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【人】 トラジディ フカワ>>28 >>30 古後 叶 「古後さ───ッ!」 尻もちをついた体制から、 まるで夢か映画みたいな光景を低い視線から見ている。 目の前で血が弾け、骨が砕ける音までもがすぐそばで、 それを現実のものだと認識した時には、叶の方を向きかけて。 『─── またそうやって頼ってばかりなんですか?』 『まだ耳を塞いでいるつもりなんですか』 『貴方は無関係なんかじゃない』 『けれど責任と罪は、決して痛みばかりではない』 その奥に、微かな黄色い光を垣間見る。 言おうとしたことはその声のなかに搔き消えて、 次に視線を動かせば獣は深手を負いつつももう一度こちらへ襲い掛かろうとしている所だ。 何かを迷っている場合ではない。ないんだ。 「あ、あ、───……!」 自分が招いた結果を、 人に拭わせてばかりでは、 それこそ───やがて自分の首を絞めることになる。 (31) 2022/06/06(Mon) 19:42:17 |
【人】 トラジディ フカワ>>28 >>30 古後 叶 「う、う゛ぅ、う〜〜〜〜ッ!!」 頭を抑えながら低く呻いて、 隈の濃い眼は力強く獣を睨み付ける。 どうして?何故?なんで? 相手にも、自分にも問いかけるような一片の迷い。 きっとその答えは全てが終わってからじゃないと分からない。 『さ わ るなああああああああああ゛ああああ゛!!!』 目を見開き、蹲り、唾液が零れる。 割れそうな頭を無理やり手で押さえつけるみたいに。 そうじゃないと、自分の能力の使い方に耐えられない。 脳に直接刻むような命令を聞いた獣は吠え苦しんで。 けれど勢いを止めず、がむしゃらな低い姿勢で正面、 会議室のある方向へと突っ込もうとしている───!! (32) 2022/06/06(Mon) 19:58:01 |