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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


 
───ハズレ。

聞き飽きた空砲の音。

そうして死にたがりは、その日も死に損なった。

【見】 郵便切手 フラン

【街中】

「………今日も賑やかだなぁ。」

屋台が立ち並ぶ方向へ独り言。
祭りは変わらず賑わいを見せている。
余所見をしたのも数秒ばかりのことで、
帽子を深く被り直してから、石畳の上を道順通りに歩いていく。
三日月島で交わされる言葉の数が減ったことになんて、直ぐには気づかない。
或いはずっと。
誰かが帰ってきたことにも。
凶弾が、その日も誰かの命を奪い損ねたことにすら。
きっと気づかないのだろう。

「こちらへお受け取りのサインをお願いします」

配達員の日々は大体殆ど通りだ。
(@0) 2022/08/20(Sat) 21:08:13

死んだのが自分ではないのなら。

誰が死んだとしても、言う事は変わらない。



「Sentite condoglianze」

Rrr...Rrr...Rrr...

電話が鳴る

Rrr...Rrr...Rrr...

電話が鳴る

Rrr...Rrr...pi

電話が……

「……はい」

「……はい……はい。
 そうですか、次は……」

目を瞑る。
深呼吸を一つ。
もう一度深く息を吸う。

「お断りします」

電話口から聞こえる間の抜けた声は脅し文句に。

「えぇ。お好きになさってください。
 それで私が裏切りものとして処分されるのでしたら、
 それは相応の報いかと。

 ですが、あなた方も無事に帰れると思わないでくださいね?
 私が調べたのは、調べていたのは
 こちらの事だけではありませんから。
 ねぇ、――さん?」

相手の本名を告げると、暫しの沈黙。
そして、怒声。

「祭りもまもなく終わりですが、
 お帰りの便は予約済みですか?

 ――まぁ、今から取れる訳はないのですけれどね?
 それでは、ご機嫌よう」

ぷつり、電話を切る。

為すべき事をしましょう。
その上で、私が終わるというのなら、それはそれ。

さぁ、最後のゲームの始まりです。
カードを配りましょう?スペードのカードを。

フランは、妹は2年前に亡くなっている。
(t0) 2022/08/21(Sun) 2:28:00

【見】 郵便切手 フラン

【街中】

「こちらにお受け取りのサインをお願いします。
 ……ええ、はい。
 祭りもそろそろ終わりですね」

届け先でサインを受け取りながら、
祭りの賑わいを指摘する話に頷いた。
開催初日に比べれば喧騒も落ち着いてきた。
時折、届かずに持ち帰られる荷物が増えたような気がする。
気がするだけ、だが。

「良い一日を」

別れを簡素に告げて来た道を戻る。
街の裏側で流れた血が段々と表側に滲み出してきている気配を感じながらも、今日も時間は過ぎていった。
(@1) 2022/08/21(Sun) 17:47:04

【見】 郵便切手 フラン

【バー:アマラント】

「お届けもの、です」

祭りの間、もう開くことはないのだろうと悟った扉の前。
一輪、花を添えた。
誰に見つかることなく枯れて朽ちる確率の方が高い。
それで丁度いいと思った。
密やかに過ぎるくらいが丁度いい。

「……サインは要りません」

正式な届け物でもないし、
受け取る人もいないから。

「よい夢を。」

帽子を僅かに持ち上げて、良き夢が訪れていることを祈る。
その後は暫く看板を見つめたままぼうっとして。
それから踵を返して立ち去った。
(@2) 2022/08/23(Tue) 11:30:38