【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 名もなき医者 リカルド「…どいつもこいつも。どうしてそう生き急ぐかね。」 ため息を一つ零した。 こうなったら聞かないのは彼も、友も同じこと。 「ヴェネリオと同じだな。お前さんらはよく似てるよ。」 嗚呼、本当に。 最後まできっと彼らは一緒なのかもしれない。 「そいつの中身は茶だ。笹の葉を使った茶でね。甘いのが苦手なお前さんでも飲める筈だ。疲れた時に飲むと良い。」 先の質問の答えを漸く返してから、手をひらりと振って。 「そんじゃ、俺はお邪魔になる前に暇を頂戴するとしよう。」 (-104) ぴんじぃ 2022/08/21(Sun) 1:16:33 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド「アンタの立場って、そんなことまでしなくちゃならないの? 出世頭の扱いだったって聞こえてくるけどね。それとも、それがお気に入りられなのかね」 意外だとは感じたものの、思い当たるなにかというのは今はまだ、無かったらしい。 それに気づいていたなら何か変わりはあったかもしれないが、さして伝えるべき話でもないだろう。 解いたタイを片手にくるりとまきつけ、ジャケットとベストの釦を外して肩をぬいていく。 いつかの時にも同じことをしたのに、まるで勝手も手付きも違う。 ただただ情交を想起させるだけに留まっていた時よりもずっと手の平は膚に張り付き、 アルコールの摂取の為に上がった体温が僅かに掌を湿らせる。 それがまた乾いた皮膚とはずいぶんと違う密着と、人間の気配を神経を喚起させるようだった。 シートから錠剤を外す音。死角にあった片手に錠剤をいくらか握り込む。 本当は隙を見てそれを飲ませるつもりだったのだろう。唯のお楽しみなら、不要なもの。 されど最終的に至る目的の為には、相手を弱らせる必要があった、それまでだった。 それが、耳に聴こえた囁きのために動きを止める。僅かに顔を離し、見合わせて。 → (-115) redhaguki 2022/08/21(Sun) 2:23:10 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド「――私怨も、だって?」 反射光と間接光に照らされる顔が、一層暗く陰になった錯覚さえあった。 せせら笑うような声は一瞬、強い怒気を混じらせて震え、 首のあたりで未だきっちりと締められたシャツの釦を外していた手はほとんど反射的に、 相手の首に指を掛け、締め上げるように掴んだ。ほんの一瞬、一瞬のことだ。 「調べたのか? それとも、ああ! あの人に聞いた? そうだよなあ、アンタはお気に入りだもんな。それくらい聞かされて当然か。 オレのことを話して、それで面倒な生き物の飼い馴らし方でも教わったわけ?」 瞋恚、或いは悋気。歪んだ口角に乗せられた激情はおよそ尋常のそれではなかった。 それくらいで相手が怯んだりしないのだとしても、動揺しないのだとしても。 およそ今までの取引の中で、よく変わる表情の内の一片も今とは重ならないだろう。 威圧の為ではない。脅迫の為でもない。意図的に感情を表出させたのではない。 煽られたからカッとなった、そう言うのが一番近いものだったかもしれない。 息を大きく吸い、己を抑え。指の力はすぐに剥がされ、相手の呼吸を阻害する時間は長くはなかった。 己が冷静でないのを自覚して、衝動に任せる自分自身を制止して。 それでも相手を改めて見るジェイドの内側には、凍りついたアイスブルーがあった。 「……ああ、もう。いいか。 全部受け止めるっていうのなら、そうしてよ。リック」 舌の上に乗せるように錠剤を口に含む。溶け出す前にすぐさま、相手の唇に己のそれを合わせた。 唾液の絡んだ舌がぬるりと粘膜の内側を撫ぜ、下顎に寄り添っているだろう舌を掬い上げる。 舌下に、パステルカラーの薬がねじ込まれる。自らに影響を及ぼすのも構わず、唇を食んで閉ざす。 メタンフェタミン、MDMA、カフェインの混合剤。発汗や喉の乾き、性欲の増進と勃起不全。 共感性と多幸感が脳を占め、神経への刺激を過剰に増幅させる。 瞬時には効かずとも、舌下から吸収されれば自ずと変化を感じるだろう。 (-116) redhaguki 2022/08/21(Sun) 2:23:30 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド―――……ック…… ―――…い、リック……!! 「起きろ馬鹿野郎、あんなけ言って死んでんじゃねえか」 「だらしないやつめ。 どんな色っぽいことに逢わされたんだか」 確かに聞こえる聞きなれた声。 あなたが目が覚めると隣には足を組んでる上司がいる。 心地よい静かな揺れで、しっかりしたソファー。 高級車のような空間に二人はいた。冷蔵庫とドルチェにお酒まで備え付けられており、とんだ霊柩車もあったものである。 「目覚めの気分は如何だ? 俺はもう最高だぞ、反吐が出るほどにな」 (-140) toumi_ 2022/08/21(Sun) 13:31:54 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー「そんなわけないだろう。 俺を引き取った家は医者として有名な家だったからな。 詰め込まれた知識を利用して腕を磨いてただけにすぎん。 この事は、今まで上司にすら一度もしゃべってはいなかったくらいは、秘密裏に準備していたんだ」 一度使えば秘匿も何もない。 ぺらぺらと喋る様は、もう特に隠すこともないと思ってるかのようだ。 ぱさり、と落ちるシャツの音が嫌に耳についた。 張り付いた手は熱くじっとりとしていて、試着室の時とは全く違うということを感じさせてくる。 貴方が懐から出した見覚えのある薬は、間違いなく自分が売ったドラッグだ。 薬に耐性などつけてない己の身体には、さぞ覿面の効果が出るであろう。 ▼ (-142) eve_1224 2022/08/21(Sun) 15:32:51 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー「―――ぐっ、そ、うだ、私怨もだ」 「どんな私怨かまでは知らん。 上司は、自分の尻拭いをさせてすまないと、言っていた」 「貴様は、あの方に正しく贔屓をされていたはず。 俺がその事を貴様にも、あの方にも言わずにいたのは……そこには情があるのだと思っていたからだ」 首を締められれば流石に苦悶の声を上げるものの、 違うのか? と、真顔の瞳が貴方を捉えた。 自分が、幼馴染達に情があるように、同じような子供を出したくなくて子供に情けをかけているように、 あの方が俺を拾ってくださったように。 貴方にも、心の何処かにそういった物があったはずだと、この期に及んでも信じている。 「貴様を飼いならすつもりなど、ない。 俺がそんなことをしたところで……貴様は救われるのか? ただ、これ以上重ねれば、貴様はどこにも戻れなくなる。 アルバファミリー、とは、大事な家族なのではなかったのかっ」 俺とて、大事な物を傷つけられて、殺してやりたいと思った心を必死に耐えている。 口移しで飲まされてゆくドラッグが、じわりじわりと思考を破壊していくのはまだ少し先のこと。 「は……ぅ、」 持ち前の強い精神力でどこまで耐えれるかはわからないが、 俺が、俺である間は、決して目の前の男を見放さないと、心に誓った。 (-143) eve_1224 2022/08/21(Sun) 15:34:12 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ何か、名前を呼ばれている気がする。 とても聞き慣れている、心地よくも有無を言わさぬ強さで――― 「…………はっ!?」 意識が覚醒し、周りを見渡せば。 何故か己は高級車の中にいる。 寝かされていたソファーはしっかりとしながらもふかふかで、とても寝心地が良かったように思う、のだが。 「…………、ヴェネリオ、さん?」 何故、貴方が今ここに。という言葉が出て来ない。 いやまてよ。 確か俺は、ソニーと話をつけるためにクラブに行って、 何でも受け止めるといえば薬を強制的に飲まされて、 散々ヤられた挙げ句、俺が売った銃で殺され…………殺…… 「いやっ、ちょっと待ってください。 百歩譲ってここが死後の世界とやらで、高級車に乗せてもらってるのは無理やり理解するとしても……、どうして貴方までここに居るんですか。……幻?」 そんなまさか、なんて思いながら、おそるおそると触れられるのかと手を伸ばしてみた。 (-144) eve_1224 2022/08/21(Sun) 16:06:48 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルドもし事情を知れば酷い死に様だなと笑っていただろうか。 触れられたかもしれないその体に、生きていた頃の熱はもうない。 「幻かもな、だけど俺は死んだ。 大通りで銃撃戦があって打ち所が悪かったんだ」 「そういうことになってる」 視線を向けた男はいつのまにか煙草を咥えている。 そして、一本あなたに差し出した。 (-145) toumi_ 2022/08/21(Sun) 17:05:04 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ「そういう事、って……」 「ヴェネリオさんが死んでどうするんですか……。 ボスの死以降、貴方がいなければノッテが纏まらない状態だったのはわかっていたでしょう。 俺は貴方に、次のボスになってほしかったんですよ」 だから俺は、命を懸けたのに。 その隣に居ることができなくても、お役に立てればそれでよかった、のに。 あの男に何かが響いたかは今となってはわからないが、それでも憂いを晴らす努力はしたのだ。 「……、いただきます」 死後の世界とはやはり幻みたいなものなのだろうか。 煙草まで吸えるとはなんとも高待遇なものだな、と。 小さく苦笑して、その煙草を受け取った。 「火、おつけしましょうか」 いつのまにか、手の中には大事なジッポが握られている。 (-159) eve_1224 2022/08/21(Sun) 18:57:42 |
リカルドは、なるほど、と呟く。 (c13) eve_1224 2022/08/21(Sun) 20:01:16 |
リカルドは、俺たちが集まったのには、どうやら理由があったらしい。――そう理解した。 (c14) eve_1224 2022/08/21(Sun) 20:02:19 |
リカルドは、「ばかだな、お前は」と、呟いて手を伸ばす。 (c15) eve_1224 2022/08/21(Sun) 20:03:21 |
リカルドは、でもその声は届かない。 ――死者の声は届かない。 (c16) eve_1224 2022/08/21(Sun) 20:04:00 |
リカルドは、その手が触れることも、もうないのだと。悟った。 (c17) eve_1224 2022/08/21(Sun) 20:04:25 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「……俺がボスだ? 寝言は寝てから言え。 俺はツィオかお前にやらせるつもりだったぞ」 「火は貰うか、これもどうせ夢だ」 いつ醒めるかわからない、おかしな夢。 二度と起きるはずのない、幻の世界。 「……本気でやり残したことなくなっちまった。 ビックリするほど、未練がねえ。これって冷たいのか? おいていけて精々してるんだぜ、もっと見ていたくはあったけどな」 (-166) toumi_ 2022/08/21(Sun) 20:19:24 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド/* もったいないおばけ様こんばんは、おやつはたい焼きです! しんみりして悲しいので死者語りしませんか? そんなお誘いに参りました。 勿論お手隙かつ死者語りに問題なければですが。 問題なければ都合のいい夢のような空間でお会いしましょう。 (-168) sinorit 2022/08/21(Sun) 20:22:51 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ/* もったいないおばけです、お誘いありがとうございます。 もちろん死者語り、喜んでお受けしますよ。 死亡ロールをやってるくらいでのんびりしてるのでいつでもOKです、状況描写などもお任せしますのでお好きなように投げて来てくれればと思います。 (-172) eve_1224 2022/08/21(Sun) 20:57:44 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド死後の世界なんて、そんな都合のいいものはあるのだろうか。 あるいは今際の際の夢だろうか。 考えたところで分かるはずもない。 考えたところで知れるはずもない。 ならばここが何処かを考えることなど無粋だ。 知らない場所。何も無い空間。 あるいは、望むものが存在する夢の世界。 そんな場所で、女は目を覚まし 過ごしていた。 「────……」 誰かと語り終えた後か、あるいは前か。 僅かに甘い香りを纏わせて、ぼんやりと 歩き続ける。 さて、貴方の姿をどこかで見かけることは叶うだろうか。 この不思議な世界で、託した者と託された者。 皮肉にも同じ日に命を終えた2人が、出会える瞬間は──。 (-184) sinorit 2022/08/21(Sun) 23:13:39 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオジッポの火をつけ、貴方の煙草に火をともしてから、自分が咥えた煙草にも火をつける。 二本の紫煙がゆらりと揺らめいて、まるで現実のようだな、と不思議そうに眺めた。 「俺もツィオもボスっていうガラじゃないでしょうに。 俺は貴方の右腕でいられれば、それでよかった」 ツィオにも、マウロにももう触れることも、声をかけることも出来ないのだと悟ったばかりだというのに。 不思議な夢もあるものだ。 それでも、これが最期の夢ならば、貴方と共に在れるのは嬉しいことだと思う。 「……俺は悔いだらけですよ。 ソニーにももう少し言い方があったのではないかとか…… マウロには辛い生を歩んでもらうことになってしまったなとか…… ツィオともう少し話がしたかったとか、色々考えますからね」 (-189) eve_1224 2022/08/21(Sun) 23:42:45 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「やるときになったらやれるんだよお前達は……あ?」 「お前、ソニーと何があった。 俺のお気に入りだ、傷つけてるんじゃねえぞ。 大体暗いんだよお前は。 それぐらい、生きて居るあいつらが頑張って解決するだろ。 死んでからしてやれることはない。 生き返る機会が来るまで無駄な事考えてないで切り替えろ」 "ソニー"が暴挙に出た大半の理由を背負っている自覚のある男は、どうも 身内贔屓 だった。"彼"にはあまりみせてこなかったのが、少し名残惜しい。 無駄なことと切り捨てるのも、それ以上悲しんで欲しくないからだ。自分を追い詰めて欲しくない。だが、あえてきになることと言えば―― 「そーだ。お前等……俺の何処が好きなんだ?」 そんな戯言を煙と一緒にはき出した。 (-198) toumi_ 2022/08/22(Mon) 0:35:18 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ――男は。 どこか遠くを見つめ、紫煙を揺らしている。 右手に上質な煙草、左手に古いジッポを手にしたまま。 「ここに居ると……皆の声が聞こえてくるんだ」 先程は、ツィオの声がした。 今は、マウロと2人でもみ合ってるのが手にとるようにわかる。 「これが先に死んだものの宿命なんだろうか」 なぁ、どう思う? と、貴方に目を向けた。 (-199) eve_1224 2022/08/22(Mon) 0:39:34 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ「ソニーはただの取引相手でした。 油断ならないから、俺が必ず直接対応するようにしてた男で」 「それだけ、だったんですけどね」 2人並んで、タバコを吹かしながら。 ぽつりぽつりと会話を重ねる。 あの日あった事は、死に際で報告もできてなかったから、今、初めて話すことだ。 「あれにしてみたら、俺は一番排除したい人間だったでしょう。 何せ大好きな貴方の右腕だったんですから」 「俺は別に、アレに好かれようと思ってたわけじゃないですし。 ただ……私怨も想いも全部受け止めるから、八つ当たりは俺までにしろと言ったんです」 「貴方や、マウロやツィオに、これ以上被害がでなければ死んでも構わないと思ってましたからね」 まぁ、結果このようになってしまったんですけどね、と苦笑する。 マウロならちゃんとわかっているだろうけれど。 マウロ殺しの汚名を押し付けられて、死んだのだ。 「他のものはどうかしりませんが。 俺は、貴方にはどこか人を引き付ける魅力があると思いますよ。 言うことは無茶苦茶でズボラでも、大事な時は守ってくださる。 ずいぶん可愛がられたと思っていますが……、違いましたか?」 (-201) eve_1224 2022/08/22(Mon) 0:52:09 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド宛もなく、歩き続けてその途中。 見つけた姿に立ち止まる。 目をぱちぱちと瞬かせ、何故ここにいるのかと……口にはしない。 「……………声、ですか?」 歩き続けていたから、気づかなかった。 辺りを見回して、それで貴方の隣に立つ。 「……どうでしょう、か。 …どんな、声が……聞こえましたか」 誰の声が聞こえているのか。それはきっと、あの2人。 貴方は、マウロ様を連れ戻してくださると言っていたから。 きっと、きっと……それは叶えられたのだろう。 女と違って、貴方は約束を──違えないだろうから。 (-208) sinorit 2022/08/22(Mon) 2:06:10 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ小さな笑みを浮かべた。 それは、寂しいような、慈しむような、そんな静かな笑みを。 「俺は……俺のやったことに後悔はないが」 あなたの言葉を聞いてるのか、聞いてないのか。 質問には答えず、言葉を続ける。 「君もここに来てしまったことだけは、予想外だった。 俺が死ぬことくらいは、……覚悟の上だったんだがね」 別の筋から命を狙われてるのに気づいたのはギリギリだった。 それでも上司の言葉があったから、これ以上被害を出したくなくてあの男を止めようと動いた結果が、こうだった。 「……悔いというのは、 どうやっても残ってしまうものらしい。 ずっと、あの2人の苦しみが聴こえてくるよ」 (-211) eve_1224 2022/08/22(Mon) 2:26:25 |
【独】 名もなき医者 リカルド/* 幼馴染ホントすまんて。 いやでも、一番ドラマになるタイミングをミリも逃さず反魂出来たと思っているよ。 あまりにもあまり……に色々重なりすぎて驚いたけど。 驚いたけど!!!! (-215) eve_1224 2022/08/22(Mon) 3:16:23 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド貴方の笑みに、何を言うでもなくただじっと見つめて。 その心の奥が何を思うのか、少しだけ考えた。 欠落した者には、思いつけやしないけれど。 続く言葉も黙って聞いて。 質問の答えがないことに、咎める真似もない。 「……ラウラは、…ラウラにも 悔いは沢山、沢山 あります。 いつだって、死ぬことに恐怖はありませんでしたが」 死ぬ瞬間も、恐怖というものは無かったように思える。 ただ、 孤独への寂しさは 無意識に抱いた。 「マウロ様と会うことが叶わなかったこと。 写真立てを返せなかったこと。……それから、」 と、口を閉ざして俯く。思い浮かべるは、もう1人の姿。 "答え"を返せずにここに来てしまったこと。 守れなかった約束を 傷として残してしまったこと。 (-219) sinorit 2022/08/22(Mon) 7:28:02 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ「――……、君は、 ツィオとも浅からぬ関係だったようだな」 常に軽薄という仮面をかぶっている男だったから、その方面に関しては幼馴染であってもわからない事が多い。 貴方のセリフにはツィオの名前は出ていないけれど、飲み込んだ言葉に彼のことが含まれてることくらいは予想が出来てしまった。 「俺は一人何も知らなかったわけだ」 自分とて、医者としての自分を誰にも話してなかったから同罪だ。 それ故ツィオもマウロも、きっと、俺に対して怒ってるに違いないと思うから、だから、残念に思う気持ちは隠さない。 孤独に耐えるくらいの精神力はあるつもりだが、 こうしてここで貴方に出会ってしまうくらいは、俺もどうにも永遠の孤独には耐えられないようだ。 「せめてここにいる間くらいは、 共に見ていることにするか。……あの2人を」 (-223) eve_1224 2022/08/22(Mon) 8:45:26 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド唾液を流し込むようにして唇を重ね、歯列の生え際を尖らせた舌先が丁寧になぞる。 は、と呼吸のために口を離したならば、混じり合った体液が橋をかけるように糸を引いた。 官能的な思考の霞がかかり始める、その視界の先にあるのは赤い舌と、対照的に輝く翠の瞳だ。強い、強い憎悪を抱えて。 それが恐らく、相手に抱いていた感情の反対なのだろう。 取引をし始めた時。接触した最初の機会から。あるいはそれより前から、ずっと。 「……アンタはいいよな。オレが欲しかったものを全部持ってるんだから。 そんなふうに利いたふうな口ばかり利いてさ。何がわかったつもりなんだ?」 掌が相手の首の付け根をソファに縫い付けるように押す。自分もジャケットを脱いで、テーブルに放り投げる。カシャンとグラスの動く音がした。 相手がテーブルに置いたドリンクを代わりに取って口に流し込み、先と同じく目の前の赤い唇に合わせる。 ぬるく体温の残った酒を口移しで含ませると、喉を反らせて無理やり嚥下させた。口内に残る薬が胃の腑に落とされるように、 熱っぽい体とは裏腹に、冷えた感触がやけに冴えて感じる。 体の小ささとは裏腹に指の長い手が、体の上を這って回る。薬の回りを、確かめているかのようだ。 あらわになった肌の上を、性感帯を探るようにゆっくりと動く手と同じように。相手の返事も聞かず、返事も碌にしないままに己の話を続ける。 対話をしようってつもりは、ハナから無いのだろう。 「4年前。オレには親友がいたんだ。日がな悪いことの真似事してばっかのチャチなチンピラだよ。 アンタらみたいなマフィアからも市民からも煙たがれるような木端の屑だ。居なくなっても、誰も困らない。 ……その存在価値の通りにそいつは死んだ。殺されたんだ。 お前達の海運取引の現場に、運悪くアウグストが視察に来た日に。偶然鉢合わせて」 (-224) redhaguki 2022/08/22(Mon) 8:59:41 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド/* ごきげんよう。匿名魔女でございます。 候補者5名からダイスによって リカルドくんが選ばれましたので蘇生の打診でございます。 同ファミリーゆえ、諸々の都合はつきますが、 いや!状況的にもう絶対死んだねこれは!! 故に蘇生はお断りします!という場合は リカルドくんを除いた4名で再度のダイス振りが行われます。 と言う感じですが、いかがでしょうか。 (-235) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 11:32:17 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド貴方の言葉に、肯定も否定も出来ずにいた。 あの人が何を考えて、あの問いかけを行ったのか。 どうしてあんなに苦しげで、それでも言葉を飲み込むのか。 どうして、答えをもう一度求めたのか。 どうして、……聞きたいことは沢山、沢山。 伏せた目をそっと持ち上げて、痛むはずのない胸に己の手を添えた。 「………本当に何も知らなかったのは、誰なんでしょうね」 少しずつ、ズレていたのか。答えは出せない。 だからこれは独り言だ。空に溶けるだけの、解のない問。 「……そうですね。…ともに、見届けましょう。 それが今ラウラ達に出来る、全てですから」 (-237) sinorit 2022/08/22(Mon) 11:45:14 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* RP中の相談、またまた失礼します。 この度匿名魔女お嬢様より、蘇生の連絡が入りまして……(まじかよ) RPの方向次第となりますでしょうけども、実はギリギリ致命傷を与えることが出来なかった風に持っていくことは可能でしょうか。 状況が状況なので、ソニーの手心や気の迷いみたいなのがなければ厳しいだろうなと思っての相談です。 どうにも難しそうであれば、お断りも考えていますのでご一考くださると幸いです。 (-242) eve_1224 2022/08/22(Mon) 12:35:20 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* やったね!(本音)かわいそう(他人事) 了解しました。 蘇生がある可能性を加味して組んでいるので、こちらは特に変更点等ありません。 発砲も一発ですので、発見が早かったり運が良ければあり得る範囲でしょう。 幼馴染三人揃ってよかたねえ…… (-246) redhaguki 2022/08/22(Mon) 12:47:19 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ/* 連絡ありがとうございます。 匿名魔女、あなただったのか……。 蘇生の件、殺害キャラのPLにも確認とったところ問題ないとのことでしたので、蘇生お受けいたします。 吊りさえなければ蘇生出来るはずですので、その場合は力及ばずだった事にするとして、救出などしていただければと思います。 こちらはクラブのVIPルームにて、薬を使用され、ヤられ、発砲されるという散々なことになっておりますが、発見が早かったり運が良ければ助かることもあるのではないかという感じです。 どうぞよろしくお願いします。 (-249) eve_1224 2022/08/22(Mon) 12:55:43 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ/* RP中に相談にあがりました、もったいないおばけです。 この度匿名魔女お嬢様より、蘇生の連絡が入りまして……(まじかよ) 蘇生が成功しましたら、臨死体験だったってことにして送り出していただけますでしょうか……! どうぞご一考のほどよろしくお願いいたします。 (-254) eve_1224 2022/08/22(Mon) 14:08:03 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ/* RP中に相談にあがりました、もったいないおばけです。 この度匿名魔女お嬢様より、蘇生の連絡が入りまして……(まじかよ) 蘇生が成功しましたら、臨死体験だったってことにして送り出していただけますでしょうか……! どうぞご一考のほどよろしくお願いいたします。 (-255) eve_1224 2022/08/22(Mon) 14:08:17 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* えーん!! お互い生き残ったら救いにいくからな。いくからな! ありがとうございます、では匿名魔女お嬢様には蘇生を受ける旨連絡いたします。 無事に成功したなら、そのような感じで進めさせていただきます。 幼馴染……最終日にあの2人が生き残ることはできるのだろうか……(不安しかない) (-257) eve_1224 2022/08/22(Mon) 14:11:42 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー男の中にあるのは、幼い頃から忘れぬ小さな正義感と、夢だ。 相手のことを知るたび、このままにはしておけぬという感情が湧いて出た。 敬愛する上司のため、大切な幼馴染のためならばその生命くらい惜しくはないと考えるほど忠義に厚く情にもろい。 そんなだから、調べれば調べるほど、刃は鈍くなった。 上司から話を聞けば、何があろうと見放さぬ決意をしてしまった。 殺してしまいたいと思った感情と混ざり合って、耐えてしまうほどの決意は。 貴方のことを存外気に入って想っていた事実にほかならない。 取引をし始めた時。接触した最初の機会から、ずっと。 「――確かにわからん。 俺とお前は、辿ってきた人生全てが全く違う人間だからな」 舌の上で溶けただけでもゆるやかに奪われてきていた正常な思考は、酒で嚥下してしまうと更に加速するように失われていく。 押されれば何の抵抗もなく倒れた身体が、だんだん熱を持ってきてきたようだ。 普段なら多少触れられても何の反応も見せずにいられるのに、言うことを聞かず、面白いように波打った。 耳も、胸も、太腿も、全てが性感帯に作り変えられてしまっているのだろう、きっと。 「……っ、ぁ」 それでも幾らかまだ残っている羞恥心が、思考が、必死に堕ちるのを耐えている。 貴方の過去の話を朦朧としてきた頭で聞いて、確かにあの方が視察に来たことがあったなと心の何処かで考える。 女子供は逃がす方針である自分とて、救えぬ命はいくつもあった。 きっと、その親友のことは、手も届かぬ人間であったのだろう。 「そ……うか、お前も……」 同じ思いをしたのか、と。 その言葉は、どうにも言葉にならない。 (-259) eve_1224 2022/08/22(Mon) 14:54:35 |
【独】 名もなき医者 リカルド/* 聞いて欲しい。 このままでは、殺害ロールと、蘇生ロールと、死後ロールと、蘇生成功したなら生き残りロールを4本同時進行することになる。 やばない????? こ、公開えっちは、 いやだー!!!!!!!!!!! (-260) eve_1224 2022/08/22(Mon) 15:21:50 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ「誰もが知ってる所もあり、誰もが知らなかったとも言えるんだろう」 誰、なんて答えは永遠に出ることはないだろう。 全員がそうだという回答が適当なのではないかと思えるほど、自分たちは周りのことがちゃんと見えてなかったのだと思う。 「ツィオは……本気であればあるほど、うまく、正直に言葉が出せない奴だ。 君が、アイツに対して何故、どうしてと思うのであれば……それは、アイツはそれだけ本気だったということだ」 そう言って、また、どこかから聞こえてくる声と二人の様子を静かに見届けている。 遠い目をしながら、伸ばしても触れられなかった手を、握りしめて。 (-272) eve_1224 2022/08/22(Mon) 17:36:05 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド/* はい、ストレガ(魔女)でした……。 かしこまりました。 では投薬先はリカルドくんに確定します。 救出に関しては〜……クラブに行くような 人とは思えないのに行ったという事で 部下達から報告されて、調査に人を送ったら ウワアアアエッチスゴイヤバイと言う感じで如何でしょうか。 ストレガ自体が関与してた方がいい、という場合は 暇だし見に行くかくらいで行ったら見つけちゃった、 これ情報出したらまた殺されかねんから 助けるだけ助けて情報は秘匿しとこ…… という感じ……かな? それで良ければ部下から一報あった辺りから…… 始めたり……します?(時計を見ながら) (-277) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 18:29:34 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「ソニーが油断がない……?そうなのか」 そうか……? 思い出せばマフィアらしい彼の姿を見ていなかったと思う。否、あまり見ないようにしていたの間違いだが。 十分ファミリーに所属できている分の覚悟や実力はあったのだろう。だから、気付くことに酷く遅れてしまった。 「排除だ云々…そんなわけ。 右腕だからって恋敵でもあるまいし、 現にあいつと俺はそんな関係じゃ――……ないからな」 まさかその男に殺されようとしていたとは口が滑っても言えない。惚れた弱みとは言わずとも、完全に人生の楔のように思っていたことに他ならないのだから。 気になっていたことを聞いたが、大体想像はついていた分の返答が返ってきて苦笑いをする、魅力というよりそれはファミリーへの忠誠の果てであると思うがね。 個人をしっかりみていたかと問われれば、素直に頷けないからだ。 「成程なあ、可愛がってはいたけど俺達は悪人だぞ? そんな高められるような事はしてない。 俺の役に立つように、俺の言うことを何でも聞くように。 誰にも渡すつもりもない"大事な部下"を作ってただけだ。 俺の家族を大事に扱うのは当然だろ、物持ちはいいんだよ」 「……ああ、でもそうだな。 あんまり褒めてやっはなかったかもな。おら、ちょっと来い」 ネクタイを掴んでそのまま引き寄せてやる。 体を倒してやれば無理矢理己の膝に頭を押しつけてやった。 「ちょおっと目を瞑ってろ、お前も撫でてやる」 (-281) toumi_ 2022/08/22(Mon) 18:55:15 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド/* お返事遅くなりました!申し訳ない。 落ち着いたので以下に失礼します。 まずは……おめでとうございます!! 蘇生入るようにお祈りしておきますね………!! 今度こそ幼馴染が揃うように、願っております故。 あと臨死というか……あれでしたら記憶飛ばしていただいても。 何か見たような気がするだけで、覚えてなくても……全然! 形のない、名前もない不思議な世界ですからね。 どうか良きように。 (-282) sinorit 2022/08/22(Mon) 18:55:25 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド/* かしこまりました、 それはよかったですね! 頑張って生き返って業を背負って下さいね、愛しの部下様。 その際こちらの記憶は無い雰囲気で行かせようと思いますが、もったいないおばけ様の自由で構いません。 大変お疲れ様です、引き続きお付合い下さると幸いです。 (-283) toumi_ 2022/08/22(Mon) 19:00:12 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ/* 確定承知しました、ありがとうございます。 蘇生して蘇生されなんか楽しくなっちゃったな……。 救出に関してはどちらでも構いません。 どちらの場合においても、実際の蘇生(手当)は病院に託すことになりますか? 開始はいつでも構いません。 今夜は寝ませんよ……(殺害されるロール並行しながら……) (-285) eve_1224 2022/08/22(Mon) 19:39:12 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド独り言として零されたものに、応えが返る。 結局、全てを知ることなど叶わない。 相手の心でも読み取れない限り。 「……本気、ですか。……………それは、」 それは……その感情の名前は、想像するものであっているのか。 答えを聞けない今では、その名を付けることが正しいのか わからない。 会いたいと願って。会えないと知っていて。 また、いつかのように泣きたくなった。 それを堪えるように、己の身を抱く。 あの日の熱を思い出し──小さな吐息を 零した。 そこに含まれた感情は……己にも、分からない。 貴方の横でまた泣くのは、きっと 困らせてしまうから。 何かを思うように握りしめるその手を見つめて、口を噤んだ。 貴方が、貴方達が笑える未来が見たかった。 だからどうかと、──最後の願いを ひとつだけ。 (-286) sinorit 2022/08/22(Mon) 19:47:59 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド/* 反魂の民……。蘇生どっちもノッテにいたのか……。 OK〜では殺害ロールと並行してPL様が爆死しても困りますし、 なるべく軽く……なるように……したい(儚い願い)。 そうですね、人体の修理は苦手なので。 もしかしたら取り立てで縁が出来た 闇医者の方に流すかもしれませんが(所在隠し的に)。 では〜……そうですね、ストレガが 部下から何か情報を聞いた、というアクションをして クラブに踏み込んだ、という秘話を飛ばしますので、 あとは流れでお願いします。粗雑攻撃です。 (-288) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 19:56:23 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド――曰く。『リカルドさんがクラブに入っていった』と。 相手がいるかどうかは不明だ。 不明だが、祭すらスーツに硬いツラで挑むような男が、 何の意味もなくただクラブに行って歌だ踊りだと楽しむとは 思えなかった。或いは、単に嫌な予感がしたのかもしれない。 部下に適当な返事をして、街をまたぶらつくような素振りで、 件のクラブへ足を運ぶ。何もなければそれでいい。 どこぞのナンパ野郎に、話を逸らす餌として 踊り狂うリカルドの話でも投げつけてやればいいだけだ。 果たしてストレガに、リカルドの手がかりに なるようなものは見つけられるだろうか? ノッテ傘下の店ならわかりやすいのだが……。 (-290) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 20:04:39 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ「少なくともマフィアとしてのソニーは、油断も隙もない男でしたよ」 結果マウロ殺しの銃の件など、まんまとしてやられたわけでと肩をすくめる。 「恋敵と似たようなものだったのではないでしょうか。 情も深ければ恋愛とさして変わりないものになりますからね」 幼馴染3人の執着も、貴方とソニーの関係も、きっと同じことだ。 自分とソニーの関係は取引をしていた相手でしかないはずだが、それでも気のおけない好敵手のようになっていたのは確かであり……、随分と重く複雑に絡み合っていたのだなと、今更ながらに自覚した。 ――少なくとも。 俺の忠誠心は、ファミリーそのものやボスへのものよりも、貴方個人へのそれの方が確実に大きく、重いものだ。 ひどく振る舞っているように見えて、手の届く相手への情は厚い。 突き放しているように見えて、ちゃんと手綱を握りしっかりと見ていてくれる。 アメとムチの使い方が上手いとくれば、恩義も更に強く強固なものになったとしても何もおかしくはないだろう。 「貴方がそうだから、俺も安心して貴方の物でいられたということですよ」 「え。……ちょ、わっ、な、撫で?」 力の抜けていた身体は、ネクタイを引っ張られるとそのまま貴方の方へと身体が傾く。 温かさなどわからないのに、頭を膝に預ければ何故か、懐かしい上司の香りがした。 (-294) eve_1224 2022/08/22(Mon) 20:24:35 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ「アイツはすぐ、言葉を飲み込むところがある」 その本音を引き出すのは、自分でも結構骨が折れるんだと、 仏頂面が崩れ、眉をハの字にして苦笑した。 マウロくらい感情を表に出してくれれば何も苦労しないのだが、それは自分自身も無理なのだから仕方ない。 「…………俺は、いつも君を泣かせてしまうようだな」 涙は流れずとも、わかる。 泣くのを耐えていても、心は既に泣いている。 あの日流れた涙を思い出して、もう一度、貴方に手を伸ばした。 ぽん、ぽん。 不器用な手が、貴方の頭を撫でる。 慰めるように、 いつでも泣いて構わないとでも、言うように。 (-296) eve_1224 2022/08/22(Mon) 20:33:17 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ男はこの時、相当の覚悟を持ってクラブに訪れていた。 その経緯を、貴方の部下ないし貴方が情報として得ることは出来なかったであろう。 それでも、リカルドが何らかの事情でいつものスーツ姿のまま、クラブを訪れたのは確かな情報だ。 ――だというのに。 クラブの店内に、リカルドの姿はない。 鳴り響く音楽と人々の歓声と、踊りを楽しむ人垣とで、目立つはずの男の姿ですら見つけ出すのに難航してしまったはずだ。 なぜならこの時、リカルドはVIPルームに通され、文字通り人には言えぬ目に遭わされているのだから。 貴方が本当はここには居ないのではないか? と、思い始め、貴方の部下がようやく「みつけました」と報告をもってくるまで、ずっと。 (-299) eve_1224 2022/08/22(Mon) 20:50:09 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルドなんなんだか、と思いながら、 その珍妙な姿が観られれば御の字程度に 雑な探し方だったせいもあったのかもしれない。 何をしてんだか、それこそ自分の一番嫌いな 「時間の無駄」じゃないか?そんな風に思っていた頃に、 息を切らせた部下が報告を持ってくる事だろう。 VIPルームなんて、普通は見つけようがない場所。 尚更、あの男がそんな場所に?と疑問符が浮かぶ。 足早にそちらへ向かい、邪魔がなければすぐにでも。 邪魔があったとて、無駄を嫌う女を止められるわけもなく。 やがて、惨状の現場を見つけるのだろう。 (-300) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 20:57:43 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ貴方がやっと情報をつかみ、VIPルームへ向かった時。 音楽と歓声の喧騒に紛れ、一発の銃声が耳に届いただろう。 クラブで遊びに興じる人たちには聞こえずとも、それ以外に集中していた貴方にはなんとか聞こえる程度の音で。 先に扉を開いた部下が、息を呑み驚愕の表情を浮かべている。 貴方が部屋を覗き込めば、立ち込めるアルコールとタバコの匂い、血臭が鼻をつき、そこにはリカルドただ一人が残されていた。 いつもの生真面目な顔は鳴りを潜め、きちんと着ていたであろうスーツは脱がされて倒れている。 見える肌にははっきりと、凌辱とも言えるような痕が残されていて、頭部を狙ったのであろう射撃の痕跡からは、おびただしい血が流れていた。 リカルド自身の意識を確認しようとしても、反応は見られないが、ヒューっと細い息を漏らしたことから、男がまだなんとか生存しているのが伺えたはずだ。 (-304) eve_1224 2022/08/22(Mon) 21:20:52 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド「!」 銃声を聞けば、さっと顔が変わる。 いつだって冷たい女だが、ことさらその冷たさを鋭く。 無駄口は叩かず、部下達にハンドサインで指示を飛ばす。 その動きは軍隊よろしく、徹底した統率が見て取れた。 VIPルームに踏み込むまでに、そう時間はかからない。 それでも、残されているのが無残な一人と知れば、 舌打ちのひとつが零れ落ちた。 これが餌じゃないとは限らない。 周辺警戒、爆発物の調査を部下2名に行わせて、 自身はリカルドの生死を確かめる。 まだ生きていると分かれば、そこからは早い。 ベッドシーツを引き裂き、スーツと合わせて止血に使う。 爆発物はなし、と答えた部下に止血を任せ、 自身は端末から手早く闇医者に連絡を回した。 ここから病院まで運ぶより、近場の連中を呼んだ方がいい、 いやそうしないと危険だと判断したのだろう。 (1/2) (-312) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 21:57:16 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルドほどなく、その手の者が現れて、応急処置を施したのち、 この場から運び出していくはずだ。 ストレガはと言えばそれを見ながら病院だの クラブだのに根回しをして、情報統制にかかっていく。 そうしてあなたは命は取り留め、絶対安静。 表向きには死亡扱いとする、 そういった措置が取られるのだろう。 運び込まれた先ではドラッグ抜きやらなにやら、 諸々の処置が行われるだろうし、 その間暫くはストレガも近くにいたはずだ。 何かあればこれは聞くだろう。 なければ、夜が明ける前には去っていく。 (2/2) (-313) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 21:57:37 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* なんでこんな男を……もっと手を差し伸べるべき人間がいるよ 絶対いるよ やめときなよこんな精神グラグラヤリモク男 救われたがってる人はほかにいるよ (-319) redhaguki 2022/08/22(Mon) 22:26:32 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ男がその様子を見れていたなら、流石はストレガだと口端を上げて笑っただろう。 だが生憎、リカルドの目は閉じられたまま、意識が覚醒することはない。 浅い息と血の気の失せた顔が、一刻の予断も許さないのだとその場に居た全員が理解したはずだ。 止血に弾抜き、理性を失うほど回っていたドラッグ抜きには相応の時間を要し、終わる頃にはもう月はてっぺんをとっくに超えている。 貴方が行った処理は適切であったが、ただ一つだけ残った謎は、リカルド自身が銃を握っていたことだろう。 薬をキメられ正常な意識を失った状態で、果たして銃で反撃をしようとするだろうか。 手についた硝煙反応もどこか不自然さがあり、加えてその銃がマウロ殺しの線条痕と一致しているというのが、マウロとリカルドの関係を見ればあり得ないと見るのが普通だ。 「………………っ、う」 そうして貴方がそのことについて考え近くに居た時、処置を受けベッドに寝かされていた男の呻く声が、ようやく部屋に響いた。 (-320) eve_1224 2022/08/22(Mon) 22:29:06 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* 貴方が一番重症だからだよ……! 地の文にまわりくどく好意をそっと置くんじゃない。 PLが死を迎えるところだったでしょ! (-321) eve_1224 2022/08/22(Mon) 22:36:27 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド「…………」 闇医者の所感、それこそ銃や、 その使われた先や、あれこれを聞いて。 浮かぶ疑念にはひとまず蓋を。 それがどう繋がるのか、決めるのは聞いた先。 どちらにせよそれを話すのは先になるが。 快癒とは言わないまでも、問題に決着がつくなり、 或いは危険が少なくなってから。 考える頃に、やっと呻きが聞こえてきて。 「やっとお目覚めかい。気分は?」 シンプルな言葉だけぶつけた。 (-327) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 22:46:35 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「………… すと、れが ……?」近くにいるはずもない人の声がして、呆けた疑問の声を上げた。 まだ意識が覚醒しきっていないのか、ぼおっと貴方の顔を見つめている。 「…………ここ、は。なんだ……」 何処なんだ、と、目線だけを彷徨わせた。 頭を動かすのは、撃たれた影響でどうにも出来そうもない。 視線だけで追えた限りなら点滴なども打たれているようだから、どこかの医療施設のようだ。 気分は、どう考えても良いとは、言えない。 (-332) eve_1224 2022/08/22(Mon) 22:55:51 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド言葉を飲む込む様子を見て、放っておけない気持ちが湧いて。 どうにもひとりに出来なくて、あの日 こちらから──。 それが正しいか、正しくないか。今に考えたところで意味はない。 不器用な手に撫でられて、ほんの少し 眉を下げた。 泣くのは見届けてからでいい。その方がいい。 ──貴方の優しさがじんわりと胸の奥に広がって。 少しだけ、考えていたものを紡いでみせる。 「……リカルド、様。"好き"の形は、ひとつ ですか。 ……………分からなく、なるのです」 どちらを思っても、胸は苦しくなる。 けれどきっと、本当は何かが 違うのだろう。 「………ラウラだけでは、見つからないのです」 欠けてしまったパズルのピース。 自分で捨てたせいで、拾い集めることが出来なかった。 ただ、誰かの持つそれをなぞって。型を作って。 少しずつ、歪ながらにも欠落を埋めてきた。 (-333) sinorit 2022/08/22(Mon) 22:57:40 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド「あたいが知ってる限り一番秘密の守れる闇医者んとこ。 ちなみにバカみたいに金取ってくる」 頬杖をついて見返す。相も変わらぬ、いつもの目。 「あんたはクラブのVIPルームで死にかけてた。 あたいの部下が優秀だったお陰で あんたを死ぬ前に見つけて、ここに担ぎこんで、 散々処置して今に至ってる」 「で、このあれやこれやが大変な状況で、 クラブのVIPルームで一発キメた上に ヤられてブチ殺されかけたあんたに質問。 この状況でなにしてんの?」 どうも、寝不足が相まってご機嫌斜めの様子だ。 (-339) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 23:08:32 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド舌先は胸板の上を這う。乳輪の外側をくるくると尖らせた舌がなぞって、焦らすように転がした。 愛撫が優しいのは、耐えているからだ。皮膚を引き裂くことが無いのは、それでは意味がないからだ。 どれだけこの場では踏み躙って憎悪を刃に変えてしまいたくても、見かけは工作しなくてはならないから。 「アンタはその時何をしてたんだ? アイツと一緒に、ジャンニを殺して楽しんでたんじゃないのか? 」余った酒を、腕に絡んだシャツに浴びせかける。咄嗟に防御姿勢が取れないように。 コカレロの独特の匂いと色素も、すぐに汗の匂いに紛れてなんだかわからなくなる。 片手は相手のベルトに掛けられ、いつでも手に取れるようにテーブルの上に残置された。 打ち掛け釦を外して、ファスナーを手の甲で下ろすようにして下着の中に手を入れる。 「ねえ、アンタは先生からオレの両親のことも聞いたの? ずっと教えてくれないんだ、先生はオレに優しいからさ。 本当は、気付いてた。ずっと、花の送り主が父さんと母さんじゃなくなったことも」 貴方にとっては、全て身に覚えのない話だろう。初めて聞いた話がほとんどだろう。 誰にとっても記憶に残しておくほど大事ではない話というのはいくらでもある。 きっとそれだって、その中の一つだったに過ぎない。耳にしたとて、聞き流す程度のこと。 心当たりのない恨み。つまり、妄想症だとさえ言ったっていい。壊れかけの人間の、妄想だ。 貴方は、自分に仕事を教え引き継いだ人間のことは覚えているだろう。 では、その更に前の代の人間のことは? 覚えているはずがない。普通に考えれば、そうなのだ。 「そのポストについているアンタが、前々任者が誰だかを知らないはずないだろ。 父さんと母さんはアウグストに殺されたんじゃないのか? アンタは父さんと母さんがどうなったかを知っていて隠蔽してるんじゃないのか? 」両親の、親友の仇を失って、刃を向ける先を失って。 目の前の男は、貴方をアウグストの代わりに仕立て上げようとしているのだ。 そうしたら、大切だった人たちの仇を討てるから。 (-342) redhaguki 2022/08/22(Mon) 23:13:29 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ「俺にそれを聞くのか……」 聞かれてる本人が、恋心などというものには一番疎いというのに。 下心を持って近づく女が苦手で、ずっと遠ざけていたというのに。 「”好き”といっても形は色々あるだろう……、 親愛も、友情も、恋心も、一口に言ってしまえば”好き”という感情に他ならない」 「それでも……、親愛や友情と、恋は決定的に違いはあるだろうな。 お前は親とセックスができるか? つまりはまぁ、そういうことなんだろう」 「お前がマウロに向けていた感情と、ツィオに感じた感情がどのようなものであったかは俺にはわからん。 だが……その違いをゆっくり考えるのは悪いことではないだろうな」 例え、あの2人には決してその答えが伝わらないのだとしても。 気持ちに整理をつけることは、この先自分たちが向かう先には必要なことだろうから。 (-345) eve_1224 2022/08/22(Mon) 23:33:12 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「――………………」 あなたの簡潔に纏められた状況を聞いて、 長い沈黙の後「あぁ……」と小さくうめき声を上げた。 言われてようやく思考と状況が追いついてきた気がする。 金はどうとでもなるが、あの状況を見られたわけだと思うと、怪我以上に頭が痛くなった気がする。 「ある、男を……止めに行った」 「命も懸けていたつもりだったが、 ……うまくはいかなかったようだな」 それは死ねなかったことなのか。 それとも、その男を止められなかったということなのか。 それはこの言葉からは汲み取れないかもしれないが、リカルドはただ、残念そうな顔をしていた。 (-347) eve_1224 2022/08/22(Mon) 23:42:48 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド「ド馬鹿野郎だね」 吐き捨てるようにそう言って。 「怪我とクスリが抜けるまでは大人しくしてろ。 その男とやらが再度殺しに来ないとも限らないし、 しばらくあんたは死んだことにしといてやる。 おい……幹部候補殿、よく聞けよ。 あんたの間抜けな計画はどうやら失敗で、 そのケツを今あたいが拭いてやってるんだ。 報告・連絡・相談。馬鹿でもわかる3つの基礎を忘れんな。 精々次からは、兄弟分に話を通しておくんだね」 その男とやらが兄弟分だったら、とは―― ストレガは、敢えて考えなかった。 なにせ、もしそうなら……裏切りは、許されないだろうから。 (-353) shell_memoria 2022/08/22(Mon) 23:58:55 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー「ぁ……、っく」 舐められて、転がされて、だんだん呼吸が苦しくなってきた。 喉の奥がからからで、何かが詰まっているような気さえした。 何かが欲しいと、喉の奥から叫び出したいような、何かを食いちぎりたいような、何があるのかはわからないけど、とにかく。 ――――飢えている。 身体中が、何かに飢えている。 「楽しんでなんか、ないっ。 俺は何も、知らなかった…………」 その時自分がアウグストの側に居たなら、なんとか止めることが出来ていたかもしれない。 けれども、居もしなかった時の上の指示は、流石のリカルドでも何の処置も出来なかったはずだ。 悪酔いもしやすいコカレロの匂いが鼻について、少しだけ目を顰めた。 だがそれも、下着の中で直接的に触れられてしまえば、もう全く気にもならなくなってしまった。 ただただ飢えが、思考を奪っていって、全てを快楽へと変えていた。 「ん、んぅ……っ、俺は、あの方からは、何も、聞いていない……っ! 一体、何の話をしているっ、前々任者、など」 あの人が花を送るのはきっと、貴方だけ。 二人の事情に首を突っ込もうなどとだいそれた事は一度も思ったことはなく、ただ見守っていた。 だから貴方の両親のことだって、何一つ知らない。前々任者など、名前を聞いたことある程度だ。 「……っ、なら。 何故お前は、マウロの命を狙った。 最初から、俺だけでよかった、だろ……っ」 (-356) eve_1224 2022/08/23(Tue) 0:18:43 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「…………そうだな」 馬鹿なことをしているのは、わかっていた。 それでも、命をかけて良いと思っていた。 敬愛する上司のため。目の離せぬあの男のために。 「そういうわけにもいかんだろう……俺とて自分が居ない穴の大きさくらいは理解している」 マウロのことがあるから、言っていることは十分に理解できたし、自分は彼に同じことを伝えていたから、何を棚に上げてと自分で自分を嘲笑ってしまいそうだ。 それでも状況が、大人しく寝ているのを許さないのも確かであり、体が動くならば最後まであの男を止めねばならないと、そう考えて歯がゆくなった。 「……マウロを部屋に匿っている。 ツィオに後のことは頼んだつもりだが……あまりに無理をするようなら止めてやってくれないか」 せめて1日はきっと、動くこともかなわないだろう。 面倒を嫌う貴方に言うことではないかもしれないが、この場に頼めそうなのは貴方しかいなかった。 (-359) eve_1224 2022/08/23(Tue) 0:29:55 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 名もなき医者 リカルド「呆れて物が言えないってのはこういう事だろうね。 頭ぶち抜かれかけてよく言えたもんだよ本当に」 何度つけばいいのか、ため息を落とし。 「マウロぉ?あいつ死んだんじゃないのかよ…… はー……もうなんなんだ……いいやもう…… ツィオの奴が止めても足りないならどうしようも ないと思うけどねあたいは…… 高くつくよ、覚えときな……」 ぐったりと承諾した。 尤も、それほど深い面識がある訳でもない。 情報統制の都合、目立つ場所で言う訳にもいかない。 それでもまあ、 『兄弟分からの言伝』 くらいで伝える事になるだろう。 無理をするなよ、と言っていた。 それくらいが、限度だ。 「本当覚えときなよあんたマジで」 そう残して、病室のドアを乱暴に閉めていった。 (-360) shell_memoria 2022/08/23(Tue) 0:41:24 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド確かに、貴方へ聞くのは間違いなのかもしれない。 とはいえだ、ラウラにとっては今 貴方にしか聞く術がない。 それからまともな答えが返ってきそう、という信頼もある。 黙って話を聞きながら、時折相槌を入れて。 それで、悩むように視線を落としたところで。 体に回していた腕を下ろす。 「………………親愛と、友情。………恋、心」 ぽつぽつと、紡がれたものを復唱し。 その意味を考えるように視線がゆっくりとあちこちに向けられる。 「親、と……は…………、」 しないだろう、と両親を思い浮かべる。 顔や声は思い出せやしないけど、そういう対象とは違うのは流石に理解出来る。 「……マウロ様と、…………ツィオ様、」 浮かべたそれぞれの姿に感じるのは、どういう形だろう。 それを今この場で出すには難しいが、……難しい、と思っているが。 自ら望んで手を伸ばし熱を求める存在というのであれば。 ──あれば、と……目を瞬かせた。 何となく、意味を理解出来たかもしれない……多分。 答えを口にするには、もう少し考えるべきだとは感じたけれど。 (-363) sinorit 2022/08/23(Tue) 0:52:24 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ「わかったか、少しは」 自分も時々、自分の感情がわからなくなる。 己は女房役の右腕だと豪語していても、ヴェネリオに対する感情は親愛や敬愛だ。 マウロやツィオに関しては、それ以上の執着はなくらいの友情であるはずだ。 貴方に対する感情も、少なからず親愛の情くらいは持っているのだと思う。 では、自分の恋心とやらはどこにあるのだろうか。 もしかしたら、今まで一度もそのような感情など持ったことがないのかもしれない。 自分を第一に想ってくれる存在とは、一体、どのような人の事を指すのか、皆目検討もつかなかった。 ―――それでも。 目が離せない人がいた。 好敵手と位置づけて、様々を見守っていた。 その時抱いていた感情を、一体どう名付けていいかは、これだけ語っていても理解ができないのだ。 自分のこととは、かくも難しい。 「わかったとしても、……今は俺しか触れる熱を伝えることはできないんだがな」 撫でていた手をそろりと沿うように下ろして、その背に回す。 引き寄せて、抱きしめれば死後の世界でも、熱くらいは伝えることができるだろうか。 不器用な自分でも、恋心とやらを語る事ができたならいいと、そう思った。 (-366) eve_1224 2022/08/23(Tue) 1:15:28 |
リカルドは、それでも止めたいと、死の淵でも思っている。 (c28) eve_1224 2022/08/23(Tue) 8:55:08 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「子供は撫でるとすぐ機嫌をよくして泣き止む」 「素直であればあるだけ、俺のそばにはそんなやつらばっかだった。 ノッテは――わけのわからんやつらばかりだったのに、全員素直で。びっくりするほどだったな」 ぽつ、ぽつと呟かれる低い声と共に落ちてくる熱のない手。 あなたを眠りに誘うように、優しく慈しむように一定のテンポで撫でられ続ける。 「ツィオもマウロも、行動と言動が合わない分わかりやすい。 顔を変えられる分ツィオの方が昇進が早かった、気に入らなかったがな」 バラバラなくせに息のあった三人を見ていた。同じ孤児院から出たなりの絆はそこそこに固かったようで。 そのなかでも真っ先に俺を目をつけたお前を引き抜いた。今となっては一気に三人引き抜けばよかったよ。 「レヴィアとストレガはワンマンに見えて自分の実力を確実にボスに提供していた。ありゃ一人軍隊だよな、女の戦い方は違うぜ」 実力者であれば性別なんて関係ない、それを体現した彼女たちは常に気持ちがいいほどの一言で会議を鎮めてくれた。あいつらがいればこのファミリーは安泰だ、あれを越えられない男はここでやっていけない。 「テンゴは、昔は血の気が激しくてな俺が丸くしてやった。 フィオレロが来てからは懐かれて落ち着いたが今はもうまた復讐の鬼だ。 あの男はマフィアに馴染まないな、せいぜいかわいいワンコに癒されていればよかったんだ。さっさといなくなっちまってよ、せっかく俺の孤児院任せるつもりだったのに」 親友を想い、想う。なんだこの感情は。 そろそろ寂しくなってきてるんだろうか。弱音とは思っていなかったが、ここには好きなやつらが多すぎた。 一緒に生きていきたいとおもった、家族が多すぎたんだ。 男はもっぱら甘い男であったので。 (-388) toumi_ 2022/08/23(Tue) 11:02:16 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「そうだ、ラウラは――俺が家族にして連れていく。 死んだやつの人間のことは疵でのこしても、もう惜しむな。 生きている人間たちの幸せを祈れ」 過去を思い返していたぼやきを流すように、一人のアソシエーテだった女の名前を告げる。 一度手を止めれば深く息を吐いた。 「リック、お前は優秀で最高の男だ。 よく俺を、友を、家族を守り抜いた」 「お前のことは信じていなかったが、 俺や家族のことを好きな感情だけは信じていた。 だから信頼できたんだ。 マフィアは嘘をつかない、有言実行が幹部の鉄則だ。 お前は大きくなれるよ」 「返事はするな、これはでかい独り言だ。 頑張った子供は早く疲れて寝ちまえばいいんだ」 (-389) toumi_ 2022/08/23(Tue) 11:07:01 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ――それはまるで子守唄のような優しい声で、 「……っなんで、そんな」 思い出話はわかる。もう手を伸ばせない者たちを懐かしむのは、仕方のないことだ。 だけどこのどうしようもない焦燥感はなんだろう。 いやだ。 いやだ、嫌だ、何処にも行かないで欲しい。 「どうして、ラウラだけ連れていくとか、言う、んですか」 「俺も着いていきますよ、どこまでだって……っ」 置いていかないで。 置いていかれたら、俺は、ずっと主をまち続ける犬にしか、なれない。 「何も、出来てないです。 俺は、あなたの家族を、止められていない……どうして、」 今、こんな自分を褒めたりなんてするんですか。言葉が続かない。 撫でつけられる手で、強制的に睡魔を呼び起こされている気がする。 寝たくなんてないのに。 まだ、傍に居たいのに。 同じ場所から、幼なじみたちを見守っていたいのに。 あぁ、でも。 もうまぶたが重い。 (-396) eve_1224 2022/08/23(Tue) 11:50:39 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「寂しそうだったからに決まってるだろ。 立派な俺たちの家族を放っておけるか」 「面倒を見てくれるやつもいなくなるし」 お前たちがおいていった宝だぞ。 他のファミリーに持っていかれたらどうする。 「それに逆だ、お前が待つんじゃない。 俺が待っててやるから、行ってこいっていってるんだ」 聞こえもしない叫びに返しながら優しく撫で続ける。 やっぱり素直なくせにこういうときは駄々っ子だったなお前は。 「今から聞かせる子守唄はねえが、贈り物をしてやる」 (-432) toumi_ 2022/08/23(Tue) 18:53:28 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「隣にいてくれてありがとう、あえてよかったRicardo。 欲しかったら俺の姓でも偽名に使っていい。 Venerio Firmaniが信頼した一番の部下、 ゆっくり待っててやるから、地獄の底までついてこいよ」 信じてるぞ、そう最後につぶやいて。 俺の 悪い勘 が当たらなければいいな、と、貴方の前髪をあげて額に顔を近づけ冷たい熱を触れさせた。 (-433) toumi_ 2022/08/23(Tue) 18:55:45 |
【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルドゆっくりと、頷いて。 さ迷っていた視線はまた貴方に。 感情とはままならないものだ。 だからこそいつかに捨ててしまった。 それでも探していたのは──ノッテのおかげ。 抱くそれぞれの"好き"が。 同じである必要などないのだろう。 近くなった答えに、心が軽くなったような気がした。 その答えが相手と同じものでなくとも。 それが独りよがりと呼ばれても──ラウラの答えを探そう。 頭を撫でていた手が下りて、背に回れば。 僅かに首を傾けて。 口を開く前に──引き寄せられた。 大きな腕の中におさまる女は、目を見開く。 そのままほんの少し顔を歪めて、その背に腕を回した。 貴方達は不器用だ。とても不器用で。 それでもその中で欠落した者に多くをくれた。 そんな貴方達の幸せを願っていた。 …願っている。 叶わないことばかりでも、ずっと。──ずっと。 「…………"さみしい"です ね……」 (-434) sinorit 2022/08/23(Tue) 18:56:39 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → デッド・ベッド ヴェネリオ当たり前じゃないですか。 寂しいですよ。 そう言いたいのに、うつら、うつらと目が細まる。 まだ眠りたくない、まだ、離れたくない。 襲い来る睡魔と戦いながら、その話を聞いているだろうか。 「待ってて……くださる、ん、ですか」 自然と目が閉じられて、開く時間が少なくなった。 低い声が耳の奥に響いて、なぜだか無性に泣きたくなる。 「はい。必ず――……必ず、貴方を追いかけます、から、 だから……俺をお側に――――――」 額に何かが触れた気がする。 柔らかくて、優しく甘い何かが。 だけどもう、何も返すことが出来そうもない。 どうやら俺の居場所は、ここではないらしい。 貴方はきっと、それを知っていたからこそ送り出してくれたんだろう。 あぁ、なんて最後まで甘い人なのだ。 ――――ありがとうございます。 そんな貴方だからこそ、俺は、貴方が好きでした。 (-455) eve_1224 2022/08/23(Tue) 20:35:09 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ取り戻した感情は、まだほんの小さなものだったかもしれない。 まだまだ迷い子のように彷徨ってしまうのかもしれない。 それでもきっと、死んでしまっているとしても遅すぎることはないはずだ。 考える頭、心があれば、いつだって取り戻して良いもののはずだ。 それくらいの悔いがあるほうが丁度いい。 空の上から見下ろして、雨となる涙を流せるくらいのほうが、きっといい。 回された腕が、泣いているように感じて、 ぎゅ、と抱き寄せた手に、少しだけ力を込めた。 止まない雨はないのだから、いつだって泣いていい。 「あぁ、寂しい、な」 そう思うから、こうして熱を与え合うことができるのだ。 (-458) eve_1224 2022/08/23(Tue) 20:44:10 |
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