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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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    がしゃん


       
          
ぱ り ん 
 
                    
                     ]

[大きな音に驚いて駆けつけた蛍たちが見たものは、自分の灯りの容れ物を叩きつけている娘の姿。幸い、容れ物が頑丈だったから一部が壊れただけで済んだとのことだった。]

『……衝動的に、だったようです』

『私では駄目だ、私は役立たずだから、と呟かれておりました。恐らく、自分の灯りを消すことで貴方に証を返そうとしたのではないかと思われます。』

[それならば、何も死なずとも、自分を指名すれば良かったのではないか。そう問うた老人に対し、蛍である彼は、『まともな状態ではありませんでした。一刻も早く返そうとしていたようです。』と首を振る。

そもそも、そんなことをしたって証が先任の所に戻るとは限らないのだから、やはりまともではなかったのだろう。]

『あなた以外に証を渡すつもりもないようなのです。
どちらにしろ、あの状態では灯守りであることは不可能だと判断致しました。』

『……不躾なお願いなのは承知しております。
縁様。

もう一度、灯守りになって頂けませんか。
立秋様を、助けて頂けませんか。
……どうか、お願いします。』


[話を黙って聞いていた老人は、様々な思いを抱けど、言葉にする代わりに大きな息を吐いた。そして。

十年足らずで、縁は灯守りとして戻ることとなった。**]

―戻ってきた立秋―

えへへ、久しぶり。
戻ってきちゃった。

[他の灯守りと会うと、立秋はそんな風に、昔と変わらずに挨拶をした。

先の立秋が起こしたことについては、公には話していない。
尋ねられれば、「一身上の都合で難しくなっちゃったみたいで」と軽く話すに留めただろう。

中央の職員の一部への報せと、書類には残したが、彼女はまだ生きている。彼女に関する噂話が耳に入れば、また傷つくだろうから、職員たちにも他言無用をお願いした。]

ね、小満。
あの子ともしも会うことがあって。
もしも君の能力が必要と判断したら……使ってあげてくれないかな。

ボクには、会わす顔がないって言ってるらしいから。

[彼女はまだ静養が必要で、立秋域で暮らしていたが、そのうちに出ていくだろうことは予想できた。詳細は語らなかったが、小満だけには頼んだのだ。

ただ、頼むのは彼女のことだけ。
自分の中の苦い思いについては飲み下したまま。

いつも年上の灯守りに甘えていた立秋は、この件に対しては誰にも甘えようとはしなかった。**]

[戻ってきた立秋の、それまでの経緯については語られていない。
 彼は笑っていて、あの立秋がどうなって再び座に付いたのか、傍目から悟れるような素振りは見せなかった。
 けれど、彼は言った。『煌天』の力を使ってほしいと。

 会うことがあったら、と言われたが、それから幾日と立たないうちに立秋域に足を伸ばす。
 彼女への面会は止められたか、それとも側付きが蛍なら小満の顔を覚えていたか。
 『立秋に頼まれた』と告げれば、その門は開いた。]

こんにちは。
ご様子伺いに来たよ。

[そう伝えれば、元灯守りはひどく狼狽したように縮こまってしまった。こちらは現役の灯守り、立秋でなくとも立場を捨てた責任などを感じてしまうのだろう。
 とすれど、こちらの笑みは耐えることなく。]

ああ、そんな怯えないで。
取って喰おうなんてつもりも、君を叱りに来たようなつもりもないんだ。
ただね、私はすこーしばかり、お人好しだからさ。
君がもし泣いているなら、ほっとけないと思ったんだよね。

[涙を流しては、いなかった。
 けれど心が泣いているのは、灯りを見ればよくわかる。
 そして、このままではきっと、何があったか語りはしないだろうことも。]

いいんだ、そこに座っておいで。
構わなくていい。私は、好きにしているから。

[その言葉通り、勝手に椅子にかけてのんびりと時間を過ごす。
 頭の中は、さてどうしようかとやり方を巡らせていたけれど。
 まあ手は必要なんだろうなと思いつつ、どう切り出したものか。
 また勝手に覗いてしまってもよいのだけれど、と考えていたところに、お願いします、とか細い声がした。]

……ああ、そうか。
君は知ってるよね。

[彼女も、灯守りだったのだから。
 他の灯守りがどんな力を持っているのか知っている。
 まさか自主的に言われるとは思っていなかったけれど。]

いいよ。
小満さまの"よしよし"は、よーく効くんだ。
大丈夫。大切な思い出は、ちゃーんと残るよ。
責任感がないだなんて、思わなくていい。

[そっと、腕の中に彼女を呼び込んだ。
 そうする必要はないのだけれど、人の温度というのはどんな能力よりも心を癒やすから。
 細い背に腕を回して、優しく抱きとめる。]

――うん、苦しかったね、つらかった。
それで傷ついてしまった事自体、悲しかったね。

[母親に詰られて、そんなはずじゃなかったと思ったろう。そんなつもりじゃなかったと。
 母の言葉がショックで、自分の内側からぼろぼろに崩されて、すべてが壊れていく。
 それは如何ほどの苦痛だろう。実感としてわかってやれるなどと、気軽に言えやしないほどの悲しみだ。]

[静かに背を撫ぜながら、記憶の核を探して融かす。
 あの日のことは忘れてしまえばいい。灯守りの号は譲られて、母は亡くなって。君はもうひとりの自由な女性でしかないのだから。]

うん、大丈夫だよ。
気にせず、泣いてしまいなさい。

それがね、君の中から苦しいを一緒に流してくれるんだから。
いい子、いい子。

[腕の中の女性が、細い声を漏らしながら胸元を濡らす。
 押し止めていた栓を抜いてやれたような安心感があった。
 いい子、なんてわざとらしく言えば、微かに肩が震えた気配。
 笑ってくれたならいいのだけれど、あいにく表情は腕の中で、伺うことはできない。
 代わりにずっと、私だけでも笑顔を絶やさなかった*]



[彼女が落ち着くまでは、それからしばらくかかったけれど。
 きっと立秋の領域を出るまで、いくらもかかるまい*]

 

ーー先代の  ーー
[煩いだけの色なんざ、隠し通してしまえばいい。
虹が始めて見れる頃まで、見えないままでいい。
翳も闇も、闘っていたことすらも。
全てを隠しきらずとも、せめてあの子に隠したままがいい。

あの子の記憶に残るのは、
“ 優秀だけど、どうしようもないサボり魔 ”の兄でいい。
どうせ背景を知ったら、背負い込むだろうから。



は隠れて見えず
  
北風
は枯葉を払い
    
が始めて黄ばむ頃


長い長い冬の入り始めた頃。
すべてが鮮やかさを失くす頃。
その季節の号持ちが、煩い色を隠せないでどうするか。

それが僕のーーーー。]

[……ねぇ。]

 



「いやぁ、繋がりってどこでどう繋がるかわからないもんだよねぇ。」


[幼女に酒を飲ませる姿を他に見られたら、手が後ろに回りそうである
まあ誰もいないからいいんだけどね!]


「まさかお風呂作ろー、おー!ってノリで繋がって、
 ここまで深い仲になるとは思わなかったよ。」


[だいぶ酔いが回っているらしく、ケラケラ笑う。
感謝なんてされる謂れはないが、酔っているせいでいつもより(1)1d10割増しで調子に乗ってるので、

「まあ僕天才なんでー☆」

などと返す以外の思考はなかった。無礼講なんで。]
 



「んー?」


[酔った頭でもなんか言ってるな? というのはわかった
しばらく黙って見つめて、数秒後。
合点がいったようにパチン、と指を鳴らした。]


「ああ、そういえば呼んだことなかったっけ。」


[いつぞやのゲス顔もかくやという、にやりとした悪どい笑みを浮かべた。
ーー何とも思ってない奴に会いに来る程、情が深い奴だと思った?]
 




「見ているのが好きだなんて水臭いじゃないか。
 ねぇ、親友・・?」



[相手がどう思ってるかなんて知らないね。
何せ今は無礼講なんで!]
 

 
[兎も角、そんな調子で酔いが眠気に変わり始めた頃。
ポツリと溢れた言葉に返すよう、頭を撫でられた

初めての感触に少しだけ戸惑った。
初めての感覚に不安だが、何か込み上げるものがあって。
]



「……不意打ちでそういう事やってくるの、ずるいと思うんだぁ。」


[
込み上げてくるものを嚥下して、
拗ねるように文句を言った。
真っ直ぐな労いの言葉が来るとは思ってなかったもんで。
]
 

 
[旅立ちの日に付け加えられた言葉には、もうその気になりました。]


「ちゃんと戻ってくるから準備よろしく☆」


[そんな軽い言葉で別れた。]
 

ーそれからー()

[数年後、屋敷に忍び込んだボクはあっさりと見つかって捕まり、当時の夏至の前へと突き出された。]

 『……お前は俺の領域の……あの名家の後継じゃねえか。
何でわざわざ侵入なんかしてきた?親御さんが心配すンだろーが。』

[先代夏至。ボクと違って、太陽のように熱く、そして暖かい人だった。だって部下がとっ捕まえた侵入者に対しての一言目が親への心配だよ?とってもびっくりしたよね。]

 …要件は一つだ夏至様。ボクをアナタの弟子にして欲しい!

[とっ捕まえられたとはいえ、縄で捕縛された程度で手荒には扱われなかった。直に見て思う、この人の偉大さ、輝きを。
その輝きをボクが継承したかった。


カゴの中のトリを、辞めたかった]

[それを聞いた夏至様は大笑いして、ボクの弟子入りを許可してくれた。勿論親には夏至様自ら説明しに行ってくれた。

夏至様に言われては流石のボクの親だって反対はできない。ボクは絶縁を言い渡されたけど。そんなのどうだっていい。ボクは次代の夏至を襲名して

カゴの中から出るんだ。そしてあの娘と……萩と、約束したんだ。

ボクが夏至の名を継いだ時は、蛍になってもらうために、迎えに行くって。*]

 
[ 俺の何がいけなかったのか


     愛
していたのに


           忘れたいと何度願ったか。   ]



 「……寒い、なぁ」


[ 他の人がどれだけ側にいてくれても
  他の女性がどれだけ真剣に自分を思ってくれても

  手を伸ばそうとした瞬間吐く。


         ──── 俺は、捨てられた



   その感情ばかりがぐるぐる回る。
   己の世界は雪に閉ざされたまま。 ]

 

 
[帰ってきてくれないか。せめて顔を見せに来てくれないか。
 何度もわずかな希望に縋って長い年月そのままの姿で灯守りを続けた。
 気づいたら100年以上をゆうに越えていたことには自分で吃驚した。
 新しい出会いや、関り。時間で大分傷は癒えた。

 それでも、心はどこか あの時のまま。


 まだ多分、灯守りを続けることも出来ただろう。
 融解の能力の子がいた、という噂は出た時すぐに消えて
 その時俺は特別真剣に追いかけなかった。

 俺がその子を見つけることにしたのは
 閉じ込められている子がいる、という情報を手にしたからだった。
 人の口に戸はたてれない。どれだけ親が隠そうと情報は漏れるものだ。
 親に恵まれなかった俺は不憫な子供を放置しないと決めていた。だから調べて能力が原因と知った。


 引き取る口実にいいと思った。  ]

 

 
[最初はそんなだから、建前上後継と言っていたが彼女が一人立ち出来そうになったら解放してやるつもりだった。

 でも、ご飯を食べて泣いた姿。
 融解能力をきちんと使って堂々と立っていた姿
 思い出一つ一つを重ねていくうちに、情が沸いた。

 手放せないまま相手は雨水になる決意をつけてくれた
 俺ももう、人生を閉じて十分なだけの時間を過ごした。だからもういいと思った。

 生を長引かせたいと思わなかった。  
 終わる時は終わる。それでよかった。  


 あぁ、でも。
 自分が死んだ後、雨水になったこの子はどうなるのか。それが気がかりだった。
 蛍を自分が取らなかったからあの子に蛍はいない。自分がいなくなった時、寄り添ってくれるだけの存在を得れるだろうか。

 それだけがただ、心配で。]

 

 
[ 筆をとる事にした。
  俺には出来なかった、
  全部拒絶したまま終わらせてしまった事。


  この子まで自分と同じ道を歩く事はない。
  花雨の母親からの手紙を、そっと開いた──── ]**

 

― ―


  [  おてがみを出してから程なくして、
     そのお返事は返ってきました。  ]


     あらあら。
     ならばその方は大寒域には来られませんね。


   [  屋敷には誰もいません。
      だからわたしは、つめたいゆかのうえ。
      ころりと転がりぼんやり天井に向かって
      手を伸ばしました。

      黒い髪は床の上にひろがります。
      お行儀が悪くたって、わたししかいない。  ]
    
     



  先代様をころしたのは
  ほんとうはわたし。
  

  これはかわいらしいひみつでしょうか? 

  
  淋しいひとでした。
  かなしいひとでした。

  あなたは壊してしまっても良かったの。
  苦しんでまで守る世界じゃないのに。

  どんなに苦しくても、先代様は
  寒月の還る場所であり続けた。

  

 


  わたしは笑いながら自ら窓からおちるあなたに
  手を差し伸べることすらしなかった。


  そうね、あなたは わたしにころされた。
  寒月であって、寒月でいられない、わたしに。 




  白いヒールは、わたしのものじゃないもの。



  

  わたしがわたしであることを、なにより選んだ
  醜い生き物。

  

  
――回想:二人の英雄の話


[ 先代冬至と出逢ったのは
 私が五つくらいの頃と聴いた事がある。

 冬至域で今尚"英雄"と讃えられる存在
 先代の冬至とその蛍たる男が
 ある日、己の家にやってきたのが始まり。

 浮世離れした美貌を持つ女性――雪姫 ゆき
 傍ら控える 老齢ながらに只者では無い居住まいの――枯草かれくさ

 母や父から繰り返し聴かされた お伽噺のような存在達
 その二人が家に来た時の事は 未だに記憶に残っている ]

[ 彼女はまるでお伽噺から出て来たような
 見目に浮世離れした美女――そんな灯守りだった。

 雪のような肌に整った顔立ち
 触れれば融けて消えそうな儚さを持ちながら
 其の眼差しは凛と強く 紡ぐ声には不思議な温かさがあった

 彼女に手を引かれ歩くひと時
 伝わる温もりに 漸く彼女を人と認識できるような心持ちで
 偶然にも同じ響きの名を持つ彼女を 見上げていた。

 私は其の日から、領域と呼ばれる地で暮らし始めた ]