「ンッフフフ……いや前世に生まれ変わりなあ。
　夢があっていい話じゃんね？
　見計らったように同じ日に出てくるのはびっくりだけど？」

「しっかし棗ちゃんの歳上好きの真相はそういう事かあ。
　なるほどね〜？」

「なんつーかさあ。
　周りが深刻そうな顔するから余計気まずくなるんじゃん？
　そういう事もあるんだな〜程度がよくない？こういうのって」

無神経な奴の物言いは今日も無無無無無神経だ。
言う事は間違っちゃいないのかもしれないけど、
決して万人がその限りじゃない。

「そりゃ本人が打ち明けていいと思った相手にだけ
　好きな時に打ち明けるのが一番だろうけど？
　自分じゃ決められない踏み出せない奴も居るだろうし？」

へらへら笑ってまあいいや、なんて雑に話を切り上げた。
明日には自分の秘密が暴露される運命にあるのだけど、
そんな事は今はまだ知る由もない。

「」

話を切り上げた瞬間これだった。

「いひ、いっひひひひ……！！
　はー……そんなことある？
　ふは、やばいぶり返してきた、俺今日笑い死ぬかも」

「人の心ってつくづく高難度コンテンツだね」

なんともお気楽な感想だ。
その場を後にする先輩方の背を見て思うのは、
なんとも生きづらそうだなあという事くらい。

「あ〜俺さあ、あんま魚の見分け付かないんだよね。
　わりとわかんなくない？
　赤いのと……白いのと……それ以外しかわからない」

ので、関心はすぐに夕食の魚に移った。
何もわからないねこの人。

「美味しい魚、美味しい〜」

感想に知性が感じられない。