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人狼物語 三日月国


57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み

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視点:


【人】 忘愛症候群 リク

 
[ この焦りよう、もしかして
 彼はカードを持っていなかった……?>>@0
 そのことに思い当たった私は
 必死に走り続ける彼の後頭部を見る。
 
 あの後拭う機会もなかったから血の着いた髪。
 彼は私を救うために、嘘をついて
 カードを渡した、ということなのだろうか。 ]
 
(15) 2021/02/08(Mon) 8:53:52

【人】 忘愛症候群 リク

 
 
 
[ 
─── どくん。
 ]
 
 
 
(16) 2021/02/08(Mon) 8:54:52

【人】 忘愛症候群 リク


[ 胸が、痛い。走っているからではなく
 込み上げてくるものがある。
 これは、もしかして。

 理解してしまいそうになるのを、
 ぐっ、と奥歯を噛めしめて前を向く。
 今それを知っちゃいけない。
 知ってしまったら、 
─── 忘れてしまう。
 ]
 
(17) 2021/02/08(Mon) 8:55:55

【人】 忘愛症候群 リク


[ 廊下に放送が響く>>@1
 その間も私たちは、カードを探してひたすら走る。
 私だけなら、「もういい」と。
 そうも言えるけれど、このままでは
 彼も帰ることが出来ない。

 地学室を探しているようなら
 私も扉に書いてある文字を見て探す。 ]


   わぷっ、


[ そうしていれば、放送のある部分で>>@2
 彼が急に立ち止まって、
 その背中に私がぶつかった。 ]
 
(18) 2021/02/08(Mon) 8:56:50

【人】 忘愛症候群 リク


[ 彼がチェーンソーを放り投げれば
 がしゃん、と低い音が響いた>>@3
 私は放送室に行くことになるんだな、と
 心構えをして、また走り出そうと息を整えて。 ]


   ─── ほぇっ!?


[ ひょいと持ち上げられれば背中に担がれた。
 あまりにびっくりして変な声が出る。
 すぐさま走り出す彼、意図を理解して
 しがみつくように腕を回す。

 ……その間も、先程より近づいた距離に
 胸はとくんとくんと高鳴って。 ]
 
(19) 2021/02/08(Mon) 8:57:07

【人】 忘愛症候群 リク


[ 嗚呼、いけない、これ以上は。
 彼の背中で揺さぶられながら思う。

 芽生えた小さな愛は、育ちきる前に
 摘まれてしまうもの。
 きっと私は、もうすぐこの人の事を忘れてしまう。

 ぎゅ、と抱きつくように力を込めて。
 タロットのことも忘れて、ただ
 今を、感じようとして。 ]

 
(20) 2021/02/08(Mon) 8:58:59

【人】 忘愛症候群 リク


[ 放送室につく>>@6
 そう、タロットカードを取りに来たのだ。
 私がしがみついている人と。
 ……もう、名前が思い出せない。
 ]


   はい!


[ 大丈夫だと答えるように返事をする。 
 本当は大丈夫じゃない、消えていくものに
 恐怖と悲しさを覚えて、声なんて涙声だ。

 それでも、最後だから。
 私はぎゅ、と彼に掴まって。

 繋がれる手を、こちらも握り返す>>@7
 タロットカードへと、手は伸ばされ。 ]
 
(21) 2021/02/08(Mon) 8:59:58

【人】 忘愛症候群 リク



   
─── さようなら。



[ そうして、私たちは。 ]*
 
(22) 2021/02/08(Mon) 9:00:11

【人】 忘愛症候群 リク

 
[ ぱちり、と瞬きをした。
 目の前にはこちらを焼くように輝く赤い夕日。
 それは、徐々に今日の出番は終わりだというように
 姿を隠していっていて。

 はて、なにがあったんだっけ。
 夕日を目に入れながら、
 直前の記憶を思い出そうとした。
 そう、私は、……変なところに行ってしまって。
 色んな人と出会って、そして。 ]
 

   帰って、きたんだ。


[ 感慨に、ぽつりと呟いた。
 風が二つに結った髪をさらう。
 ここは学校帰り、道から少し外れた橋の上。
 あの日、変な世界に行くまでにいた場所。 ]
 
(102) 2021/02/10(Wed) 15:27:42

【人】 忘愛症候群 リク


[ 周りを見渡せば、自分の荷物と
 ……他に、誰か。 夕凪さんは、いただろうか。

 カードは置いてきていたから、
 帰っていないことはないだろうけれど
 ほんのりとした心配は、残っている。 ]*
 
(103) 2021/02/10(Wed) 15:27:55

【人】 忘愛症候群 リク


[ それからの日常は平凡なものだった。
 あんなおかしなことがあったというのに
 世界は何も変わることはなく。
 
 たまにあの日出会った人を思い出しては
 元気にしているかな、と少しだけ
 思いを馳せることがあるくらい。

 だって、実際に会える人がいたとしても
 私は会おうとはしなかった。
 不思議なことがあったって、
 私の病が治っているわけがないと
 そう思っていたし。

 実際そうなのだろう。
 ぽっかり空いてしまった記憶を
 私は思い出すことはない。 

 
(104) 2021/02/10(Wed) 15:28:11

【人】 忘愛症候群 リク


[ そして、私は。
 家族、と言われる人達と車に乗っている時
 事故に遭う。

 車体はひしゃげて、中身はぐちゃぐちゃ。
 けれど、救助された時
 私だけが生き残っていた。 ]

 
(105) 2021/02/10(Wed) 15:28:27

【人】 忘愛症候群 リク



[ ───…… ベッドに寝転がって、
 ぼんやりと天井を見上げる。
 一度に失ったものが多すぎて
 実感がどうにもわかない。

 母、父、妹。 その顔を、その表情を
    ・・・・・
 私は、思い出せる。

 患った時と同じような衝撃を受けたからか、
 病はスイッチが切り替わったように治ったらしい。 ]
 
(106) 2021/02/10(Wed) 15:28:43

【人】 忘愛症候群 リク


[ 私が使うことになったタロットカードは
 『塔』 その効果は
 『近い将来、不慮の事故に見舞われ絶望する』

 私は気づいていなかったが、カードの効果が
 出たのだろう。

 逆位置の意味は『再生、解放』
 そのカードの効果も、また。 ]

 
(107) 2021/02/10(Wed) 15:29:01

【人】 忘愛症候群 リク


[ 天井を見つめていると、ほろり、と
 頬を涙が伝った。
 それは、止まることなく、ほろり、はらりと、
 量を増していく。

 嗚呼、世はなんてままならないのだろう。
 思い出したい時に思い出せず
 思い出したくない時に限って思い出すなんて!

 ベッドの上、手に力を込めて、シーツを握る。
 今なら、自ら命を絶つことだって
 できる気がしてしまう。 ]
 
(108) 2021/02/10(Wed) 15:29:23

【人】 忘愛症候群 リク


[ 近しい人が亡くなってしまったから
 今私の在所は宙ぶらりんらしい。

 本人が治ったと言ったって
 よくわからない病持ちだ。
 どこも引き取りたがらない。 

 望まれていないのだ、この命は。
 望んでくれる人達は、もう
 いなくなってしまった。 ]
 
(109) 2021/02/10(Wed) 15:29:40

【人】 忘愛症候群 リク


[ 今となって鮮明に思い出すのは
 あの不思議な空間でのことだ。
 優しい人達、人のためを思う人達。
 その中で、……自分のことより、相手のことだと
 動いて、そして走ってくれた人。

 あの空間にあのままいれば
 幸せだったのかな。

 上半身を起こしてベッドに座りながら
 私は窓から空を見上げた。

 あの灰色と違って、空は、青い。 ]*
 
(110) 2021/02/10(Wed) 15:29:50
/*
少女ちゃんサイドは時間が許せず書けませんでしたね。

設定としては、少女は100年ほど前に死んだ良いとこの娘(小春、という名前を付けていた)の地縛霊です。放送室に居ついているのは、その場所が丁度少女が住んでいた屋敷の中の自室にあたる場所、かつ死亡した場所だったから。
隣に置かれた柱時計は生前の少女の宝物です。(「空間内でこれだけ違和感」はそのせい)

生前は文学少女かつ空想好きで、よく架空の登場人物を架空の城に招いて、もてなすという遊びをしていました。

想像力と空間認識力が人一倍あり、それと+死亡した要因(お家騒動のようなゴタツキがあり、結果死に至らしめられたというような想定だった。でも言ってますがの推理は遠からずです。)への恨み、家庭事情から来る孤独感という相乗効果で、地縛霊としてその場所に残り、
構築した夢世界に、生きた人間を招くようになります。


/*
当初、"客人へのもてなし"は豪華な城みたいな場所で、客人達もそれなりに楽しんでいました。がタロットを使わずに場に残りたいと言う者は1人もおらず、結局現世に帰る人々を見送りまた1人になる、の繰り返し。
(良い子だからタロットを用意ないで無理矢理夢世界に引き止める、ということはしないです。最低限のエサを与えつつ、本心では夢世界に残って欲しいという遠回しな構ってちゃん)


次第に少女は生きた人間だった頃の感覚を失ってきて、
夢空間にも段々とガタが生じます。壁が一部崩れたり、街ゆくNPCが生気のない動きになったり、文字がこの世のものではない形態になったり。

"廃校舎"は実は実在の高校で、今回の舞台から30年ほど前に閉校した学校です。
全て自分の力だけで空間を創造できなくなったため、現実にあるイメージを借用するしかなくなったという訳です。コンビニや街並みは現代のイメージを借用してます。
そのイメージも、空が灰色だったりとボロさが出てしまってるんですが。

/*
結局、少女の能力のガタは今回の客人招聘で限界に達しました。客人が去った後自分の足で空間内を走り回ってますが()空間全体を把握する能力が消えかかってたって訳です。

客人が全て去れば、少女も空間もろとも消滅する予定でした。