「あー。そうだあ。」
「ちょっと、待っててくださあい。」

にこりと笑うと、その場を離れた。
暫くすると、ビニール袋を2つほど揺らして、戻ってくるだろう。
そのうち1つの中身は猫缶だ。取り出してみる。
(91) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:55:06

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

貴方の答えを受け取り、それに返答を返す前。
尋ねられれば瞬いて不思議そうに。

「? どうして?」

そうは思わない、は既にその声音に表れていた。

「身を守るのは大切だし立派なことですよ。
 無謀に動くより、ずっと」

「ダニエラさんが自分を大事にできているってことじゃないですか」

それほどの価値を自身に見出せている証左に他ならない、とも。
だから今度はこちらが貴方の顔をそっと覗き込んで、笑った。

「なら、オレは嬉しいです。
 きっとお母さんだって……は、決めつけすぎかな」

でもそう思いますよって、表情に暖かさを滲ませて。
(-533) mspn 2023/09/17(Sun) 19:07:20

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

陽だまりのような笑みに、言葉に。
眼鏡の向こう、ミントブルーが2、3度瞬く。

「…お母さんは」
「どおだろおねえ。」

在りし日の母を思い返せば、きっとそれでいいと言ってくれる。
今の自分を、肯定してくれる。
だから悩むように思い浮かべたのは別の姿だった。
リスクを嫌う人だった。それでも、と女は自分の意思でここまで来たけれど。


「わかんないなあ。」
「今度お墓参りのとき、聞いてみよお。」

笑いかけると、考えたことを横に置く。
遠くにアパルトメントが見えてきた。あそこだよお、と指さして、てくてく。
鍵を挿して捻る。解錠の音がした。

「ちょっと待っててえ」

振り返り、半分開いた扉の向こう。
たくさんのダンボールが積まれた部屋が、ちらりと見えた。
(-543) oO832mk 2023/09/17(Sun) 19:42:51

【影】 日差しにまどろむ ダニエラ

――躊躇。
しては、いけない。
ここまできたら。もう。

ううん。ここに来る前から。
あの人との関係に気付かれたかもしれない時点で


(……ごめんね)


それは、音にしてはならない言葉。
後ろ手に閉めた扉の奥で、ひとり、口を引き結ぶ。
(&1) oO832mk 2023/09/17(Sun) 19:43:02

【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ

「うん、聞いてみてください」

死者は何も語らないけれど。
それでもこちらから語り掛けるのは自由だから。
貴方が思い浮かべている姿が、母ではなく違う誰かであることも知らないまま。

あ、そろそろ着くんだなと思えばてくてくとこちらも大人しく着いていって。

「はーい」

返事をしつつも扉の間から見えた部屋。
段ボールがたくさんあって、あれがもしかして……?と首を傾ぐ。
それなら一人で処理しきれなくて大変だろうと納得もの。
出来る限り持っていこうだなんて考えながら、貴方が戻ってくるのをのんびりと待っている。
(-555) mspn 2023/09/17(Sun) 20:25:42

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>93 ロメオ

「おー。作戦せいこーう、ですねえ。」

がさがさ。袋の音を立ててしゃがみ込む。
開けた缶を地面に置いた。
ゆっくりと離れて、あなたの掛けるベンチの傍へ。

「…改めましてえ。」
「ご無事で何より、ですー。」

大袈裟だ。
あなたは猫にまとわりつかれていただけのはずである。
楽しそうにへらりとした顔で言って、もうひとつの袋の中身を取り出した。

カップのコーヒー。
蓋を開けると、ミルクと砂糖はとっくに溶かされているらしい。
つまり、おまけだ。
(96) oO832mk 2023/09/17(Sun) 20:54:39
 


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