07:16:57

人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   たった数年とはいえ
   共に過ごせば少しは性格も分かる。

   ウユニが義理堅いことを知った
   サルコシパラはウユニがお金を使わずに
   貯めているのではという考えに至れば。


      「貴女に似合いそうなドレスですね。」


   そう言ってニッコリと圧をかけながら
   ウエディングドレスの写真でも見せることも
   あったかもしれない。


(-42) 西 2022/08/11(Thu) 8:17:24

【人】 サルコシパラ



   そんな経緯を経て
   この共同生活も板についてきた頃。

   服がほつれていることに気づかないまま
   過ごしていたサルコシパラに
   ウユニから申し出があり。>>80


     「あ…すみません
      ではせっかくなのでお願いします。」


   お言葉に甘えてと照れくさそうに
   頭を搔くなんてこともあった。

   それはサルコシパラにとって
   ウユニは信頼に値する人であるという証明で
   家族としての絆を育んでいる何よりの証拠。


(87) 西 2022/08/11(Thu) 8:18:21

【人】 サルコシパラ



   そんな時期にもなれば
   貰い物を遠慮する気持ちよりも
   歓喜の感情が先回りしていくもので。

   差し出されたひざ掛けを>>81


     「ありがとうございます。
      せっかくあなたがくれたんですから
      もちろん、大切に使いますよ。」


   そう言って受け取りもしただろう。>>82
   充分売り物になりそうな仕上がりの
   竜胆が彩るひざ掛けの意味は
   口にするのも野暮というものだ。



(88) 西 2022/08/11(Thu) 8:18:56

【人】 サルコシパラ



   幸せな日々というものを
   サルコシパラは日々感じるようになった。

   ウユニの存在はそれだけ大きく。
   次第にサルコシパラに強い感情も芽生えて。

   それでもこの関係をより深めなかったのは
   彼女が病に侵されているという事実が
   頭の中にあったからだ。



(89) 西 2022/08/11(Thu) 8:19:25

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   彼女が病に侵されていても
   自身の気持ちが変わることは無い。

   しかしその身体が虚弱だったとしたら
   やはりどこか気は遣ってしまうもの。

   けれど病のことを打ち明けられれば
   今度はサルコシパラの強い感情が
   彼女と一線を越えようと暴れ出す。



(-43) 西 2022/08/11(Thu) 8:20:53

【人】 サルコシパラ


   この未来を辿ったきっかけは

         彼女の勇気と──────。**


(90) 西 2022/08/11(Thu) 8:21:44

【人】 サルコシパラ


   ウユニから病気のことを告げられた日の夜
   サルコシパラは珍しく夜更けになっても
   眠りにつかないまま自室にいた。


   部屋が複数あるサルコシパラの自宅では
   リビングの他にサルコシパラの部屋と
   ウユニの為の部屋、そして空き部屋があり
   夜は特段の用事がなければ
   互いの部屋に入ることも滅多に無い。



   脳裏によぎるのはもちろん
   ウユニの抱えている病のこと。

   彼女の家族でありたいと願う者として
   病のことを知るのは責務だと
   サルコシパラはそう考えていた。


(91) 西 2022/08/11(Thu) 8:39:15

【人】 サルコシパラ



   しかし本を読み漁っても
   有力な話は何も出てこずに

   深夜、サルコシパラは独りで
   落胆し、肩を竦めていたのだった。


(92) 西 2022/08/11(Thu) 8:39:28

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   それから普段なら眠りにつく所を
   サルコシパラは立ち上がり部屋を後にする。

   そうして向かったのはウユニの
   彼女が眠っているであろう部屋だった。



(-44) 西 2022/08/11(Thu) 8:39:50

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   彼女を起こさないように静かに扉を開ける。
   普段被っている仮面を今だけは付けもせずに

   彼女が寝静まるであろう時間を狙って
   サルコシパラは彼女の部屋に入ると。

   暗がりの中、ベッドに座り
   ウユニの姿を視界に捉えて
   その頭を優しく撫でてみせる。

   もしかしたら目覚めているかもしれない。
   でも願わくばもう少しだけ目覚めないで欲しい。


            そんな想いを抱えて。



(-45) 西 2022/08/11(Thu) 8:41:05

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   募っていく想い。
   たとえ変人であろうとも
   病に侵されていようとも

   同じ屋根の下に男女が二人
   何も起きないはずもなく。

   サルコシパラは
   髪を梳くように優しく撫でると。



(-46) 西 2022/08/11(Thu) 8:41:59

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   「ウユニさん。

      ……もし起きているのなら
      もう少しだけ…眠ったフリをしてください。」



(-47) 西 2022/08/11(Thu) 8:42:30

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   眠っているか起きているか分からない
   ウユニに懇願するように囁くと。


            彼女の額に口付けを捧げた。*

   
(-48) 西 2022/08/11(Thu) 8:43:13

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   簡単に開く扉は信頼の証。

   ともなれば、これはウユニに対する裏切りか
   それを考える余裕などサルコシパラにはなく。

   彼女の夢の中に手を伸ばすだけ。



(-66) 西 2022/08/11(Thu) 21:25:55

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   微睡みの中、微笑む姿に
   言葉にできない喜びが込みあげる。

   その微笑みの向こう側にいるのが
   自分だとは限らないのに
   自分であって欲しいという願望が
   解釈を強引にねじ曲げ、思い込ませて。



(-67) 西 2022/08/11(Thu) 21:26:43

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   もしも部屋が暗くなければ
   もしも彼女が目覚めていたら

      もしもその手記を見つけていたら>>L0


   こんな過ちは犯さなかったかもしれないのに。




(-68) 西 2022/08/11(Thu) 21:27:33

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   口付けを捧げた後
   サルコシパラはその唇を滑らせて
   首筋へと居場所を変える。

   眠っていて無抵抗だというのに
   ウユニの隣に添うように横になると
   そっとウユニの華奢な身体を抱きしめて。


      「ずっと…僕の物でいてくれたらいいのに。」



   叶わぬ願いを口にするかのように呟くと
   彼女の顔を自分の胸へと埋めさせて

   黒い薄着の中に手を忍ばせると
   白い薔薇のような肌に触れ、背中を撫ぜる。


(-69) 西 2022/08/11(Thu) 21:28:57

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   一度人の恋しさを覚えた男に
   もう一度孤独を選ぶ勇気などない。

   竜胆の香りを知ってしまった者は
   もう二度と、独りには戻れない。



(-70) 西 2022/08/11(Thu) 21:29:48

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「ウユニさん。

        私は……貴女を………。」



(-71) 西 2022/08/11(Thu) 21:33:21

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   切なげな告白とともに
   サルコシパラはウユニの事を求める。

   家族として、一人の男として
   直感の赴くままに。*


(-72) 西 2022/08/11(Thu) 21:33:50

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   目覚めないで欲しいと願う傍らで
   もしウユニの目が覚めたとしても
   最後まで気づかないなんてことは無い。

   サルコシパラも一端の成人なのだから
   寝たフリなどという古典的な技に
   ひっかかるわけでもない。

   それでもサルコシパラは
   知らないフリをする。

   それは自分の願望に応えてくれた
   ウユニへの義理人情でもあって
   ウユニが自分の意志で受け入れてくれたと
   その事実が何よりも幸福だったのだから。



(-87) 西 2022/08/12(Fri) 21:02:02

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   小さな声で名前を呼ぶ彼女が
   こちらの身体を抱きしめ、応える。
   サルコシパラの手は服の中へと入り込み
   金具に指をかけてウユニの衣服を
   緩めると、そのまま瞳を覗いて。

   言葉を交わすことはなく
   意志を伝えるようにその誓いの口付けを送ると。

   もう決して止まることの無い
   感情の濁流の中に咲く一輪の花を


                 手折った。



(-88) 西 2022/08/12(Fri) 21:02:48

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



     「ウユニさん。」



   窓から差し込む光が照らすその姿は
   言葉が出なくなると美しく。

   隠すようにを身を包んでいた衣服を
   捲っていけば、彼女の<cc d0f47>花</cc>が見えて。

   その花に静かに口付けを落とすと。
   サルコシパラは小さく笑ってみせる。


(-89) 西 2022/08/12(Fri) 21:03:29

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「あなたは…綺麗だ。あの時からずっと…。」


(-90) 西 2022/08/12(Fri) 21:04:49

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   見惚れたように呟くと
   露わになったウユニの肌に
   真っ赤な花を咲かせて。

   それから唾液を流し込むように
   唇を奪い、舌先で撫でると

         彼女の足の付け根に手をかけていく。*


(-91) 西 2022/08/12(Fri) 21:05:24

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   彼女を美しいと形容するのは自分だけ。

   サルコシパラにとっては至極光栄な話で
   自分以外この美しさを知らなければいいと
   そんな独占欲さえ顔を覗かせる。

   孤独も、喪失感も、憤りも、
   今この瞬間だけは全てから目を逸らせる気がして
   それが彼女の厚意としれば、遠慮なく甘えた。


   感情の昂りが目眩さえ呼び起こして
   手折った竜胆を生ける自身の身体が
   高潮に震えているのが実感できた。

(-108) 西 2022/08/13(Sat) 21:07:58

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   互いを隔たる壁はもうない。

   夢見心地の花園に身を投げて
   耽美な時間を噛み締めると
   ウユニが素顔のことに触れたから。


     「私だけ隠し事をしていたら
      格好つかないでしょう?」


   そう笑ってみせた。
   心の隔たりを取り払おうとするのだから
   自分が壁を作るような真似はしたくない。

   そこに語られない真実があることには
   気づくことも出来ないまま。



(-109) 西 2022/08/13(Sat) 21:08:30

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   身体が重なり、愛情に満ちた時
   サルコシパラは少しばかり気が抜けて。

   甘えるようにウユニの首元に顔を埋め
   繋がりを持てた悦びの余韻に浸っていると
   ウユニが懇願するようにこちらに声をかけて
   サルコシパラは頷き、その続きを促す。

   すると彼女が口にしたのは
   あまりに可愛らしい願いごとで。

   サルコシパラは思わずくすりと微笑み。


(-110) 西 2022/08/13(Sat) 21:09:19

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「その時は、二人で指輪も

         買いに行きましょう。」


(-111) 西 2022/08/13(Sat) 21:09:40

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



その夜が、二人の運命を別つ日となる。**

(-112) 西 2022/08/13(Sat) 21:10:32
 




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