18:06:28

人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


フランドルは投票を委任しています。

【独】 哀れな役者 フランドル

/*
襲撃できる気がしねえって言ってたら吊られるのか…
(-7) unforg00 2021/12/15(Wed) 21:08:03

【秘】 羽無し妖精 アイシャ → 哀れな役者 フランドル

「はい、アイシャなのです。
 突然、ごめんなさいなのです。失礼します…なのですよ」

貴方が眉を顰めたのを見て、ああだめだ、と下手くそな笑顔を見せました。
お言葉に甘えて、お部屋に上がらせてもらいます。
ほんの少し、いつもより足取りは重いようで。
それでも、貴方の方をやはり心配そうに見ているでしょう。

「フランドル様も、尋問を……受けることになってしまったの、ですね。
 早くおさまるなら、と思っていたのですけど……なかなか、終わらないものなのです…」
(-21) otomizu 2021/12/15(Wed) 22:46:02

【秘】 哀れな役者 フランドル → 死霊術師 ペトルーシャ

 
「さあ。
 ご同輩や上のご意向は新参者にはわかりかねる。
 確かなのは、
"理解"は求めていない
という事くらいだ」

そう、きっと誰も"理解"など求めていない。
理解されずとも、如何なる手段を用いても賛同させるだけ。
或いは初めから、他人からの理解など求めていない。
"彼ら"の言動にはそのような意図が見えるのだ、どうにも。

「脅迫程度で答えを翻すほど可愛い我が身ではなくてね。
 彼らもきっと、初めから私に信用など無いだろうさ。
 つまりはこちらも君が何をしようと、ではあるが…」

「まあ、善処はしよう。
 彼らの敵が一人でも減るのであれば損は無い。
 何より君を敵に回せば、一人では済まないだろうしね」

もしも、貴方が他の手段で失せ物を取り戻した時。
"無数の死者を操る死霊術師"を敵に回すという事。
それがどれほど厄介な事かはこの蝙蝠もよくよくわかっている。

兎角、契約は成立した。
"卑怯な蝙蝠"と言えど、一度取り決めた事を反故にはしない。
何より、貴方との取引を反故にする理由もこちらには無い。
つまりは"善処はする"のだろう。そして。
(-24) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:03:18

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
──曰く。

フランドル・スキアーは、折れる事ができない。

切掛一つで忽ちに自らの命を奪う首輪を着けられても。

頭が割れるかと思うほどに思い切り殴り付けられても。

視界がぐらつき崩折れかけた所を強かに蹴り飛ばされても。

前後不覚の中、身体のあちこちが床や壁に叩き付けられても。

その背や腹や手足を骨が軋むほどに踏み躙られても。

皮膚にあかあかと灼けた鉄を押し付けられても。

悪態を吐き続けた末に毒を飲まされ喉を焼かれても。

或いは胸の悪くなるような幻覚を見せられ続けても。

フランドル・スキアーは、折れる事ができない。
(+7) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:26:57
フランドルは、もっと死にたくなるような事を知っている。
(c5) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:27:08

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
フランドル・スキアーは、折れる事ができない。
これはきっと、折れないのではなく、折れる事ができない。

縋る先、生きるよすがのある限り、心折れる事などできやしない。
縋る希望は不確かで、けれど諦める事は誰よりも自分が許さない。
そんな"どっち付かず"の状態では。

最初から、最後まで。
自ら望むものは、剣を捧げる先は、望む居場所はただ一つだけ。
生かすも殺すも、自ら定める事などできやしない。
自分の意思では、生きる事も、死ぬ事もままならない。
(+8) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:27:44

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
むかしむかし、鳥と獣の戦争があった際に。
コウモリは、獣の味方をしていました。

しかし、鳥に襲われて捕まってしまったコウモリは
「私は翼が有るので、獣ではなく鳥なのです」
と弁明しました。コウモリは鳥の軍勢に寝返りました。

やがて戦争が終わり、鳥と獣は和解しました。

しかし、双方にいい顔をしたコウモリは
鳥からも獣からも嫌われて追われることとなり、
鳥が活動する昼間も、獣が活動する夜中も活動することが出来ず、
その中間の夕暮れ時しか外を活動できなくなったということです。

これは寓話的な末路であり、そして。
どっち付かず、何処にも属さないという事は。
何処にも味方が居ないという事。
自由である事の、そのツケを払う時が、今来ただけだ。
 
(+9) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:29:44

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
──御布令に名が載った翌日の事。
役者騙りは、そこかしこに乱暴狼藉の名残を残したまま。
つまりは随分と草臥れた様子で酒場に現れて。

「『人生は歩き回る影法師、哀れな役者だ──』」


いつものように、台本を諳んじようとして。
けほ、と空咳を一つ。

「……役者は廃業だ。
 今日び、わざわざ演じなくたって悲劇か喜劇がやってくる。
 ずけずけと、独りでに街は笑顔を取り戻す。
 予定外ではあれど、"怪盗役"も演じ終えた事だしな…」

今日もこの役者騙りは丸腰も丸腰だ。
ふらりと適当な席に着き、テーブルに両肘を預けて。
喉が痛い、だとかぼやいたのち。

「ノアベルト。
 張り紙と共に連れ浚われ消える事になったのは、
 俺ではなく、あんたの方だったな」

未だ姿の見えない誰かに、一言だけ。
この陰は、未だ変わらずここに在る。
(+10) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:32:59

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
「──ペトルーシャ。
 
"打ち捨てられた灯台の裏、鼠どもの通り道"。

 お望みのものが二つ、そこにあるだろうさ…」

その後に死霊術師の姿を認めれば、もう一つだけ。
気怠げに、簡潔に、確かな"取引"の履行を告げた。

「契約は満了だ。
 また何処ぞへ失せない内に回収する事だな…」
(+11) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:33:38

【独】 哀れな役者 フランドル

/*

『人生は歩きまわる影法師、あわれな役者だ、
 舞台の上でおおげさにみえをきっても
 出場が終われば消えてしまう。
 白痴のしゃべる物語だ』

今日のシェイクスピア。それはさておき文章が長すぎんだよダアホ
(-30) unforg00 2021/12/15(Wed) 23:36:07

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>11 エアハート

「…………」

差し出されたレモネード。
それを持つ相手を見て物凄く複雑そうな表情をしたのは、
なんか不意に今日見た夢の事を思い出したからだ。

もはや高熱を出した時に見る悪夢みたいな光景だった。

「……お前、…いや、やらかしたんだろうな。
 まあいい、話しておきたい事がある。
 今じゃなくていい、後で少し顔を貸せ」

目の前の男目掛けて飛んできたスプーンと、
大惨事になるテーブルと、聞き覚えのある声。
それはまあ、やはり何とも言えない顔にもなるわけで。

流石にレモネードに罪は無い、ので、受け取っておいた。

基本的に、他人の作った飲食物は受け取らない。
ただ、金銭を支払った上で提供されるものは別。
そして、相棒とも呼ぶべき者の作ったものもまた例外。
それだけのことだ。
(+14) unforg00 2021/12/16(Thu) 0:27:52
フランドルは、俺は何を見せられているんだろう。
(c7) unforg00 2021/12/16(Thu) 0:36:27

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>+15 ノアベルト

は?
いやいけずも何も無いだろう
 俺からあんたに話す事は特に無いし…」

あの時また会いに来ると言ったのはそっちだし、
そもそもあの悪夢にはこいつも居たが…みたいな顔をしている。
心当たりは、あるため。

そもそもあの悪夢にはこいつも居たが……


言った。
(+17) unforg00 2021/12/16(Thu) 0:47:25

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>13 エアハート

「非があるんだろう実際に。
 レモネードに罪は無い、お前に罪がある」

当然の如く抗議はにべもなく、ばっさりと。
普通のレモネード以外の何だと思ってると思ったんだ。
そんな気持ちはまあ置いておいた。

「……いや、
ちゃんと清算しろよ。

 飲み終わるまでは待ってやるから…」

言外に雑に片付けるなと言っている。
助け舟は期待できそうにないですね。
(+18) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:01:27

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>15

きっと視界の外からの、『怪盗』への感謝の言葉。
灯屋の声に一度そちらへ視線を遣って。

役を終えた元役者は、何も言う事はなかった。

が、自分個人に勧められたなら…
チキン……まだいっぱい……これ、チキン?
鳥なら……チキン?そうかな…そうかも…
(+20) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:14:38
フランドルは、喉が痛いのはもう今更だからチキン食べる。
(c10) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:14:49

【独】 哀れな役者 フランドル

/*
ここまでの反動でどんどん変になっていっています。
許してくれ。反動がすごいんだ。
(-36) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:15:40

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>+19 ノアベルト

「生憎と俺は不器用な生き方しかできないらしい。
 或いは、ブレるほどに
 他に目を向けるような余裕も無いだけか」

曲がらないのか、曲げられないのかは定かではなく。

趣味が悪い、という言葉にはほんの少し眉を顰めて。
けれど特にそれ以上突っ掛かるような事はしなかった。
この世は趣味の良い人間の方がずっと少ない。
(+22) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:25:49

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>19 レイ

そうか……


力強い肯定を受けたので、これはチキンらしい。
とにもかくにも、チキンはチキンらしい。
路地裏育ちには細かい品種による肉の違いがわからぬ。
つまり結局これは鳥だからチキンなのだ。

「……まあ、何人かは尋問を受けたわけだからな。
 口答えしてやったら随分手厚く饗されたよ」

何気ない疑問には、誰に言うでもない呟きだけを零して。

まだ温かいレモネードの嵩をちびちびと減らしながら、
のろのろとチキンだのシチューだのつつく。
ご機嫌な夕食だ…喉さえ痛めていなければ。
(+24) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:49:36
フランドルは、踵を返す死霊術師の背を見送った。有意義な取引である事を願う。
(c15) unforg00 2021/12/16(Thu) 1:55:57

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
「消毒ついでに酒でも飲んでろだとか
 そういう事を言われなくて正直ほっとした。
 自分で自分を痛め付ける趣味は無いんだ俺は」

役者は廃業で正解だ。
きっとこのご時世では三文芝居は流行りもしない。
生きていれば、喜劇も悲劇も勝手に舞い込んで来るのだから。

「一度尋問を受けてしまえばもう尋問に怯える必要は無い。
 気楽なもんだな…下手な事さえしなければ。」

かつん、首元の枷を爪の先で叩く音。
元役者は、それが何であるかをよく知っている。
(+25) unforg00 2021/12/16(Thu) 2:03:19

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>23 レイ

「嫌がるからか、単に煩かったのか。
 あの手合いのことだ、両方かもしれないな。
 …どうせ大人しくしていても温情なんか掛けられないんだ
 なら、暴れてやった方が気分が良い」

それで負う痛手と見合うかは諸説あるものの。
結局は大人しく痛め付けられるという事が
どうにも我慢ならない人種なのだ、これは。
大人しくしていれば、と期待ができないだけかもしれないが。

「…………」

それから、ころり。
目の前に転がった飴を見て、少し考える。

他人は、信用できない。
けれど、ある程度腹の底を見せ合った相手なら?
未だ距離感は一定を保ち、けれど他人とも言い難い。
これは、互いの目的や意図に対する信用とそう変わらないのではないか。


…ほんの少し考えたのち、飴は受け取る事にした。
(+27) unforg00 2021/12/16(Thu) 2:59:50
フランドルは、気まぐれなやつだ、とぼやいた。
(c17) unforg00 2021/12/16(Thu) 3:03:17

【独】 哀れな役者 フランドル

 
「猫を自称するだけあってということか?」

これは誰にも聞こえない程度のぼやき。
聞こえるように言ったら、引っ叩かれそうなので。
(-48) unforg00 2021/12/16(Thu) 3:04:26

【秘】 哀れな役者 フランドル → 灯屋 レイ

「同情や仲間意識は仕事には持ち込まない。
 持ち込まない、が…
 周りが馬鹿な事をしているとわかっていて、
 それに付き合ってやるほどお優しくもないのさ」

きっと、革命勢力にも、そして政府にも与さないからこそ。
内部を中立的な立場から俯瞰し、そう感じるのだろう。
この先に待ち受ける結末は、彼らの望みに適うものではないと。

曲がらぬ刃は、曲がれぬ刃は、時に無慈悲な程に。

「…"ホド"の事は、こっちでどうにかする
 精神操作にはある程度理解がある。それで駄目なら…
 その時は、一発ブン殴ってやるだけだとも。」

つまり、叩いて直す。
人を何だと思っているのか。
とはいえ痛みのショックは実際結構利くものだ。そうらしい。

「こっちとしては問題は"野良猫"の方だ。
 あれもまた、行き場を失ったものの一つだ。
 上にも下にも、何処にも自分の居場所が無い。
 どうにもそんなこの街を嫌っているらしい。
 …君もこの街を憂いているのなら、丁度いいかもしれないな」

もしかすると、わかり合えるかもしれない。

それだけを告げて、今は未だ役者を騙る者は席を立つ。
随分と長話になってしまった。夜は随分更けているに違いない。
引き留めなければそのまま踵を返し、その場を後にするだろう。
(-58) unforg00 2021/12/16(Thu) 3:43:02

【秘】 哀れな役者 フランドル → 羽無し妖精 アイシャ


「なに、気にする事はない。とはいえこちらも…
 茶の一つも出せない有り様だが、まあ勘弁してくれたまえ」

せっかく作った笑顔を無下にはしない。
痛々しい有り様に眉を顰めたのも束の間の事。
貴方を部屋へと通せば、テーブルの傍に椅子を適当に並べた。

最近この街に来たばかりなのか、部屋に物は少ない。
テーブルの上には、黄色のラナンキュラス。
あの日貴方から受け取った花は、今もそこにある。
(-66) unforg00 2021/12/16(Thu) 5:08:51

【秘】 哀れな役者 フランドル → 羽無し妖精 アイシャ


そして貴方が気掛かりを零せば、一つ声の調子を下げて。
 
「──
私があの二人を告発していれば。

 きっとこれも、すぐに終わったのだろうけどね。」

とはいえそう不穏なものでもない。
喩えるなら、そう、内緒話でもするような。

「というのはまあ、意地悪な話なのだろうなあ。

 これを早く終わらせる手段は幾つかあれどもさ。
 どうにも、何も犠牲にせず、とは行かないものだ。
 きっと何れも、君達の望む幕引きには至らないのだろうな」

とはいえこれは、まったくよそ者としての見解であり。
ともすれば、幾ら貴方とて、場合によっては。
他者を犠牲にしてでも、結論を急ぐのだろうか、とも。
まあ、まあ、考えないわけでもないのだ。
(-67) unforg00 2021/12/16(Thu) 5:10:05

【秘】 哀れな役者 フランドル → 残氷 の エアハート

 
"蝙蝠"が政府に連行される少し前の事。

極力足のつかないような形で、貴方の元に一つの報せが届いた。

曰く、"骸糾問"の死霊術師と取引を行った、と。
彼女が此方に求めたものは、奪われた装備品の奪還。
先方の提示するものは、革命勢力への部分的協力。
そして──貴方個人に向けたものが一つ。
〈焔喰らい〉の情報提供。


何よりの対価は、彼女が敵に回らない事ではあるものの。
もしも何らかの助力を求めるなら、彼女を尋ねるといい、という旨。

目を通し終え、再び封をすれば
書かれていた内容は幻のように消えてしまう。
そんな封書だった。
(-68) unforg00 2021/12/16(Thu) 5:48:31

【秘】 哀れな役者 フランドル → 埃運び オーウェン

 
"蝙蝠"が政府に連行される少し前の事。

極力足のつかないような形で、貴方の元に一つの報せが届いた。

曰く、"骸糾問"の死霊術師と取引を行った、と。
彼女が此方に求めたものは、奪われた装備品の奪還。
先方の提示するものは、革命勢力への部分的協力。

何よりの対価は、彼女が敵に回らない事ではあるものの。
もしも何らかの助力を求めるなら、彼女を尋ねるといい、という旨。

目を通し終え、再び封をすれば
書かれていた内容は幻のように消えてしまう。
そんな封書だった。
(-69) unforg00 2021/12/16(Thu) 5:49:13

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
──そして、酒場での一幕を終えた後。

前言の通り、役者騙りの騎士は貴方を連れて。
一先ず何れかの宿の部屋にでも向かったんだろう。
きっと、それなりに込み入った話になるはずだから。

「…それで。
 俺は言った通り、こうして戻って来たわけだ
 あの時お前に預けたものは返す気になれそうか?」

預けたもの、つまりは二つの自身の得物。
随分と念入りに痛め付けられたらしい様子を見るに、
案の定、尋問中は大人しくなどしていなかったらしいが。
それでも"貴方の剣"が心折られてなどいない事は明白だ。

当たり前の事だ。
あれよりも、もっと目の眩むような絶望を知っている。
それさえも上回るような"よすが"を知っている。
だからフランドル・スキアーは、決して心折れる事はない。
貴方以外の、誰に折れるはずもない。
(-70) unforg00 2021/12/16(Thu) 7:32:42

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
〈焔喰らい〉の情報提供、の文面に思わず目を細めた。
ペトルーシャに初めて声を掛けたのも、
彼女のその布衣の能力が気になったから。

……エアハートは、生命力を魔力に変えたり、
原動力にするマジックアイテムをとにかく探していた。
その事は周囲も知っているから聞き込みでも知れただろう。

何の為にそれを求めるのか、それは知る人はいなかったが。
貴方ならもう薄々と察しがつくかも知れない。

……何らかの方法で、それらを使い、
あなたから貴族の血を失わせる為だと。
或いは、全面戦争でも行う予定だったのかもしれない。
エアハートは生命力に長ける。それだけ集まれば、不意打ちで貴族の数人程度、暗殺はできたかもしれないから。
(-81) poru 2021/12/16(Thu) 14:40:32

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「勿論ですよ。
 そもそも預かる様な事態になってほしくもなかったし。
 今私がこれを奪い続けていて何になるんですか」

言いながら、預けたままの状態の剣と杖を、
部屋に来る前に持ち出してきたのだろう。返却する。

「……また随分とやられたみたいですね。
 なんか声というか喉がやられてません?
 まあどういう事されたかは……想像つかなくも無いので。
 レモネードなんて気休めでしょうが、今日は休んで」

特別な緊張感はない。否、最低限は持っている。
スプーンが飛んできたら今度こそは受け止められるが、
その程度だ。人格が分たれてようと信頼は変わらない。
(-82) poru 2021/12/16(Thu) 14:46:06

【独】 残影の フランドル

/*
こいつの人の行動に対する不信と信用のロジック、
どうなってんだろうな…と思ったけど(PCに理解の無いPL)
多分無償の善意を信じないんだろうな…

理由と意図が明らかであるかビジネスライクな関係ならOK、
そうでなくとも信じるのはエアハートだけ……なん…やろな…
(-83) unforg00 2021/12/16(Thu) 15:26:02

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「気が変わったんじゃないかと心配でな」

本気か冗談かは定かではないが。
ともあれそんな軽口と共に、
返却されたものをあるべき場所へと戻した。
やはりこれがちょうどいい重さだ。身軽すぎても落ち着かない。

特に何か細工をされていると疑う事もない。
感情以外にこれを奪い続ける理由が無いのも事実だ。

「そうしたいのは山々なんだがな。
 生憎と休んでばかりも居られないらしい。
 "卑怯な蝙蝠"は仕事が多いんだ、それに…」

「…ああ、そうだ」
(-84) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:09:16

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

/*

 ♡ごめんあそばせ、これから少々確定的な描写をしますわ♡
 
(-85) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:09:54
フランドルは、こいつは一発殴られても文句は言えないと思う。
(c25) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:10:20

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
信頼されているのはわかる。こちらもそうだ。
そう、いつだってこちらもそうだった。"あの時"も例外なく。

「──もう一つ、ついでに返してもらおうか」

言うや否や、貴方の左頬目掛けて、腰の入った右拳を振り被る。
幾ら貴方が人と比べて丈夫な方とはいえ、とはいえだ。
されども当然誰しも痛いものは痛いはずで、そして何より…

「『──咄嗟の不意打ちで顔を殴られれば、
  思考の低下に加えて隙も生まれやすい』。
 さて、お前はどうだった?」

問いの返事はあってもなくてもいい。
この暴挙を受けて貴方が蹌踉めいたならつかつかと歩み寄り、
そうでなくとも更に距離を詰めるだけ。
(-86) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:10:54
フランドルは、だからそのようにした。
(c26) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:11:04

フランドルは、ただ貸し借りを帳消しにしただけだ。そしてこれからも同じこと。
(c27) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:12:05

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


「──お前は昔から俺の眼に弱かった」

それは有無を言わさず"聞かせる"ような響きをもって。
視線を合わせ、掠れた声が囁いた。

実際のところ、事実そうだったかは定かではない。
けれど貴方がこの言葉を耳で聞き、
脳が理解し、思考を誘導され、意識すれば、それで十分。

曰く、精神干渉の術とは思考誘導から成るものなのだと。
だから魔術師狩りは口を揃えてこう言うのだ。
『術師の言葉には耳を貸すな』、と。

『今は俺だけを見てくれよ』。

 相棒の"お願い"、聞いてくれるだろう?」

利便性から煙霧を媒介とし、幻術という形を取っているだけで。
この騎士が扱う術は、本来精神の操作や魅了の系統に程近い。
その事で後ろ指を指される事も、今までに何度もあった。


精神干渉には精神干渉を。実に力技じみた"命令の上書き"。
痛みによって作った隙に差し込めば、
少しくらいは綻びが生じる事もあるだろうか。
(-87) unforg00 2021/12/16(Thu) 17:15:05

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「ぐあ゛ッ!? ッ──!?」

信頼と油断は別物だ。
とは言え、「隣の男が突然殴って来る」と想定してないと
幾ら警戒しようが避けれやしないし喰らうものは喰らう。

無意識にこの流れで、剣や杖を使われるならともかく、
拳で殴り掛かって来るとは思っていなかったのもある。
恐らく前者だったらまだ動いていたか、と言うと微妙だ。

だってあの時あなたを殴ったのも“尋問”の為で、
決して恨みや憂さ晴らしではなかった。理由がある。
それを今、全く思いついて無かったから想定外だった。

想定外、の時点で。結果もわかり切った事だろう。
口の端を変に切ったのか、口内に血の味が広がる。
鉄臭さを吐き捨てたいが、宿の中となればそうもいかない。

「──、は、……こんなので、 明、す 、とは」

思わなかった。まで言い切れずに距離を詰める貴方に目を瞠る。最もその動作で余計に幻術が効きやすくなるなんて。そんな皮肉も考えるまでもなく、
“そう”在るし、“そう”なる
だろう。
(-92) poru 2021/12/16(Thu) 19:02:12

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル


確実に効いた手応えはあっただろう。
見る目が、色が変わった。
明瞭とした振りをしている普段の目つき。それと違って革命軍内でよく見る、感情の死んだ色に変わる。変わって、

「言われずとも」

不意に、貴方の胸倉を掴んで引き寄せる。
引き寄せてから、そのまま躊躇なく唇を重ねて。
切れた口内の
をお裾分けだと言わんばかりに、嫌がらせのように分け与える。

この行為がどんな影響を及ぼすかなんて考えちゃあいない。
ただ、悔しかったから、ざまあみろ。それだけだ。


「お前の事を見ていた。いつも」


唇を離す頃には、少し感情の色がある目。
それでもまだぼんやりしているところはあるが、こんな事を行ってる時点で、自我は強いが、催眠にかかりやすい部類の男なのだろう。身内からすると一番困ったタイプだろうとは思う。

今革命軍のことに何か命令をされた訳ではない。
だから相反していない。
綻びとまではいかないが、命令の掛け方次第で、
強引な上書きで綻びか、解く鍵か、運悪く精神崩壊か。
何かしらの答えは得られるかもしれない。
(-94) poru 2021/12/16(Thu) 19:05:16

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

/*
やりましたわ!確定ロールですわ!ガッツポーズで大喜びですわ〜〜〜!!!!!!!!
私も確定ちゅーしたけど嫌だったら避けて下さいましね!
(-96) poru 2021/12/16(Thu) 19:07:37

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
理由は明白だ。
単なる意趣返し、つまり目には目を、という意図も
無きにしも非ず、ではあるものの。

一番の狙いは、精神的な隙を作り出す為。
手段は何でも良かったが、何でも良いなら、といった所。
そして凡そ目論見通りになったらしい。らしい、が。

胸倉を掴まれた所まではよかった。
暗示を掛け損ねて反抗される事は想定していた。
或いは、以前のように食って掛かられるか。
けれど、これは、

──あ、まずい。

重ね合わされる唇ではなく、
その行為によって分け与えられるものに。
そう思った頃には、手遅れだ。
(-103) unforg00 2021/12/16(Thu) 20:55:51
フランドルは、それではだめだとわかっているのに、
(c33) unforg00 2021/12/16(Thu) 20:56:04

フランドルは、
もっと血が欲しい。
(c34) unforg00 2021/12/16(Thu) 20:56:30

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

もっと。

渇望じみた、衝動じみた欲求のまま。
与えられたものを自ら望み好んで貪って、それで、

それではまだ足りない。


──曰く、リロワーズ家は吸血鬼の末裔だという。

その血は薄れて久しいが、
今でも時折、ごく薄くはあれど、先祖返りのように
それらの特徴を持つ者が現れる事があるのだと。

幼少の砌より、貴方の血に対して。
きっと心の内で奇妙な執着を抱いていたのだろう。
その衝動の根源を知ってからは、抑圧していたのだろうが。

フランドルは、不義の子だった。
だというのに、その血を証明するような体質を生まれ持った事。
恐らくそれは決して幸運な事ではなかった。


「…なら、言い方を変えよう。
傍に居てくれよ


「ずっと」

「なあ、ずっとだ、ハーディ…」

離れた唇を惜しむように、請い願うように貴方を呼ぶ。
暗示めいた言葉は懇願のようであるくせに、
身体を寄せて、背に腕を回して、逃がす気は無いようだった。
(-104) unforg00 2021/12/16(Thu) 20:58:12
フランドルは、結構やんちゃらしい。
(c35) unforg00 2021/12/16(Thu) 21:17:06

【秘】 灯屋 レイ → 残影の フランドル

同情も仲間意識もなく、優しくもないのなら。
馬鹿な事をしていると悟り、自身にも厄介事が降ってきた時点で逃げ出しても良かっただろうに。

柵があったとはいえそうしなかった貴方の事を、灯屋は貴方が評価するよりは好意的に……なんだかんだ苦労しそうな人種だと、捉えている。

「策があると。
…………理解ってなんでしたっけ?」

まぁ、それで治るならそれに越した事はない。
案外、言っている通りびっくりして正気を取り戻すかもしれないし。どうにかすると言い切ったからには、任せようとするだろう。

「……憂う方向性は違いますが、そうですね。
行き場を失った気持ちは多少わかります。
"番犬"も彼の事を気にかけていたようですし、なにか取っ掛りがあるかもしれません」

あくまで推論だ。それでも、何もしないよりはなにかした方がいいだろう。

お気をつけてと、向けられた背に告げる。
カンテラの灯りに照らされたまま、貴方を見送っただろう。
(-107) sym 2021/12/16(Thu) 21:20:03

【独】 残影の フランドル

/*
次の笛吹き、スカリオーネさん行くんだろうな。
やべえよやべえよ…いよいよ風邪引いた時の悪夢だよ…
(-109) unforg00 2021/12/16(Thu) 21:31:50

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「──んっ、……、?」

背には腕、こうも密着した状態では逃げられない。
最も逃げるつもりもないし、続いての命令も。

嫌がらせの為の口付けだったが、その反応を見るに、
まだ恋しそうに見えたので、もう一度唇を重ねようとする。
今は強く抱き止められているから、叶うかはわからないが。

嗚呼、先程までの『怒り』感情が薄れる。
ほんの僅かに、不意を突かれた怒りはあったのに。
貴方の表情で、血を分け与える事の『愉しさ』を思い出す。

 エアハートは彼の詳細な血筋のことなんて知らない。
 彼は隠していたから情報を得られないのはあった。
 それでも、人が思う以上に『魅入られている』ことに気付くもとで。
 理由はわからずとも、フランドルが自身の血に酔うのは、感覚で知っていた。


「あぁ。一緒に、傍……そうだ。今も、ここ、に?」

既に『成されている』事を再度、命令された。
そう認識している為か、困惑の色が浮かぶ。
今この瞬間はここにいるし、貴方は帰ってきた。
だからエアハートは、今も『傍にいる』と信じている。
(-111) poru 2021/12/16(Thu) 21:46:31
フランドルは、なんか方々にやんちゃだと思われてる気がする。
(c36) unforg00 2021/12/16(Thu) 21:56:22

フランドルは、まあ概ね事実だしいいか、と思う事にした。
(c37) unforg00 2021/12/16(Thu) 21:58:31

【独】 残影の フランドル

/*
がんばれ〜ッ(内通者顔ダブルペンラ)
(-115) unforg00 2021/12/16(Thu) 22:08:43

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「……ん、…っ…」

唇を重ねようとすれば、拒まれるはずもなく。
ゆっくりと口内を探り、血の味を探し、目を細めて。
この渇望には耐えられない。
血には抗えない。


自らの行動がそれを証明してしまっている事が、
何よりも嫌で仕方なく、それでも。
貴方が欲しいという欲求に嘘を吐けはしない。


どんなに身を寄せようとも、きっと鎧が阻むのだろう。
血を啜る酩酊の中、それを取り払おうと手を這わせる。

曰く、鎧というものは他者が着脱を手伝うものなのだという。
二人共にあった頃は、きっと互いにそうしていた。

「…今、……今は、そうだとしても
 お前はまた、俺を置いてどこかに行くんだろう。
 ああ、なら、今だけじゃだめだ。ずっと傍に居てくれよ。
 
ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。


 俺はお前の陰、お前の傍だけが俺の居たい場所だ
 お前が居ないなら、生きていたって意味がないんだ…」

半ば給餌のような口付けを終えた頃。
お綺麗な愛を囁くには重すぎて、切に請い願うには甘すぎる。
掠れた声がもう一つ、貴方に"お願い"を重ねた。
(-126) unforg00 2021/12/16(Thu) 23:13:58

【独】 残影の フランドル

/*
ピピーッ!その感情、重くはありませんか?
重いに決まってんだろ!文句あるかよ!
(-127) unforg00 2021/12/16(Thu) 23:20:29

【独】 残影の フランドル

/*
思えばここまで不義の子開示はすれど
吸血鬼の血筋真実は誰にも出してなくないか…?
おめでとうございます!元気な初解禁ですよ!

まあお貴族様が吸血鬼どうこうというのは
創作物ではよくある話よな。
(-130) unforg00 2021/12/16(Thu) 23:30:20

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……んっ、……ふ、ふ」

本当に、雛に餌でもやる感覚にも思える。
それすらご機嫌とばかりに腕を回し、
口付けを深くしながら自ら血を分け与える。

 ほら、やっぱり血に抗えてない。
 俺が何とかしてやらないと。


貴方の渇望は、この男の心の内部に潜む
仄暗く澱んだ使命感と愛着をも呼び起こす。
でも今は傍にいてと乞われたからまだ。まだ、もう少し。

鎧に触れられるとすぐに何をしようとしてるのか、思考が繋がる。手伝う様に回していた手をこちらに戻せば、すぐに中のラフな服装になるだろう。

今でこそ脱ぐのに慣れきった鎧だが、騎士団に所属してた頃は二人でよく、構造に悪態をついていた。

 ──あの時を、あの日の笑顔を
 取り戻そうとしてるのは俺もなのに。
 どうして彼は納得しないのか。
 飛び出した時は理解していたそれも、
 『革命軍』に犯された脳ではそれも理解できない。


 ▽
(-137) poru 2021/12/16(Thu) 23:56:52

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「────まだ、まだ、駄目だ。

 お前以外の何にも囚われない為に、
 お前のせいじゃない血を、排除したら、そうしたら、
 
本当にどこに居ても、俺達、"昔のまま"いられる。


 ずっと傍にいられる。
 それじゃあ、駄目、なのか、フランドル」

でも、目に力が宿る。
先程から着いたり消えたり自分達との心の機敏のよう。
貴方の命令を聞くはずの、肯定しかしないその声が、
はっきりと【否定】を口にした。

「……生きていく意味がないなんて言わないでくれ。
お前が生きる為に、今まで生きてきた俺は何だったんだって
事になる。俺は、お前を陰じゃなくて──」

傍に立つ、光にしたかったのに。
(-138) poru 2021/12/16(Thu) 23:58:34

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

「嫌だね」

たった一言。
貴方の陰は、低く、低く否定を返した。

「何にも囚われない為に、俺達が俺達のままである為に。
 その為に為さなければならない事があるのは別に良い。

 だが、その為にこの街で何をする必要がある?
 だが、この街の革命はそれと何の関係がある?
 革命軍はその為にお前に何かをしてくれたか?
 なあハーディ、
手段と目的が随分ちぐはぐじゃないか?


否定を突き付けた先は、破綻。
そう、今は手段と目的の相関にあまりにも違和感がある。

そうでさえなければ、そこに第三者の意図さえ無ければ。
貴方の剣は、曲がらぬ刃は、それに異を唱える事はしなかった。
貴方の誘いを受け入れない理由は無かった。
(-148) unforg00 2021/12/17(Fri) 1:34:01

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「なあ。
随分と回り道をするじゃないか。

 それともそれは、俺の"お願い"より優先すべき事なのか?
 ここで凡そ無益に時間を浪費する事が、
 決して俺達のこれまでとこれからを蔑ろにはしていないと
 お前は本当にそう思ってやっているのか?」

荒れた喉も厭わず、淀みなく問いを投げ掛ける。
そうしながら、ぐ、と身軽になった貴方の胸を押して。
突き飛ばすというよりは、追い込むような動きだった。

大丈夫、後ろにはベッドがある。

貴方がその上へと倒れ込めば、
その顔の横に手をつき、首筋にもう片手を這わせて、

「これが俺の為、本当にそう思ってるなら、お前はばかだ」

ほんの少し、僅かに呼吸を奪う程度。その指に力を込めた。
言葉と表情に、綯い交ぜになった感情を滲ませながら。
(-150) unforg00 2021/12/17(Fri) 1:35:24

【独】 残影の フランドル

/*

Q. なんで急にガン詰めし始めたの?

A. だって俺の為言うて全然俺の事見てないじゃん……
  この街の革命俺の為となんか関係ある?無くない?
  無い気がするから、拗ねるね。

だそうです。
(-152) unforg00 2021/12/17(Fri) 1:49:27

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「ちぐはぐ?何処がだ?
 この街に来たのは“アレ”を探しに来た。
 ただ政府とやらが管理していたから、
 何かを掴むにはどうしても──

 ──。
 ────?
あれ、なんでだった?


 ──いや、いい。そもそも、
 
革命軍に協力するのは私として当然の事だ。


 何でその前提を否定する?否定したら
がそもそも、
 …いや、
なら否定、されない?……は?
って誰だ、
 ……まあいい、でも、じゃあ何であのと、き──?」

傍から見ると明らかな「破綻」でも、それを「当然」とした強い洗脳だ。つまりそこに疑問を抱かせた場合“今”のエアハートの否定になる。

──革命軍を優先する。
だって、」

お前の為の行動だから。

 お前の願いであっても、絶対優先にはならない」

なにより、最悪な事に、「本来フランドルに行おうとしていた事」と「革命軍に協力する」がイコールで結ばれている。
洗脳時にそれに手を貸すとでも言われたのか、単純に都合よく描き替えたのか。

いずれにせよ、そんな歪なイコールで結ばれていると言う事は、“そう記憶が混濁してもおかしくない状態”で掛けられた。
(-156) poru 2021/12/17(Fri) 2:18:57

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
つまり、比較的健全で元気な時の今のフランドルによる魅了は、半年の間の根を張り巡らされた脳への侵食を、言葉ひとつではぎ取れるほどには、今はまだ強くはない。

最もそれは、逆を言えば「同じ事」を行えば、
上書きや綻びの可能性が出るだろうと言う事。

そして洗脳を掛けた者も、「それを行える人間がほぼいない」と、そう思ったからこそ、今のエアハートの地位と自由度があるのだろう。

「……は、っ……貴方もレモネードがお嫌いでしたかね。
 馬鹿で、結構です、よ。
 今までだって、私達はそうして生きて来た。

 下級市民が騎士になるなんて、
 馬鹿を通り越して蛮行だとも。まあ、なりましたけどね。
 だから馬鹿と言われようがやめません。貴方相手でも」

ベッドに押し倒されて、顔の横についた手を見ている。
首筋に触れられる人肌の感覚から少しでも目を逸らす為に。
(-157) poru 2021/12/17(Fri) 2:20:42

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
──平行線だ。

矛盾点への正論は揺さぶりにこそなるが、
どうにも揺さぶりを掛ける以上の成果は生まないらしい。
破綻を認識した瞬間認識が擦り替えられてでもいるのか。

そもそもの話、この妙な様子が鳴りを潜めるのは
大抵は現在の目的とは関係の薄い話の時だったようにも思う。
とはいえ引き離すだけで直るものでもないだろうが。

一度ひどく混乱した後、すぐさま平静を取り戻す様子を見て
抱いた所感はそんなものだった。
何れにせよ、言葉によって、論理的に突き崩す事は難しい。
となれば、となれば、だ。結局の所、結論は。

叩いて直すしかないのかもしれない。


過程は少々違えど、辿り着く手段は同じ事。
何処ぞの灯屋には少々疑問符を浮かべられはしたものの、
精神面への操作を行う側としては結構本気で言っていた事だ。

痛みによるショックや動揺は存外に人を正常にする。
それで術が解ける事も、わりとある。あってしまう。
(-175) unforg00 2021/12/17(Fri) 4:06:05
フランドルは、もうちょっと叩いてみる事にした。
(c44) unforg00 2021/12/17(Fri) 4:06:21

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
となれば、まあ。

「馬鹿が」

首から一度手を離し、溜息混じりに零して。
その手で容赦なく片頬にもう一発くれてやった。
あの時は結局何度殴られたんだったかな。覚えてなどいないが。
何より、今は殴るよりも。

「ああもうだめだ、最悪だ。
 手酷くやられたせいもあるし、お前が煽るせいで余計に」

ぶつくさ言いながら、する、と隠し持っていた短剣を抜いて。
刃を貴方の首筋に当て、ぶつり、浅く食い込ませた。
そんな事をすれば当然傷口からは血が伝うわけで。


からん、適当な所に短剣を放って。
傷口に唇を寄せ、舌を這わせ、割り込ませて。
唯一この身が求めてやまない血を啜る。
時折もっとと強請るように傷口に歯を立てながら。

空いた片手は貴方の服の下へと潜らせて、
手慰みに腰や脇腹を擽るようになぞる。

レモネードは嫌いじゃないが、今はこっちの方が良い。
(-176) unforg00 2021/12/17(Fri) 4:10:07
フランドルは、"レモネード"より中毒性の高いものを知っている。
(c45) unforg00 2021/12/17(Fri) 4:20:24

フランドルは、正直今のこいつは"レモン"だと思う。
(c46) unforg00 2021/12/17(Fri) 4:29:24

【独】 残影の フランドル

/*
レモンからレモネードを作る…
役に立たない物から役に立つ物を作り出す、という諺。

或いはレモンとは、欠陥品という意味のスラングですね。
(-180) unforg00 2021/12/17(Fri) 4:31:09

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「いッ」
──1回目。
「ぁ、がッ」
──3回目。
「っ、…………ぐ」
──13、14?回目。

「痛っ、……は、ぁ」

 ──突然首筋に走る鋭い痛み。

「あ゛、や、ぃや」

 ──じんと痛むそこに触れる温かさ。

「グ、…やめ、ッひ…!」

 ──啜って“喰われる”感触。

確かに遊んだ事はあった。度々コイツが何故か怪我を、
しかも切り傷の方が多かったけれど、見る目が違って
見えたから。何も言わないから黙っていたのに。
ちょっと遊んでやろうと思っただけなのに。
ここまでなるなんて聞いてない!
どうしてなるかも、一言も説明された事もなかったのに!
こんなのになるなら尚更、あの血を何とかしておくべき、


啜られるだけじゃ飽き足らず、傷口に歯を立てられる。
明確に、皮膚を突き破られる感覚。

「も、嫌だッ!! い、」

 ──だってこの後の性交は普通じゃない。

服の下に回る手になんて気が回ってない。
最悪だ最悪だやっぱりさっさと血を消し飛ばしとけばこんな事には間違ってるのは私じゃなかったのにどうしてこんな目に、
(-182) poru 2021/12/17(Fri) 5:47:36

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
因果応報、意趣返しの節はあると言っても。
殴り付けても特別胸のすくような気持ちは無かった。
様子を見てもやはり生半可な衝撃ではだめらしい。
まあいい、憔悴させた方が精神面の操作はしやすいものだ。
何も無意味ではないだろう、とはいえ。

湧き上がる衝動は、与えられた分だけでは満たされなくて。
もっと血が欲しい。
渇望は既に無視できない所まで来ていた。

だから、怯え竦む声も、拒絶の声も。
どこか遠くに聞きながら、血を啜り、牙を立て、血に酔って。
喉を鳴らし、合間合間に熱い息を漏らして。
忌むべき血筋によって与えられる歓びをただ享受していた。

ずっとずっと、我慢していた。
貴方の血を見る度に奇妙なざわつきを抑圧し、自制していた。
不思議と、他人の血では決してそうはならなかった。

深く血に酔う感覚と、向けられる恐怖は、これが初めてだった。
(-184) unforg00 2021/12/17(Fri) 8:50:59

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「──ああ、
随分恐ろしいものでも見るような目をするんだな。

 受け入れられないか、受け入れられないよな。
 俺が不義の子だと知った時のようにお前は拒むんだろう
 俺だって受け入れ難いくらいだ、当然だ。
 結局は何処も同じだ。それが普通の事なんだろう」

ああ、居場所がない。

結局は居場所がない、居場所がないのだ、何処にも。
上流階級には棄てられ、中流階級には見向きもされず。
下層の吹き溜まりでは流れる血のせいで擯斥される。
人間とも言い切れなければ、人ならざるものとも言えはしない。
政府に与する事も、革命勢力に与する事も無いよそ者だ。
他人を心から信用する事はできず、友の心の在り処も曖昧だ。

何もかもが"どっち付かず"、居場所の無い人生だ。

「これに限って言えば、"餌付け"をしたのはお前だったがな」

"蝙蝠"は自嘲めいて嘲笑う。どこまでも暗い笑みだった。
幾ら血を与えられたからと言って、自ら牙を立てれば、それは。
理性に欠ける化け物と取られても致し方なくはあるのだ。

わかっている。
もしかしたら、と期待する事の馬鹿馬鹿しさなんて。
もう、痛いほどにわかっている。
(-185) unforg00 2021/12/17(Fri) 8:52:51

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「なーあ、ハーディ。
 お前のことは何も取って食いやしないさ。
 俺にはお前が俺にしたみたいに手酷く抱く理由はないんだ。
 昔みたいにうんと優しく抱いてやるからさ、
 だからそんなに怖がらないでくれよ…」

怯える子どもをあやすように、掠れた声が甘く囁いて。
暗示めいた言葉が脳裏に刷り込まれていく。
嘘か本当かに関わらず、貴方の恐怖と後悔を煙に巻く。

「それとも、
 
良い子にしていろよ
…と言った方が良いか?」

貴方の下穿きをずり下げ、潤滑剤を垂らしてやって、それから。

"命令"を重ねた後、着けっ放しの手袋を咥えて外して。
そうして宥め賺すように再度口付けを交わし、
その傍らに貴方の下腹部へと指を滑らせた。
先ずは前から。粘着質な水音がする。

今は局部は恐怖に萎えているかもしれないが、まあ。
貴方がこちらの身体をよくよく知っていたように、
こちらもどうすれば貴方が好くなるかを知っているわけで。
(-186) unforg00 2021/12/17(Fri) 8:54:19

【秘】 羽無し妖精 アイシャ → 残影の フランドル

「大丈夫なのです、お邪魔しますなのですよ。
 ……あ」

椅子に腰かけようとしたところで、ラナンキュラスの花に気付き 柔らかい笑みを浮かべます。
皆が、こうして花を置いていてくれてるのを見ると どうしたって嬉しいものですから。
傷に響かないよう、ゆっくりと椅子に座り。

「……フランドル様には、目星がついているのですね。
 実を言うと、告発を望んでいるわけではないのです。ご理解されている通り…なのですよ。

 私は、このざわざわが収まるなら 根絶までさせる必要はないと思っているのです。
 その一方で疑惑の段階で同じ目に遭う人が増えるのも……同じく、望んではいないのですけれど」

今のやり方も気に食わないけれど、悪者探しがしたいわけでもないのです。

「フランドル様にも……白羽の矢が立ってしまったことが、酷く心苦しいのですよ」
(-199) otomizu 2021/12/17(Fri) 17:14:28

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……る……い」

「──うるさいッッ!!」


口付けを交わされ、身体は自分の時とは違い前戯も踏まえて触れられている。
自分が相手に行った時よりも遥かに丁寧で、だがそんなことは関係ないとばかりに、突如『良い子にしていろ』の命令があるにも関わらず、盛大に額に頭突きをかました。

正直、物凄く痛い。ふらつく視界の中、
それでも睨み付けて、自分の自由な指を突き付ける。

「急にネガティブ思考に走るからセックスの気分じゃまるでなくなったでしょうが!
ちょっと「うわ怖っ」されたくらいでウジウジと……ヤるならしっかり襲うか、安心して優しく抱くかじゃないと勃つものは勃たないし、イクものもイけませんよ!
この、ド下手くそ!!!」


ハアハアと一気に失礼な事を捲し立てたが故に声を荒げている。洗脳が効いてないのか?そんな事はない。でも貴方は『大人しくしろ』とは言わなかった。

つまり『このエアハートが思いつく良い子』を実践しているのだ。怖がらないでくれ、と言ったのも半端にブーストとなったのかもしれない。 ▽
(-201) poru 2021/12/17(Fri) 17:43:35

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……"俺"より"私"の方が拘りもないのでアレですけどね。普通に考えて自分の血を吸われてウットリする相棒を初めて見て、大喜びする人はいると思います?いませんよね?普通は驚くでしょう?貴族の問題のせいで貴方、結論を性急に求めすぎなんですよ。

はー……何で私がこんな説明しないと何ですかね?もう貴方にその洗脳やら上書きやらで消されようとしてるのに。居場所がないのは私の方ですよ全く」

仮にも情事を始めようとしていた最中なのだが、半目のジト目になってペラペラと捲し立てる。それも、貴方が飲み込める人間だと理解しているからこの速度で述べている。

ハア、と溜息の後、男は肩口に爪を立てて自分で皮膚を破く。「ほら、」と、
新鮮な鮮血
が玉になり、徐々に流れ落ちて行くのを横目で見ている。

「私は"良い子"なので教えてあげますよ。優しくしても効果が薄いです。まあ愛の力とかは知らないですが、その場合は"俺"の方と、貴方が今抱えてる血の衝動の不安を話すべきですね。すれ違いまくりですけど。でも、無理でしょ?」

「──じゃあ、酔いきっちゃえば良いんですよ」


「貴方が本能のまま貪った後、それ自体が離れる人間だと思うなら……もうそんな人間の洗脳だって解く必要、ないでしょう?貴方を助けないし信じてくれないし何もくれない上に立ち去る。そんな奴いらないじゃないですか」

なら私を私として残していてくれてもいいですよね?そうしましょう?煽り囃し立てるようにそう言って。そして、この人格は貴方への恐れが見て取れない。少なくとも行為に没頭は出来るだろうし、貴方を犯したくらいだ。何も恐れない。

血は幾らでも流れ続ける。何を選ぶのも、貴方の自由だ。
(-204) poru 2021/12/17(Fri) 17:51:45

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


「………うるっさ…」

がつん、額に走る衝撃と遅れて感じる痛みにやや呻いた後。
うるさいのはお前じゃん、みたいな顔をした。
確かに大人しくしてろとは言わなかったけどさ、
良い子にしてるって何だっけね。認識の相違を感じます。

「……あのさ〜
 "くらい"じゃないんだよ俺にとってはさぁ…
 お前には革命軍があっても俺にはお前しか居ないわけで、
 お前に否定されたら何もかもそこで終わりなの。わかる?」

なら我慢しろという話になりそうなものの、それは棚上げ。
だって餌付けしたのはお前じゃん。
たとえ反論されてももはやそう開き直るつもりしか無い。
血を与えた貴方と怯えを見せた貴方は異なるのだろうけど。

事ここに及んでは流石に見当も付いてきた。
今は異なる二つが揺らぎ鬩ぎ合っているから非常にやりづらい。
そしてそれらは必ずしも二つに一つなのだろうか。
決して共存し得ないものなのだろうか。
本当に?
(-219) unforg00 2021/12/17(Fri) 21:42:27

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


いいや、曲がりなりにも同じ人間から出づるものなら。

何も消えやしないだろう。

 俺がお前に望むのは俺以外のものに囚われない事だけ。
 今はあんたの存在を否定してるわけじゃないし、それに
 たとえそれで"あんた"が消えたとしても。

 あんたがあんただった事が消えて無くなるわけじゃない。
 あんたがこの街で過ごした時間が嘘になるわけじゃない。
 今となってはあんたという存在も、
 確かに"エアハート"という人間の一部だろう。

 仮にそれが"お前"にとってどんなに忌むべきものであっても。
 たとえこの血を抹消しても、この生まれだったからこそ
 俺がお前と出会えた事実が変わらないように。」

貴方の肩口に頬を擦り寄せ、掠れた声が静かに言い聞かす。

「あと、俺は別に同じ事をされてもああまでは怖気付かない。
 お前になら何をされても構わないし、
 "エアハート"が俺に危害を加える事は無いと知っている。
 まあ"あんた"がどうかはどうにも測りかねる節があるが…」

これは単に人格的に、というよりは命令の強度に懸念点がある。

結局の所。
殆ど強姦じみて手酷く抱かれても口答えをするだけで、
拘束の上とはいえ抵抗らしい抵抗はしなかったのがこの男だ。
何かこう、変なのかもしれない。情緒とか感性が。
(-220) unforg00 2021/12/17(Fri) 21:44:09

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


もう一度、与えられた血を種の本能のままに啜って。
貴方の肩、或いは首を単なる甘噛みとして柔く一噛みした後。

「…『お望み通りに』«What You Will»。
 元はと言えばそっちが煽ったんだ。
 泣いて懇願してもいいが、俺に聞き入れてやる義理は無い。

 たとえ"お前"が怖がっても、その時は
 いっそ恐怖心も何もわからなくなるまで。
 目一杯溺れさせてやればいいわけだ」

「そうだろう、ハーディ?」

貴方を見下ろす笑みは捕食者のもの。

すっかり中断されていた愛撫が再開される。
再度下腹部へ伸びた指は前を通り過ぎて後孔へ。
手付きは依然甘ったるいほどに優しいまま、
けれど快楽を逃がす事は許さない。
気が済むまで執拗に、勝手知ったる貴方の身体を暴き立てる。
(-221) unforg00 2021/12/17(Fri) 21:47:04

【独】 残影の フランドル

/*
スーッ(エアハート吸引)
(-222) unforg00 2021/12/17(Fri) 21:52:38

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「わかりませんね。否定されてもあの程度言いくるめるなり身体で懐柔なりすればいい。そんなに大切ならね?

そもあれやってる最中に「嫌っ」って言ったら本気に取って心配されたノリですよ。だから下手くそって言ったんです」

この思考だ。だからのちに貴方が出した結論には大層満足そうな、少し腹立たしい笑顔を見せる事だろう。

「確かに半年間、この身体で生きていたのは"私"です。勿論、完全に別ではない同じエアハートですから、貴方の言う通りなのでしょう。

それでも、私に取っては役目の終わりは死と変わりません。私の生きた半年も、気付けばみんな"貴方と20数年生きたエアハートだった"に塗り代わる──そう言う感覚になるのでしょう。ああ、覚えているとかいいですから。気休めは結構です。最初からこうなる定めと理解してあり続けていました。

だから、先ほど貴方に消されると恨み言は吐きましたが、本当はそれでいいんですよ。それが、カエルの王子様がキスをされて人に戻るように、当たり前の本来のあるがままの結末です」

言い終えて、頬をすり寄せてくる貴方の頭を穏やかに撫でる。革命軍のために作られた、ベースは本来のまま「静」を付与し倫理観を一部破壊された人格。

けれど、感情がないわけではないのだから、こうして撫でる姿が何処か憧憬と、何かに焦がれる微笑みが生まれるのだって、おかしくはないのだ。 ▽
(-229) poru 2021/12/17(Fri) 23:57:32

【秘】 残影の フランドル → 羽無し妖精 アイシャ

 
「──白羽の矢が立つ、か。
 いいや、違うな。
それは君達を指すものだ。

 不特定多数の中から選ばれた罪なき犠牲者を指すものだ。
 つまり、この"蝙蝠"が裁かれる事を指すには不適切だ。」

ゆっくりと、椅子へと着いた貴方と向き合って。
役者騙りは、淀みなくただ事実を告げる。
この街の裏で動く者達を、たとえ貴方が知らずとも。
貴方達と違い、尋問を受けるに足る理由がある事は明らかだ。

「何れはこの騒ぎも沈静化するだろう。けれどそれも一時の事。
 きっとまた、同じ事が繰り返される事になる。
 政府にとって都合の悪いものが全て根絶されるか、
 或いは、革命が成るまで。」

「君が、君達が傷付いて欲しくないと願うものを巻き込んで。
 この街«ヨルムガルド»が黄昏に潰えるまで、幾度でも。
 …そうだとしたら、君はどうする?」

なんて、これもきっと意地悪な問い掛けだ。

この街は、この世界は、一朝一夕に変わりはしない。
誰にだって、全てを劇的に変えてしまえはしない。
一人の人が変える事ができるのは、せいぜい手の届く範囲だけ。

役者騙りの内通者、よそ者の"卑怯な蝙蝠"は知っている。
きっとこの街の誰しもが、
自分の手の届く限りを変えようと藻掻いているという事を。
(-230) unforg00 2021/12/18(Sat) 0:00:44

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「っふぁ、…は、は。
そう、捕食者になっちゃ、んっ、 開き直っ、てっ、ぅあ」

撒き餌のように傷つけた肌に噛み付かれるだけで背筋に甘い痺れが走る。痛いはずなのに気持ちいい、きもちいいのは、役目も使命も少しだけ忘れられて、好きだった。だからこの男はするのも、されるのも、積極的であり続けた。

「ぁ、あ、あ、でもこれ、勝 て、に反応、ぅあ」

指を入れられた時にお返しに耳朶に甘噛みを返して、舌をざりざり耳の中を犯したりしていたが、元々触れ合っていた相手となるとこんなになのか、或いはこれがフランドルに向ける感情によるものか、わからない。

わからなくても、執拗な責め立てに、生理的な涙と同じ様にあらゆる場所は容易に喜びのように滴を溢れさせる。まだ指しか入れてないと言うのに、時折耐えられないとばかりに身じろぎをして、貴方の首筋に無理やりぐりぐりと快楽を少しでも分散させる様に顔を押し付けた。慣らす必要もない程ぐずぐずに溶けるのも、あっという間だった。
(-231) poru 2021/12/18(Sat) 0:01:54

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

耳朶に掛かる吐息に、這わされる舌の、その濡れた感触に。
ぞくりと背筋を震わせ、それでも指が動きを止める事は無い。
貴方が甘えるように首筋に顔を埋めれば、
きっと"役者騙り"らしく上品な香水の匂いがしただろう。

そうして貴方を暫く苛んだ後、指はずるりと引き抜かれて。
ベルトだの何だの金具の立てる僅かな音、
取り払われたものがベッド脇へと追い遣られた気配の後。

「カエルのままの王子を愛するのも自由だろう」

低く囁いて、勃ち上がった自身を貴方の後孔に宛てがって。
そのままずぶずぶと熱く蕩けた胎内に押し入った。

「んん、……俺としては、一つでも
 愛せる"エアハート"が減るのは…いや、そもそも役目とか
 俺が必要としてるからじゃだめなのか?だめか…?」

ある程度分け入れば熱い息を漏らし、一度動きを止めて。
切れ切れに零すのはムードもへったくれもない思考のだだ流し。

「だめか?」

ちょっと揺すった。

つまるところ。
貴方も"エアハート"の一部であるならば捨てる気は無いし。
仮に役目の終わりが凡そ死と同義であるのなら、
自分がある意味貴方にそうしているように、貴方も自分に存在意義を依存すればいい。
強欲で傲慢で暴論もいい所、そんな思考だ。
(-248) unforg00 2021/12/18(Sat) 3:36:24

【独】 残影の フランドル

/*
文章の温度差が変。変よ。
どうしてこうなるんやろうなあ(他人事)
(-249) unforg00 2021/12/18(Sat) 3:43:16

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

「……ふ、…"気取ってる"って、言いたくなる…のと同時に、
 ……ああ、私の知ってる貴方だ。とも、思うんですよね」

貴方と20年も居たエアハートは、こんな"役者騙り"の香りに「自分達みたいなのが」とおかしそうに笑っただろう。けれど、今こうして匂いを嗅ぐ自分は、前に抱いた時もこの匂いをしっていたから、「フランドルだ」と思う。記憶はあっても、香りは実際に体験する方が"残る"から。

「自由ではあり、っ、ん…は、ぁ……」

"それに応えられるかは別だ"、と言う前に、後孔から下腹部にいとも簡単に迫り上がる圧迫感。けれど慣れ親しみ慣らされきった体は、その押し入る熱の熱さと苦しささえも歓喜とばかりに中は受け入れ、そして締まる。

ただ享受するだけでなく、無意識レベルで相手も悦ばせようと自然に貴方自身にねだるように、甘え甘やかすかの様に、何度もぎゅうと繰り返す。

「……ぇ……?消すんじゃ、ない、?……ははッ…既に、
 元の苦楽を共にした、一人がいる、のに、我儘……
 …あ、ずる──わ、わからな、いッ、」

わからない。今でも革命軍の為にと言う思考は当然の様に残っていて、でも、あなたの目を見る度に、絶対の生き甲斐だったものが、緩やかな意志になるように、今の体と同じ様に、何か解きほぐされている感覚を覚える。「だめ」かなんて、聞かないで欲しい。自分は選ぶ権利はない側なのだ。残りたくて残れるかも、全部、貴方の瞳と── ▽
(-287) poru 2021/12/18(Sat) 17:02:50

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「ぅあ!?あ、あ……くっ……」

止まっていて考えに思いを馳せていたのに、その軽い揺すりと律動だけでどんな小さな快感でも拾い上げてこようとするこの体のせいで、視界が白の世界に飛びかかる。思わず相手にしがみつく手の力を強めた。

「…いま、ち、ちょっと敏感す、ぎ、から……
 ……ま、あ、待ッ、あ、ああっ」

洗脳で感情を全てを入力された訳ではないと言うことは、"君にもう一度、惹かれて、本物のエアハートと少しだけ違うからこそ恋をした"。

そんな、キミも、誰も知らない──愛される資格を自分から捨てた刹那の人格は、自分から手を伸ばせず、誰も知らずに、いつか終われば良いと思っていた。求められるなんて思ってなかったし、自分でも変えられない。だから、

「……欲しいなら、…この身体を全部、貴方が満たして、
 貴方のものにすればいい。……できるなら、ですけど」

最後の言葉は、煽る様に言いたかったのに、敏感な所を擦り上げられて声が裏返りかけた気がした。こんな時まで格好がつかないが、でも、そんなものだ。

元々、身体をモノにされて弱らされ切った所に洗脳をかけられ生まれた、そんな自分なんかを望む物好きがいるなら、"奪ってくれ"。それが、望まれることを欠片を考えてなかった男の、絞り出す様に呟いた答え。
(-288) poru 2021/12/18(Sat) 17:08:34

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


たとえ応えが無くとも構わない。
何せ貴方を追い続け、手を伸ばし続けるのは得意なのだから。
貴方の陰は、貴方の剣は、今までそのようにして生きてきた。

「っ、…そもそも、さあ
 あの時折れるなって言ったの、そっちじゃないのか。
 俺を認めたのは、お前"も"じゃないのか。」

そして、剣を預けた時の事。
貴方の剣として在り続ける事を許された時の事を覚えている。

「俺はお前に消えて欲しくないし、逃してやる気も無い。
 だって言い逃げなんて卑怯だろう」

だから今もこうして手を伸ばして、欲しがって。
我儘であろうと関係無い。その分望むものは唯一つなのだから。
それくらいの我儘は、許されたっていいだろう。

「ハーディ、…エアハート、かわいい俺のかたえ。
 
ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。

 俺はどうにもお前が他人の為に在るのは我慢ならないらしい。
 お前でも俺でもない、他人の為のお前で在るくらいなら。
 俺がお前の為にあるように、お前も俺の為にあってくれよ…」

或いは命令を、或いは請願を、重ねるように。
掠れた声が切なく甘く蕩けるように囁いて、あとは望むまま。
縋るように収縮する粘膜を割り開いて、好い所を責め立てて。
時折首筋や肩を柔く喰んで、傷口に再び舌を這わせて。
欲のままに貴方を貪り、そして求められるだけ与え続けた。
(-309) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:37:45

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


──じゃあ、こうしよう。

暫定的に、元あったお前をハーディ、
後から生じたお前をエディと区別する事にしよう。
そうする事で二つは一度明確に個として分かたれ、
混ざり合い混濁する事はある程度抑制されると考えられる。

次。
お前はハーディであり、エディであり、エアハートである。
こうする事で恐らく二つは矛盾せず共存する事ができる。
共存の形が統合か併存かは…まあ、お前次第ではある、が。
併存であった方が、望ましくはあるだろうな。

それから。役目が無ければ存在意義も無いと言うのであれば
お前を望んだ俺の為に在る事を役目とすればいい。後は…

…ちゃんと聞いておいてくれよ。
お前が聞いて、頭で理解して、意識しないと意味が無い。
無理矢理書き加えられた矛盾と破綻だらけの命令を整理して、
改めて整合性の取れた命令として上書きし直せば。
理論上は、どちらの"エアハート"も維持する事ができるはずだ。

──実に貪欲な情事を終えた後。そんな、いつかの会話。

…………
(-311) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:50:20
フランドルは、… 
(c69) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:53:04

フランドルは、それでも、どうしても受け入れ難くて、結局、
(c70) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:54:01

フランドルは、一人になってから、全て吐き戻してしまった。
(c71) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:54:11

フランドルは、どうあるべきかわからない。
(c72) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:54:20

残影の フランドルは、メモを貼った。
(c73) unforg00 2021/12/18(Sat) 19:55:37

【独】 残影の フランドル


喉奥に指を突っ込んで、
反射的に、本能的に、迫り上がったものを、そのまま。

「ぅ"、………」

そうし続けて、すっかり胃の中が空になった頃。
顔を上げて、吐き戻したものから視線を背けた。
鼻の奥が、つんとする。

一度冷静になれば、待ち受けているものは自己嫌悪ばかり。
普通は受け入れられないなんてわかっていたのに。
この忌むべき血筋が齎す全てのものも、
それに抗う事のできない自分も、嫌で仕方ない。

そして、それによって見限られる事が、何よりも。
(-321) unforg00 2021/12/18(Sat) 20:32:53

【独】 残影の フランドル

 
──ちょっと怖がられたくらいで。

「も、嫌だッ!! い、」


くらい、であるものか。
本気に取るに決まっている。
自分でさえ受け入れ難いものを、反射とはいえ拒絶されれば。

"フランドル"に存在意義を与えられるのは、"エアハート"だけ。
貴方に拒まれるという事は、そういう事だ。
目の眩むような絶望とは、そういうものだ。

自分に非があるとはいえ、怯えもするわけで。
(-323) unforg00 2021/12/18(Sat) 20:36:29

【墓】 残影の フランドル

 
「…………」

役者騙りの騎士は、誰かと二人連れ立って。
暫くの間、何処かへ姿を消した後。
夜には酒場へ戻って来て、適当な席で茫としていた。

何処かへ消えていた武器は二つ、再び在るべき場所へ。

がり、ごり。
甘いものは、好きな方であるはずなのに。
乳白色の飴に歯を立てても、今は何も満たされない。
(+32) unforg00 2021/12/18(Sat) 20:59:23
 




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