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人狼物語 三日月国


141 【誰歓RP】bAroQueチップで遊ぶ村【花見】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 豊里

 
薄墨神社付近


[昨夜は疲れを見せていたものの、
 一晩ぐっすりと休めば体調は万全。

 旅籠で朝食を済ませ、
 早速ゴンドラに乗って薄墨神社の方へやってきた。]


 (今日も良い天気だ。まずは出店を見て回って……。
  そうだ昨日薦めて貰った舞を見に行きたいな。>>0:42
  ご神木も姫櫻の神楽も見たい。楽しみがいっぱいだ!)


[人とぶつからないよう注意しつつも、
 きょろきょろと忙しなく辺りを見回す。
 
遠目に、桜並木が見える。

 
はらりはらりと落ちる花弁と、芳しい春の匂い。

 
参拝客や花見客の和やかに笑う声。

 自分は今一人だけれど、
 同じ物を見に来ている人達の中に入り込んでいると、
 そんなことも忘れてしまい、
 物寂しい気持ちなど欠片もなかった。]

 
(7) 2022/04/11(Mon) 20:51:21

【人】 豊里

 
 
  お祭って、其処に居るだけで
しいんだな。

         私は、そんな事さえ知らなかったよ。
 
 
(8) 2022/04/11(Mon) 20:55:46

【人】 豊里

 
[幼い頃から、機械に囲まれ生きてきた。
 豊里家の子は真希奈と、歳の離れた弟のみ。
 代々続ける家業を継ぐ子が必要だったけれど、
 子は授かりものだから、
 都合よく男子が生まれるとは限らない。

 真希奈が後を継ぐかもしれない。
 そう思って、父は真希奈に豊里家流の英才教育を施した。

 暫し時を遅くして男子が生まれたものの、
 真希奈は筋が良かったから、其の儘教育は継続した。
 勿論、弟にも同じく英才教育が施されたが。

 厳しく躾けられ、技術を知識を叩きこまれた。
 だから知らなかった。

           自分が無知と云っても過言でない程、
                世間知らずだったなんて。]

 
(9) 2022/04/11(Mon) 20:57:38

【人】 豊里

 
[良い物を作る事は、
しい事だと思っていた。
 でも本当は、必ずしも正しいとは限らない。


         良い物が必ずしも、
         
い事に使われるとは限らないのだから。]

 
(10) 2022/04/11(Mon) 20:59:38

【人】 豊里

 
[あちこち見ていると、太刀を振るう人形が見えた。>>1
 香具師の男の口上に合わせて、人形が動いている。
 当然の様に興味を引かれ、
 近寄ってじっくりと動きを観察した。
 
紙はどんどん小さくなっていき、紙吹雪が舞う。

 
ご丁寧に薄紅色の紙で、花びらの形になっている。

 
一通り芸を披露すると、最後に人形はお辞儀をした。



      子供たちが「わー、すごい!」と
      感激するのに交じって、
      真希奈も拍手喝采を送った。

      思わず商品を買いそうになったが、
      冷静に考えると別に必要ない事に気付き止める。



   他にもぶらぶらと屋台を見て回ると、
   瓶入りのラムネを売っているのを見つけたので、
   購入して一休みすることにした。
   近くにベンチがあったので、其処に腰掛ける。
   瓶を呷れば、シュワシュワと
*
*

 
(11) 2022/04/11(Mon) 21:04:58
豊里は、メモを貼った。
(a0) 2022/04/11(Mon) 21:09:55

【人】 豊里

 
[ラムネを飲みながら、人の往来をのんびりと眺めていた。
 親に連れられ、はしゃぐ子供たち。

 頻りに上を見て歩いているように見える、髪の長い御仁。>>19
 若しも彼が太刀を振る人形に気を引かれたと知れたなら、>>1
 好奇心旺盛な真希奈は、
 あれこれ質問して話に花を咲かせようとしたのだろうけれど、
 お互い何も知らぬ身。声を掛けるようなことはなかった。]

 
(29) 2022/04/12(Tue) 20:08:54

【人】 豊里

 
[飲み終わったラムネ瓶を店へと返し、
 引き続き出店を見て回っていると、射的を見つけた。
 景品へと目を向けると、掌に乗る大きさの小さな日本人形が。
 桜色の着物を纏い、優美に佇んでいる。]



  これを自分へのお土産にしよう。
  親父さん、一回やらせてくれないか。


[射的は得意なので、もうすっかり取れた気で云うと、
 コルク玉を五つと、銃を出してくれた。
 しっかり狙いを定めて、まずは一回目。
                  
……外してしまった。]



  まずいな。
  命中してもあれは一発では落ちない。


[見た目から算出した大体の重さを考えると、
 何度か当てなければ落ちないものだと思われた。

 仕方ない。
 本気を出すか……と、真希奈はゴーグルを外した。]
 
(30) 2022/04/12(Tue) 20:11:57

【人】 豊里

 
[真希奈の家は、代々銃を作る銃工の家系だった。
 幼い頃から工房で育ち、
 銃作りの技術や知識を叩きこまれて成長した。
 弟がいるけれど、家を継ぐのは真希奈かもしれない。
 名匠の器だなんて、持て囃されたこともあった。


       ある時、工房に一人の青年がやってきた。
       当時の真希奈よりも年若い、
       何処か少年らしさを残した青年は、
       真希奈の作った銃が暴発したせいで、
       兄が大怪我を負ってしまったと訴えた。

       後で調べた所によると、
       族を追っていた自警団の青年が、
       捕えようと揉み合ったことで
       銃が暴発して起きた事件で、
       銃を作った真希奈には一切過失はなかった。


    きっと、大事な兄が負傷して、
    いてもたってもいられなかったのだろう。
    逆恨みであることを薄々気づいていたけれど、
    その場にあった銃を真希奈の左目につきつけて、
    
「人非人」
と吐き捨てるように云ったのだ。]

 
(31) 2022/04/12(Tue) 20:15:06

【人】 豊里

 
[確かに私の過失ではなかったけれど。
 私は其れまで自分が作っているものが、


       
"何か"
考えることもしていなかったんだ……。]

 
(32) 2022/04/12(Tue) 20:16:33

【人】 豊里

 
[それ以来、すっかり心が折れてしまい。
 
銃を作る事が出来なくなった。

 父も流石にこんな危険な目に遭った以上仕方ないと、
 真希奈に仕事を強いることはしなかった。

 幼い頃から、機械に囲まれて生きてきた。
 其れ以外の色々を知らない真希奈は、
 結局作る物を変えただけで、作ることは止められなかった。
 憎しみを生まず、人に愛されるもの。
 自動人形が其れだと思い、人形作りに没頭した。


     真希奈のゴーグルには、防弾硝子が嵌められている。
     あの時の恐怖は殆ど薄れて消えているけれど、
     その間ずっとつけていたせいで、
     外すと落ち着かなくなってしまった。]

 
(33) 2022/04/12(Tue) 20:18:28

【人】 豊里

 
[何年かぶりに外でゴーグルを外したので、やはり眩しい。
 とは云え、ゴーグルをつけたままでは邪魔なので、
 暫し目を瞬いて光に目を慣らす。銃を構えた。

 集中して、連続で玉を当てた。
 動かない的相手なら、何度も実弾だが試し撃ちしてきた。
 最後の一発が見事頭に当たり、人形は棚から落ちる。]


  やった!旅の思い出が一つ形になった。


[ご機嫌で、人形を布に包んでトランクに入れた。
 隣の店で敷物が売っていたので、それも購入した。
 お昼に食べようと思い、塩焼きそばと苺大福も購入。

       昨日、職人街でお薦めされた舞を見ようと、
            聞いていた櫻の大木を目指した。**]

 
(34) 2022/04/12(Tue) 20:20:42

【人】 豊里

 
[話に聞いていた場所に向かってみると、
 人垣の先に大きな櫻。
 そして其の下で舞う狐面の男が見えた。>>13
 もう始まってしまっていたが、始まったばかりの様だった。
 人垣の頭と頭の間から、顔を覗かせて其の姿に見入った。


 音を鳴らすのは鈴のみで、お囃子などはないけれど。
 でもそれが却って神秘的に思えた。
 狩衣の袖がふわりと揺れて、扇が空を切る。
 桜の花びらは、舞い手に追従するように踊った。


                     
リン……


 最後に鈴が一つ鳴ると、舞は終わった。
 拍子をとっていた見物人の手が、拍手を送る。
 
真希奈は圧倒されつつも、手を叩いた。


 どのような歴史がある舞か、
 残念ながら真希奈は知らないけれど、
 お薦めして貰って、見ることが出来て良かったと思う。
 技術は新しいものに、どんどん上書きされてしまうけれど、
          美しさは決して色褪せない。
          ずっと大切にされていくものだから。**]

 
(37) 2022/04/12(Tue) 21:32:49

[ 否であるはずだ ]

 

[その鋭い牙は陸上の犬や獣などよりずっと容易く、
人の腕や足を食い千切るのだ。

九朗の目には、今も鮮やかにその光景が刻まれている。

大切な者が目の前で肉を食い千切られる瞬間を。
風に舞う桜よりも鮮やかに、宙へ散った赤の色を。
頬を濡らす生ぬるさも、自分を庇って覆いかぶさる体の重さも。

死の恐怖よりも、
喪うことの恐ろしさに震えたあの瞬間。]