15年の歳月を経て、カポ・レジームに返り咲く。
「いやもう隠居したいんでござるけどｗｗｗ」と言いながら、
最後までヴェスペッラの船長を勤めあげ、その間乗り込んだ
あらゆるクルーをヒト・AI分け隔てなく『推し』続けた。

一番大切な人の傍を離れず、決して離さないと誓った。
商人として、ファミリーに莫大な富を授け、確固たる地位を築くだろう。

一番大切な人の傍を離れず、手を握り続けると誓った。
ファミリーの為に、今日も医師として働き続けるだろう。

金や義理が通るなら立場を問わない護送屋の形はそのまま、
各地を転々としながら仲間や財を増やす。

送り込んだ筈の刺客もそのほとんどが帰って来ず、
奇しくも時を同じくしてソーレ・ノッテにそれぞれに
辛うじて逃げ帰ってきた者は「流星群ｼｱｰﾒ･ﾒﾃｵﾘｺ」という護送団の中に、
幾ら血を流しても止まることのない、そんな尾を引く竜星を見たという。

航路の始終が当人の計画通りに事が運んだかは定かではないが、
その名は後世にも伝わり、マフィアが子を叱る際にも語られた。
　

護送団の技術部として存分に仲間達の仲を取り持つ傍ら、
張り切りすぎなほど手腕を振るう。

彼らの航路がいつまで続いたかは定かではないが、最期まで竜の隣に在った。

処罰を粛々と受け入れて、AI化。
その際に預けていた２つのバックアップを使われたことに
混乱を見せたが、それを受け入れる。……感謝と共に。
以降、監視対象兼技師としてヴェスペッラ運営の一員として長らく務めた。

事件の記憶が遠くなる頃、とある騒動の中心となることがあったが……
その後も恩を忘れることなく、ヴェスペッラ愛しき家の助けとなっていたようだ

死期を悟ると共に人々の前から姿を消す。
偽りの夢として掲げていた宇宙旅行をなぞる形で、星の海に沈んだ。

あれから多くの人の協力により無事蘇生が果たされた。
――ただしアウレア一人ではなく、
自身に内包していた七人の人格データ全員分だ。
騒がしい人間が増えたか、有能なエンジニアが増えたか、
ファミリーの人間にどう捉えられたかはさておき。

きっと自分が終わりと認めたその時まで、アウレアはノッテに生きるのだろう。
自分の信ずるものを愛しながら、自由に。

事件の数ヶ月後に功績が認められ昇進、直属の上司ができた。
手術を終え寿命は平均近くに回復したが、　
引き続き病院には通い義体関連の手続きをしていた噂が残っている。
それまでのファミリーへの恩義と負債を返し、　
財産と地位を確固たるものにするため働き続けたという。

──人を信じられなければ賭け事には勝てない。

仕分人はいつまでも、その身体が動く限り、
あなた達大切な人を追って宙の星夢に手を伸ばし続けていた。

一年後、後続機と入れ替わる形でヴェスペッラの所属を外れ、個人の下につく。
ノッテの所有物であること自体は変わらず、　
稼働限界を迎えるその時まで、ノッテの為に働き続けた。

張三李四園よりの貸出扱いは変わりなく。
稼働保証期間中に後継機へのディーラー業務引き継ぎ後、工房の広報に納まる。

一定の措置の後、変わらずバンカーとして稼働し続ける。
ベルカ・・・と呼ばれた0と1と共に。
いつかヴェスペッラが役目を終えるその時まで、
この広い星の世界で、出会うAIを、人を、記憶し続ける。