150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】
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| マユミは、必死で逃げた後。各位の端末に『奈尾発見 危険 接近×』と送信しました。 (a43) 2022/06/06(Mon) 11:24:00 |
『カナイさん』
『オレが嗾けようとしているものです』
メッセージではなく、直接頭に呼びかける形で。
『敵味方の区別がつかないので』
『距離をとった方がいいかもしれません』
自分はもう既に引っ張られているものだから、仕方ない。
| マユミは、タブレットを叩いています。『おねがいします』とだけ、約束した人に文字が送られました。 (a44) 2022/06/06(Mon) 11:56:29 |
ちらとそちらを見遣って、動きを止めた足は後退の態勢を取る。
巻き添えを食らっても恐らく対処はできる──けれど。
恐ろしくもどうしようもなく安心するような、あの感覚は。
そう何度も呼び起こしたいものではなかった。
| (a47) 2022/06/06(Mon) 12:28:57 |
「どうしますか」
小さく、短く、潜めた声が問う。
自分達を守るべくそこにある大きな背は無防備だ。
右手はガラス片に触れたまま。
不意打ちを仕掛けるなら、今がまたとない好機だろう。
けれどこの力で追撃を掛ければ無視できない証拠が残る事になる。
やるべきか、やらないべきか、視線があなたに問い掛ける。
或いは、やろうと思えば、彼を助ける事だって。
おれは、あなたの事は、信じているんですよ。
だからあなたの信じる人の事ならきっと、──きっと?