【人】 転入生 二河 空澄 ── 翌日 ── [結局、オレのあまり出来の良くない頭では 名案は思い浮かばなくて、 (とにかく傍を離れないようにしよう!) とだけ決めて 真昼くんより先に着けるように 学校が開く時間に合わせて、鞄を背負う。] (12) 2020/12/01(Tue) 17:17:44 |
【人】 転入生 二河 空澄[昨日は呑みの席に呼ばれていたらしい父さんに 「張り切ってるなぁ」と 楽しそうに誂われたけど こっちは、それどころじゃない。 予想はしてたから 来やがったな、って感じではあるけど 脇腹が痛むのを隠しながら、 無理やり貼り付けた笑顔で 行ってきます!と挨拶を残して、家を出た。] (13) 2020/12/01(Tue) 17:18:49 |
【人】 転入生 二河 空澄[今日は、朝からアイツも来ていた。 めちゃくちゃ警戒して 真昼くんの傍を片時も離れないようにしていたけど 流石に、生理現象はどうしようもない。] ごめ、 ちょっとだけトイレ すぐ戻るからッ [断りを入れて駆け込んだ。 速攻で手を洗って、 ダッシュで戻ろうと思っていると…] (14) 2020/12/01(Tue) 17:24:18 |
【人】 転入生 二河 空澄[見た目は、本当に天使みたいな子だ。 綺麗で善良そうで 悪さなんかするようには見えない。 なのに、 半分とはいえ血が繋がってる兄弟に どうして、あんなことが出来るんだろう。 きょうだいが欲しくて 羨ましい自分には、まるで理解できない。 けど────…] なんで? なんで真昼くんに、あんな…酷いことすんの? 寄ってたかって みんなで虐めるとか卑怯だとは思わねぇの? [解決の糸口が少しでも見えればって問いかけて、 あの場面を思い出したら それだけでは止められなくて 苛立ちも共にぶつけてしまっていた。]* (16) 2020/12/01(Tue) 17:29:17 |
魔王 バルトロメオは、メモを貼った。 (a1) 2020/12/02(Wed) 1:12:40 |
【人】 帝国新聞 「祝い事でしたら、月の綺麗な日が良いでしょう。」 寡黙な女が唯一零した要望はたったのそれだけ。 叶えない理由が皆無、二つ返事で日取りは決まる。 楽団が賑やかな曲を奏でる中で、 王族や貴族、司祭、彼らに仕える騎士までもが 平民たちから搾り取った税で作られた祝い酒を浴びていた。 今宵は無礼講だと言わんばかりの宴の中でも女は座った儘、 料理も酒も、一口も口にすることも無く一点を見つめていた。 「宴の後、私の部屋へ来るように。」 美酒に酔いしれた王が耳元で告げた言葉は 城内に響くことこそないが、誰もが気づいていただろう。 常日頃から彼女に触れる手つきが粘り気を帯び、 下心が隠せていない有様なのは周知の事実だったのだから。 かの王の目当ては女研究者の身体である、と。 (17) 2020/12/02(Wed) 2:36:15 |
【人】 王室研究者 リヴァイ[まだ月が雲間に隠れた静かな夜の事だった。 下女らに身を心底丁寧に洗い清められ、薄い布を纏うのみの艶めかしい姿で王の私室の扉を叩く。 数秒も経たない内に扉が開き、太い両腕を広げる主の胸に形ばかり微笑みを浮かべてゆっくりと飛び込んだ。 腰を抱かれ、撫でさするように掌を這わされながら 広い寝台へと徐々に誘導されていく。 鳥肌が立つ程の心地悪さを感じながらも 心の中でカウントダウンは忘れずに。 5,4,3,2,1……どさ 、とベッドに押し倒されれば 口角が歪な三日月を描き、アイスブルーが獣の如くぎらついた。] [眼前で う 、 と呻き声がする。 胸元を抑えて倒れ込んだ我が王は、 毒でも飲んだかのように苦しみ始めた。 焦ることもなく、表情を隠せない儘言い捨てた。] (18) 2020/12/02(Wed) 2:36:24 |
【人】 王室研究者 リヴァイ 私を味わう前に、教えてください。 ・・・・ 今日の宴の豚のお味は如何でしたか? 家畜そっくりな貴方様にはぴったりだと思ったのですが。 [シーツに沈み込んだ身体の間をすり抜けて立ち上がれば たわわな胸の谷間に隠し持っていた金の拳銃を相手の首筋に向けて構えた。 15歳の誕生日の時、両親から護身用にと手渡された祖国の刻印のついた特別性だ。今の今まで使う機会こそなかったが、今日という日のために銀の弾丸を何発も用意してきたのだ。 腐った人間など悪魔同然の扱いでよいだろう? 藻掻き苦しみ、酸素を求め首を掻きむしる様を無表情で眺めながら 遂に動かなくなったその喉元を引き裂くように────躊躇いもなく、引き金を引いた。] (19) 2020/12/02(Wed) 2:36:38 |
【人】 王室研究者 リヴァイ 私を味わう前に、教えてください。 ・・・・ 今日の宴の豚のお味は如何でしたか? 家畜そっくりな貴方様にはぴったりだと思ったのですが。 [シーツに沈み込んだ身体の間をすり抜けて立ち上がれば たわわな胸の谷間に隠し持っていた金の拳銃を相手の首筋に向けて構えた。 15歳の誕生日の時、両親から護身用にと手渡された祖国の刻印のついた特別性だ。今の今まで使う機会こそなかったが、今日という日のために銀の弾丸を何発も用意してきたのだ。 腐った人間など悪魔同然の扱いでよいだろう? 藻掻き苦しみ、酸素を求め首を掻きむしる様を無表情で眺めながら 遂に動かなくなったその喉元を引き裂くように────躊躇いもなく、引き金を引いた。] (20) 2020/12/02(Wed) 2:36:41 |
【人】 反逆者 リヴァイ[声が潰れるまで呻き、責苦と恐怖に強張った 豚のような王様は漸く首を転がし、苦痛からの解放を許された。 踊る骸がシーツに倒れ、酒代わりの血に酔い痴れる。 この夜こそが、彼女の求めていた真実の宴。 カウントダウンは料理に盛った毒薬が効力を出す時間。 祝典の焔も消えた闇の中で、徐々に絶望が牙を剥く。 死 の天使の如く白布を脱ぎ捨て、クロゼットにしまわれていた軍服と白衣に身を包む。 蒼褪め顔に恐怖を滲ませた数多の人々の 生への希望が失われる音にしてはあっけない、深々吐き出した息を狂騒に紛れさせながら、長い廊下を振り返りもせず靴音を響かせた。 肉とワインに紛れ込ませた罠に“運よく”かからなかった生者の悲鳴を耳に確りと刻みつけながら。] (21) 2020/12/02(Wed) 2:37:36 |
【人】 反逆者 リヴァイ[予想外の事態に身を縮みこませた兵士が撃ち込んだ弾丸を交わす度、白衣の裾が翻る。長い髪は素早い動きに追いつけず、発砲に巻き込まれれば一部の長さが犠牲となった。 同じ数だけ自身の銃が火を吹けば、銃撃戦は少々興ざめする形で終わりを迎えた。 『寮長……リヴァイ寮長なんですよね? 私、貴方とは戦いたくなんかありません……! 気高くて、優しくて、美しい貴方にずっと憧れてきました! なのに、どうしてこんなことを…… 同郷の者同士で殺し合うなんて悲劇です!』 兵士の屍の隙間から、震える声で叫んだ若い女研究者には見覚えがあった。同学部の一つ下の優秀な少女だった筈だ。自分をやけに慕ってくれて、卒業時には直筆の手紙迄贈ってくれたことを今更ながら思い出す。] 君は、私のことをそんな風に思っていたのか。 ───これを見ても同じことをいえるだろうか? (22) 2020/12/02(Wed) 2:37:47 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[黒い雲間から、震えあがる程に美しい満月が顔を出す。] [────ぴき 、と掌から腕へ、腕から肩へ。黒光りする鱗が肌を覆っていく。 仇討ちに情など必要ではない。無駄に理性を残して全てを狩りつくせないのならば、この夜だけは自我を繋ぎとめる薬など持ち合わせてもいない。 絶え間なく襲い来る頭痛に思わず頭を抱え込めば、獣特有の酷い飢えと渇きに思考回路が支配され、だんだん感覚が麻痺していく。 「────ひ 、いや、化け物ッ!」と息を呑み、叫んだ彼女に微かに残った感情が浮かぶのは呆れのみ。結局見た目でしか判断できず、理解すらしていなければ救う価値すら見いだせない。 本能のままに鉤爪を伸ばせば、弱弱しく暴れる四肢を噛み砕く。 甲高い断末魔と飛び散る血飛沫の赤が視界を覆いつくして───女の“人間”の意識はそこで途切れる。] (23) 2020/12/02(Wed) 2:38:04 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ 『リヴァイ───リヴァイ! お前は俺が止めてやる、俺が楽にしてやるから!』 [意識が途切れるほんの一瞬、 学び舎時代の嘗ての悪友が自身の名前を呼ぶ声と、 ────脇腹を抉る弾丸の感触がしたような気がした。] (24) 2020/12/02(Wed) 2:38:28 |