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人狼物語 三日月国


176 【R18】実波シークレットパラダイス外伝【身内】

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「それからそれから緑郷はー……
 多分よっぽどの事がない限り最後までここに居ますから、
 捕らぬ狸の皮算用ならぬ、捕らぬ皇狼の皮算用ですねえ」

この居心地の良さは皆で居てこそのものだから、
仮定の話とはいえあまり人数が減ってほしくはないものだ。
もはや勝手知ったる我が家のように紅茶のおかわりを注ぎながら
そのうち自分も何か持ってこようかな、だとか考えつつ。

「寂しくなったら遊びに行きますね……死んでいても……」


もちろん楽しい社員旅行で死人は出ない方が良い。
たとえ性癖をバラされ生き地獄と化したとしても。
手遅れだったら仕方ない
けど、間に合うなら止めに行こう。
概ね同じ考えらしい雲野と無言でアイコンタクト……できた?

「そう、ですね」

社長からの文句、確かに。
そこまで存じている訳でもないが、今回のことでその想像に同意の気持ちが湧いてきた。

緑郷の言葉に軽く頷きながら空になったカップを手の内で回す。

迷惑をかけない。仕事をする。
基本的なことさえ出来ていれば、この会社としては問題ないのだろう。

とはいえやはり、やりたい事はという点には疑問を得たままだが。
果たして鹿籠の口からそれについて出てくることはあるのだろうか。

「あ、あー……」

それもそうか。残される確率が高いのは緑郷だ。
仮定であれその話を聞くのは気持ちとしてあまりいいものでは無いのかもしれない。

「……遊びに来るのは、大歓迎です」

死んでいても、は物騒すぎるが。
その為絶対、絶対鹿籠の死は防ぎたいとも思うが。

無言のアイコンタクトを何となくで受け取って頷いた。

それから遊びに来るのは歓迎、とは言ったが。

こちらからも遊びに行ければいいななんて考えて。
この居心地が良くなってきた空間の中で緩やかに笑みを浮かべた。

「あの皆さんで泊まる部屋ならともかく、
 
男性の個室には簡単に入らないでくださいよ?


わかってますよね、とため息をつきつつ来客は拒まないようだ。
引きこもりは引きこもっているだけ。

「元気がなさそうならうかがいますよ。
 それとなんかそんなに変なこと言いましたかね、僕。
 ……ま、まだ秘密にさせてくださいよ。
 これでもかなり大事なものを失っているんですから」

ひとまずお暇しますと、その日はこの第二の自室を出ていった。
伝わっているかは定かではないが、早々に誰かが欠けては寂しいのは同じ気持ちではある。無事で再会したいものだ。