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【独】 陽葉 シロマ嫌だッ俺は成仏しない 除霊ならされたい シロマの遺志関係なく存在を否定されたい 成仏は嫌だッッッッッ (-221) wazakideath 2022/07/13(Wed) 20:17:39 |
【秘】 陽炎 シロマ → 奔放 クリス「正解。 手段に関しては、模範解答だ」 手を翳しているというのに、少女の眼孔へ薄明かりが差し込む。 眩しそうに目を細めた。笑ったようにも、見える。 「私だって、生きて教師になりたかったさ。 勿論、平和な世界でね。 でも時代がそうはさせてくれなかった」 その言葉は、この亡者の生きた時代を示していた。 少女にとっての最良の結末は、時を巻き戻しても実現できない。 戦争という数え切れない程の因果を持つ歴史を変えることなど、不可能だ。 ───何かを憎むこともまた、難しい。 原因が多岐に渡る大きな歴史の渦を、渦中から観測するようなものである。 「……足りない調査は妄想で補おう。妄想で構わないのさ、筆者の気持ちなど。 他に尋ねたいことがあれば答えよう。 流石に答えを尋ねられたら誤魔化すけれどね」 (-222) wazakideath 2022/07/13(Wed) 20:41:39 |
【秘】 奔放 クリス → 陽葉 シロマ「それしかない奴の言葉なんか、つまらないと言わなかったっけ」 全く。少し煽ってみたつもりが全くかすりもしない。 自覚症状ありきの、人形。 つまらない。 「全く。妥協案を選ばないのはきみのおもしろいところだと思ってたんだけどね」 さて、どうあっても動きはしないだろう。なれば、この声は、ただ確認するだけの言葉に成り下がる。最初からそうだったように。幻聴は幻聴に。幻覚は幻に。 いつしか、それに意味等無くなる様に。 だから、これが幻聴かどうか。それすら分からなくなる。 「──僕には、一つの憧れの形があった」 しってたかい。 質問には答えずとも。 問いかけられる言葉。 (-223) chizuaquarii 2022/07/13(Wed) 20:59:27 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 陽葉 シロマ「拙は」 ぽつり、音が溢れる。 「未だ、迷っています。 幽霊についていけば、一緒にいられる。けれど、それで本当に己が満たされるのかと指摘されてから心がもやもやするのです」 「ですから肯定でも否定でもない複数人の話を聞いて、考えて、答えを出すつもりです。 既に明日香には話しました。そして今、貴方に。この後は、栗栖に」 「話を聞いて、自分がどうしたいのか見極めるつもりです」 ▽ (-224) もちぱい 2022/07/13(Wed) 21:14:12 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 陽葉 シロマ「……ああ、でもひとつだけ。 幽霊がいたとして、その子について行くかどうかはさておき。 拙は、その子を罰するつもりはありませんよ」 「……梢」 「梢はどうなのですか?」 大きな瞳が、真っ直ぐ貴方を射抜く。 「梢は拙達の意思を尊重すると言いますが、 貴方の意思は、どこにあるのです?」 (-225) もちぱい 2022/07/13(Wed) 21:14:24 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「……? まだ君は私の生徒じゃないと思うんだけど……なりたいなら、歓迎するよ」 握っていた手を離した。 どこからともなく、出席簿を取り出す。 そこには『鳥飼』『夢川』『司馬』、三名の生徒名が記入されている。 氏名が増えていないことを確認し、出席簿を閉じた。 「理想の先生は、こんなことしないさ。 でも、私はこうでもしないと約束を叶えられない。 夢の叶え方は誰しも同じじゃないだろう?」 折った細く短い枝を片手に持ち、ゆったりとした足取りで歩き始めた。 教師が教室を歩き回るように、静かな歩みで。 しかしその表情は、いつもより暗い。 ▽ (-226) wazakideath 2022/07/13(Wed) 21:24:58 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「矢張り、……生者と死者が理解し合うのは難しいんだね」 枝の先端を貴方に向けて、下げる。 その梢には、開くことの叶わなかった新芽が付いていた。 「悲しいな、嘘だなんて。 そんなこと言わないでおくれよ」 悪い事であることは否定しない。 理解した上での行いだ。 しかし──事実とはいえ。 虚構として扱われれば、誰だって虚しくなるというものだ。 それは、死者でさえも同じこと。 (-227) wazakideath 2022/07/13(Wed) 21:25:18 |
【秘】 陽炎 シロマ → 奔放 クリス「悪いね、変化は生者の特権だ。 これ以上にもこれ以下にもなれないのさ」 死とは、停滞だ。 朽ちるのは生者の記憶であり、死者は歩き出すことなどできない。 だからこそ往々にして、彼らは生者と対立し、否定され除かれてきた。 「ふむ、なんだい。 君が何かに憧れるなんて、あまり想像もしていなかったけれど」 屋根の棟に上り、そこに腰を下ろす。 立てた両膝に肘を付き、顎に両手を添えて。 雑談でも聞くような姿勢になった。 「形があるということは。きっと理想や夢物語ではなく、実在していたのだろう」 (-230) wazakideath 2022/07/13(Wed) 21:44:54 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「――センセイ。 よく、人に理想を押し付けるのはいけないっていうだろう」 「僕はそれを今言われたとは思っていないんだよ」 「センセイがそうしているように見えたんだ」 死者は止まってしまっている人だ。 願いが叶わなくなったものだ。 悲しまなくなったものではない、喜べなくなったものでもない。 「キミたちはどうして、一緒に僕たちと遊ぼうとしないの。 寂しさを消化するのに死を招くことを選んでしまったの? 生きることをやめることが解決にはならないことだってある。 それは、寂しいと思ってる君たちが一番わかっているだろう」 生きて欲しかった。 理由があったのなら話してほしかった。 綺麗事で片付かないことならば、なにか解決ができたのならこんな寂しい気持ちにさせることなんてなかっただろうに。 (-231) toumi_ 2022/07/13(Wed) 21:58:38 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「どうして、なりたかった先生になろうとしなかったんだ。 寂しいとはじめから明かしてくれなかったんだ。 今こうして話せて熱も感じることができるのが、 刹那の会合だったとしても、偶然か必然が起きた。 ボクたちが、それにひとつも答えようとしない人間と思っていたのかい?」 おいていかせるのは、差があると見せつけるのは君達だろう。 隠すことなんてなかった、そんな寂しそうにするなよ。 もっと堂々と嫌なやつになってくれよ、そうじゃないと。 どうしようもならない一言も言いたくなってしまうだろう。 「説教だ、どうしようもない、わがまま。 間違いだというなら正してくれよセンセイ。 ボクはキミの生徒にはなれない、 だけどキミの先生をみてみたいと、願う一人の人間なんだよ」 (-232) toumi_ 2022/07/13(Wed) 22:00:27 |
【秘】 奔放 クリス → 陽葉 シロマ「いいや、なれるさ」 「僕の常識を覆したのはきみだろう?」 死とは、停滞だ。 朽ちるのは生者の記憶であり、死者は歩き出すことなどできない。 だからこそ。そもそもとして。死者は、存在すら許されない。 供養され、埋葬され、思い出にされる。 屁理屈さ。 きみは、まだ。死ねてすらいない、と。 「そうだな。最初は、存在していた」 原典がそこにあった。だからこそ挫かれた。 憧れなど。自身の中で築き上げるものだ。 どこにいるのか。 どこにもいないのか。 それはきっと、この憧れと似ている。 「僕が目指すべきものはすでに失われた」 「だから、僕が続けている」 「それがどこまでも稚拙なのだと理解しながら」 「既に、僕の人格に成り下がっている」 それはきっと、悪魔とでも呼んで見せよう。 人の中にある、人が成りえる、人が理解しえない、お話の中にあるような。物語は挫けていく。 (-233) chizuaquarii 2022/07/13(Wed) 22:12:53 |
【秘】 奔放 クリス → 陽葉 シロマきみのことを、似ているな、と思ったあの記憶は。 欺瞞に満ちたものであったとして。 それはきっと、そこまで間違いのない記憶だったのだろう。 (-234) chizuaquarii 2022/07/13(Wed) 22:13:07 |
【秘】 陽葉 シロマ → 傷弓之鳥 マユミ「どこにも無いさ。私の意思は、もうどこにも」 ぽつり、音が溢れる。 「でも、感情はある。 だから罰するつもりが無いと聞いて安心したよ」 鍵盤へ手を伸ばす。ゆっくりと、主旋律だけを奏でる。 それ先程演奏されていた、失われた校歌だった。 「できれば深雪にも聞いてくれるかい、その話。もう聞いていたらすまないね」 軍歌のような拍子で音色を刻んでいく。 その旋律を聞く横顔は、どこか虚しさを孕んでいた。 時折音が欠けるのは予定調和で、ご愛嬌。 ……弾き終えれば、だらんと腕を下げる。 「強いて言うなら、それが私の意思だ」 ▽ (-235) wazakideath 2022/07/13(Wed) 22:19:15 |
【秘】 陽葉 シロマ → 傷弓之鳥 マユミ「将来の夢はあるかい」 少女は教師を志していた。 今となっては、諦めた夢だ。 「叶えたい願いはあるかい」 さて、願いなどという崇高なものは抱いていただろうか。 少なくとも、今は、見当たらない。 「それはこの少年時代を捨ててでも、掴みたいものかい」 モラトリアム。青年期にだけ与えられる、停滞の時間。 尤もそれは、誰に対しても与えられるものではない。 否応なく大人にならざるを得ない子供もまた、存在する。 「正直な所、君は生き辛そうに見えるから。 君が彼についていくのなら、私は止めないよ」 (-236) wazakideath 2022/07/13(Wed) 22:19:49 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「おや。そういえば 最近の 先生は違うのだっけ。……うん、まずは前提が違う。そこを正そう」 すう、と息を吸った。 ように、見えた。 『何のこれしき、戦地を思え』 『足らぬ足らぬは、工夫が足りぬ』 『 ────欲しがりません、勝つまでは! 』凛とした声が貴方の耳に届く。 それはかつて、戦時中に広められたスローガンだった。 時が変わり、今は教科書でしか見られないけれど。 「……さて。きっと聞いたことがあると思う。 私はそんな世の中で生きた人間だ。 君たちとはね、今日が初対面だよ」 ぱき。持っていた枝を折り、捨てる。 その瞬間、思い出せるかもしれない。 ──白間家に、子供などいないことを。 子宝に恵まれず捨てられた一人の女が、ギャンブルに溺れていったという世間話を。 「私にとって、教師とは理想を押し付けるものだ。……自分に対してもね」 ▽ (-238) wazakideath 2022/07/13(Wed) 22:50:59 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ一緒に遊んだって、夜が明けたら帰ってしまうだろう。 大人になったら、遊んでくれなくなってしまうだろう。 永い時の中で、そんな子供は何人かいた。 その度に、生者を留める難しさを知って。 結局、この手段しか無いと考え至った。 「自分の意思を殺して、日の本を支える子供を育てる。 個より全。己のことは後回し。 先生って、そういう存在だった」 始めから明かすことはできなかった。 最初から、死んでいたのだから。 「寂しい?そんなこと先生が思うものか」 生きた時代が違えば、精神構造というものも変わってくる。 勿論、現代的な思想を持つ人間もいただろうが──白間コズヱは違った。 彼女が寂しさを感じていなかったかと言えば、やや違う。 どちらかといえば、虚しさの方が強かった。 日々朽ちる校舎。教室を吹き抜ける隙間風。 生徒で賑わっていたあの光景は、もう二度と訪れない。 「でもね、そう思ってくれたことはすごく嬉しい。 これは本当だよ。 その気持ちは今のものだと、思うから」 (-239) wazakideath 2022/07/13(Wed) 22:52:58 |
シロマは、負けたから、欲しがることにした。 (a80) wazakideath 2022/07/13(Wed) 22:54:58 |
【秘】 陽炎 シロマ → 奔放 クリス「無茶を言うなあ。君らしくはあるけど」 冗談めかして溜息を吐き、呆れて見せた。 生者からすれば、彼女の放課後はまだ続いていると言えるだろう。それを想像できないわけではない。 「私と君、ひょっとして在り方は近いのかもしれないね。 私が目指すべきものは、もう時代によって失われてしまった。 愚かだとは思っているが、それでも私はこうするしかなくて──手段だって、ひとつしか無かった。 でもね、君」 朝日が滲みだした、東の空。目の前に、貴方がいるかのような気軽さで。 手を伸ばし、頬の輪郭をなぞる。 そんな、仕草だけをした。 「成り下がっている、なんて言い方はよしてくれ。 民主主義じゃ人間は平等なんだろう? その標がどれだけ高嶺に在ったかは知らないが、現人神よりは近かったに違いない」 彼女なりに冗句を含みながらも、言外に。 卑下するな≠ニ、そう告げる。 命が紙屑のような時代でも、人の個が否定され、戦車の歯車として生きることを強いられた時代でも。 人々は、理想の影で泣き続けた。……それは、少女も同じ。 「人が変わったらさ、変わる前のその人はどこに行くんだろう。 私は、消えてしまうと思う。 私が変わらないのは、そういうことだ」 変化してしまえば、『教師を志す白間コズヱ』は消えてしまう。 それは成仏でも何でもなく、不可逆な変化として。 幻になる、ということだ。少なくとも少女は、そう考えている。 (-240) wazakideath 2022/07/13(Wed) 23:22:08 |
【秘】 奔放 クリス → 陽葉 シロマ「成り下がった、であってるだろう」 「その標を制定したのは自分自身だ。だったら、誰が何を言おうとも」 「その自分が麓にいる事を自覚しているのは、自分だろう?」 今まさにきみが言った通りだ。 平等を制定したのは民主主義なのだろう? 民主主義とは民意だ。民意に身を置いているというのならば、この場すら存在しない。 未だそれが道半ばであると、そしてそれを止められないのは。 どこの誰だと、そう笑う。 相馬栗栖は探偵に向いていない。事実は振りかぶるわけではなく。 真実をそこに置く。 「それを平等だというのなら」 「変わったところで」 「大した変化なんてないだろ、白間」 世界にとって。僕たちは。 大した存在ではないのだと認めると、そう言って見せろ。 「幻かどうかを決めるのは、 僕たち じゃない」 (-242) chizuaquarii 2022/07/14(Thu) 1:17:04 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 陽葉 シロマ「例えば直接傷つけたとか、そうでなくても唆したとか。他の人を脅かすというのは怒られる行為です。 けれど、もし犯人が恨み以外……例えば、寂しかったからとか。そういったものであれば。少なからず理解はできますから。拙からきちんと怒ることは、出来ないでしょうね」 もし自分が幽霊だとしたら。きっと、自分と同じ立場になってほしいと願ってやまなかっただろうから。 どうして、その者たちを責められよう。 「深雪ですか?分かりました。忘れず、きちんと聞いておきます」 少女はしっかりと言葉を覚えていたのだが、それよりも早く件の夢色の彼自らが少女に連絡を入れたのは……もう少し先の話。 ▽ (-247) もちぱい 2022/07/14(Thu) 6:26:29 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 陽葉 シロマ「梢」 多くを取り落としてしまったような虚ろを見る。 「どうしてそんなに、自分が蚊帳の外にいるような口ぶりなんですか」 意思がないとはっきり言われた。 夢も、願いも問われた。なんだかそれも、自分にはもう無いと言っているように聞こえた。 「まるでもう、少年時代から踏み外してしまったか、或いはもう抜け出してしまったかのよう」 犯人を断定したわけでも無いのに「彼」と呼ぶことについて気になったが、それよりも貴方が静かに紡ぐ内容のほうが気にかかった。 「拙は、拙はただ…… …………皆と、ずっと一緒に楽しい時間を過ごしていたい。 ………………ただ、それだけです」 (-248) もちぱい 2022/07/14(Thu) 6:27:00 |
【秘】 陽葉 シロマ → 傷弓之鳥 マユミ蚊帳の外。 これは正しい指摘だと、少女は思う。 「生きたまま、ずっと楽しい時間が過ごせれば最高だ。 だけど現実はままならない。 もしかすると、常世も似たようなものかもしれないよ」 少年時代から抜け出してしまったかは、わからない。客観的に見れば、きっと自分は未熟な小娘のままだ。 貴方の問いに答えることなく、光の失せた瞳を向ける。 何故『彼』と呼んだのか、その説明もしないまま。 「ただ…… 常世は、これ以上悪くはならない 」現実は、これから更に良くなる可能性がある。 しかし同じくらい、悪化する可能性もある。 卒業、就職、結婚。 人生には、数多くの分岐点が控えている。 「きっと世間はさ、何があっても生きていくことを美談とするのだろうけれど……私は、そうは思わない」 病気、事件、 事故 。加えて──数多くの予定外が、そこら中で息を潜めて狙いを定めている。 困難を乗り越えられるかは運次第。 私達は努力が報われないことくらい、もう知っている年頃だろう? 「君の未来に、何か希望があるのなら。 生きるべきだね」 「無いのなら、死んでしまっても構わないだろうよ。それを咎める資格は、誰にも無いのだから」 (-251) wazakideath 2022/07/14(Thu) 10:46:02 |
【秘】 陽炎 シロマ → 奔放 クリス「言うじゃないか。 ああ、幻かどうかを決めるのは私達じゃない。世間様さ」 頬をなぞる仕草をした後。 貴方の顎を軽く持ち上げるように、人差し指を動かした。 少女は静かに喉を鳴らし、笑う。 「いてもいなくても同じ。背景にさえならない滲みのひとつ。 そんなものだろうよ。私も、君達も」 鴉がどこかで鳴いた。 鳥が目を覚まし、陽の下を飛ぶのはあと数刻後。 どこかの家では誰かが起きて、どこかの家では誰かが眠る。 「さて、栗栖。 君の話を聞くに、君は私に変わってほしいのだと捉えたわけだが」 世界は今日も、いつも通り回っている。 「生徒ではない君の願いは叶えられない」 「大事な生徒を置いて消え失せることなど、もっての外」 「しかし。 聞いて、知り、検討することはできるよ」 (-253) wazakideath 2022/07/14(Thu) 12:36:12 |
【秘】 奔放 クリス → 陽葉 シロマ「つまらないからね、ただ結末が決まっているものを見やるのも」 行きつく先が決まっている。それは未知ではない。 ただ、そのままに、流れに身を任せるだけ。 何度だって言っている。そんなものは、つまらない。 「似てるからこそそう思うのかな? それとも僕が僕であるからか、フ、フフ」 幻かどうかさえ分からない男は、笑う。 頬を撫でられたかさえ分からない男は、笑う。 「僕にできることなど、もうきっとないんだからさ」 きっと、この先ちょっとだけマシな結末などないんだろうけど。 きみの知ってる通り、その男は、だからといって動くことをやめないのだ。 幻に成り下がったとしても。 「ただ、解決しに来ただけさ、僕は」 きみの妄執を。 「きみの期待に応えに来た」 静かな対話は、きっと行き着く先などありはしない。 幻は幻のままに。それにはきっと意味は付随されず。 願いなど他者に預けない。それが彼と彼女だった。だから。 世界に疵をつけるのだ。それがどんな前提を持っていようとも。 相馬栗栖にとって、彼女は。 白間コズヱではない。ただの、 (-254) chizuaquarii 2022/07/14(Thu) 13:46:02 |
【秘】 陽炎 シロマ → 奔放 クリス「予定調和だって尊いものさ。 予想外の事は正直、もう勘弁してもらいたいものだけど」 警報が解除された直後に空襲に見舞われ、優勢と聞かされていた戦争は負け、校舎から生徒は消えた。 社会の荒波は常に少女に厳しく、また虚しさを与え続ける。それはいつの時代にも存在する、『よくある話』だ。 「しかし期待に応えてくれると言うなら、もう少し話を聞いてみよう。 私の欲しいものが、その先にあるかもしれない」 実のところ、その答えが何であっても構わない。 こうして、自分について考えさせることが目的であったから。 勿論、期待に応えられれば嬉しいけれど──高望みはしない。 そう告げて、亡霊は貴方の言葉を待った。 (-262) wazakideath 2022/07/14(Thu) 15:48:31 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 陽葉 シロマ「常世はこれ以上悪くはならない、ですか」 ……果たして、本当だろうか。 自分たちが思考できる存在である以上、精神という不確かな機能を持つ以上、意識があるうちは永い時が毒となり得ることもあるかもしれない。 少女はそう、考え始めている。 「希望とはなんでしょうね。 今まできちんと考えてこなかった拙には、むつかしい話です」 ほんの少しだけ瞼を下ろした。豊かな睫毛に縁取られた瞳は影を帯び、仄暗い色を湛えて手元の白と黒の世界を見つめる。 卒業よりも、引っ越しよりも、大人になるよりも。それらよりも遥かに深い溝によって、既に道は違えてしまった。 未来を歩む為の星が、見えないままだ。 「……今のままでは、あまりに欠けすぎています。もうだいぶ休みましたし、そろそろ人と話をしてきます」 鍵盤の欠けたピアノをひと撫でしてから少女は立ち上がる。呼び止めなければ、そのまま音楽室を後にするだろう。 ▽ (-270) もちぱい 2022/07/14(Thu) 18:30:13 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 陽葉 シロマ「梢」 扉をくぐる直前。少女は貴方を見向きせずに音をこぼした。 「拙の質問に答えなかったのは、意図的ですか」 答えないことが、もう答えのような気がした。 意思がなく、常世について語り、がらんどうのまま生者たる自分に忠告を与えてくれる。 「梢」 「……意思も何も無いのなら。 せめて、貴方の辛さ苦しさを聞いて、抱えたかったです」 貴方ではなく歩む先を見つめたまま、紡ぎ続ける。 「話してどうにもならないことだから話さなかったのでしょうか。 他人に余計なものを持たせたくなかったから話さなかったのでしょうか。 ……それでも、拙は。 貴方の一部になったもの、なってしまったものを持っていたかったです」 そう呟いた後、「いってきます」とだけ告げて進み始めたのだった。 控えめな足音が、少しずつ遠ざかっていく……。 (-271) もちぱい 2022/07/14(Thu) 18:30:59 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマびりっとした空気感に瞬きをして、時代遅れの兵士を幻視した。 初対面……? なんで。 一瞬で回る世界。 この記憶によぎった憧れは、偽物? 黒髪に憧れて、短髪に憧れて、格好良い声に憧れて、 言葉に、全て誰であったかなどは大事でなくて。 あゝなんだったか、先生のあり方か。 「っ……なんだ、そんなに、一緒にいなかったんだ」 心の探偵よ、かのあの少年にも今の彼女の姿を見せてやりたい。 これでも偶然というのだろうか。この会合を。 「なんだ、はは。どうしよう、ここまでとは。 気付かなかった、なあ。もっと鍛えないと」 知らないふりをしていた、目をそらしていた物とようやく向き合って。 「――梢くん。 もし、容赦もなく人殺しをしないのなら。 一つボクとも遊んでいってくれよ。 ボクはキミ達に いつか 成仏をして欲しいんだ」 (-272) toumi_ 2022/07/14(Thu) 18:39:32 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「今日この夏の出会いで解き明かすには謎が多すぎた。 そして、皆が自由すぎた」 この奇跡には時間に限りもある、 きっと直ぐに殺せるなら皆殺しにしていた。 キミは選んでくれていたか、人を見ていたはずだ 「 ボク達 の負けだ。それでも次こそは―― 梢くん達が望んだ学校と、生徒達皆で遊ぶのはどうだい」 「ボクは生きて一緒に帰りたい人がいる。 探したい人間がいる、キミ達には連れて行かせない、だけど」 「ただキミ達を置いていくことだけもしたくはない。 都合が、いいだろうか。それとも、もう会えなくなるだろうか。 もしあるのなら、次の出会いを偶然じゃなく必然にしできないかな」 (-273) toumi_ 2022/07/14(Thu) 18:43:21 |
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