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人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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ナオアキは、歩を進める。
(a20) 2022/06/07(Tue) 12:57:06

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

「…篝屋クン、あっちの方でまだ生きてると思うのよォ」
         あなたは死ななければならない
「酷い状態だから、早く行ってあげた方がいいんじゃない?」
                     あなたは死ななければならない
「アタシ、会議室に行きたいだけなの。頭痛い」
                  あなたは死ななければならない

 だから、何か言うならこの方向だと思った。
 善意や思いやりを取り落としてきているのに、
 他人のそれが存在することを知っているのだ。この男は。
  あなたは死ななければならない

 篝屋が生きているかは知らないが、別にトドメを刺していないのも事実だ。
 生きているのなら、生かす気があるのなら、手当ては早い方がいい。
あなたは死ななければならない
 自分を見逃すのなら攻撃しないとは言わなかった。
 そのつもりではあるが、言った方が今は嘘臭くなる。
 立場が対等でない者とする約束なんて、形だけのものにしかならない。
             あなたは死ななければならない

 信用を取る気はなかった。多少でも思考が逸れればそれで良い。
排除できる。
(16) 2022/06/07(Tue) 12:59:04
ナオアキは、歩を進める。
(a21) 2022/06/07(Tue) 12:59:14

ライカは、走って、走って。足がもつれても。
(a22) 2022/06/07(Tue) 13:07:10

【人】 未だピンボケ ライカ

「あ、れ」

見つけた!と駆け寄った先に、見えるのは。
あの時、確かに標本室で。

「結木、さん…?」


どうして、死んだはずの貴方が。
(17) 2022/06/07(Tue) 13:23:18

【人】 トラジコメディ フカワ


後退りをする。

「ひ、そ、それにつきましてはその」

一匹どっかから此処に誘導するのに、
どれだけ手間掛かってると思ってんだクソッタレ。
そう毒吐いてもとても聞き届けてくれそうにない。

愚痴ったら親身に聞いてくれそうだった彼は、
もうどこを探しても見当たらない。

指示なく異変を嗅ぎつけ、ちょろちょろとやってきていた二匹の小動物を見遣る。
片方は地面の液体を避けようともせず突っ込んでとろけた物体たちの仲間入りを果たし、もう片方は駆けることままならず、のろのろ空を引っ掻くだけ。

それをぽんと脚で蹴り飛ばす。
何かに気を取られてくれればいいのに。

『ひ、あ、後、無さすぎ、だろ……』


どれだけ怯えても、絶対に転んだりとかしないように。
背負ってるのはもう自分一人の安全じゃないんだ。
(18) 2022/06/07(Tue) 13:25:06
フカワは、後退りをする。
(a23) 2022/06/07(Tue) 13:25:13

【人】 トラジコメディ フカワ


篝屋さんを引き合いに出されて、
一瞬、ほんの一瞬だけ硬直した。

何故かといえば、もしかしたら会社の後輩になってくれそうだった相手の安否に関わることだったから。
何故一瞬だったかといえば──

「排除──奇、遇ですねェ、
 オレもそう……オレも頭痛いんですよ」

「その原因。安全を脅かすものを、
 排除すれば解決すると思ってて」

自分は害意だけにはどうしても敏感だったから。
それも“排除”ときた。『彼』と似つつも決定的に違う、
加害者としての、実に傲慢なそれを聞き逃すはずはない。

「な、何もオレが行く必要ありませんし?
 だから、そう……こっちはもう」
(19) 2022/06/07(Tue) 13:30:50

【人】 トラジコメディ フカワ




『後に引く気はねェんだよッ!』



寧ろ自分のごとそっちの頭も割れろ、とばかりに力強く吠える。
鼓膜を介さない、脳を貫き揺さぶる純然たる音の暴力。

施設に蔓延る獣たちに対する呼び声で、
急いで駆けつけようと奔る仲間への導で、
明確な意志でもって攻撃せんとする、初めての害意の形。

血の気がバカみたいに引いていく。
言ってしまったこと以上に、力に身体が侵される感覚。
こんなもん二度三度やれるようなもんじゃないということを、
嫌ってほど思い知らされる。
(20) 2022/06/07(Tue) 13:36:07
フカワは、後退りしようとした一歩で、力強く地面を踏み締める。
(a24) 2022/06/07(Tue) 13:36:42

【置】 ハリの豺狼 カナイ


────居た。

遠く、けれど他人事ではない程度に近く。
轟く銃声がそれを確信じみたものにする。
そして『声』がそれを裏付ける。

ああ、でも、これじゃ迂回なんかしてる余裕は──いや、

動きを止めている・・・・・・・・

最短距離を選びかけた足は即座に迂回路を選ぶ。
それが足を止めたという事がどういう事かはわかっている。
脅威を取り除く為にそれを直視し向き合う臆病者は、
もう嫌になるほど間近に迫った現実を見ている。
(L4) 2022/06/07(Tue) 13:48:10
公開: 2022/06/07(Tue) 13:50:00

【置】 ハリの豺狼 カナイ


叶 西路は狂人だ。

誰だって当たり前に嫌な事が当たり前に嫌で、
当たり前にそれから掻暮に逃れたくて、
けれど手段を選ばないには当たり前に道徳観と理性があってしまって、
普通じゃない自分の欲求の事も当たり前に普通じゃないと思っていて、

それでも誰も助けてはくれなかった。
それは単なる思い込みで、ただ自分が誰も頼なかっただけ。
だから自分が恐ろしいものから逃げる為にはそうするしかなくて、
やりたくないのと同じかそれ以上にやらなければならないんだと思ってしまって
そう思い込んで当たり前の躊躇いを振り切ってしまった。

叶 西路は狂人だ。
きっと誰しもそう思うような事を切っ掛けとして道を踏み外した、
誰もが他人事ではない、当たり前のいびつさを抱えた狂人だ。

だからやりたくない事はやりたくなくて嫌な事は嫌だし、
だから他人とは言えない間柄の人を脅かすものがあれば他人事ではないし、
だから理由はどうあれ自分を庇ってくれた人を見捨てるのは嫌だし、

だから恐ろしいものは
二度とその暗がりから這い出す事の無いように殺さねばならなくて、

だからその為ならどんなに嫌でも意思は一線を踏み越える。
(L5) 2022/06/07(Tue) 13:49:02
公開: 2022/06/07(Tue) 13:50:00
カナイは、逃げない。
(a25) 2022/06/07(Tue) 13:50:17

カナイは、逃さない。
(a26) 2022/06/07(Tue) 13:50:21

【置】 篝屋に来た カジヤマ

『あンの野郎、自分で酸被って殴ってきやがった!!』
『俺ちゃんはまだ死んで――』

小さな声がどこにも届かない。
それは身体から発されていない。

自分が本当に死んでないのかこの暗闇ではわからない。
外の声も聞こえない、稀に己に反応してくれた人間が
生きているか死んでいるかもわからない。

まるで黄泉をさ迷う亡霊のようだ。
いつかは
どちらかに
行ききるのだろう。

ふざけたことばっか頭によぎる。
死んだら家族に会えんのかなーとか。
後輩や大学面子に怒られそうだなとか。
先輩たちは呆れていい気分にはならないだろうなとか。
あの子は敵じゃねぇっていってくれたのに、
あの人を敵のままにしてやりたくないのに。

なんでこの身体は動かねぇのかなとか。

『死んでも声届くならセーフ?』


んなわけないか、無理に笑って闇雲に黒の世界を走った。
(L6) 2022/06/07(Tue) 14:50:07
公開: 2022/06/07(Tue) 14:50:00
/*
めっちゃ"いいやつ"のロールの途中ですごいアレなんですけど
喫煙所(概念)で話してて凶狼気付いちゃったにゃんけど
今日人間二人屠っても明日の朝に焔狼お嬢様がおくたばりあそばせられるので
つまり3:3にならずこれまだ決着しませんわね???

つまり人が何人か……ガチ死なさりますのね?おそらくは?

ナオアキは、銃を落とした。
(a27) 2022/06/07(Tue) 16:49:35

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
「い゙っっ、あ゙あ゙ぁぁあ
あああ゙っっ!!?!?

あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 奈尾はここまで、ダメージを負った際に叫ぶことはなかった。
 痛みがないわけではなかったが、半ば麻痺をしているようなものだったから。
 あなたは死ななければならない
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
あなたは罪深い人間だから
あ゙ああああ五月蠅い
死なないと、いきてないとやれないじゃ 
 ない、ほしいのよ、ね゙ェ、罪を犯さなければ、おかした上で 
 罪って何、い゙、結果には原因がつきもの、いたい、殺そうと 
 してくる人にやさしくなんてしナ゙いでしょ、だからそれはア 
 
ナタ
それはアタシ
あ゙ぁぁあああいだいな゙ァっっ゙!!!!
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 ふらつき、頭をおさえて、思考の大部分を
 痛みに支配されながらも、足は止めないで、前へ。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 銃を拾って撃つよりかは、屈まないぶん水を使った方が早い。
 いや、今の己の状態からすればそれよりも──。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
(21) 2022/06/07(Tue) 16:50:56
ナオアキは、大きく能力を使い、反動で動きが鈍った深和に引き抜いたナイフを振りかぶった。そして、けれども、
(a28) 2022/06/07(Tue) 16:51:31

ナオアキは、深和を刺すことが出来なかった。それよりも前に────
(a29) 2022/06/07(Tue) 16:51:41

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+9 結木、さん

「どうして、は 僕のセリフです」

頭がガンガンする。脳が理解を拒む。
最初に会った時のように話しかけてくる貴方の姿が、どうしたってこの場では異常であることを"知ってしまっている"。

「あなたは、標本室で」
「死んでいたはずで」

傷はそのままで、赤を垂れ流してそこに立っている。
それは、おかしいことだ。
異常だ。

「生きている、なら 先輩も、結木さんも 治療しないと」
「死んでしまう みんなで一緒に帰れない」
(22) 2022/06/07(Tue) 17:08:47
/*
なんということ?
おれが焔を宿しているばっかりに……
生きたいと思ってしまったばっかりに……?

【人】 ハリの豺狼 カナイ


──ひゅ、と風を切る微かな音がして。

────パンッ!!!!


苦痛による、血を吐くような凄絶な絶叫が響いた後。
銃口より発せられる乾いたものとは異なる破裂音。

脇目も振らず廊下を駆け抜けた先でまず視界に入ったのは、
ナイフを振り被る長身痩躯のその背中。
ひどく焼け爛れ崩れた肉とそれが変質したらしき何か、
その間から時折顔を覗かせる白いもの。

惨憺たる有様となった奈尾の背中、その上部。
ともすれば頸にほど近い箇所で、
ともすれば剥き出しの骨に罅が入り、或いは砕けるような。
無防備な背に飛来した何かを避けられなければ、
奈尾はそんな凄まじい衝撃を感じる事になる。
痛みは無くとも。


音と衝撃の出どころは、
叶が咄嗟に奈尾の背に投げた、掌大のガラス片・・・・・・・
それが忽ち膨張するように体積を増し、炸裂したためだった。
(23) 2022/06/07(Tue) 18:07:17
カナイは、その鋭く透明な意思の形は、断ち切る為に。
(a30) 2022/06/07(Tue) 18:07:27

カナイは、きっとどうしようもない人間だけど。
(a31) 2022/06/07(Tue) 18:07:32

カナイは、誰も幸せにならないこの筋書きを断つ事はできる。
(a32) 2022/06/07(Tue) 18:07:39

カナイは、向き合って、終わらせる。自分ではなく、あなたの罪を。
(a33) 2022/06/07(Tue) 18:07:45

【人】 ハリの豺狼 カナイ


直撃すれば、ともすれば脊髄を傷付けたかもしれない。
たとえ仮にあなたが痛みによって怯む事は無くとも、
幾らかその部位を損傷してしまえば、恐らくは。
脳が身体に信号を──意思を伝える事が妨げられる。

それは意図した結果ではなく、
完全に奈尾の自由を奪うには狙いは甘かったかもしれないが。
ただひたすらに、咄嗟に投げ、咄嗟に恐怖を掻き集めた。
そんな無茶な行使と短時間での連続使用、
そして不安定な精神では、反動はこれまでよりも強く。


それぞれの意思が交錯する、そんな一瞬の後。

殆ど蹌踉めくように踏み出し、けれど注意深く様子を窺った。
反動によってぐわんと殴打されたように意識が揺れて、
視界がちかちかと明滅しても、動きがあれば見逃さない。
あと二回。
(24) 2022/06/07(Tue) 18:08:24
/*
強く生きてほしいにゃん。死ぬけどにゃん。
必要なら介錯はするにゃん……こっちができる状態だったら……

ライカは、そんな状態でも、写真を撮った。もう、癖になってしまっていた。
(a34) 2022/06/07(Tue) 18:27:59

ナオアキは、
 
(a35) 2022/06/07(Tue) 20:29:35

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならない
「   」  
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 喉を通った空気は、音にならなかった。
 痛みの大小だけで言うなら、深和に与えられたものの方が痛烈だった、が。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 脊椎──奈尾が最初に人を殺した時にも狙った部位。
 殺し切れなくても、損傷させれば動けなくなる。
 だから奈尾はそこを殴打した。それが己に返ってきた。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 「     」
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 世界が白くなって、音も遠ざかったというのに、奈尾の意識はまだそこにある。
 彼はまだ人間の形を保っている。保っていた。
 脳から決まった道を通る電気信号を送って活動する、脊椎動物だ。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 ナイフを落として、深和に覆い被さるように倒れ込んで、
 それでもまだ動く。生きようとしている。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
谺イ縺励>縺ョ繝ィ
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
(25) 2022/06/07(Tue) 20:30:19
ナオアキは、なんでだとか、どうしてだとかは言わない。理由は知れているので。
(a36) 2022/06/07(Tue) 20:30:50

ナオアキは、うねり、湧き立ち、形を変え、人間の枠から出ようとしている。
(a37) 2022/06/07(Tue) 20:30:59

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+11 結木さん
「いえ、……遠慮、しておきます。
 じゃあ、やっぱり……結木さんは、死んでしまっているんですね……」

どういう原理なのかは分からないが、今は置いておくことにする。あまりに非現実的な光景に脳がマヒしそうだ。
これも、実験の影響なのだろうか。本当に、傍迷惑な事をしてくれたものである。
無駄だとしても、そのうち傷口をふさいでおいた方がいいのだろうか。

「……」

白衣をキャッチして、貴方の靴が溶ける音に眉をひそめる。
そんな強い液体の中に、どうして先輩がいるのだろうか。

(26) 2022/06/07(Tue) 22:07:11

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+11 結木さん
「……杖は持ってるんですけど。
 1本だけなので、担架にはなりそうにないですね」

キャッチした白衣を手に緩く巻いて、自分も強酸の海に足を踏み入れる。
写真撮影に影響のある手が無事であれば、他はいい。
今は、先輩を治療しなければ。

「勿論です。
 先輩には、生きていてもらわないといけませんから」
「一緒に無事に帰るんです。絶対に」

そう約束したのだ。
だから、一緒に引き上げますよ。と言って。
貴方と2人で先輩を引き上げてしまうだろうか。
そのまま安全な場所まで運んでいくつもりだ。とはいえ手当の道具を持ってこないといけないから、酸の広がっていない廊下辺りか この近くの部屋になるだろう。

しかし 貴方が先輩とどんな会話をしたかなんて知る由もないけれど。危害を加えない関係であるなら良かった、と思うのだ。
(27) 2022/06/07(Tue) 22:12:47

【人】 ハリの豺狼 カナイ


「────あ、」

だめだ・・・


揺れる意識の中、眩む視界の中。
蠢くそれを見て、思考はただそれだけが鮮明だった。
牽制程度にしかならないかもしれないとは思っていたけれど、
その変容は、その執念は、想定をゆうに超えていた。

これは、自分でなければできない事だ。

あなたが真に恐ろしいものに成り果ててしまう前に。

あなたがこれ以上の罪を重ねる前に。

自分がこれ以上失わない為に。

信じた人を、助けてくれた人を、傍に居るものを。

僅かでも平穏な時を過ごした、安心できる場所を守る為に。


──ここで終わりにしなければ。
(28) 2022/06/07(Tue) 22:40:38

【人】 西へ行く カナイ


それからはあっという間だった。

「この──ッ、 その人から離れろ!!!」


殆ど思考を挟む間も無く、猛犬が喰らい付くように。

深和に覆い被さる異形を尋常ではない力で引き剥がし、
そのままの勢いで殆ど床に叩き付けるように引き倒した。
もはや肉薄する事も反撃を受ける事も厭わず、
ただその動きを止める為に押し倒すように抑え込む。

──果たして。
この場所は以前に刃の雨がぶち撒けられた地点の近くだろうか。
そうであるならその破片が。
そうでないなら、また一つ、すぐ近くの窓が爆ぜ散って。
あと一回。

床に散乱した破片が、ぴしり、めきめきと耳障りな音を立てた。

その直後、その全てが瞬時に成長し────

「────う"、あ っ" 」

無機質に冷たく、鋭く、透明な無数の杭となって、
異形と化しつつある奈尾を自分諸共にずたずたに刺し貫いた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから一拍遅れて熱く鉄臭い塊が喉の奥から込み上げ、
鉄臭さが口の中いっぱいに広がって溢れ出す。
想像を絶する痛みが身体の中を、神経を、脳髄を灼いた。
お仕舞い。
(29) 2022/06/07(Tue) 22:43:28

【人】 西へ行く カナイ


たとえるなら、そう、針の筵。

──無間地獄の刀山剣樹・・・・・・・・・


ねえ、奈尾さん。

自分勝手に、身勝手に、自らの欲求で。

どんな理由があったとしても、確かに人に害を為した。

どこまでも罪深いおれ達に似合いの地獄だと思いませんか。

あなたが悪人かどうかだとか、
どうしてそのような事をするのだとか。
そんな事は論じるにはもう今更な事だ。

どのような理由があれ、あなたは罪を犯した。
どのような理由があれ、自分は罪を犯した。
その罪深さを突きつけられる時が今だった。
おそらくこれはたったそれだけの事だから。
(30) 2022/06/07(Tue) 22:43:53
カナイは、それでもまだ生きていて、奈尾を抑え付けようとする。
(a38) 2022/06/07(Tue) 22:45:01

カナイは、当たり前に、死にたくなんかなかったけれど。
(a39) 2022/06/07(Tue) 22:45:09

カナイは、逃げ場は無くとも、足を止めたくはなかったけれど。
(a40) 2022/06/07(Tue) 22:45:15

カナイは、生きてと、そう望んだ少女を裏切ってしまうのは、嫌で仕方なかったけれど。
(a41) 2022/06/07(Tue) 22:45:22

カナイは、死ぬ覚悟は、もうできた。
(a42) 2022/06/07(Tue) 22:45:28

カナイは、それでも、伝えなければならない事があるから。
(a43) 2022/06/07(Tue) 22:45:34

カナイは、この地獄の中で、もう少しだけ生きている。
(a44) 2022/06/07(Tue) 22:45:40

【人】 トラジコメディ フカワ


──聞き覚えのある絶叫と、破裂音。

「いっ、」

緊張の糸がぷつんと切れて、
アンテナを取り落とし、尻餅をついて。
目の前から倒れ込む異形を認識しては、
心の底から錯乱して、観劇から現実へと引き戻された。

『やった?やってないまだやってない、やらなきゃ
 とりかえし、つかなくなるとるかえすつくように』


嗚咽なのか悲鳴なのかわからない音が喉から漏れ続ける。
わなわなと頭に手を当てて、何事か叫ぼうと思った時には、
(31) 2022/06/07(Tue) 22:48:11

【人】 トラジコメディ フカワ


『叶さん───!!』


それは他愛無い、
無意識のうちの脳の呟きに変換される。

透明な針の山が異形ごと貴方を貫いたのを見れば、
自分の胸まで何かに刺し貫かれたような痛みの錯覚を。

(───どうして?何故?なんで?)

疑問ばかりが頭で膨らんでいくものの、
それは── きっと、全てが終わっても分からないものだ。
仰向けから身を捩らせて、肘を突き、
手を伸ばしてもがいてはみるけれど、
決してどうにもできない目の前の光景を、
(32) 2022/06/07(Tue) 22:59:20

【置】 トラジコメディ フカワ

 
自分がそうなるものとばかり思っていたのが、癪だった。
(L7) 2022/06/07(Tue) 22:59:48
公開: 2022/06/07(Tue) 23:00:00
ナオアキは、他人にとって、理解できない理由なぞどうでもいいことを知っている。
(a45) 2022/06/07(Tue) 23:23:22

ナオアキは、罪の意識は、この期に及んで伊縫に外付けされたものだけだ。
(a46) 2022/06/07(Tue) 23:23:33

ナオアキは、己に地獄は似合いだと思わない。ただ、
(a47) 2022/06/07(Tue) 23:23:44

ナオアキは、己は地獄以外へ至るわけもないと思っている。
(a48) 2022/06/07(Tue) 23:23:47

ナオアキは、頭が痛くなくなった。
(a49) 2022/06/07(Tue) 23:24:01

ナオアキは、動かない。
(a50) 2022/06/07(Tue) 23:24:04

氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。
(a51) 2022/06/07(Tue) 23:31:20

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+12
「ここに来る前からの、知り合いですから」

ただ、それだけを。
だから、貴方のその声色が気になる事はなかった。
どう思われていても、貴方がすることも 自分がするべきことも、変わらない。

前に進むために手を貸してくれるのなら、その手を借りるだけだ。
生きなければならない。生きたい。生かしたい。
こんなところで死んでたまるか。

「麻酔があればよかったんですけど……そうもいきませんから。
 起きた時の痛みは、我慢してもらうしかないですね……」
「布……貴方の荷物にあった、職員の制服も使えますかね。首回り以外は汚れていなかったと思いますし。
 それに伊縫さんもきっとまだ持っているでしょうから。僕が会議室に取りに行ってきますよ」

他に必要なものはありますか、と尋ねながら。
汚れや血を洗うための水もストックから持ってくるべきかと頭を回す。

「……僕だって。
 生きているなら、生きてもらいたいです。生きていたいです。
 そうでなければ、ここに放り込まれた誰もが 報われない」

決して強い人間じゃないけれど、決意だけは。
(33) 2022/06/07(Tue) 23:57:10

【人】 西へ行く カナイ


斯くして人と異形の間と化した者はその動きを止めた。

臆病者はそれを見て取って暫くの後、
漸く殆ど硬直したように掴み掛かったままの手を脱力させ、

────ぱきり、


罅の入るような微かな音がして、
その後に透明な凶器が一斉に砕け、
両者は束の間この現に創られた地獄から解放された。

「い"、ぁ う"ぇ ぇっ、」

砕けた拍子に破片が再び肉や臓腑や神経を傷付けて、
倒れ込んだ事によってそれがまた深くへ潜り込んで、
言葉にならない悲鳴を上げ、血反吐を吐いて嘔吐いた。
これも、あの人にした事が自分に返って来ただけの事。

怖い。
怖い。
怖い。
死ぬのは怖い。
逃げたい。
けれど死からなんて、逃れられるわけがない。
(34) 2022/06/08(Wed) 0:20:03

【人】 西へ行く カナイ


「──、……深和さん…」

焦点が定まらなくて、前がよく見えない。
血がどんどん流れ出ていって、寒気がする。
全身から力が抜けていって、指先一本動かすのも億劫だ。
ああ、怖くて仕方がない。


「ぶじ、ですか そこにいますか……?」

それでも余計な思考を追い出して、
理性を掻き集めて、唯一正常な思考に意識を集中する。
まだ、伝えなければならない事がある。
(35) 2022/06/08(Wed) 0:20:50

【人】 西へ行く カナイ


「…仮眠室、に、……弓日向さんが、います」

迎えに行く・・・・・と行って会議室を後にしたけれど、
その後にこうして駆け付けた叶は少女を伴っていなかった。
そのわけを、自らの罪を、話しておかなければならなかった。
あなた達に無用な不安を与えてしまわないように。

「奈尾さんと、…おなじ、ようになってて」

「どうすることも でき、なくて おれが、やりました」

「……あの子が使ってた端末、
 あの部屋に おきっぱなしに、しちゃって」

抱えていた願望、そして呪詛。
叶わなかった望み。

それを与り知らない所で他者に知られるのは嫌だろうから、
大半のテキストファイルにはロックを掛けたけれど。

それでも、唯一の遺品と呼べるものだから。
生きて行く人に託したかった。
(36) 2022/06/08(Wed) 0:22:00

【人】 西へ行く カナイ


「…あはは……」

「頼まれたこと 全然、できなかっ た」

無事で、と言われたのにこのざまだ。
頼んだと言われたのに、迎えに行った少女の事も救えなかった。
生きてという最後の望みさえ叶えられなかった。

当たり前に頼まれた事を、
当たり前にやってのける事すらできなかった。
ああやっぱり、自分はどうしようもなく不甲斐ない人間だ。

「おこられ、るか なあ……」

それなら、怒られても、仕方ないかな。
(37) 2022/06/08(Wed) 0:23:14
カナイは、罪の重さは自身が計るものではなくて。
(a52) 2022/06/08(Wed) 0:28:47

カナイは、与えられる罰も自身が決めるものではないと思っている。
(a53) 2022/06/08(Wed) 0:28:58

カナイは、それは、罪悪感の有無に関わらず。
(a54) 2022/06/08(Wed) 0:29:19

カナイは、だからこれは、なるべくしてそうなっただけの事。
(a55) 2022/06/08(Wed) 0:30:29

【人】 トラジコメディ フカワ


「叶、さん……」

頭痛と吐き気が身体を苛みつつも、
どうにか貴方を救う手立てを考え続けて。
しかしぽろぽろと涙が流れ落ちるばかりで、
それ以外には何も出てこない。

手遅れだということを認めたくないのに、
悪癖となった諦観が身を包んで離してはくれない。

「なんで……オレで、よかったの、に……
 全部……持って行かないでくれよ……!
 ひ、二人の……二人で抱えるもの、だったでしょうが」

這う這うで近づいて行って、
投げ出された掌を両の手で握ると、
急速に失われていく体温が痛いほどに伝わってきた。
(38) 2022/06/08(Wed) 0:44:30