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人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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志隈は、メモを貼った。
(a2) 2020/09/29(Tue) 8:45:44

【置】 二年生 小林 友



  人魚は香具師に逢わなければ幸せか、って
  聞かれたら、否だね。
  痛い手を我慢しながらロウソク書いて
  奥座敷に閉じこもったまま。
  そんな彼女を気遣う人間は
  街のどこにもいなかった。

  母親の望んだ明るく楽しい人間の街には
  最初から人魚の場所なんかなかったんだ。


 
(L0) 2020/09/29(Tue) 8:46:14
公開: 2020/09/29(Tue) 8:50:00

【人】 二年生 小林 友



  [だから、より良いものとして
    彼女の目に映りたくって。]

 
(13) 2020/09/29(Tue) 8:47:16

【置】 二年生 小林 友



  ……けどそれは物語の中の話でさ。

  こないだ彼女にフラれた時なんか
  同じバスケ部の連中がアイス奢ってくれて
  カラオケでわーっと騒いだんだ。

  悲しいことがあり過ぎて見えなくなるけど
  そう、悪い所じゃないと思うんだけどね。


 
(L1) 2020/09/29(Tue) 8:47:52
公開: 2020/09/29(Tue) 8:50:00

【人】 二年生 小林 友



  [俺は今日もまた、明るく気さくな
   “ユウ”を演じている。]*

 
(14) 2020/09/29(Tue) 8:48:42
二年生 小林 友は、メモを貼った。
(a3) 2020/09/29(Tue) 8:54:23

──淡色の球体1──

[そこは休憩所だろうか。
小綺麗だが仕事場の様にシンプルな場所。
マッチョな黒髪男に肩を組まれながら、雑誌を見ている無愛想な男がいた。
笑顔なマッチョは無愛想なのに慣れたようで、同僚か或いは友人に見えるか。
マッチョが今度出るボディビル大会のフリーポーズはどれが格好いいか聞いてるようだ。

パラパラとめくっていけば、薄色の髪、青い瞳の壮年の外国マッチョの前で手が止まり。
暫くじっと黙って見つめていた。
視線を奪われてる無愛想な男に、これがいいかなんて声がかけられ。]

…筋肉ありすぎじゃないか?

[そうかー?なんて笑い声とともに大会について話は進んでいく。
よく見れば、無愛想な男から吹き出しが飛び出て、
上半身のみ裸の貴方の姿も浮かんでいる。
カレンダーはつい1ヶ月前くらいを示していたか、
トマト乱痴気の交流後、少しばかり柔くなった男の日常の記憶。]*

【人】 アクスル

 
[W大切なものを奪われたW
 彼の痛みを、身体に教えられた。

 刺された場所は赤色の涙を零し
 ジクジクと熱を持ったままだ。]
 
(15) 2020/09/29(Tue) 9:36:21

【人】 アクスル

 
[悪かったと思う。

 幸い、拝借したあと
 とても丁寧に扱ってきたから
 取り返しのつかない僕と違ってあの蝶、
 フランツィスカは美しい姿を残している。

 返せばそれで満足するだろう。
 そう思っていたのに――、空気が変わる。>>7
 
(16) 2020/09/29(Tue) 9:36:33

【人】 アクスル

 
[慌てて目蓋を持ち上げれば
 彼の掴む凶器が鈍く輝いていた。>>7



   ッ いっ……!



[摘み上げられる左胸の先が悲鳴を上げる。
 この先は────、これの比ではない。
 貫かれる苦痛をもうよく知っているから
 瞬時に顔が青褪め、瞳が潤んだ。]
 
(17) 2020/09/29(Tue) 9:36:52

【人】 アクスル

 

   やめ……ッッ


[どうして僕が、こんな目に。**]
 
(18) 2020/09/29(Tue) 9:36:58
 
[ぶちぶちぶち……ッ、と
 皮膚と乳腺とを裂き破る音が
 僕の体内と、針を持つ彼の指にだけ響いた。]



   
あぁああぁ……ッ!!




[左胸の先を灼熱に灼かれながら
 情けのない悲鳴をあげ
 両目と新たな傷口から泪を零す。]
 

 

   ……っう、く……っ、ぅぅ……っ


[意識を飛ばせたならどれだけ良かったか。
 鮮烈な左の苦痛に呻きを漏らしながら識る。

 人は案外気を失えないらしいこと。
 いま受けたものに比べたら、
 先に受けた右の痛みは少しだけ鈍くなっていること。]
 

 
[彼の言い分はまるでわからない。
 仕上げるだなんて――、
 醜さが増しただけじゃないか。]



   ……っまた、壊した……っひどい……っ
   っく、返す、って言ったのに……っ
   いったい、なにがしたいんだよ……っ
   も、離して……離してよ……帰して……っ

   これ以上、僕を、醜くしないで……っ!!



[嗚咽して、肺が上下し、
 左右の銀色に響くから、苦しみが増す。
 わかっているのに、涙と主張は止まらずに溢れた。]
 

 
[視界の中心、僕の命を握る彼の表情は
 ぼやけてしまってよく見えず。
 ぐちゃぐちゃだ。顔も、髪も、心も。**]
 

 
[思惑通り、無視出来なくなって
 青い瞳も形の良い唇も
 再び開かれ
 俺が為すことに強い反応を示す。

 静かで厳かな、ふたりだけの空間に
 悲痛な叫びは酷く反響した。

 それは、やはり
 自分が望んだことなのに
 望んだものと違う、と眉を顰める。
 込み上げてくる反発を
 押し止めることは出来なくて、]



   醜いとか言うな…!

   こんなに美しいのに
   何でお前には分からないんだ…ッ、

   ザルモクシスオオアゲハには
   盗むくらいに魅了されたくせに、何で、どうしてッ



[思い切りぶつける。]
 

 


   はだけたシャツの隙間から覗く色素の薄い肌、
   その透けるように真白なキャンバスを彩る紅の体液、
   針で留め置かれた両胸の尖りも、
   震える艷やかな唇も、
   宝石のような両目から止めどなく零れ落ちる泪も、
 

   全部、全部
   どうしようもないくらいに美しいだろうが、ッ


   なのに、これを理解出来ないなんて
 

   俺が
したいのは
   お前のその
歪んだ価値観
の方だ…!!



[息吐く暇も与えぬ勢いで捲し立てた。]*
 

[彼女と会ったのは食堂だった。
どちらかと言うと珍しい場かと思うが、ないではないので、いつも通りに挨拶をした。
上品な振舞いは苦手ではあるものの、盗賊団に居た頃から役立つと教えられていたものでもあり、この屋敷に来て数日という訳でもないので、小さな舞踏会くらいなら出ても恥ずかしくない姿を見せられていただろう。

寧ろ不安を感じさせたのは彼女の返答の方だ。
ちょっと落ち着くなく見えたし、
元気かどうか聞いてくるなんて、ご令嬢でなくとも首を傾げたくなる返しだった。
じろじろ顔を見るのは無礼だろうと思って、
背筋を伸ばしたまま、僅かに目を細めて、大雑把に判断した]


  ぅ──ん……
  
  ご自分で歩けて、喋れて、
  食欲があおりなのでしたら、
  元気と言って良いのではないでしょうか!


[深入りするつもりはもとよりなかったが、
さり気なくご主人を元気付けるのも使用人の務め、とは、
誰が言ったんだったか。
ここの家訓と合っているかは知らないが、ご主人は元気でないより元気である方が良いなんて、当然だろう]

[さて、少しは彼女の気を紛らせたか。
別段変わらなくともさして気に留めず、
少ない朝食のメニューを聞いた後、
つかぬ事を聞かれた。]


  ……はぁ、 いや、まぁ、
  男ですけど……


[彼女はもしかしたら寝惚けているのかもしれないと思ったが、人目のあるところでそんな大それた事は口が裂けても言えない。
女みたいな顔、とは団の連中にも散々言われたし、それで良くない思いもしたものだったが、彼女に同じ様な事を言われたって全然気にならない。
何だろう。悪意が見えないからだろうか。
寝惚けてるという可能性も捨ててないからかもしれないが]


 (朝っぱらから優雅なもんだなぁ。)


[ちらちらとこちらを窺いながら「お酒」と口にする彼女に、他意なくそう思ってしまう。もうかなり長い月日を過ごしたのに、彼女の癖に気付いていなかった。
だから不意に投げられた誘いが、
食堂の賑わいにところどころ打ち消される。

え?と聞き返す前に、
さわさわと彼女に関するお喋りが聞こえて来た。
彼女の顔色が変わったのを見て、
彼女本人にも聞こえたのだと理解した]

[けれど耳打ちが来るなんては理解していなかったから、
ぱち、と萌黄色の瞳を瞬かせた。

こんなに人が多い所でやめろよな、とは思う。
噂されんのウゼーーーとかも思う。

彼女と居るのが嫌な訳では決してないのだが、
いかんせん立場が違い過ぎるし外野がやかまし過ぎる。

でも、従っちゃうんである己は、
微笑んで頷く以外の選択肢を持たない。
ずるいよな、お嬢様って]


  ……かしこまりました。
 
  本日は午後は銀食器を拭いておりますので、
  いつでもお呼び下さいませ。


[軽く頭を下げてそう告げると、食事の用意ができたと彼女が呼ばれて、この場は別れる事になるだろう。

食器拭きはまぁ替えの利く仕事だ、抜けても問題がなかった。
それから、先程のお誘いも「どっか連れてけ」という内容だと、遅れて理解した]

[街を歩き、知り、情報を集めるのが己の主な仕事。
だから己に声が掛かったのかもしれない……いや、
彼女は何かと話し掛けて来たり、茶に誘って来たりしている……
寧ろ順序が逆か?と思わせる。

外の方が確かに気兼ねなく話せる訳だから良いんだが、
お嬢様が夜、使用人とおでかけってのは良いのか??
従っちゃうんであっていいのか?

誰かに相談したかったが、朝食の席に居たのは噂好きな奴だったりお喋りな奴だったりで、ロクなのが居なかった。
だから一人で悶々悩んで悩んで、

………悩んだ朝食の味は、例えるなら豪華な雲の様なそれ。
雲食べた事ないけど。**]

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[便箋に嘘の名前を書いた>>0:L5直後、ぶぶっとスマホが震えた。通知の窓が開いて、最初の一行だけ見える。『アキナ』。
 メッセージはハルカからだった。ハルカはいつも、細切れにメッセージを送ってくる。だから開かなくても、通知だけで全ての内容が分かってしまう。
『もうすぐチア復帰だって』『それと』『気にしないでってさ』
 小さく唇を噛んで、スマートフォンを見つめる。通知が鳴りやんで、画面が暗くなってから、思い切って手に取った。
『ありがとう』『心配かけてごめんね』
 それだけ返信して、電源を落とす。画面が暗くなる一瞬前に、もう一つ通知が出た。『ナツキは来ないの?』]


 ……どの面下げて……?


[チア部にも、アキナにも。]
(19) 2020/09/29(Tue) 21:18:46

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[長い長いコロナ休みが明けて、久しぶりのイベントが新入生歓迎会だった>>0:39
 久しぶりに会った部員たちと、やっと発表できるね、あんなに練習きつかったのに、ずっとできないと恋しくなるもんなんだねって笑いあって。
 一年前に私が心を奪われたみたいに、新入生にもチアの魅力を知ってもらえたらって、鈍った体を少しずつ慣らしていった。
 だけど、歓迎会の二日前、急遽中止になった。
 部員が熱を出したから。

 私が熱を出したから。

『みんなにお願いしたい。誰かが熱を出しても、決して責めないでほしい。そしてこれからも、体調が悪い人がいたら、隠さずにすぐに教えてほしい。イベントが無くなってしまうとか、迷惑をかけるとか、いろいろ考えるかもしれないが、みんなの命を守るという選択を取ってください』
 顧問はみんなにそう言ってくれたらしい。

 PCR検査の結果は陰性だった。]
(20) 2020/09/29(Tue) 21:21:28

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[誰にも責められなかった。
 誰も悪くない、悪いのはウイルスだ。呪文のようにみんなが口にする言葉。
 それは分かっていても、準備しても準備しても中止が続くと、少しずつ空気が濁っていく。

 私はいつも以上にがむしゃらに練習した。顧問に頭を下げて、難しい新技に挑戦した。

 シングルベース・エクステンション。ベースは私。トップはアキ。
 たった一人の右腕で、一人の人間を持ち上げる、想像できないほどの力を必要とする技。この技の時、重みを分散させてくれるハルカとフユミは居ない。
 この技は、男女混合のチームではよく見られる。ベースは男で、トップは女。

 だけど私はそれがやりたかった。どうしても挽回したかった。

 天に向けて伸ばした私の右手に、奇跡的なバランスでアキが乗る。テーピングだらけの右腕と、アキの体に、一本の芯が通る。私たちは繋がっている。
 丁寧なバランスを保ったまま、アキはゆっくりと右足を逸らす。頭を高く保ったまま、さそりが尾を持ち上げるように。
 アキのスコーピオンは、この世で一番美しい。180度に開脚し、そらした足を頭上まで上げる大技。その芸術的なバランスを、みんなによく見えるように、私の右腕が掲げ上げる。
 右腕はテーピングだらけ。腕だけじゃない、身体中に貼られた湿布、腰を支えるコルセット。

 やった、と、思った瞬間、

 アキナを、落とした。]*
(21) 2020/09/29(Tue) 21:23:14
(a4) 2020/09/29(Tue) 21:33:40

[彼が盗賊出身だとは聴いたのだったか。

彼が上の者に敬語を使う様に違和感を覚えなかったし、
義手という、はいてくのろじーを手に着けているのだから、
訳あり貴族さんかしら、などと思っていたこともある。

働きたいと言われたときだって、
人手は足りてます、と断りかけたくらいだ。
領地にいない仕事、
他国のスパイを頼むには信頼が足りていなかったし、
スパイは一度国を離れるとなかなか帰ってこないもの]

[ニンジャだって街道に菓子屋を開いて、
その土地の諜報をしていた、と習った。
黒ずくめの頭巾は髪の毛をまとめるキャップなのだと。
遠い土地のことを知って賢くなった気がした。
それはどうでもいいとして]

[彼の希望をいろいろ聞いてみて、
街の情報をもってきてもらうことになったのも、
いつでも連れ戻せること、
逃げられても損害が少ないこと、
他国の高貴な人なら人質に取れるという理由で説得した。
本音は、死なれては寝覚めが悪すぎるのだけだったけど。

その日は疲れてお酒を飲んだところまでしか覚えていない]

[最初のいきさつはともかく。
今はフランクに話すリフルという人を知っている。
平民なんだなとも分かる。
――だって猫を被るのに慣れていない様だもの。

シャーリエの庭に入ってきた侵入者さんだけど、
庭の席が空いていたものだから、座ってもらった。
怪我人として世話している間に捨てるのが忍びなくなった。
市民生活について話してみたら
知らないことばかりで楽しかった。

色んなことを教えてくれたお姉さまの代わり?


そういう関係なのだ。

運命とか偶然とか捨て猫とか、そんな縁の人]

―― 食堂 ――
[そうか私は元気だった。とリフル鏡で確認したけど、
頭がぼんやりしているのは夢見のせいなのか。
目の前のリフルは男の人だそうだ。
それなら、あまりベタベタしてもいけないのだろう。
……彼が女の子だったらベタベタしたかったのだろうか。


後に聞かれれば
「一瞬、リフルがおねーさまに見えたんだ、っけな?」
とへんてこな考えの源を答えたかもしれない。

昨日からふわふわしたままの自分がよく分からない。
シャーリエの庭の住人と話したい、会いたいと、
彼を伺って約束を持ちかける。]

[噂されたら後でごめんなさいするから、許してって顔で]


 では頼みます。

[って精一杯の主従関係を演じた。
「かしこまりました」って言ってもらえて、
ホッとしたのは周りにはバレなかった、と思う]

―― 昼食後 ――
[私しか把握していないことを最優先で済ませ、
残りのお仕事はお父様に任せてしまった。

……というのも、お父様が私に自由時間をくれたからである。
その代わりに重い宿題を持たされているので、
ありがたいというか当然というか……]


 やっぱりお酒飲みたい気分……


[なのだった。]

[リフルを裏口で待たせて、
屋敷とは違う格好に着替えて待ち合わせ。

街にでたとたんに、お酒飲みたい、である。
日が高すぎてお酒を出す店はまだ寝ているかもしれない]


 お酒飲みたいけど寝るには早いよね。
 デートスポットを視察したいです。
 お願いしていい?


[お酒と睡眠がイコールで結ばれてる思考は、
相談の前に飲んではいけないと考えたようだ。

外に出るときは街に詳しいリフルに希望を伝え、
道順も場所もお任せするのがいつものこと。

どこに連れて行かれたって身の危険は考えていない。
ここは私の国だもの。
連れは父の選んだ者じゃない、私の臣下だもの]

[纏めてアップにしていた髪は下ろして二つに結った。
ジャンパースカートの裾は緩く広がって、膝下で切れる。
ブラウスの襟元に萌黄のリボンを結んだけど
お目かししすぎかしらと首を傾げて、まあいいかと流した。

街着に着替えるということは、
この後仕事しません宣言なのだ。

昼から街着の方が罪悪感を感じている私に、
リフルのまともな市民感覚はわかっていなかった。
夜の方が気楽なくらいである。]