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人狼物語 三日月国


23 【完全身内】Días preciosos【R18RP村】

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 [ 教皇が住む宮を後にして
   真っ先に取り出したのは端末

   連絡先は当然
   教皇が予知したあの事を伝える先 ]


   『なるだけ早く
    その街から離れて頂けませんか

    どうやら貴方達の元に
    悪質な吸血鬼が近付いているようです』


 [ 皮肉だろうがなんだろうが
   感謝の意などと今は求めていない

   ただ、実験の為に。目的の為に
   失うわけにはいかないのだから ]*
 



……あの子地下に連れていったほうがいいなら
 いつも通り合図してね?

[通り際にこそりと聞こえないように言って置きました
ええ、こういうことは稀によくあるのです!]*

[  戦うのが嫌いだと言っていた

  組んでから数ヶ月余り
  戦わずに教会に居られないと何度言っただろう

  ああ、そうだ
  他のことに…あのぼろぼろのミサンガに
  気を取られてしまったけれど

  あの後から様子もおかしかった   ]



  他の吸血鬼などそこらの狩人や半吸血鬼に任せれば良い。

[ シルビアの目的は真祖を葬ること
 その一点に限るのだ。

  数多の犠牲を費やそうとも
  夥しい屍の山を築こうとも

  如何程の非道を行おうとも
  以下程の誹謗を受けようとも

  シルビアの心は微塵も痛まない。

  艶麗な笑みを浮かべる
  箍が外れて暴走する確率は高かろうとも

  自己破壊を起こす程度では
  真祖を斃せる可能性のあるものを
  試さずにはいられないのだ。


  数ある吸血鬼を幾ら葬ろうとも
  根本である真祖を斃さねば意味がない ]

[ 真祖に直に吸血鬼されたであろうに
 人の部分を残す半吸血鬼

  真祖の支配力を逃れるように
  吸血も争いも好まない


  もし、吸血鬼として戦うようになれば?

  永久に時を止め変じた時より
  力が定められている吸血鬼と異なり

  半分人間であるが故に成長を続けるだろう───…


  石の礫ほどの可能性であろうとも ]

   真祖の吸血鬼は殺す…
   必ず殺さなければいけないのよ



[ 誰にも拾われぬ呟きはどこまでも暗く昏く ]* 


 [ 出所は知らないが
   吸血衝動の薬は朝食後に貰っている
   ちゃんと効果のある本物 

   だから実際には心配なんていらない
   一般人にわからない様に暈しても
   薬の話は自分の事だと、こちらには知れた

   確かに自分達は
   相手の事を殆ど知らなくて
   数ヶ月経ってなお、好物すらも分からない

   昨夜の会話でも同じだった
   相方の話を聞かせて欲しいと問われて
   返した言葉を纏めれば「わからない」の一言 ]
 

[  無関心なのは一種の救いだった

  悪い奴ではないと認めてしまえば
  ……吸血鬼のすべては悪ではないと認めてしまえば

  どんな変化が生じるか恐ろしかった。


  刻まれた烙印と同じく
  深く深く根を張った憎悪こそ

  今の僕のすべてであるのだから

  あんな恐怖に身を置かれた
  村の人は悪くないのだと言い聞かせたのは、
  教会に保護された後で

  村の人は悪くない。
  悪いのは吸血鬼だ────そうすり込まれた。

  他人を憎まないように
  優しい思い出を定期的に思い出させる処置も
  自ら進んで受けた


   だからあの子の声も姿も笑顔も
   忘れたことなどなかった。
 ]



   ………今まで何も言おうとしなかったのは

   こっちも、悪かった、よ


 [ ぼそ、と呟く

  
過去を失った自分に
語りたい思い出なんてなかったとしても
「苦しい」ぐらいは、いつだって言えたのに
「苦しくないか」ぐらいは聞けたのに


   過ぎ去りし時と共に、心も閉じ籠る己を省みる ]*
 



 ────………お互い様だろ、クラレンス


[ 碌に名前すら呼ばなかった
  心を許してしまえば、自分の能力が劣ると知っていたから

  それだけは何があろうと避けたかった。
  彼奴を────

 もっとも憎むべき仇敵を殺すまでは ]

【人】 教皇 リュシルド

─教会本部・聖都の白亜の宮─

[白。一面の白の基調と薄青に囲まれた宮には
素養のあるものしか見えない数多の魔方陣が飛び交っている。

教皇が眠る寝台にも新旧の魔術方式が組み込まれている。
内外からの敵を阻害する。

いずれにしろ
今は聖都どころか宮からも出られない身体であろうに。

厳重を強いては外界から閉ざされる。

────許されるのは一つ
定期的に”教皇のお気に入りの研究員”と会うことだけ

眠りに就いている間にも安息はない
その身は魔術に蝕まれて続けているのだ]*
(30) 2020/03/01(Sun) 23:48:10

   おとなになったら、また会いに来るから



[  果たされない約束を
  後生大事に抱えていた。 

  知らぬうちに同じところにいきたがって ]

[  耳の奥から聞こえるのは、

          なにかが内から壊れた おと ]

─ 八年前・保護されて間もない頃に ─


[  僕に超常能力を付与した先生は、
  今迄の能力者の中でもトップクラスだと伝えた。

  だが幾つかの能力試験の後に
  大きな欠点が発見された。

  憎悪を糧にしているため
  僕の憎悪を薄れれば極端な能力低下を起こす

  ────…原因ははっきりしていた。  ]


 ………僕は、ぼくはっ
 村の連中に、差し出されたんだッ!

  いらないからって…!
  穀潰しがって言われながら!

[  明日来るといった吸血鬼が来るまでに
  鬱憤を晴らすように加えられる暴力と罵声

  果ては僕が呼び寄せたのではないかと
  謂われない中傷すら受けて 
 ]

  ……アイツが、アイツらが憎い
  でもっ、それ以上に

  誰も必要とされてないのに
  …………もう嫌だ。なんでなんで

  なんで僕だけ生かしてこんな、こんなの

[  首にある証は獲物の印
  消えない痕がすべてを物語っている。

  死にたい。消えたい。
  優しいものに触れたことがあるから
  優しいものが無くなって生き続けるのが苦しい。

  苦しい苦しい痛い痛い悲しい悲しい悲しい。

  もうどれぐらい、まともに名前を呼ばれなかったか。
  それを思い返すのも、嫌だった。  ]


  でも……っ!
  僕は死にたくない……
死にたくない!


  だって、あの子と…約束したから

 
  自ら死を望むなんて
  生きたかったあの子に顔向け出来ないから
 


  だから、せんせい
  おねがい、おねがいだから……

  僕が……自暴自棄になったら…
  僕が悲しくて辛くなったら……


────…楽しい記憶を
     思い出させるように、してください


  あの子を……殺した吸血鬼を
  
その同族を恨み続けられる、から……



[  僕をただひとり無償でやさしくしてくれた
  あの子の無念を晴らす悪鬼になろうとも

  それしか
正気な振り
をして
  生きる道が僕には、なかったのだ ]*


 
 [ 記憶を無くして
   名を無くして
   人の魂も変質して

   付随する性質もなにもかも
   全て変わり果ててしまった者は

   ……果たして同じ者と呼べるのか? ]

 

─ 八年前 ─

 [ メモにペンを走らせる

   今度の超常的な能力は素晴らしいものだ
   強力な炎で狙って相手を焼き尽くす
   試験で欠点が発見されようと
   これだけの強力な能力を
   新たに発見し管理できた事が重要なのだ ]


   ……教会はあなたを必要としているようですが

   まあ、その事は今は良いでしょう


 [ これだけの能力の持ち主
   訓練を積めばハンターとして
   次代を引っ張るまでになれる優秀な存在だと
   ハンターを管理する者はそう判断している噂は聞いた ]
 


 [ 吸血鬼への憎悪を糧にして
   果たして将来ハンターとしてやっていけるのか

   ハンター1人では吸血鬼を殺せない
   半吸血鬼と組まなければ、絶対に

  
半だからと割り切れるのか?


   彼を教育する者は
   そこまで見据えているのだろうか

   彼の声を聞く。悲嘆の声
   だがハンター1人1人に
   向き合って居られる程の優しさも時間も
   私には、存在していなかった ]
 


[ ────僕は単純で 何も無くて


 たったひとつだけで
          許せるのだ  ]



[ ────記憶の中のあの子が、微笑む

       ただ……一つだけ望んでもいいなら ]


 [ それでも
   避けられる犠牲を無視するのは趣味でない
   研究資材は大事にするべきだ

   彼が自暴自棄になって
   壊れてしまうと言うのならば
   その通りの記憶処理をしようではないか

   そんな研究に、実験に
   躊躇いなど、ない ]*
  


[  あとで話すと勢いで言っていたけれど

  それが守られる保証がないのは実感したばかりだ
  遠ざかるその背を────…惜しむのも
 遅いだろうか
  ]

─ 八年前 ─

[  十二の少年の頃だ
  村の全員から不要とされ挙げ句に吸血鬼に弄ばれて
  他人への、世界を不審を高めるには充分だった

  背中の傷はたった二年で
  つけられた村人たちからの虐待の痕だ  ]


   そんなの!
   ぼくが、使えなくなったらいらなくなるくせに!

   わかってるよ、それぐらい
   ぼくが代わりのきく捨て駒だって!



[  代わりになれるような存在なんて
  いつだって捨てられてるしまう

  必死で 必死で 頑張っても
  周り以上に努力しても認めて貰えない

  頑張りすぎだよと言ってくれた
  たったひとりだけ言ってくれたあの子を失ってから

  どんな日々を過ごしたかなんて
  奴隷のように扱われたことだって…言えない。 ]


────…それでも僕は、あの子を殺した吸血鬼が!


  僕を、僕としてみてくれた
  本当に見てくれたのはあの子だけだった!

  その子を殺した吸血鬼が憎い!

  あの子が帰る筈だった
  ……あの村を滅ぼした吸血鬼が、憎くて仕方ない!

[  それ以上に何も出来なかった
  己の無能さが悔しくて悔しくて辛くて

   
あの子に
いたい

  
 あの
に会いたい


  あの日死んでしまえば会えたかもしれないのに
  そんな風に思う自分が、大っ嫌いだ
  ]*

[  世界の誰にも認めて貰えないことは、辛い
  それを知っていながら、僕は

  僕の利己を優先して
  ────アイツに冷たくしてしまっていた。

  今更どうにも出来ないかもしれない。
  それでも。それでも。

   僕も彼も、まだ生きている。生きているではないか。 ]  

   現実に言葉にしてしまうと
   現実が色づいてしまって

    僕の内で事実として鮮明になったら
    どうなるのか怖くても   



  例え今のきみが
  僕をどうとも思ってなくても……


   人間から吸血鬼には
   吸血鬼の真祖が人間に対して働き掛けることで
   変貌するという仕組みなのは有名ですが

   なんらかの原因でそれが
   中途半端な状態で終わってしまった
   それが後天性半吸血鬼の生まれ方です

   肉体精神共に吸血鬼化が不十分である為に
   真祖に殺害される恐怖
   己の身に起こった悪魔的変異
   その他、諸々の要因による感情の大きな波によって

   刺激されてしまうのでしょうかね