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人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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[椅子に座ったままの男を見る。
 この男は自分を捨てるというのが
 脅しになると思っているのだ。


  ふふ、そんなの効くと思っているの?


[嘲笑する。
 ……実際ちょっと堪えて頬が引き攣ったけど、
 自分はいい子でいたかったんだ。
 どうでもいい子になる位なら、悪い子を選ぶわ。]


  ……奪う? いいえ、返して貰うのよ
  それが貴方のものになった時間なんて
  一瞬たりともないんだからぁ……っ!


[手枷の嵌まる手を力任せに引けば
 鉄の鎖が千切れて女の身体を自由にする。
 男を威嚇するように睨みつける。
 それは私のだ。]
 

 
[────そこに水を差すものがある。]


  「きれいな顔が台無しだよ、ジャンヌ。
   君の人としての取り柄はそれ位なんだからね」


[二十代半ばほどの身なりの良い金髪の青年が
 ジャンヌの傍らに立っていた。
 呆気に取られるジャンヌのドレスから
 白いハンカチを取り出し涙と唾液と血を拭う。]


  「君が働いて買ったのかい。凄いじゃないか。
   はぁ……勿論婚約者の僕にくれるんだよね」


[呼吸など必要としないその男は
 ハンカチを鼻に当て深く吸い込むと自らの服にしまう。]
 

 
[それから、ジュダスの方を向く。]


  「どうも、商人の方」


[品良く微笑いかけ挨拶した。*]
 

[ 脅しと取られたらしい。
実際には行わずに効果を狙うのが脅しであり、実際に行うのは宣言である。などと高説を垂れるつもりは無い。男の言葉が宣言≠ナある以上、どう受け取ろうと知ったことでは無い。]


 今まさにこの手にあるというのに。
 私のものでは無いと。
 世間知らずもそこまで来ると救えませんね。


[ 豹変した女を前に男は変わらない。
薄笑みの消えた冷たい顔のまま、ただただ女の威嚇を受け流していた。]

 
 ほう?


[ 女の雰囲気がまた変わった。
いや,変わったと言うよりも─── ]


 何と呼べばいいかな?
 魔術師の方。


[ なるほどと得心しながら、男の顔に薄笑みが戻る。]*

 


  「ロジェ・ド・メーストル
   好きに呼んでくれ給え
   話をしよう。お茶でも飲みながら」


[男は名乗る。
 そしてパチンと指をひとつ鳴らした。
 床に倒れる大男の姿がなくなり、その代わりに、
 ティーテーブル1脚にチェア3脚が現れる。
 地下牢の中に異質な空間が出来上がった。]
 

 
[チェアに腰を下ろすと声を上げ
 マリエルにお茶の支度をするよう命じる。
 辺りにいるようなら彼女は指示に従い運んでくる。
 上から重ね掛けされようと
 一度土地に踏み入れ支配を受けたものが
 魔術師の手から完全に逃れることは叶わない。]


  「彼女の淹れる紅茶は美味しいんだってね
   貴公も試したのかな、ジュダスくん」


[どうぞ席にと勧めるが無理強いはしない。
 「私の……」とブツブツ呟く婚約者には自身の隣の席を勧め
 悩む様子もありつつ大人しく座るのを見届けた。*]
 

 
 それで?
 メーストルが何か用ですか。


[ 薄笑みを浮かべたままの男は少し呆れたように言葉を口にした。勝手に踏み入って好き勝手を始める魔術師に不快感がないこともなかったが、それよりも何しに来たのか知るべきだった。]


 おっと先に言っておきますが、
 私の眼も少々特殊でして。
 
 幻惑の類は無駄ですよ。


[ ディスイリュージョン
幻惑の類を無効にする魔眼。生来の視力の低さはこの魔眼の副作用でもある。そのため、ジャンヌの持つその眼に比べれば出来損ないと言えないこともないが。]

[ 男は首を横に振る。]


 いいえ、茶を嗜む趣味はないので。
 私の分は結構です。
 

[ 男は茶を辞し、勧められた席に着くこともない。
元より座っていた無機質な椅子に腰を下ろしたまま。]


 何か言いたいことがあって出てきたのでしょう?


[ ブツブツと何事かを呟く女には一瞥もくれない。
意志を持たない人形に用はないのだ。]*

 
[ジャンヌは青い宝石が気になって仕方がないが
 魔術師の言葉に渋々従うしかなかった。
 彼女の知る世で最も恐ろしい男が目の前に二人もいて
 それぞれの出方が読めないものだから。

 だがいつでも宝石を狙っていた。
 持つ男に隙がないのを理解しているからこそ
 飛び出したい本能を抑え漁夫の利も狙わねばならない。

 そうやって鉄球二つを引き摺ってきた娘の隣で
 魔術師は人の良さそうな顔で笑っている。]


  「アポ無しで失礼したね。
   へえ、貴公も面白い眼をお持ちなのだね」


[領地を踏むことが術の発動条件であり
 話をしにきたので個別にかける気もなかったが
 興味深そうに色の濃い眼鏡の奥を見つめた。]
 

 

  「それに僕を知っているなんて凄いじゃないか」


[こんな大陸の反対側に住む人間にまで
 自分の使う術の種類が知られているのは
 魔術師にとって恥ずべきことだ。
 悟らせないからこそ何百年と実際の土地を用いた
 陣取りゲームで遊び続けていられるのだから。
 だが商人の情報収集能力の高さを素直に賞賛した。
 幻惑を打ち消す瞳といい、良い素材だ。]
 

 

  「だそうだ、マリエル。
   お茶は二人分で頼むよ」


[こんなに美味しいのに勿体ないね。
 そう言って一人だけ紅茶を優雅に味わう。
 コットンが余計な渋みを吸着しまろやかにしてくれる。
 この淹れ方が最高なんだよと
 階上に戻っていくマリエルに声を掛けた。]
 

 

  「そうだね、言いたい事は幾つかある」


[カップをソーサーの上に置いた。]


  「先ずは貴公に感謝を。
   調査のために使いを送ってくれたろう。
   それで彼女の居場所が掴めた。
   お陰で時間が短縮できたよ、感謝している」


[一度支配した者の目と耳は自由に借りられる。
 同時に数千人並行処理をすることもあるが
 街を飛び出した娘の行方は離れれば離れるほど
 掴むのが困難だった、それに関する礼を述べた。
 女の寿命は短いからという理由であるが。]
 

 

  「それから契約書の内容。
   あれには見つけても価値をつけないまま、
   或いは報告をしないまま期限を迎える、など
   貴公が自動的に勝利を得る手が幾つか使えたが
   貴公はそれをしなかった。
   ゲーム性を楽しむ心が垣間見えた気がするね。
   あれはよかった、なかなか見ものだったよ」


[本題にはまだ入らず。
 手を軽く叩いて賞賛した。*]
 

[ 実に魔術師らしい物の捉え方だった。
だが、その勘違いを正してやる理由はない。]


 なるほど。
 大した魔術師ですね。


[ 如何に魔術的なラインが繋がっていたとしても、その支配を及ぼすには並大抵の力では足りない。故に、古代魔術はギアスという方法を使った。術師の力を常に使わずとも縛り付ける方法を。それが例の契約書だ。
魔術が万能であるならこの世を支配しているのは剣ではなく魔術なのだ。
故に、この魔術師の限界も見える。]


 それで?


[ 長い前口上に興味はない。]

[ 男は魔術師を見る。
おそらく幻惑の類、打ち消そうと思えばいつでもできる。
そうでないというなら、この場で殺してしまえばいい。

そして男は女を見ない。
興味を失ったかのように、まるでここに居ることすら忘れたように。

そこ視線も、薄笑みも魔術師に向けられている。
この場、この対話は男と魔術師だけのものだった。]*

 
[ありがとう、と軽く流し、
 うん、と頷き魔術師は続ける。
 契約の内容は互いに肝心なところが
 守られていないと指摘する。]


  「一個質問したかったんだよね。
   、、、、、、、、、、、、、
   見つかってるものを見つけるって
   一体どうやるの? ってね。

   契約の不履行はそちらもだよ」


[そもそも片側が確実に負けることのない誓約では。
 制約内容も制約の存在も聞かされておらぬ契約では。
 そんなもの効果もたかが知れていると続ける。
 事実、その言葉を聞いた娘は魂を縛る鎖が
 解けるまでいかずとも拘束が弱まるのを感じた。
 人の心を惑わす術を使うのが魔術師なのだ。]
 

 
[魔術師の姿自体は幻惑の類ではない。
 魂に魔力と怨嗟が絡み付き
 可視できるまでに折り重なる集合体。
 消滅させることは可能だろう。
 ただ魂はここにひとつだけではない。]
 

 
[男同士のやり取りの間に女は、
 自分への意識がないことに気が付いた。
 そっと裸足のまま光源を遮らないよう移動する。
 ジュダスに近づいたと思ったとき
 手枷からぶら下がる鎖が
 何かにぶつかりカチャリと音を立てた。]


  ……!


[地を蹴って青い宝石に手を伸ばしながら飛び込んだ。*]
 

 
 
とまれ



[ それは古代魔術に使われていた失われた言葉≠セった。
男の言葉と同時に女の体には百の手がその体を戒め、同時にその魂を痛みが襲う。]

 
 私を相手に問答などと。
 魔術師どのは戯れがお好きらしい。


[ 言葉遊びなど契約書には意味がない。
意味があるのは事実だけ。そしてその契約書に誓いを立てたというだけ。]


 商人というのはですね。
 舞台に立つときは勝ちを確かなものにしているものですよ。

 貴方のゲームとは違う。


[ そもそも対等な契約である必要もない。]

[ 男は椅子から立ち上がるが、その視線は相変わらず魔術師に向けられている。]


 勘は大事にしなさい。
 私に隙はない、そう思っていたのでしょう?

 ジャンヌ。


[ 顔は女に向いていない。
だが、女には確かに男に見られている気配が感じられるはずだ。]


 さて、ご理解いただけましたか魔術師どの。


[ 男の目は光を感じることはない。
その代わりに、魔術の力が男に別の視覚を与えているのだ。]

 
 さて、商談といきましょう。

 私の要求は、
 私のものから手を引いてください。

 というものです。


[ やや芝居がかった緩やかな動きで部屋の中を歩く。
ブーツの踵が石の床を踏みつけて、その音が石の壁で反響する。]


 そこの女は私のものです。
 手を引きなさい。


[ 女にかけられたギアスは聖王国の大神官でも解くことができないほどの強力な呪い。契約者の両方の合意なく解かれることはない。]

 
 ……そうだ。

 その女が私のものであるなら、
 その女のものも私のものと言えますね。


[ 今気付いたかの様に男は言葉を続ける。]


 アンペールの領地を返して≠「ただきましょうか。


[ 薄笑みが深くなる。三日月が大きく嗤う、]


 ……冗談ですよ。


[ そうして男は再び椅子へと戻り腰を下ろした。]*

Jは、就寝
(a0) 2022/03/22(Tue) 23:40:21

商人 Jは、メモを貼った。
(a1) 2022/03/22(Tue) 23:41:05

 

  
きゃ、あぁああ
……っ!!!!


[その前に感じたものは勘違いだったと。
 再認識させられるが如く
 彼の声に身体が硬直し痛みに悲鳴を上げた。
 彼に、近づくことも出来なかった。]


  ……!


[心を読まれている?
 見られていない筈なのに威圧感があり
 背筋を汗が伝った。
 自分は、逃げられないのだろうか。]
 

 
[石のように硬直したままその後を見守った。

 女の所有権を再三主張されれば魔術師は
 「婚約辞退は受け入れてないから僕のなんだけど……」
 と余り納得していなかったが
 実力差は十分に理解したらしい。]


  「……返して欲しければ取りに来ると良い」


[そう苦い顔で捨て台詞を残し
 現れた時と同じように突然に姿を消した。
 この場に現れたのは魂の一部。
 本体の多くは領地にあるのだろう。]
 

 
[あの恐ろしい化生が囮にもならなかった。
 その事実に冷や汗が流れる。

 制止の効果は解けただろうか。
 何れにせよ椅子にかける男から目が離せず。]


  ……。


[ブローチを奪うなど無理だ。
 奪おうとすれば捨てられる。
 大人しくしていても忘れられる。

 望みのない現実に打ち拉がれた。*]
 

[ 漸く一息ついたのは魔術師の気配が消え、暫くしてからだった。
男にしては珍しく体を緩める。]


 ……ふぅ……


[ 五分以上に渡り合えたのは僥倖。
こちらがあれを上回ったのではない、それは単に性質の違いというだけ。
強いて言うのなら、あれほどの魔術師を相手にハッタリを仕掛けるだけのこの男の胆力が相手に勝ったということだろう。]


 戦っても負けませんがね。


[ 少なくとも相手の領地でなければ。
だが、そうであったとしても大損害はまぬがない。
それは商人にとっては負けに等しい。]

 
 よかったですね。
 ギアスが効いてくれて。
 

[ 男は漸く女へ偽りの視線を向けた。
男の操る鋼糸は特殊な製法を用いて作られていて、その鋭さは鉄の鎧すら切り刻み、細くそして光を通す性質が糸を見えにくくしている。]


 あと一歩踏み込んでいたら、
 今ごろ貴方はバラバラの肉の塊でしたよ。


[ 男は魔術を操ることはできない。
だが、財を投じて手に入れた無数の魔術道具とノウハウ、そして男自身の研鑽によってここまで力をつけた。]