【人】 “観測者” 処暑―― 会合の時 ―― [ さて、会合の時間になれば、一度賑やかさは鳴りを潜めることとなる。 会合が行われる部屋は飾り気もなく、格式ばった場であることを主張する。 円卓の、立秋の彼と白露の彼女の間へと座り、立秋の彼の隣に“蛍”がいるならじっと見つめたりして。 そうして会合は始まる訳だが。 常の私を知っている人なら分かる通り、私は会合に真面目に向き合う方の灯守りではない。 出席率自体は良いし、会合から逃げている訳でもないが、 会合の最中、とにかく意欲がなさそうにしている様子が分かるだろう。 統治域のこともよく知らないため、部下である処暑域の行政職員がまとめた資料を淡々と読み上げるのみ。面倒な時には読み上げることもなく、ただ提出するだけで進行役に押し付けることもある。意見を聞かれても、特に言えることがないので沈黙。 時折何かを熱心に書いている様子も、議事の記録ではなく、個人的な“日記帳”。 妙な方向に目を遣っているのならそれは、会合における他灯守りや蛍の様子を観察しているだけだ。 否……会合の内容に興味がない訳ではないのだ。 他統治域の話や、他人から見た世界の話を聞けるのは興味深い。 それに、『人々を守る灯守り』としての一面が見られるのもこの場。 故に会合が嫌いという訳ではない、が。 統治者、そして灯りの管理者として真面目に向き合っているかと言われれば、答えは否。 他人事なのだ、何もかもが。 だから会合の内容を持ち帰って下に伝えることもなく、また後日、処暑域から中央に対し議事録の請求が行くだろう。 こうして中央にまた無駄な手間が増えていく。 ] (59) 2022/01/19(Wed) 15:30:55 |
【人】 “観測者” 処暑[ やがて会合が終われば、私はまた元の、何時もの、窓際の席で手帳を広げているだろう。 執事にサンドイッチと紅茶を持ってこさせて、それを摘みながら、 会合前よりも豪奢となっている会場を眺め、また“観測”に興じる* ] (60) 2022/01/19(Wed) 15:31:27 |
【人】 “観測者” 処暑[ この状態を“話せる人”と彼女が評しているのは知らないが。>>11 当初の「人を寄せ付けない」という評を聞いたことがあれば、私は納得するだろう。 元々の気質からして、人と関わるのは得意ではないが……意識的に人から距離を取っていると言われれば是だ。 ……逆に、私から見た彼女の印象も言葉にしたことはなかったと思う。 彼女について私が知っているのは、「世界について知りたいと小雪から出奔したこと」「何故か今は小満の蛍をやっていること」。 その真反対までの旅を事細かに知る訳ではなく、彼女が旅の事を話す際には、興味深く耳を傾けた。 後から後から話が出てくるので、彼女も余程好奇心旺盛で、興味を持ったことに首を突っ込むのが好きなのだろうな、という印象を持っている。 そして彼女は、彼女から見た世界の話をしてくれる。彼女の“観測結果”を聞ける。 私は、彼女のそういうところについて好ましいと思っている。 私が“風”で知る事ができるのは、視覚情報と音。 綺麗な景色は例え知っていたとしても、絵を眺めるようなものだし、 カフェを知っていたとしても、食事の味までは分からない。 だから「私も見てみたいです」や「余程美味しかったんですね」等、彼女に対して返していただろう。>>13 ……実際のところ、処暑の領域から遠くへと行く気はないために、叶える気のないものではあるが。 ] (103) 2022/01/19(Wed) 21:42:31 |
【人】 “観測者” 処暑……楽しそうで、何よりです [ 話の最中、そう言ったのは、少々珍しかったかもしれない。 私とも、立秋の彼とも違う、“風”を感じる彼女。 彼女の勢いのある“風”が何を巻き起こすのか、というのは、これからも楽しみだと言えるし、彼女をこれからも観察したいと思う。 ……それに、楽しそうな彼女の話を聞くのは興味深いから。 彼女が去るようなら私も会釈を返して、また、ひとりの世界へと。** ] (104) 2022/01/19(Wed) 21:42:48 |
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