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人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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【人】 黒崎柚樹


 なら、武藤の分の必殺技は私が御馳走しようかな。

[それで手打ちになるのならと口にはしたものの、今回、武藤は何も悪くないのだし。]

 "新エクストラスーパーメロンショートケーキ"もあるらしいよ?

[あと"エクストラスーパーイスパハンショートケーキ"って……必殺技いっぱいだね?と、くすくす笑う。

でもお店に行って食べるのなら、いざメニュー見たらパフェ食べたいとかパンケーキの方が良いとかはなりそうだけど……まあ、それならそれで。つまりは、それを口実にデートしたいなという、ただそれだけのことなんだけど。

前回のスーパーモンブランは、武藤が買ってきてくれて、武藤の家で一緒に食べた。

私は純粋にケーキをいただきに(だけ、と言うと語弊があるけれど……でも、まあ)あがったのだけど、流れで私もいただかれてしまった……という、気恥ずかしい思い出。

いつかしようね、という意思疎通というか認識摺り合わせというかみたいなものは事前にあったのだけど、そこまで武藤が、私としたいと思ってくれているとは、あんまり思っていなかったんだ。

色々芋蔓式に思い出してしまって、頬がいくらか熱くなり。

武藤の「ありがとな」 >>103 には、こくこくと頷くことしかできなくなった。*]
(114) 2023/03/06(Mon) 6:47:12

 う……。
 意識されてたのは、……うん、わかってはいた、けど。

[寝室の隅に座り込んで。顔を覆って。ベッドは左右に思い切り、離されて。

でも、意識するしないとは別のところで、"私の身体に興奮するのなんて、私の武藤しかいないのだし"くらいのことは、思ってしまっていた。

女と知ってしまったショックとかはあれど、興奮材料になんてならないでしょう?みたいな感じ……だったのかな。

男として振る舞おうとし続けていて、そのあたりの回路の電源がぜんぶ、落ちていた────みたいな。

再び武藤の手が伸びてきて、今度は指ごと絡められ。
寄せられる唇に、こちらから首を伸ばす風なことが、なんだか、まだ出来なくて。

おずおずと少しだけ顔を傾けたところに、唇がごく軽く触れあった。]
 


 ………………っ。

[なんだろ、なん、か。

無視していた感覚が、一気に押し寄せてきた、みたいな。
ぶわりと顔が、熱くなる。きっと今の私、耳まで真っ赤だ。

キスなんて、"今の私たち"には挨拶みたいなもので、こんなことに顔を赤らめるとか、もう、全然、大丈夫なはずなのに。]

 …………うう……。

[にげても、いいですか?みたいな感じに指を引っ張ったら、あっさり繋がった指は解かれるんだろうか。そうはならない気しかしないよ。*]
 

【人】 片連理 “椿”


  おはようございます。
  ここは冷えるわ、戻りましょう


[少し青ざめた顔で、椿は微笑んだ。
 楓の手を取り、その身を起こさせようと]**
(115) 2023/03/06(Mon) 7:28:10

【人】 一匹狼 “楓”

 
  ……、そうだな……。


[彼女の言葉に応えて、上体を起こした。
 伸ばされた手が取れなかったのは>>115、両腕が頭の下にあったからというのもあるが>>79、自分より小柄な相手の手に頼るのも気が引けたのだ。

 ずっと頭の下に敷いていたからだろう、腕は痺れていた。痺れを除こうと手首を軽く振りつつ、彼女の青ざめた表情を見つめる。

 腕の痺れが抜けたのを感じると、言葉をかけることはなくゆっくりと立ち上がり、彼女が歩き出すのを待ってから屋内へと戻った]*
(116) 2023/03/06(Mon) 8:19:34
[立ち上がった直後、楓は彼女の頭に手を伸ばして、ぽんと軽く触れた。
 何か声をかけようかとも思ったのだが、言葉は出て来なかった。

 何をしようとしたにしろ、望まないことをやりかけたのだろう。
 彼女の表情を見ていれば、簡単に推測できることだった。

 けれど負傷もせず未遂に終わった以上、咎める気は起きなかったのだ。
 それが今の仕草だけで通じるものかはわからなかったが。

 伝わらないからといって楓が気に病むことこそないだろうけれど、伝わったなら安堵するだろう]**

[楓の手が、椿の頭に触れる。
 振り返り、彼の表情を窺う。
 目を伏せて、また歩き出す。

 すぐそばに見えているはずの扉がやけに遠く感じられる。]

片連理 “椿”は、メモを貼った。
(a10) 2023/03/06(Mon) 9:56:55

一匹狼 “楓”は、メモを貼った。
(a11) 2023/03/06(Mon) 10:01:05

【人】 武藤景虎

[女子とわかった途端に明らか挙動不審には半年前にもなってたんだけど、あの時の柚樹は全く気づいてなかったよね、とは。

あの時は無意識下で否定してたのはあるんだろうなってことは今ならわかるんだけど。

オレはオレで、“気になる“+“女子“だから、かわいいって言っても許されると思って実際言ったというのは半年前も昨日も変わらなかったから。]

 もしあのまま記憶が戻らなくても、似たような行動を取ってた気はするから……そう言って貰えるのは嬉しいよ。
 その度に柚樹を泣かせることになりそうだから、そうならなくてよかったけど。

[昨夜時点、はっきりとはわからないものの柚樹の中にある“半年後の自分“に嫉妬してた心境は今のオレの中にあるものだから、もしオレの記憶が戻らなくても>>113というのに救われる気持ちがあるのも本当だ。

勿論、この半年がなかったことになるのは絶対嫌なんだけど。

それはそれとして、半年後の自分に戻ったら戻ったで“昨夜の自分“が柚樹となんかあったとしたら(それどころじゃないし、なかったけど)、複雑な気持ちになってた気はする。

自分に対して謎の嫉妬するくらいなんだから、偽物の自分って最早他人(あれは厳密には人ではない何かではあるが)だし、顔を見た瞬間に排除する方向に向かっても仕方のないことだと思う。]
(117) 2023/03/06(Mon) 10:05:13

【人】 武藤景虎


 聞いててやっぱりなんか腹立つので……、うさんくさくて助かったまである。

[偽物が本当に“完璧な人“だったらそれはそれでやだし、わかりやすくてよかったのかもしれない。

美術館で見た後輩女子の偽物は正しく彼女の理想の姿だったのは明白だったが、オレとしてはオリジナルの方が親しみやすかったことを思えば、完璧だったら良いというわけでもないのはわかるし、オレの偽物がどんなのであれ柚樹がそっちを選ぶとも思ってはないのだけど。]

 じゃあオレは柚樹に別のやつ奢ってもらって分けて食う……。

[それだといつもと変わらないな?と笑って返せるくらいには気が楽になれたと思うよ。

夕飯とか風呂とか、居候かなというくらいに柚樹の実家で世話になってる分、外食はオレ持ちにしてるのに奢ってもらうのはなっていう気持ちはあるから、その分手打ちとは別として飯とか奢るし。
って結局単にデートの予定立ててる感じにはなってしまったけど、他愛のない“いつも通り“が今は常以上にありがたく感じるからまあいいかなって。

イスパハンって何……?っていうのも気になるし。]
(118) 2023/03/06(Mon) 10:05:48

【人】 武藤景虎


 帰ってからの楽しみもできたし、せっかく柚樹とキャンプに来れたんだから今はそっちを楽しむことにする。

[朝からあった諸々でさすがに今は、此処が夢らしいというのはわかっていて。

あの時から何度か経験している共通の夢も、こういうのならありがたいなと思えるくらいには気持ちも回復したと思う。

昨日までのことも悪夢とまでは思わないでいられそうなのは柚樹のおかげだから。

スーパーモンブランのことを思い出すついで、余計なこと言ったせいでいろいろと思い出したらしい柚樹が恥ずかしそうにしているのを見て、照れが伝染しそうにはなってしまったのを誤魔化すように、夜バーベキューする?とか温泉も気兼ねなく行けるなとか、何しようかと言うのに早口にはなってしまった。]*
(119) 2023/03/06(Mon) 10:06:37

 ……そういうとこ、警戒心……って心配になる、ていうかなってた。

[男として振る舞うのが久しぶりすぎたせいもあるのはわかるんだけどね。

昨晩からずっと触りたかったし、キスもしたかったよ。

半年前に戻ってた感覚のおかげで何もせずには済んだだけで。]

 ……柚樹、かわいい。

[赤くなった顔を覗き込めば、キスひとつで照れているのがなんだか懐かしい気がして目を細める。

軽く口付けた先、絡めた指が離れていきそうになるのを引き留めて手を握り直せば、鼻先に唇を落として。

再び唇を重ねると舌で唇をなぞって、隙間に舌を差し入れる。
舌を絡めると、さっきまで飲んでいた紅茶の味が微かに感じられた。]


 っは……、抱きしめてもいい?

[吐息に熱いものが混じると、テーブルを挟んだ距離が遠いなとはどうしても思ってしまって、絡めた指先で手の甲を撫でながら問いかけた。

したいこともいろいろあるんだけど、今は柚樹に触れたいなと思ってしまった。]*

【人】 黒崎柚樹


[半年前は、気付いていなかった >>117 というのも多分にあるけれど、気付かないようにしていたし、気付いてはいけないと思っていた────というのが多分にあったかも。

自分はどう足掻いても"かわいい女の子"にはなれないし、だから男の人を好きになっても不毛だし、そもそも男の人にそういう意味で好いて貰えるはずがない、って。思い込んでいた。

武藤と"友達"として仲良くなれたことが本当に嬉しくて、その関係を崩したくないと強く思っていたのもあったんじゃないだろうか。多分。]

 そうだね……記憶が戻らなくても良いとは覚悟したけど。
 何かというと泣いて、武藤を困らせてたかもしれない。

[今の武藤は半年前の武藤なんだよ、と、真実を告げれば理解はしてくれたかもしれない。
でも武藤のことだから嫉妬が"消えた自分"に向かうのもなんとなく想像できてしまったし。

本当、"めでたしめでたし"で済んで良かったなと、心から思うよ。]
(120) 2023/03/06(Mon) 10:47:08

【人】 黒崎柚樹


 うん。分けっこ、しよ。

[別に必殺技的呪文ケーキに拘らなくても良いし、私の好物の苺の季節だから、それ系のスイーツがいっぱいあるだろうし。

なんだか結局デートだね?と笑ってしまえば、もう日常は手の届くところまで戻ってきていた。

とはいえ、ここは夢の世界に違いないというのは、武藤と私の共通認識。キャンプに来る約束はしていないし、約束を忘れただけにしても、現実の私たちとは齟齬がありすぎる。

泊まりがけで遠出できるほどの軍資金は無いし、近場と仮定したら、これほどに心地よい気候はまだまだ先のお話という感覚があるし。

"偽物"が眼前に出てきたというのが何よりあり得ない事象だし。

それならそれで楽しめば良いよねとは、そろそろこの不思議な現象に慣れつつある、私たちならではの余裕だったと思う。

バーベキューもしたいし、温泉も入りたい。
あと川にね、魚がいたんだよ?捕まえて焼いて食べても良いのかなあ、なんて。

ごく当たり前な、恋人同士のキャンプ休暇。それはそれで、気恥ずかしくなる……わけで。*]
(121) 2023/03/06(Mon) 10:48:11

 …………っ……。

 ………………ふ……、む、と……。

[ちょっと待って、という風に引いた手はむしろ引き返されて、また顔が寄ってきて。

深く合わせた唇も、忍び込む舌も、全部、全然、覚えがあるものばかりなのに、なんだかひどく久しぶりのことのようで戸惑ってしまうし、薄く開いた瞳が困った風に彷徨ってしまう。

武藤のこと、昨日今日とずっと、雄だと思わないようにしてた。
自分が雌であることも、否定してた。

触れる指の熱さや、少しだけ強引な挙動、常より低い声で囁かれる"かわいい"に、見ないようにしていたことが、全部、引きずり出されていくような気がして。]
 

 
 …………、……うん。

["抱きしめてもいい?"の言葉 に、抗えるはずもなく。

え、と、どうしよう……ともたもたと立ち上がってる間、武藤の側が数段早く、近づいてきていたと思う。

性急に椅子が動く、ガタリという音も、どこか現実から遠く感じるまま、私は武藤に抱き締められていた。

同じ背丈だから、胸元に顔を埋めるとかはできなくて。
武藤の耳下に自分のこめかみを擦り付けるようにしてしまうのは、馴染んだ仕草。

すん、と鼻を鳴らすように呼吸すれば、見知った武藤のにおいがして、ああ、私の武藤だ────って、今更ながらに実感した。]
 

 
 ────おかえり。

 おかえり、武藤。

[一度は告げた言葉だけれど、あの時はまだ気を張っていたから。

やっと気持ち全部で"おかえり"を口にすることができて、じわりと滲んだ涙は見せないよう、肩口に顔を擦り付けた。

逢いたかったよ。ずっと。*]
 

[踏み締める地面の感触が薄れていく。

 もう死ぬべきだ、と誰かが言う。
 否、殺すべきだ、と誰かが言う。
 人として生きろ、と誰かが言う。
 生きて何が悪い、と誰かが言う。]


  私は。

【人】 武藤景虎


 ……うん、悲しくて泣かせたくはないので。>>120

[半年前のオレと接していたら、柚樹の意識の方も“男友達だった時の武藤“との距離感に引き摺られそうだし、半年かけて伝えて来たことがまた1からスタートになっていたような気もする。

あの事故のような出来事もなければ(あんなことはもう起きなくていいのだけど)、想いを伝えるのも時間がかかりそうだし、何より、あのつらい思い出も忘れたりはしたくない大事なものだから。]

 でもずっと忘れてるってことはなかったとは思うよ。
 今朝も柚樹のことは探したし……、あ、偽物とは関係なく、あれ、いつものやつ……。

[忘れていた癖、後遺症だけ残ってたのはそれだけ無意識下でも残っているのは確かかなって。

だから、切っ掛けさえあれば思い出せるものだったとは何となく確信していた。]

 ああでも、早々に思い出せたのは偽物のおかげかも。

[柚樹の偽物と話したことで思い出したんだと話せば、確かに“あれ“は柚樹が呼んだのかも、なんて。
結構な荒療治だとは思うけど。]
(122) 2023/03/06(Mon) 13:48:51
[抱きしめてもいいかの問いかけに肯定が返ると同時に席を立っていて。

どこか戸惑ったように歩み寄るのを迎えに行くように近づけば、背に腕を回して抱き寄せた。]

 ただいま、柚樹。
 ……好きだよ。

[肩口に擦り寄せられた頭を撫でて、顔のすぐ近くにきた首筋へと唇を押し当てる。

腕の中にある温もりを確かめながら背を辿った片手を上着の中に差し入れると、肌をそっと指先でなぞった。]

 …………、

[抱きしめた体の感触や匂いは全て覚えのあるもので、やけに懐かしく感じる。

背中のラインを確かめていた指を脇腹から前面へと滑らせれば、胸元の布地の上から手のひらで押し上げるように触れて。]


 触られたりしなくてよかった。
 ……全部、オレのだから。

[首筋へと押し当てていた唇を薄く開いて囁くと熱い吐息が漏れて、甘く肌を噛んだ。

胸元をまさぐっていた手で下着を上方へとずらそうと布地に下から親指をかけたところで手を止めた。

このまま流れに任せると止まれないことはよくよく知っているし、一回や二回で終わりにできないこともままあるから。]

 ごめん、つい……また後でね。

[服に突っ込んでいた腕を引き抜くと、頬へと口付けてから背に腕を回し直すと、緩く体を離した。]

【人】 武藤景虎

 
 ん、とりあえず、ごちそうさま。

[ありがとう、と正面にある顔に微笑むと手を解く。
テーブルの上の皿やカップを手に取って流しへと運んで、洗っとくねと蛇口を捻った。]

 バーベキューするなら下味とか?の準備した方がいいんだよね?

[夕方前くらいから出来るように準備はしとくか、とスポンジを手にとった。

下ごしらえは柚樹に任せるので、皿を洗い終わったらオレは焼くための一式は出しとこうかな。

必要なのはグリル台や木炭、着火剤あたりかと思えば、まとめて小さい物置スペースの扉でも開けば出てくるだろう。

あ、野菜切るくらいはオレも手伝えるよ、とは、もう腕前は未知数ではなくなってるので。

林檎の皮剥きでもなければ体が傾ぐこともないし、バーベキュー用の野菜くらいなら切れると思うよ、多分。]*
(123) 2023/03/06(Mon) 13:51:02

【人】 天原 珠月

[ガク>>94からするとこの湖は何か特別ではないらしい。
首を傾ぐ彼をそっと見つめてから。]

 私も不思議のひとつでしょうからね。

[同じように湖へ、真剣な視線を向ける。
夜の湖面は静けさが漂い、底知れない雰囲気もある。
自らの世界では数え切れないほど様々な湖に出向き、祈りを捧げる儀式を行ってきたが、勿論そのどことも違っていた。

ちらりとガクを横目にうかがう。
鼻の高さ、口元から顎のライン、何かを見つめ細まる瞳。
自分が10代の頃いつも見上げていた『彼』の横顔の記憶と重なってから、差異が心に痛みと安堵をもたらす。]

 そう、なら良かったわ。
 ……ミツキはガクにとってとても信じられる人なのね。

[照れくさそうにしている気配を感じ取って。>>95
ガクの年の頃は自分の世界と違って服装から職業を読み取りにくいのもありよく分からないけれど、今の姿はより年若くも見え、心の内に柔らかなものが湧いた。]
(124) 2023/03/06(Mon) 13:59:25

【人】 天原 珠月


 やっぱりガクから見ても、私とミツキは似てる?
 こちらも出会ったとき驚いたものね。

[でも髪と瞳の色は違うだろう。
パッとしか見られていないが、ミツキの髪は夏の向日葵を思わせるような金色で、瞳は濃くあざやかな紫だった。
まるで力で溢れていた頃の自分のようだとは言わないが。
昔の自分の方がさらに似ていたかもと呟けば、ガクには年齢の方の話と受け取られたのかもしれない。]

 ありがとう、……お言葉に甘えて、休ませて貰うわ。
 それ以外に方法も思いつかないし。

[元の世界でも特効薬のような便利なものはなかった。
儀式の後で消耗したときは睡眠と食事が大事と教えられていたし――自分としてはちゃんと特効薬があったのだが、ガクの前で口に出来るものではないので、しまっておく。
『彼』は儀式の後、絶対にともにいる存在だった。]
(125) 2023/03/06(Mon) 14:01:32

【人】 天原 珠月

[湖から離れ、濡れたローブと服の裾を引きずらないように両手で持ち上げながら、ガク>>97に案内されて歩を進めていく。
新月の夜は暗いはずなのにところどころ明るいのは街灯のおかげなのだろうが、元の世界との違いはデザインより何より中で灯が揺れていない気がするのが不思議だった。]

 わぁ、大きなお家。

[木製のしっかりした作りの家だ。]

 湖の本当にすぐそば……昼間は景色が良いでしょうね。

[何かを思い出すように柔らかく目尻が下がる。]

 ここにミツキと住んでいるの?

[当然のように普通の住居として受け止めていた。
コテージがどんなものか説明して貰えたかもしれないが、物珍しげにきょろきょろ見回す瞳がだんだんと眠気に潤み、堪えるように目を擦る姿が分かりやすくなってくるだろう。]
(126) 2023/03/06(Mon) 14:02:23

【人】 天原 珠月


 ……しゃわー? 水浴びをする機械があるの?

[こてんと首を傾げる。]

 この小さな部屋で服を脱いで入るのね。

[脱衣所でそう頷くが、さすがに説明してくれているガクが居るままで脱ごうとはしないから安心して欲しい。
『彼』以外の異性の前でそうしない礼節は弁えている。
すでにびしょ濡れの装束の薄い布地が手足に張りつき、ローブに隠れない手足を透かしているが、そこは仕方ないのだ。]

 で、これを、こう……きゃっ、水が出てきた!
 
[最初は冷たかったのに、すぐに温かくなり、湯気がもうもうとたっていくのに目がまん丸になってしまう。
この管の先で火が温めているということか。
全て理解するのは難しそうだが、それなりに好奇心と探究心はあるほうで、まじまじと色んなものを眺めている。
ガクに最低限だけでも説明してもらえれば、どうにかこうにか、身体を清め、温めることはできるだろう。]
(127) 2023/03/06(Mon) 14:04:03

【人】 天原 珠月


 驚くものばかりで、目が回りそうだったわ。
 お湯を貸してくれてありがとう。

[シャワー室に入って暫く。
物を落としたり軽い悲鳴は聞こえていたかもしれない。
でも怪我や火傷はした様子なく、ガクに渡された、柔らかな生地の膝下丈のワンピース型パジャマにスリッパを履いて、ぺたぺた歩く音を立てながら出てきたのだった。
腰まである髪は湿ったまま結ばれてすらいない。]

 この世界の人は、髪や身体に色々つけて洗うのね。
 とても良い香りがする……。

[ガクが使うよう教えたのはどれだっただろうか。
それからまた、眠たげに目を擦った。*]
(128) 2023/03/06(Mon) 14:14:50
[扉の把手に手をかける。
 そこで、ひとつ大きく溜息をついた。]

 私、どこへも行けないのですね
 だから、ここなのかもしれない

[もう普段の芝居がかった口調はやめていた。
 何でもいいから仮面を被っておきたくて現味のない芝居を続けてきたけれど、それはもう、どうでも良かった。]


 外に出ても何もなくて
 何も選ばないまま、居心地のいい部屋に座っているしかなくて。


[己の無力を恥じる。
 どれだけの間、そうしてただ生きてきたのか。
 このまま扉を開ければ、きっと死ぬまで同じ無為な日々が続く。そんな気がした。]

【人】 黒崎柚樹


 今朝も、私のこと探してたの?

[いや、探してくれたのは勿論知っているし、武藤が私の名を叫びまくってくれたから合流できたのだけれど、それはあの偽物云々ゆえだとばかり思っていたから。

武藤から"いつものやつ" >>122 と言われて、心底、驚いた。

だって、つまりそれって、]

 じゃあ、あの武藤は、巻き戻ってしまった"過去の武藤"じゃなくて、"半年分の記憶を失くした武藤"だったんだね……。

[かつて言われた事、された事をなぞらえるような事が何度かあったから、その度、もしかしたら、とは思っていたけれど。

ならやっぱり、"絶対忘れない"と豪語した武藤のことだから、いずれ自力で思い出したに違いないなと、改めて思った。

本当、武藤の記憶力は、それはそれはすごいんだから。]
 
(129) 2023/03/06(Mon) 15:17:00