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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


サルヴァトーレ! 今日がお前の命日だ!

アベラルド! いざや恩讐の碧落に絶えよ!


「…………」

「Sentite condoglianze」

幻聴は鳴り止まない。
増えたそれが誰のものであったとしても、
死者に向ける言葉は、それだけだ。

Rrr...Rrr...Rrr...

電話の呼び出し音が鳴る。

Rrr...Rrr...Rrr...

鳴り続ける。

Rrr...Rrr...Rrr...

持ち主が取ることは、ない。

【人】 狡兎 ツィオ

【ラウラを待つ待ち合わせ場所】

どこか慣れない様子で不味そうに煙草を吸いながら、
自分を呼びだした相手を待つ。
女性との待ち合わせで、
予定の時間より、先に着くのは鉄則だ。
ましてや相手がラウラとあっては、
想定していた倍の時間、先に着いている必要がある。

自分は、誰かを待つのが嫌いではない。
その時間だけは間違いなく相手のことだけを考えているから。
その時間は、余計なことを考えなくていいから。

ただそれは。
待ち人が、必ず来る場合に限る話だが。
薄く笑って紫煙を吐き出す。

(――女性と待ち合わせをして、
 心が躍らないのは久しぶりだ)
(19) 2022/08/18(Thu) 19:03:43

【人】 狡兎 ツィオ

【待ち合わせ場所】 >>26 ラウラ

襟元を正し、貴方を見る。

「今来たとこだよ。
 そりゃね、美人に誘われたらいつだってはせ参じるし、
 気分だって高揚して余計なことまで言うもんさ」

嘘と分かる嘘を吐いて言う。
煙草を慣れない手つきで地面に落とし、
踏み消してゴミ箱に入れた。

「いいよ。
 俺も丁度、話したいと思ってたとこだったから。
 こんな偶然ってあるんだね、俺たちもう付き合っちゃおうか。
 なんて、分かってるよ、もう少し楽しい話をしようか。
 何かを、聞かせてくれるみたいだし」

言えば、エスコートのように道の先を促す。

行先は、【どこかのバー】だ。
薄暗く、人払いもできるそこなら。
誰にも聞かれないし。誰にも見られない。
何を話しても、何をしたところで
――それを見咎めるやつすらいないから。
(28) 2022/08/19(Fri) 1:39:30

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】>>34 ラウラ

自然にラウラより入り口側の隣に座り、
メニューも見ずに、答える。

「そうだな……。
 とりあえず一杯目はカーディナルsakeを貰おうかな」

これは。
マウロが唯一嫌いだった酒だ。
それをラウラが知っているかは知らないが、
今はこれを飲んでやりたい気分だった。
あいつが嫌がることをするのが、
俺は小さいころから大好きだったので。

やがて酒が届くと、
それらは俺たちの口を薄く開いてくれる。
酒の力に頼る男にはなりたくないが、
酒の力も利用できない男にもなりたくない。

「……"あれ"から。
 酒を呑むのは、俺もこれが初めてだな」
(40) 2022/08/19(Fri) 21:35:02
ツィオは、居なくなった誰かが一番嫌いだった"赤"を、手の中で回した。
(a35) 2022/08/19(Fri) 21:39:45

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】>>42 ラウラ

その誰かが嫌いな"赤"に口づけをした。
口の中だけが甘い。最悪の気分になり、小さく笑った。
再び、その"赤"を通して何かを見ながら答える。

「……男がさ、守れない約束をするなって、思うよ。
 軽く引っかいていった猫の傷だって、
 治りが遅いときがあるくらいなのにな」

ラウラの言葉に。
自分が彼女に投げた
"二つの質問"
を思い出す。
その言葉は今や別の意味を持ってしまっているだろう。
その、俺がマウロとラウラに掛けた呪いは――
皮肉にも永遠となってしまっている。

だが、その言葉に、
"質問"
を投げた者として聞き届ける責任くらいは感じた。
ひさびさに感じる、罪悪のような感情に、心中で嗤いが零れた。
……今更、まともな人間みたいなツラするなよ。ヴィツィオ。
おくびにも出さず、ラウラに向かって尋ねた。

「――答えは出たかな」
(43) 2022/08/20(Sat) 0:23:47

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】 ラウラ >>46
なるほど。色づいたのは彼女の瞳で、
その瞳の中には――自分が映っていると。
恐怖と喪失に後押しされて、足元がふらつけば、
よりどころを求めるのも道理だ、ましてや――

『――もし、こんな世界から二人で逃げちゃおうか、
 なんて言われたら、どうする?』

そんな
選択肢を植え付けられた人間なら、なおさらだ。

「――それが、キミの答えか、ラウラちゃん」

見つめられる目を身体を捻って正面から受け止めて
翡翠の両目を相手に向けた。

「――俺の両目にはさ、魔法が掛かってるんだ。
 深く覗き込むと嫌なことを全て忘れられる。
 結構界隈では有名な話で、さ。
 そうして嫌なことを忘れた女の子は多いんだ」
(48) 2022/08/20(Sat) 14:45:39

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】 ラウラ >>46>>48
「――そうして。
 全部忘れて、逃げちゃいたいなら。そうしよっか。
 抗争も。ファミリーも。同胞も。仲間も。
 死んだ者も。生きてる者も。過去も。未来も。
 全部投げ出して、ここに置いていって。
 何もかも忘れて。その先なんて知らない振りしてさ。

 誰が誰を裏切ったかも。誰が誰に情報を流したかも。
 誰のせいで誰が死んだかも。誰が良くて誰が悪いだの。
 
 全部ない。そんな相手だけを見つめていられる場所に。
 嫌なことを、何も思い出さないでいい場所に」

手を差し出す。
目の奥を覗き込めば、きっとその些細な願いは叶う。
   ・・・・・
「――死んだ人間なんて、関係なく。
 幸せになりたいって、言ってごらん、ラウラ」

蛇は。果実を差し出した。
(49) 2022/08/20(Sat) 14:47:04

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】>>50 >>51 ラウラ

頬に触れられる。笑顔のまま、それを受け入れる。
その掌に、自分の掌を重ねて、頬を寄せた。

「……そう」

饒舌な男が。
寡黙に相槌を打った。
と、同時に――後ろ手に振れていた"果実"から――。
気付かれないように、指を離した。

「分かった。
 今のキミが望むものがそれなら。
 俺としてはそれが聞けただけで十分幸せだよ」

自分は、誰かから奪ってやることはできる。
ただし、逆を返せば奪ってやることしかできない。
唇だって、心だって、身体だって、思いだって、 だって。
望まれれば何でも、傷一つなく奪うことはできる。
(52) 2022/08/20(Sat) 16:38:20

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】>>50 >>51 ラウラ
ただそれが望まれないのならば、
それはけして奪われる必要のないことだ。

俺は元より――差し出す側の人間なんだから。
望まれれば、何だって差し出して来た。
時間も、情報も、他人の命も、己自身だって。

だからそんな"裏切り者"が。
この本物の笑みに与えられる何かは、
生憎、全部もうすでに名前も知らない"誰か"の手の中にある。
拾い集めるには、何もかもが遅すぎる。

「最高の報酬が貰えたから、
 ……十分だよ、ラウラちゃん。
 キミが望めないなら、俺が望んでおくよ。
 キミ自身の幸せを。だからキミも望んでてほしい」

頬に触れる指先に、唇をつけた。マウロの赤が染みる。

「――俺の幸せをね」

どうか、俺と同じように。無責任に。
(53) 2022/08/20(Sat) 16:39:18

【人】 狡兎 ツィオ

【どこかのバー】>>50 >>51 ラウラ
その強さは。いつかキミ自身を傷つけるだろう。
その弱さは、いつかキミ自身を傷つけるだろう。
だがその強さも弱さも、まとめて、
きっといつかそれが必要になる日が来る以上。
――どちらも捨てないでいるしかないんだ、俺たちは。

未練がましく。
喉からの喘ぎを、無様に手で抑えて堪えながら。
(54) 2022/08/20(Sat) 16:39:52
ツィオは、密約を交わした。
(a41) 2022/08/20(Sat) 16:40:11

ツィオは、静かに微笑んで。
(a43) 2022/08/20(Sat) 20:02:48

ツィオは、" "を重ねた。
(a44) 2022/08/20(Sat) 20:03:04