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人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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【人】 二年生 小林 友




  全然、授業とか、関係ないけど……
  「アキナ」って子、聞いたことあるかな……?
  二年生で、あの……
  

[逢ったことない子だから、外見も知らない。
 尻すぼみになった語尾を追って
 佐々木はしばらく沈黙していたが、やがて]


  「……オレ、あんまり女子詳しくないから」


[と、囁くような声で答えてくれた。
 別に俺も女子に詳しくなりたくて聞いてるんじゃない。

 ただ一人、会ってみたい子がいるだけで。]
(42) 2020/09/30(Wed) 16:33:14

【人】 二年生 小林 友


[青柳だったら「なんだコイバナ?!」なんて
 茶化しながらでも話を聞いてくれたかもしれないけれど
 高校二年生にしていぶし銀みたいなイケメン佐々木は
 それ以上口を開くこともなく、
 淡々と、粛々と、柔軟体操をこなしていった。

 「いっち、にー、さん、し……」と
 掛け声響くグラウンドを吹き抜けた風が、 ふさり、

 『祝 チアリーディング部 2019年度全国大会 優賞』

 の横断幕を、誇らしげに揺らして見せたのだった。]*
(43) 2020/09/30(Wed) 16:34:11
[盗賊団に身を置いていた事は話していない。
ここの誰にも。
シャーリエたちには「そろそろ腰を落ち着けようとしていた旅人」だと名乗った。実際色んなところで暴れていたから、あまり遠くない嘘だ。

両親が盗賊団だったからずっとそこで、その背中を見て育った。
逃げ出すなんて考えは浮かばなかった。
けれどずっと嫌だったしやめたいと思っていた。

だから追い出される様にボコボコにされて、
辿り着いた先、この館で雇ってもらえるのなら僥倖でもあった。
わざわざ盗賊出身なんて言って、雇ってもらえると思わなかった。
そんな奴を雇おうとするなら、ここの領主もまともじゃないとも、思ったし。
……貴族の中には盗賊団と繋がってる奴もいるとかいないとか、聞いた事もあったけれど。

できれば真っ当に働きたかった。

義手だったのも、少しは己がまともだと見てもらえるのに役立ったのかもしれない。

これは数年前にヘマをして機械に持っていかれた腕の代わり。
誰譲りなのか、己は生まれつき手先が器用で、
鍵やら何やら作れる者を失う訳にいかない、と、
団が金を出して与えてくれたものだった。

……こっちには何の恩も感じていない]

[館で今の仕事を与えられる迄のいきさつは知る由もなかったが、まぁ窮屈な点もあるとは言え、団に居た頃の仕事に比べれば遥かにいいものだ。
人の苦しむ顔を見なくて済む。
それだけで何て毎日生きやすいんだろう。

まぁ、何かとちょっかいをかけてくるお嬢様の存在が、己の庭に咲く一輪の花の様でいて、小さな棘の様でもあるのだけれど。

食堂で、整った顔が微細に変化してゆく。
間近で見ていた己だけがそれに気付けばいいんだけれど、
朝食中は声を掛けられなかったが、
食後、噂好きな奴らが「ねえねえ」と声を掛けて来たので、
「忙しいんで」と巻くのに無駄に気疲れした]

[さて、その元凶とは裏口で顔を合わせる事になった。
文句のひとつでも言ってやろうかと思ったけれど、
少し時間が経っていた事もあり、普通に迎えた。

ラフめな深い緑のジャケットを羽織って、髪を結ぶリボンは薄い色のただの紐に変えれば、肩幅はそう広くなくとも女には間違えられない。
カジュアルダウンした格好のお嬢様の隣に立って、おかしくはないだろうと思う。
彼女は平民の女にしてはめかしこんだ格好だったが、
普段の豪華なドレスで目が肥えたのか、
彼女には野暮ったい格好は似合わないと思うからなのか、
突っ込むという選択肢は無い。
多分年下なのに自分より大人びて見えていた彼女が
髪をふたつのお下げにしている様なんかは、
年相応に見えて、何だか少し安心する気さえする]


  デートスポット…… はい。


[酒=寝る、の式は思い浮かばなかったが、
こういう時突っ込んだって彼女との差を知るだけだから、
わかるところに頷けばいいのだ。
頷いたけれど……
そういう目線で街をあまり歩かなかったから、すぐに候補が出て来なくて、歩きながらめちゃくちゃ脳内で「この街 デートスポット」を検索している。
お嬢様がデート?と迄、今は思考が回らない]

[この場で言いにくそうな事は無理に聞き出さなかった。
人が減ったのが鍵だったのか、隣から白魚の手が伸ばされて驚いた。更に続けられた言葉に、口がぱかんと開いた]


  へ、ぇ?


[間抜けな声が勝手に出て、彼女の顔へきちんと向き合えば、作られた様なきれいな笑顔にどきっとする。
何だ?何かの芝居か?又は何かの劇の影響か?と、締まりなかった唇を結んで、まじまじと彼女を見降ろす。
だってこんな俗っぽい事言い出すとは信じ難い。

彼女の心臓も脈打ってるとは思いもよらず、
理由が聞きたい、と思った。
けれど先に、

自分の中で決まっている答えをくれてやる事にした]



  かしこまりました。


[少し硬い微笑みを湛えて、はっきりと頷いた。

それから「どうぞ」と、義手である左手を差し出して、握らせようとする。
彼女が握ってくれるなら、こちらからも握り返す。
硬い金属の手を嫌がられても、]


  ……いざという時の為に、
  利き手は空けさせてやって下さい。


[と譲らなかった。

さて、かしこまりましたとか言ったけれど、
とりあえず手を繋いでみたけれど、
改めて問われると恋人ってどんな事をするんだろうなぁ。
手を繋いで街をぶらりして一緒にご飯?と、
そんな大雑把なプランになったのは、
デートスポットの検索で忙しかったからだろう]



  えーと、おじょ…… んん、


[「お嬢様」はまずい。
今迄も何度か彼女を連れて街を歩いた事はあったが、
呼ばなくても済む程度の時間だったり用事だったろう。
でも恋人の真似をするなら、名は必要だった。


──メグ。


彼女からその名を聞いたのは、
いつ、どんな場面だったか]


  …………
 

[その名を、呼ぶ気にはならなかった。

呼べば……きっと彼女は喜ぶ……と思う。
けれど真似でいいのだし、
その名を呼ぶ特別な人間に、自分はなるべきではない。
そう思ったから、あたりを見回して、
店先に並んだ熟れた黄色い果物が目に入る]


  ……レモン、でいいか? あんたの名前。


[ついでに口調も砕けさせて、許しを請うた。
代わりに、今回のお願いの理由を聞かない事にした]

[まずは通りに面した小さなクッキー屋へ案内した。
デートスポットではないけれど、自分のお気に入りの店だと説明した]


  自分や相手の好きな物を売ってる店、
  特に身近なものだとお互い楽しめると思うぜ。


[バターの香りに包まれた店内をぐるぐる回って、
ビン詰めされたチョコチップクッキーを指してオレはこれが好き、とか、飾ってあるレシピを見てよくわからんと笑ったりした。
それから彼女にもどれが好きかと聞いたり、
新作のレモンクッキーを試食させてもらって「すっぱい」と店員さんに言って笑われたりした。

量り売りでいくつか包んでもらって店を出て、]


  ……最初に荷物増やすのは良くない……


[と、ハッとした様に反省&彼女へアドバイスをした]


  食べ歩くか。
  メシが入らないかもしれないけど。


[眉間にシワを寄せて提案したが、
閉めてもらったばかりの袋を開いて、二人でクッキーを分ければ、また笑みが戻るだろう]

[一枚しか買わなかった物は半分に割って、
大きく割れた方を当然の様に彼女へ差し出した。

そうして次の場所を考えながら、
「気になる所があったら言ってくれ」と、
立ち並ぶ店がよく見える方を、彼女に歩かせた。**]

花の名 リフルは、メモを貼った。
(a9) 2020/09/30(Wed) 21:12:35

──鈍色の球体1──

[簡素な光源しかない木製の離れ。
線の細い女が疲れ切った様子で、月を見上げている。
『帰りたい』と紡ぐ言葉は、この国の物ではなく、
女の他には夫しかその意味を知らない。

女が暫く故郷に想いを馳せていると
控えめなノックが響いた。
応じるものは無音でも構わず、扉は開かれ、
小学校低学年くらいの子供が姿を表す。]

……しつれい、します……。
またごはん、たべてなかったみたいなので…りんご…もってきました……。

[不格好なうさぎ林檎を乗せた皿を女の近くに置くと、
子どもは正座をして心配そうに様子を窺っている。]

……からだのぐあいは……どう……ですか……?

[女はこの国の言葉を全く理解してない訳ではなかったが、
疲れからか異国語を使う気力はなく、
子供も言葉が返らない事には慣れてる様子。

誰が同情を含んだ視線を向けても顔色の変えない子供は、
女が林檎に手を伸ばすのを見たら、やっと安堵した様に微笑んだ。]*

 
[一気に想いを吐き出しすぎて
 脳がくらりとする。

 虚ろだった青い瞳が
 迷うように揺れて見えるのも
 そのせいだろうか。
 それとも…、己の切望が見せる幻か。

 諦めの気持ちが大半を占めているのに
 目は離せない。

 食い入るような眼差しの下、
 造形の神が形作ったような喉の隆起が上下して
 それから、

 信じられないことが起きた。]
 

 


   ……っ、



[乾ききった触覚や脚は脆い。
 下手に触れば
 折れてしまいそうな
 そんな儚さを隠しもせずに
 震える声が訊ねてくる、────俺に。]
 

 

[そう。
俺に
、だ。]

 

 
[水気を帯びても
 鱗粉が落ちてしまう心配の無い
 ふたつの青い輝きが、
 己をしっかりと捉えている。

 それを自覚した瞬間、震えが走った。
 今まで感じたことが無いくらい
 深く。鋭く。


 興奮と喜びが綯い交ぜになって
 酷く満ち足りたこの気持ちを
 何と呼んでいいのか分からないけれど、

 目元は柔らかく撓み、頬は緩む。]
 

 


   ああ、良いに決まってる

   頼むから…さ
   ”こんな”とか、もう言うなよ

   どこもかしこも魅力的で
   俺を魅了して止まないっていうのに
   良くない訳がないだろ

   俺の手で、その美しさを
   更に際立たせてやりたくて
   今も、どうしようもなく、うずうずしてる



[愛おしさを隠しもしない
 甘い声音で、諭すように静かに囁いて

 それから、少し遠慮がちに
 座面で乱れている金色の毛先を一房
 そっと掬い上げた。

 先程は拒まれてしまったけれど、
 今度は構わないだろうかと問いかけるように。]*
 

 
[泪が一時的に止まっていたから
 はっきりと見えた。

 僕を見つめる彼が、微笑むのが。


   ……ッ


[――母さんは、顔に皺が寄ることを気にして
 余り表情を変えようとしないひとだった。

 誰かの心からの笑顔を見たのは
 もしかしたら、初めてだったかも知れない。]
 

 
[トクトク、心地よく胸が鳴っている。
 草木が芽吹くようなこの気持ちを、
 僕は知らない。
 貴方なら、知っているんだろうか。]
 

 
[愛おしさが全面に載る声の囁きは
 鼓膜からするりと滑り込んで
 砕かれたばかりの心の傷を癒してしまう。

 金の髪ごと救い上げられて
 心の奥底からこれまで感じたことのない歓びが
 胸の奥から泉のように溢れて、溢れ出して

 目元から透明な雫となって発露する。]



   …………………うん



[うずうずすると言った貴方の
 思うが儘にして欲しい。
 そんな想いを込めて、頷く。

 優しく細めた左右の瞳から
 ぽろぽろと温かい雨が降り落ちた。**]
 

[まだよそいき顔のリフルに裏口で逢ったときには
ごめんね、って言ったけれど、
ジャケットに袖を通した彼の後ろを歩く間は、
勝手に頬がゆるんでいた。

街歩きの靴でリフルと歩くと、
ちょっと上に目線が向いて姿勢が伸びる。
その少しの背の差が面白い。
お姉さまの背はいつの間にか追い抜いてしまっていたから、
並んでもこうはならなかったんだろう。

お姉さまと街を歩くことは叶わなかったけど
リフルと歩くのは楽しいんだ。
思い切って誘ってみて良かったって、今でも思っている]


 リフルは着替えないのね。


[使用人は屋敷の外に出ることも多いのだから、
制服で出かけるのは当たり前なんだろう。
ジャケットでサスペンダーを隠している
動きやすさの格好から身なりを整えたようにすら感じる。
変装をイメージして髪に櫛を通した私より気楽なのに、
しっかりした男性だなあって思うのは何でだろう。
ずるい。

帽子とステッキがあれば、立派な紳士になるのでは?
本人に言ったら、堅苦しいと渋い顔になるかなあ。

彼の後ろに隠れてくすくすと笑った。
使用人姿とドレス姿で逢うのと違って、これも楽しい。
差が埋まった姿でデート(スポット)に出かけるのも、
後で楽しい話の種になるに違いない。

結局楽しいからってリフルを連れ出すのが私なのだ。
定期報告以外で呼び出すことはほとんどなかったりする]

[その笑顔は、リフルにお願いをするときに一度消えた。
無茶なことを言っているんだろうな、と思っても
彼以外にこんなこと頼めない。

断られたら困るから、
ごめんね、は飲み込んで、手を握って欲しいと伸ばした。]

[演劇とかオペラとかで、恋人というものは知っている。
その次に結婚するらしいよ、とも知っていたので、
これは予行練習なのだ。
ただの興味本位かもしれないけど、宿題の為なのだ。
そんな毒に当たった顔しないで欲しい。
心配になっちゃうから。]


 よろしくね。

[かしこまりました、って、
まだ中庭の住人に戻ってくれない彼が
義手の左手をかしてくれた。
利き手と義手と、どちらが大事なものなのか、
そんなことは考えに登らない。

出したのは右手、出てきたのは左手。
不慣れな配置に手が止まった。

……これは握手じゃないから反対側でいいんだ。
横に並んで手を繋ぐんだ。

手を握って欲しいと思ったくせに、
握手することしか頭になかった。]


 ……うん


[ボディーガードさんの隣に移って、
精巧な指をまとめて包んだ。
検索に忙しい彼の横で、冷たい親指の関節をなぞってみる。

この人は私の知らないことを知ってる人なんだ。
こういうところを頼もしいと思う]


 レモン?


[横顔を見ていたら、彼の提案の意味をつかみ損ねた。
私を表す名前は教えてあるのだからそれでいいのに。
彼が呼んでくれたことは一度もない。
中庭の住人と認めてくれないみたいで悔しいのだけど、
――シャーリエと呼ぶのは、お姉さまと区別しない人たちだ――
それより、リフルの視線の先のすっぱい果物が気になった]


 レモンはあなたの名前だと思うんだけど……
 私でいいのかな


[金の髪に若い果実の黄緑の瞳。
甘い柑橘の仲間なのに、甘さを見せてくれないとんがり具合。
でも毒は持っていない、少しで料理の味わいを変えてくれる、
レモンの人。

レモンの人にレモンと呼ばれてしまうのも面白くて、
硬い手を温めながら、うん、と頷いた]


 お気に入りの、クッキー!


[デートが始まってすぐ、恋人の話を曲解した。
彼はお気に入りの店と言ったのだ
ここが諜報スポットだとか、ここでバイトしてたとか
そんなこともあったかもしれない(ない)のに、
もう口がクッキーの口になっている。
リフルのお気に入りのクッキー食べたい。]


 好きなものを一緒に見る、 見るデート。
 ……うん、楽しい


[ゆっくりと回っている間に、いつの間にか
チョコチップクッキーのビンを抱えている私が、
彼の左手にくっついている。
レシピを読んでふんふん覚えた後、
「小麦粉が入っていたんですね」とのたまう。
空になった試食のお皿をクッキーで出来てると勘違いする。

ビン入りは大きいですよと店員にたしなめられている横で、
リフルはどんな事を思っていただろう。
手はしっかり握って離していない。
離したら迷子になりますからね]


 私は二色のクッキー好きです。
 バニラとココアのマーブル模様の〜


[レモンを食べて酸っぱい顔になった彼とケースに立って、
気に入ったクッキーを選んでいく。

まず私がマーブルクッキーを選んで、
次にリフルが選んだクッキーを入れてもらい、
後は興味の湧いたレモンクッキーを一枚追加して、
私が出します!と鞄からおサイフを取り出した。

これでもリフルと街にでているのだ、
お金は使えるんですからね。]

[子供のお使いのように得意げに
クッキーの紙袋を抱えてお店を出た。
これで両手がリフルとクッキーで埋まってしまった。
デートとは手が足りなくならないだろうか。
鞄が肩掛けで良かった。

通りの二人連れを見て、紙袋を片手に2つ持っているのに なるほどガッテンしていたけど、
荷物は増やすと良くないものと連れから聞いた。]


 食べ歩き……は、はい

[食べ歩きは少しだけ経験があった。
人の多いところで歩きながら食べたらわたわたしたので、
今日は一度止まって口にクッキーを詰める。
三枚のチョコチップは一枚ずつ食べた。
おまけのレモンは私のにして、チョコチップを譲った。
一枚入りのマーブルは彼が割ってくれた]

[たのしくておいしい。
  うれしい。
人にぶつかりそうになったらリフルの方にくっついた。

もしお姉さまと出かけられたら
食べ歩きを教えてもらっていたのだろうか。
そしたら彼と自然に歩けていただろうか。

クッキー屋で注目されてしまった自覚はあったから、
歩いてる間はちょっと大人しくなった。]