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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【人】 翠眼 ヴェルデ

【路地裏】

夜の帳がすっかりと空を覆うころ。
暗い路地裏の片隅で、少年は赤く濁った唾液を吐き捨てる。
どうやら、張り飛ばされた際に口の中を切ったらしい。
やや腫れた頰はじんと熱を帯びている。
ほのかに鉄臭い息をつく。
これぐらいは、よくあることだ。
(17) 2022/08/09(Tue) 2:55:01
 
「近頃は、随分と」

祭りに華やぐ街の喧騒。
時折紛れ込む雑音。
その音は鼓膜を揺らさない。

「幻聴がひどいな」

在り得ざる残響は真実のものではない。
否定的な言葉も、肯定的な言葉も、何れも幻聴でしかない。
そうでなければならない。

「だが、あんたの声だけは聞こえない」

「もしも漸く全てが正しくなり始めたなら……」

酒、異性、熱狂。



少々口を滑らせるくらいなら薬に頼らなくていい。
このどれか、もしくは全部を浴びせれば良い。

そうして得たものを流すだけでちょっとした小遣いになる。
大変有難い事に。

罪悪感が全くないわけではない、が。



ただし、



バレる訳にはいかない。決して。
万に一つでもこの小遣い稼ぎがバレた。

その時は――

【街中】

祭りの影響か、どこもかしこも賑やかな喧騒に溢れている。
さざめき行き交う人波を眺める少年は、どこか所在なさげに息をつく。
スニーカーのつま先が、トンと石畳を蹴った。

口元の笑顔は標準装備。余裕ありげな表情に大きな身体、仕立てのいいスリーピーススーツ、磨かれてぴかぴかと光を照り返す革靴。羽織った外套を風に踊らせ、肩で風を切って歩く男は、まあそれなりに目立つ方。

君はため息をついて、足元に目を向けたのだろうか。

「君、一人?」
「子どもが一人で​────迷子かい。どう、良ければ僕が保護者に」

俯いていたならぴかぴかの革靴が、顔を上げていたなら柔和な笑顔が、その目に映ったことだろう。

【人】 翠眼 ヴェルデ

【路地裏】

浮かれた喧騒を避けるようにして、少年は路地裏へと入る。
建物同士の隙間は、昼間であってもすこし、薄暗い。
壁に背を預け、ひとつ息をつく。
ふと、なにかの気配に視線を落とせば、足元に黒い野良猫が一匹。

「……悪いな、何も持ってなくて」

膝を折り、しばらくの間、猫と戯れている。
(62) 2022/08/10(Wed) 18:09:31

【人】 翠眼 ヴェルデ

>>83 マキアート【街中】
ゴールデンレトリバーのぬいぐるみを前にはしゃぐあなたの背後で、かすかに笑声が落ちる。
振り返るなら、そこには小柄な金髪の少年が立っているだろう。
なんだか微笑ましくってこぼれた声が本人に届いてしまったと気が付けば、少年はすこしばつの悪そうな顔をして。

「……ああ、えっと、ゴメンナサイ。
お兄さんがあんまり楽しそうだったから」

と、謝罪と言い訳を口にしたはずだ。
(86) 2022/08/11(Thu) 13:09:37

【人】 翠眼 ヴェルデ

>>88 マキアート
どうやら気を悪くさせることはなかったらしい。
あなたが眺めていなければ、少年だって屋台へ目を向けなかったろうし、注目を集めたことには違いない。

「そりゃ随分気前のいいことで」

けれどその言葉を本気にした風はなく。
それでも、すらりとした長身と大きな——相対的にあまり大きくは見えないが、近くで見るとやはりまあまあ大きい——ぬいぐるみの取り合わせには、じっと視線を向けた。
あなたのことは随分と見上げる形になる。

「イヌ、好きなんだね」
「おれはあんまりイヌの種類に詳しくないんだけど、それは何てイヌ?」

とは言え、物怖じする様子もない。
感情表現の豊かな子供ではないようで、辛うじて笑っているのだろうとわかるぐらいに口角を上げ、あなたへ問う。
(94) 2022/08/11(Thu) 19:26:47