大丈夫ですか〜。
[やばいなって自覚はあった。
けど久しぶりの深酔いがふわふわして
思いの外気持ち良かったから自制せずに飲んで、
用を足せばちょっとは酒が抜けるかとトイレに向かった。
そこでちょっと洒落にならない声が聞こえたので
誰だか判別出来ない後ろ姿に声をかける。
返事の代わりにまた嗚咽が聞こえたものだから
さすがに本気で心配になって背を擦ったら
振り返った顔がまさかの見知った顔だったわけだ。
相手がトイレに行っている事も覚えてないくらい
俺も大概に酔っぱらっていたわけで
やばいって思ったのは間違いじゃなかったらしい。]
ほんとに大丈夫ですか?
[心配はもちろんしている。
けど苦しさから薄っすら滲んだ涙で潤む目が
妙に艶っぽくて目が離せなくなっていて、
吐くの手伝いましょうか、なんて口実を口にして
しゃがみ込む相手に覆い被さるように身体を寄せた。]