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人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 IX『隠者』 アリア


  [ 文字で知る顛末。暴走と制裁。
   それらはどこを、何を源泉としたのだろう?

   私は一目で全てを理解した。
   この魂が、一瞬で燃やした感情の焔。

               それを集約するならば、 ]

 
(256) 2022/12/12(Mon) 1:59:13

【人】 IX『隠者』 アリア



      
[ この子は僕の世界のすべてなのだ。 ]


 
(257) 2022/12/12(Mon) 1:59:38

【人】 IX『隠者』 アリア


[ 酷い有様だなと思ったのは彼女そのものに対してというより
 取り巻く環境を含めた全てに対してであった。
 わざわざ詳細は語らないし、あくまで私の感想に過ぎない。

 証持ちを引き取る洋館の存在は、
 村そのものに伝わっていなかったのか、あるいは。
 怯えた様子の少女は初耳という顔をしたのだから、
 その時点でこの訪問は私にとっては正解になった。 ]


  …… 僭越ですが。

  一言でも、
  当人の意見に耳を傾けることはできないんですか。

  決めるのは彼女であってあなたがたではありません。
  率直に申し上げると――
邪魔です。



[ 不機嫌を隠さない表情がひどく珍しいことを、
 その場にいる誰も知るわけがない。

 けれど彼女を怯えさせたいわけでは無論ないから、
 丁寧にしまって、改めて向き直る。 ]
 
(258) 2022/12/12(Mon) 2:00:26

【人】 XIII『死神』 タナトス

 

[ ああそうそう、頭を撫でられるの
  嫌がる子も居るけどね。
  癖なんだよ、ついついね。


  だからこの時のゼロも俺の撫で撫での餌食だ。
  
  
  ここには、俺に頭を撫でられたことのない者なんて
  居なかったよ。証持ちもメイドやなんたらも関係ない。


  ……ああ、露骨に嫌な顔する奴も居るけどね。
  嫌われてようが関係ない。

  癖ってそういうものなんだ ]*

 
(259) 2022/12/12(Mon) 2:01:13

【人】 IX『隠者』 アリア



  結論を急かしてしまってごめんなさい。

  いまお話したように、
  この国にはあなたのような「証持ち」が
  暮らすために用意されている場所があります。

  
…… お気付きかもしれませんが、私もそのひとりです。


  あなたが望むなら、
  今後そこで暮らしていくことができる。
  たとえ今すぐは難しいと思ったとしても
  いつでも、洋館に来ることは、できる。

  これはあなたに与えられた選択肢。
  あなたが、決めていいことなんです。


[ 私には雑音にすら聞こえる外野の声を
 この子はすべて気にして、
 自分自身を見失ってしまうんじゃないか。なんて、
 それこそ「余計なお世話」なのかもしれなかった。 *]
 
(260) 2022/12/12(Mon) 2:01:35

【人】 IX『隠者』 アリア


[ 洋館に来てからも、シトラは度々悪夢に魘される。>>132
 そこに添えられる力があってよかったと心底思う。

 一緒に過ごしている時間は短くはない、だろう。
 やっぱり誰と過ごすよりも心は安らかであるし、
 何に代えても優先するべきものと、私は思っているから。 ]


  できなくてもいい。
  失敗したっていい。

  大丈夫。
  少なくとも、私はそう思ってる。

  シトラがやってみたいと思うこと。
  シトラがしたいことをするのが、一番だから


[ 迷える時も、どんな時も、
 時に涙落ちる時あっても、私はその涙ごと抱きしめよう。

 辛いことも楽しいことも、
 できるならその全てを共にしたい。
 必要以上に躊躇ってしまう時、
 ほんの少し勇気をあげられるような存在でありたい。 ]
 
(261) 2022/12/12(Mon) 2:02:16

【人】 IX『隠者』 アリア



      [ 私は――、
       
今度こそ、
この子を守るのだ。 **]

 
(262) 2022/12/12(Mon) 2:02:51

【人】 ]『運命の輪』 クロ

―三年前:来たばかりの頃―

ハイエナ?

[それは、クロの暮らしていた地域にはいなかった動物。小さな世界で生きてきたクロにとって、洋館は未知の物だらけだった。>>149

さらりとフォルスが書いた「クロ」と「フォルス」の名前の文字。ぐにゃっとした模様が自分たちを示すらしい、というのが何だか面白かった。]


名前っ!書いてみる!


[紙とペンを借りて一生懸命真似をしてみても、最初からうまく書けないのは当たり前。なんか違う?と思いながらペンを押し付けるようにぐりぐりっと書いた。

初めてもらったノートとペン。
一枚目と二枚目には、びっしりとクロとフォルスの名前が書かれていた。今ではノートも何冊になったか、それら全部、クロの部屋に大事にしまわれている。*]
(263) 2022/12/12(Mon) 2:04:55
XIII『死神』 タナトスは、メモを貼った。
(a45) 2022/12/12(Mon) 2:06:19

IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。
(a46) 2022/12/12(Mon) 2:07:29

【人】 ]『運命の輪』 クロ

―三年前:お迎え―

[その時の子供の姿は、正しく試練を受けていた、といえたかもしれない。>>205

やせっぽちで薄汚れた、平均よりも低い背丈の子供。
誰かに殴られたとみられる頬は腫れており、口の端は切っていたし、手足に青あざが作られて膝の所が破けて証が覗いていた。

村のすぐ側の森の中、ただ一人で大声で泣いていて、慰める者など当然のごとくいなかった。]

………?

[けれど、誰かに声をかけられたような気がして、声を張り上げるのはやめた。まだしゃくりあげてはいたけれど。]
(264) 2022/12/12(Mon) 2:41:58

【人】 ]『運命の輪』 クロ

う……?

[姿に気づいた時には、その人はすぐ傍に来ていて。
何をされるのかとぼんやり見ていると、抱きしめられた。

誰かに抱きしめられるなんて、生まれて初めての経験だった。目を瞬かせて、少し戸惑っていたけれど。>>205


あ……うぅ、会いたかったの、僕きっと、
会いたかったのぉ……


[君に。

まだ涙は完全に止まらなかったけれど。
この人は味方だ、と自分の内側から声がする。
何故かはわからないけど、懐かしく感じるのだ。

抱きしめ返すことを知らない子供は、棒立ちで抱きしめられたまま、ふぇふぇ泣いていたのだった。**]
(265) 2022/12/12(Mon) 2:45:11
]『運命の輪』 クロは、メモを貼った。
(a47) 2022/12/12(Mon) 2:47:56

【人】 ]]『審判』 チェレスタ



 [物心ついた頃から、すでに、
 旅から旅へ、という身の上だった]

 
(266) 2022/12/12(Mon) 2:52:09

【人】 ]]『審判』 チェレスタ



 [自分は一座の皆とは違うことを、
 チェレスタは小さな頃から知っていた。
 なぜって自分の右腕には痣があるから]

 
(267) 2022/12/12(Mon) 2:53:26

【人】 ]]『審判』 チェレスタ


[この痣はチェレスタが『証持ち』であることを表していて、
『証持ち』は普通は嫌われたり疎まれたりするから、
外に出る時は痣を隠すようにと教わっていた。
勝手に外に遊びに行くのもダメって言われていたっけ。

痣は、一座の者が客を呼び込む時に吹くラッパとおんなじ形。
だから楽器の中ではラッパが一番好きだった。昔は。


『証持ち』というイレギュラーを受け入れてくれた彼らは、
チェレスタにとっては家族同然であった。
『証持ち』のいる一座ということが立ち寄った村の者にバレて、
「あの一座は災いを連れてきたのだ」と疎まれたり、
なんにも悪いことをしてないのに石を投げられたりしても、
なんにも変わらずにチェレスタを色んな所に連れて行ってくれた]
 
(268) 2022/12/12(Mon) 2:55:26

【人】 ]]『審判』 チェレスタ


[これはだいぶ大きくなってからリーダーから聞いた話だが。
チェレスタの親は子どもが痣持ちだとバレないように、
各地を転々としながら暮らしていたが、
逃げ回るような暮らしにとうとう耐えられなくなって、
たまたま同じ町にいた一座のテントの傍にチェレスタを置いていったのだそうだ。
なんでそんな事情を把握しているかというと、
置いてかれたチェレスタの服のポケットに入っていた手紙に、すべて書いてあったからだ。
「チェレスタ」という名前も、彼女が生まれた日がいつかまでも。

それを思えば一座の皆はほんとうにすごいことをしたと思っているし、
彼らに拾われたことの――なんと幸運なことか]
 
(269) 2022/12/12(Mon) 2:58:28

【人】 ]]『審判』 チェレスタ


[チェレスタのせいでどんなつらい目に遭おうとも、
「大丈夫」だって皆は言っていた。
幼い頃の彼女にとっては、その「大丈夫」が痛かった。
石を投げつけられることなんかに比べたら、はるかに。

痛みから逃れる術をチェレスタは多くは知らなかった。
泣くか、泣き疲れて眠るか、そのどちらか。


そんなありさまだったが。
リーダーから『歌』を教えてもらった時、
彼女の世界はがらりと変わった。


   教わったままに紡いだ『歌』は確かに、
   チェレスタの中の痛みを和らげたからだ]
 
(270) 2022/12/12(Mon) 3:00:27

【人】 ]]『審判』 チェレスタ


[かつてのチェレスタは、
旅芸人の一座にお世話になってこそいたが、表舞台に出ることはなかった。
裏方を手伝いつつ、大きな秘密を抱えながら世界を巡り、
何かの弾みで奇異の視線にさらされたり、
あるいは、かつての痛みがぶり返したりするたびに、
歌を歌って痛みを和らげた。

歌を歌うのは好きだ。
だが、歌で身を立てずとも生きていけるわけで。
かつてのチェレスタの中にはわざわざそうするだけの理由はなかった。

  何より、表舞台に立つのは――――怖い。


だから、そんな風に、おおむね安穏と生きてきた。
それを変えようと思ったのは、8年前のことだった**]
 
(271) 2022/12/12(Mon) 3:31:46
]]『審判』 チェレスタは、メモを貼った。
(a48) 2022/12/12(Mon) 3:38:13

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 回想:コールリッジ邸/夜色の君 ──



[ 屋敷に出入りする人間は全て覚えている。
 だから知らないこの子は関係者じゃない。

 少なくとも新人使用人です! といった風情でもなく、
 見たところそう歳の変わらない少年、のように見える。
 わたしたち のこともあり、清濁併せ呑む壮年層のみを
 雇用方針にしていた、筈だ。

 ならこの子は誰だろう? と思い巡らせてみると、
 迷い込んだのだと彼は言う。 ]


  へえ、そうなんだね。
  このお屋敷に迷い込むのは猫くらいだと思ってたよ。

  ────ああ、自己紹介がまだだったね。

  わたしたちはクリスタベル・コールリッジ。
  二人でひとつの双子の兄妹だよ。
 

[ 不法侵入を咎めることなく、ただあるのは人への興味。
 それと、理由もなく 大丈夫だ、と思える何かを感じる。
 
絶対的に揺るがない何か、永遠を信じられる何か。

 
そんなお綺麗なものではなかったかもしれない何か、を
 ]
 
(272) 2022/12/12(Mon) 3:44:30

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 二人でひとつ。
 本当は別々に生まれてくるつもりだったんだけど、
 やっぱり同じがいいねって。

 だからこの身体はクリスとベル──クリスタベルなんだ。
 ……ああ、多重人格とかじゃあないからね。
 二人が溶け合ってひとつ。それがわたしたち なんだよ。


 なんて語れば、
  生まれた時から一人だったから羨ましい と。
 今まで見たことのない感情を向けられる。

 
 その眼差しに怯えも憐みも蔑みもないことを知ると、
 素直に嬉しかった。
 わたしたち の言葉に欠片の不信を抱かぬその受容が
 堪らなく嬉しかった。


 ──そう、きっと生まれて初めて 嬉しい と感じられた ]
 
(273) 2022/12/12(Mon) 3:45:05

【人】 Y『恋人』 クリスタベル


 
[ 揺籠の世界には 嬉しい を感じる余分がありません。
 閉じた幸福は予定調和で、喜びも悲しみもないのでした。

 だから誰に歪だと形容されようと、『悪魔』が抱く愛は
 確かに『恋人』に喜びを齎すものでした。

 愛とは許しで、愛とは受容で、完璧ありのままさえ肯定してくれる。

 愛を尊ぶ『恋人』であるからこそ嬉しいのでした。
 真に『悪魔』の意図するところが何であったとしても *]
 

(274) 2022/12/12(Mon) 3:46:04

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ いいこ、と夜色の髪を撫でる。
 人に触れようと思ったのもこれが初めてで、
 それが喜びを伝える方法だというのは記憶ではなく知識
 だったけれど。
 拙くも、彼に温かな気持ちを分けられればいいと思った。


 
   彼のことをどれだけ聞けただろうか。
   知って貰うことが出来ただろうか。
   全て分かち合うには、きっと一日あったって
   足りやしないけれど。




 そうして幾許かのやりとりの後。
 
 良い子のナハト、また上手に迷い込んでおいで? と、

 彼が名乗ろうが名乗るまいが、構わずナハトと呼ぶ。

 その意味を聞かれたなら、
 「きみは綺麗な夜色の毛並みをしているからね」
 と、猫扱いのついでにもうひと撫でして笑うだろうか * ]
 
(275) 2022/12/12(Mon) 3:46:54
Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a49) 2022/12/12(Mon) 4:28:52

Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a50) 2022/12/12(Mon) 4:34:21

【人】 ]『運命の輪』 クロ

―あなたたちと僕―

[運命の輪が洋館に保護された頃。

クロが思っていたよりも証持ちと呼ばれる人たちは既に集められていて、仲間がいることに密かに喜んでいた。]

……?
うん、よろしくなのさ。

……それで、もう一人の人はどこにいるのかな?
お兄さん……お姉さん?
一人に見えるよ?

[しかしながら、証持ちの中でも独特な自己紹介に、クロは首を傾げた。「わたしたち」と彼?彼女?はいうが、どう見ても二人いるように見えなくて。

無邪気すぎる子供ゆえに、直球で尋ねたのだ。*]
(276) 2022/12/12(Mon) 10:16:55
]『運命の輪』 クロは、メモを貼った。
(a51) 2022/12/12(Mon) 10:22:28

【人】 ]『運命の輪』 クロ

―現在:自室―

[色紙の飾りを作っていた手をふと止めた。
気が付けば、大蛇のように長い紙の鎖が出来ている。]

長すぎるかな、それともまだ要るかな。

[とりあえずは一旦休憩しようと、飾りを置いて立ち上がった。最初は、ここではお菓子が食べられることに驚いて、遠慮してしばらく食べられなかったけれど。今では食べることが出来るようになった。

お茶を飲みに行こうかな、と自室を出て廊下をぱたぱた歩く。**]
(277) 2022/12/12(Mon) 10:31:50

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ

── 回想:掃溜めの悪魔 ──


[物心ついた時にはすでに一人だった。

 中央のスラム街、後ろ暗さの掃溜め。
 最初の記憶は腐ったような世界で見上げる雨空と、
 "輝く道の向こう"にある地獄だ。

 後から知った事だけど、
 『証持ち』はそれ以外と比べ丈夫らしい。
 俺はきっと、『証持ち』じゃなければ誰に知られる事もなく路地裏で野垂れ死んでただろう。『証持ち』じゃなければ、棄てられる事がなかったのかもしれないが。

 ………解らない。
 裕福な家に棄てられたのか、
 スラムの人間が産み棄てたのかすら、
 俺には解らない。

 解るのは、俺が一人だったという事だけ。
 俺はきっと、怪獣になりたかった。]
(278) 2022/12/12(Mon) 12:20:26

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ


[誕生日は解らない。
 自分が何歳なのかも。

 ただたまった雨水や廃棄された有機物が
 自分に必要な事だけは本能で解った。

 なんでも口にした。
 なんにも口にできなかった。

 幼少期の記憶なんてそれくらいだ。
 身体が人より丈夫だったことを
 感謝したらいいのか恨めばいいのか解らないくらい
 横目で動かぬ有機物になった人間を見てきた。

 だから俺は『証持ち』じゃなくても
 苦しむ人間が文字通り腐る程存在する事を知っている。

 同情の念などそこにはない。
 向こうからも、こちらからも。]
 
(279) 2022/12/12(Mon) 12:20:44

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ


[言葉が理解できなかった。
 思考もただ本能だけがあり、
 単純で漠然としていた。
 周りが発する音を少しずつ聞き分けて、
 ようやくそれに意味がある事を知る。

 石壁にくっついて寝転んでいる時、
 ふと覗き込まれた。
 ひとり?こんなにちいさいのに。
 億劫さを感じ壁の方を向く。
 雑に伸びた髪が零れ落ち、 悲鳴が上がる。

 次の瞬間衝撃を感じる。
 攻撃されたのだと飛び起きて、
 意味の解らない音を激しくこちらに向けて発してくるそいつから逃げ出した。

 この時に言葉が解っていたならば、
 自分が『証持ち』だと気付けていたのだろう。
 思い返しても詮無い事だけど。

 これ以降、他人に背を向ける事を避け、
 少年期になって漸く言葉を覚え、隠すべきなのは首の後ろだと理解した。
 どうせ髪を切る機会なんてない。丁度良かった。]
 
(280) 2022/12/12(Mon) 12:21:45

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ


[幼年期の間にスラムから出なかったのは、
 輝く道の向こうにある地獄を見ていたからだ。

 この後ろ暗い場所から一歩出たら、
 きれいな世界がある事を知っている。

 けれど出たら一瞬で多くの悪意を受け、
 まるで動物のようにつままれて暗い場所へと投げ捨てられる。

 地獄なんだと理解した。
 きらきら光る眩しい地獄。
 自分には相応しくない場所。]
 
(281) 2022/12/12(Mon) 12:22:05

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ


[ああ、でも、でも……
    自分を見た時にきらきらした大勢が、
      一瞬で混乱に塗れ騒ぎ立てたあの様子……]



[もう行かない方が良いと思うと同時に、
 どうしようもなく息の詰まるような感情がある。]
(282) 2022/12/12(Mon) 12:22:24

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ


[いつも二人でいる浮浪者が居た。
 二人だという事は羨ましいように感じた。
 できる事の幅が広がるから。

 そいつらを見ていたら、自分も相棒を探した方が生きるための効率が良いのかとも思っていたけれど。
 ある日片方が、もう片方の寝込みを襲うのを目撃した。

 なるほど、と思った。
 相棒を探した方が効率は確かに良さそうだけど、
 襲われる側にだけはならないようにしないといけない。
 感じた羨ましさは、きっと気のせいだった。


 そうしてどんどん他者から生きる術を学ぶ。
 信用という言葉は口だけだ。深く思考を探れ。
 読めない人間には関わるな。逃げ道は常に用意しろ。
 廃棄された有機物を待つよりも他者から盗んだ方が効率的だ。

 懐には常に保険を隠せ。自分を侮るやつ程御しやすい。
 こんな場所出身だからこそ、やれる仕事がある。]
 
(283) 2022/12/12(Mon) 12:22:42

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ


[お金を稼ぐという発想は同じスラムの子供の真似だ。
 大人にやらされていたようだが、
 様子を見ていると確かに子供の方が関心を引ける事が解る。
 つまり今の自分でもできるのだ。

 すてられた中からマシな服を探し、
 こそこそと"きちんとした"人間の様子を見て学ぶ。

 上手く真似られたと思っていた。
 物乞いや靴磨き、大道芸、できそうな事はなんでもやった。

 だけど現実は無情だ。
 お金の事が解らないから貰う側としても買う側としても誤魔化され、騙され、騙されないようにと学んでも、考えても、所詮は子供の浅知恵。思慮深く冷静に在ろうとしても限界はある。

 そうして"輝く道の向こう"に住んでいる、綺麗な格好をして、肉付きがよく、言葉を流暢に喋る子供に。先ほどまで綺麗で立派なお店で買い物をしていたような子供に。有り金を全部奪われた時、ここで初めて、自分の中の何かが切れた気がした。]
 
(284) 2022/12/12(Mon) 12:23:12

【人】 ]X『悪魔』 ゼロ



[なんでだ。 必要はないだろう。
 俺が生きるために集めたものを、
 生きるために使わないお前らが奪っていくのか。

 それもこんなに、簡単に。

 薄暗い場所に住んでいて、小汚い格好をして、骨と皮ばかりで、拙くしか喋れない、そんな自分から。]

 
(285) 2022/12/12(Mon) 12:23:33