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人狼物語 三日月国


52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】

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[ 君は僕のものだから。** ]
 

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[私は自分勝手な復讐心で数多の敵と同胞を殺し、狂い果てるべき定めの“ひとでなし”だった。

  (こんな私を怖がらない。
   こんな私を拒まない。
   あまつさえ、こんな私の願いを叶えようとした。
   いつまでもばかで愚かだと思うが────……、)

でも、お前が私に向ける気持ちを、漸く理解できた。

(2人寄り添い眠った夜が穏やかだった訳も、
 餞別を渡す名残惜しそうなかんばせも、
 甘く抱かれた夜に触れる優しい手つきも、

     ……いまなら全部、納得がいく。)

────────……… だから、「噛んだ。」
                (応えた。)]


 
(61) 2020/12/12(Sat) 9:46:39

【人】 終焉の獣 リヴァイ




  (『────……傍に居てくれ、リヴ。』)
  (「……何処にも行けぬと知っておろうに。」)



[大切なものを傷つけてはならないと知っていたのに。
死に向かう痛みを増やすだけだというのに。

百獣の王には、その生き様に相応しいくちづけを。
(いつまでも自分から祝福を送れないまま、)
その喉に自己主張の少々激しい其れを残してしまったのは、

   地獄までの一本道で出会うための目印代わりと
   ─────指切りの代わりだったのかもしれない。]

 
(62) 2020/12/12(Sat) 9:46:58



[雲隠れした月明かり。その隙間から光が差し込まれるのが見えた。
朦朧とする視界の中で、自身が最初に手を下した傷だらけの姿が歩いてくる。
「迎えにきたよ」と弱々しい手が差し伸べられた気がしたから、腕を伸ばして────……]


              ………………噫。


[ゆっくりと、その手を下ろす。
腕の中の赤い髪を、傷つけないように梳き下ろした。]


 



  ………君が許してくれても、
  私は君の元へ行く資格なんてないんだ。
  何より君の友人が許してくれないだろう。
  
(私はひとごろしなんだから。)


     ……それに、此奴を放っておけない。
       傍にいてやらないと安心できん。
       独りぼっちは、寂しいからな。
     
(寂しいのは一体どっちなのか。)



[輝くステンドグラスが見下ろしている。
嵐の前触れのように心地よい空気に包まれた世界の中で、死にゆく彼を包み込んでいた。
優しい手先で幼児にするように頭を撫でながら、自分の生命のカウントダウンを刻んでゆく。]

  

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[───手先の痙攣と共に、苦痛は不意にやってきた。]

[体制を崩し、胸を押さえて倒れ伏した時。彼はもう逝った後だったろうか。
どちらであれ、冷たい床に投げ出してしまった事実に焦り、びたんびたんと暴れる腕を動かして、その手を繋ごうとする。
その行動が叶ったと同時、呼吸が大きく乱れてきつく痕ができるほどに握りしめてしまった。

同胞に飲ませたのは睡眠薬が入ったもの。
生命を奪う毒薬にしては長時間の苦痛を味わわせる配合にしたのは、敢えて自分のものだけ情け程度の眠りを与えなかったのは、……全てを見え透いていた過去の自分から非道な手段しか辿れない未来の怪物へ送る罰。

うまい呼吸の方法を忘れ、瞳孔が閉じるのを忘れ、急激に三途の川を渡り始める体はすでに限界だった。]


(寒い。苦しい。……その筈なのに。
 息絶えて既に体温が失われている此奴の手が温かいから、
 何故だか笑みが溢れてくる。

 涙でぐしゃぐしゃで、ひどい顔をしながら、笑った。)


 
(63) 2020/12/12(Sat) 9:47:58

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[痺れに苦しむようなか細い吐息を溢して、呻きを流す。

「ヴィル。」


徐々に神経まですり減らされれば、滅びを迎える肉体が与える苦痛を感じることも無くなる。
通りが良くなった喉を震わせて、1人の名前を呼んだ。]


   夢で未来を、見たことがあるんだ。

      
黄泉

     …彼処は昏くて..寒くて…….
         …怖いばかりで、...何もない。
         まるで今の季節のようだ。


[紅鏡の気配に、少しばかり眉を寄せる。
もう片方の腕を床に這わせるように動かして───冷たい身体を抱きしめ直した。]



   
(64) 2020/12/12(Sat) 9:48:15

【人】 凍土 リヴァイ





     だから、

     ……お前の傍にずっといるさ、ヴィル。
     お前が私を求める限り、
     私を拒んだりしない限り ……永遠に。


(呪いが解けた御伽噺の人物のように、
 甘ったるい言葉を……らしくもなく吐き出す様は、
 怪物の性から解放された、普通の少女のままで。)





   
(65) 2020/12/12(Sat) 9:50:15

【人】 凍土 リヴァイ



[思い返せば彼の名前を呼んだことがなかった。
甘味の取りすぎを咎めるときも、口喧嘩をするときも。
……身体を重ねたあの夜の時だって。
卒業時に形式めいて叫んだフルネームは呪文のようなもので
相手のことを思って発したことなんて一度たりとも。

         お前は私を置いていくのだと思って
         その身に縋り付くような恥を晒して
         お前に何れ来る暗い未来をおもって
         どす黒く回る心を抑えられぬ時も。

孤独に震える末路は自分だけの秘密で
感じていた体温も何れは離れていくものだと……
毒薬を与えたくらいで何も変わりやしないのだと、勘違いしていたのかもしれない。]


   
(66) 2020/12/12(Sat) 9:50:36

【人】 凍土 リヴァイ





 (お前は、こんなにも私のことを想ってくれていたのに。)



 
(67) 2020/12/12(Sat) 9:50:55

【人】   リヴァイ





       
『死んでもこの手は離さないでくれ』

    ....... もうすぐ、この感触を頼りに逝くから
                待っていてくれ。



  
(68) 2020/12/12(Sat) 9:51:47

【人】   リヴァイ



[それきり、女の唇が開かれることはなかった。

魔性を失った朝焼けも間近な空の中、宵闇が手を招いている。
初雪が2人の上を白いシーツのように覆って仕舞えば、まるで互いに寄り添い眠っているように見えるのかもしれない。

苦痛に顔を歪ませ、喉をかきむしった痕跡こそあれど、
その表情は憑き物が取れたように穏やかで、少々上品な笑みを讃えてこそいた。]

 
(69) 2020/12/12(Sat) 9:52:04

【人】   リヴァイ



[……もう、辛いことは何も感じなくなった。
冬の到来を知らせる新雪も、美しさを感じるばかりで気にならなくなった。
だけれど今はやっぱりひどく寒いから、最後まで寄り添っていても許されるだろうか。]


    
“  もう2人、何もかも分け合えるから  ”

  (この冬の寒さでさえも、2人だけの秘密にしよう。)**

      


   
(70) 2020/12/12(Sat) 9:53:24