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【人】 葉山 裕太郎[なんやかんやと予定が詰まるのは、そろそろ新刊の締切が近づいてきたからで、打ち合わせが乱立するカレンダーにひとつだけ赤い丸をつけた、それが今の葉山にとっての一番の楽しみだ。 仕事以外で誰かと食事に行くなど久しく、ただの休息だったとしても申し分ない話。 万が一入れなかったら嫌だと店の予約までしておいたのだから、ぬかりはないはずだ。] (1) 西 2024/01/17(Wed) 21:38:37 |
【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈[葉山 裕太郎の好物がエビピラフだなんて、プロフィールには載っていない。知ってる人なんて一人しかいないのに。] (-14) 西 2024/01/17(Wed) 21:40:14 |
【赤】 葉山 裕太郎[葉山は冷たい顔でエビピラフを食す。 なにか危ない薬でも入っているだろうか、疑いだしたらキリがない。知らない誰かのものを食すのはリスクが満載だが、知っているあの子のものならば何も怖くはない。 彼女は自分のことを求めて危害さえ加えてしまうような子ではないし、それにここから先に予定を入れているのだ。それを反故にするほど短絡的ではない。 だがそれはそれとして、人知れず置いていくのは違う。 葉山の小さな怒りに触れたのはその行為だった。] (*29) 西 2024/01/17(Wed) 21:42:02 |
【赤】 葉山 裕太郎[不燃ごみの日、七海のゴミの中にあの玩具があった。こちらからの言いつけを守っているという意思表示なのか、隠していた盗聴器で聴いても、カメラを覗いても約束を破る様子は見受けられない。 健気でいい子だと思う。 いい子が過ぎてつい壊してしまいそうな程に。] (*30) 西 2024/01/17(Wed) 21:43:10 |
【赤】 葉山 裕太郎[約束の日まであと半分、ちょうど折り返した頃。 葉山はもう一度だけ彼女の部屋へと忍び込んだ。 時刻は日付も変わった深夜、目的はもう分かりきっているはず。見覚えのある首枷と手枷、目隠しはその日の夜のことを雄弁に語り尽くしているだろう。 そう、これはご褒美という建前に隠れた、お仕置きだ。 今も他人のふりをして遠回しに干渉してくる行為はまだこちらに堕ちていないと示しているかのようだったから。 ストーカーとしての激情など今となってはまだ足りない。ストーカーは他人以上には決してなれないのだから。] (*31) 西 2024/01/17(Wed) 21:51:56 |
【赤】 葉山 裕太郎[あの日と比べたら乱暴に彼女を責め立て嬲る姿はあの時リクエストされた小説を思い出させるかのようで、しかし小説とは異なり、妊娠させるための卑劣なシリンジはなく、七海の身体を絶頂には運んでくれない。 乳房の花を強く摘み、一番強い振動に設定した玩具で敏感な場所を責め立てていく。 強引なのも、道具で弄ぶのも変わらない。 しかし永遠とも思しい責め苦も、常に絶頂の一歩手前で止め、中への挿入はおろか、指でさえ半端なままに止めてしまう。 理不尽な、まるで八つ当たりのような責め苦の夜。 葉山は初めて彼女に自らの下劣な感情を見せたのだった。] (*32) 西 2024/01/17(Wed) 21:55:40 |
【赤】 葉山 裕太郎[しかし七海に向けたのもそれが最後のこと。 何事も無かったかのように監視し、監視される歪な関係は続く。 そしてその節目と言わんばかりに、その日はやってきた。]** (*33) 西 2024/01/17(Wed) 21:57:49 |
【赤】 葉山 裕太郎*** [約束の日、集合場所として家の前を提示したのだが七海はどうだったか。互いに示し合わせたその場所にやってくる葉山はいつもとは異なり外行の服を纏っていた。 当然だ、今日ほど楽しみな日なんてないのだから。 彼女に会えれば葉山は微笑みその名前を呼ぶことだろう。] (*34) 西 2024/01/17(Wed) 21:59:21 |
【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎[あなたのことはずっと見ていますから。 好きな人の好きなものを調べるのは当たり前ですよね。] (-18) alice0327 2024/01/17(Wed) 23:42:43 |
【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎[どうして、そんなことを言われるのか分かりません。 私たちが恋人でも家族でもない以上、 他人、なのは当たり前で、その垣根を越えたくて プライバシーを踏み躙っているだけなのに。] (-21) alice0327 2024/01/17(Wed) 23:45:25 |
【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎……っ、私は、セラじゃ、…………。 [読書レビューサイトにもSNSにもリアルなことは 一切書き込みしなかったはずなのに。 そこまでバレているのは流石に想定外で 誤魔化しても無駄なのに、反射的に誤魔化しの言葉を 口にしてしまうのは……やっぱり怖いから。 誰より私を見ていて欲しいのに。 もっと深く知られたら もう見てもらえなくなるかもしれない。] (-22) alice0327 2024/01/17(Wed) 23:45:54 |
【赤】 葉山 裕太郎[待ち合わせ場所に先に着いたのは葉山の方だった。しかしそこまで長い時間と待たされたという話でもなく、気にすることでもない。 とはいえ八つ当たりをされてしまったことが堪えたのか、それともこちらが一歩踏み込んだから同じくらい踏み込んできただけのことか、七海が口にした言葉が答えに近しい。] いいよ、好きに呼んで。 [引っ込められた手を取り、目的の場所へと歩き始める。 本当のメインイベントはもっと先だと知りながら、教会の祭壇を登り聖なる祝杯をあげるかのように時間を焦らしていく。 受け入れられるわけが無いと諦めに捨てた心と、耐え忍んだ身体が眠りにつかないように、店に到着する頃、葉山は小さく呟いた。] (*45) 西 2024/01/18(Thu) 22:27:30 |
【赤】 葉山 裕太郎[何を怯える必要があるというのか、あれほどの狂気を身に宿しながらこういう所では人間的、それが七海という人物のイメージ。 嫌われたくない。簡単に言えばそういうことで、それでも嫌われるかもしれない狂気は隠さない。この矛盾が葉山にとっては実に可愛らしい。 感情の赴くままに前へと進みたいという欲望と、抑圧され生まれた理性が壊れる瞬間は、人が一番美しく舞うのだ。] (*46) 西 2024/01/18(Thu) 22:28:36 |
【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈[理性を捨てたくなりがちなアルコールの誘惑、告げた理性を保つべき背信も起こりえないという事実 ここまでを口にする理由が分からないほど、七海の察しが悪いとも思っていない。 何かを理由に後ろに引くことが出来なくなるように、七海の逃げ道を甘い誘惑で塞ぐ。 自分なんて受け入れられない。 もしも誰かに迷惑をかけたら。 もしもそうなったとしても、お酒の勢いだったから。 そんな言葉が吐けなくなるように。] (-27) 西 2024/01/18(Thu) 22:30:24 |
【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈[酒が入る前、お店の前で葉山は彼女をこちら側へと誘う。このお店に入ったら最後、朝まで逃がしてはあげないと、我欲を剥き出しにして。]* (-29) 西 2024/01/18(Thu) 22:31:44 |
【赤】 葉山 裕太郎*** [それから店を離れると、夜風に当たりながら自宅へと向かう。 流石に代金は自分が負担してあげたのだが、それはそれとして少し飲みすぎたような気もする。気分がいつも以上に昂揚しているのもそのせいだ。 まだ泥酔する程じゃないからしなんとかなりそうだが、七海はどうだっただろうか。 帰りながらふと思い出したように予定表に目を配らせる。] (*47) 西 2024/01/18(Thu) 22:33:16 |
【赤】 葉山 裕太郎[七海は怒るだろうか。軽蔑するだろうか。 彼女を堕とすまでの全てを、小説に書き起こすだなんて。 彼女がしてきた事の全てと、自分がしてきたことの全てを記し、この狂気を完成させる。 その大きな役は彼女にしか頼めない。彼女の狂気は常識と羞恥を捨て去れば自分など優に凌ぐ程のものだという確信があった。 それほどまでに彼女の独善的で哀しい狂気は葉山の心を射止めたのだから。] (*48) 西 2024/01/18(Thu) 22:34:39 |
【赤】 葉山 裕太郎[新刊となる小説のタイトルも考えた。 構想も、登場人物の名前も考えてある。 後は主人公になる彼女自信に、演じてもらって完成だ。]* (*49) 西 2024/01/18(Thu) 22:35:17 |
【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎[あなたの言葉の意図を察せないほどではありません。 逃げ道を塞がれてしまった私は 引くことも出来ず前に進むしかなくて 逃げられないように、あなたの手を掴んで 同じ場所に居ようと、暗に誘って。 私を受け入れてくれるのなら 絶対にこの手を離さないで欲しいから。] (-31) alice0327 2024/01/18(Thu) 23:37:41 |
【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎[元々そのつもりでしたから 拒むなんてことするはずありません。 朝までどころか明日一日さえも貰いたいと、 そんな欲を隠さないまま、 甘い誘惑に導かれるのです。] (-33) alice0327 2024/01/18(Thu) 23:38:36 |
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