【人】 “観測者” 処暑[ 春が先取りされてそこに在るような桜餅を菓子切りで切り分けて口へ運ぶ。 ……美味しいと思う。恐らく、誰が食べても美味しいと思う程に。 ただ……私は食事に対して熱心な方ではなくて、熱烈に感想を伝える、ということは出来ないだろう。 ……では何故食べたかというと、立春の祝いが近いから、というべきか。 もう少し分かりやすく言うならば、菓子を彼女が出したのが常の事でなかったから、か。 私が惹かれたのは、そういう“特殊性”に、である。 麦秋至の彼女が、私は和菓子が好き、と認識したと知ったら、私はそれを否定するだろう。>>2:142 和菓子が特段好きな訳ではないし、故に、餡の論争に参加出来るほどのこだわりもない。>>3 皆がどうなのか、という興味はあるが。 周りを見れば、多数がその菓子を味わっているのが見える。 この状況は、興味深い。 大雪の彼女が食んだり、>>10 冬至の彼女が小雪の彼女に勧めたり、>>4 それから皆のことを眺めて、食べかけの和菓子を置いて、手帳へと向かう。 ] (19) 2022/01/23(Sun) 2:29:22 |
【人】 “観測者” 処暑[ 手帳には、少々歪んだ文字が書かれた付箋。>>2:125>>2:127 会合中、大雪の彼女の人形が付けていったものだと思われる。 会合中の彼女は真面目と言える態度ではなかったし、私が人形から彼女に視線を移せば、目が合うのも当然のことだったのだろう。>>2:122 悪戯っぽい目線を、常の淡白な表情で見つめる。内心では不思議がっていたのだけど、恐らく表面的には変化は薄い。 彼女の目的は分からないけれど、こうして堂々と人形に“観察”されていると、本当に分からない。 私を観察して何が面白いのだろうか、と。 人形の事を手帳に記しながら、また大雪の彼女の方を向くと、何故か……楽しそうにしていた。 ……何が彼女の琴線に触れたのか、本当に分からない。私は首を傾げていただろう。 付箋に気付いたのは暫く後で、本人が「遊びに来た」と主張するならば、好きにさせておくつもりであった。態々止める程ではないのだし。 声が届けられるならば「そうですか」「好きにしてください」と淡々と言っただろうが、今は会合中であった。 私は付箋を持っていないから手帳の端を切り取って、人形に渡す……ことは出来たか。 「久しぶりに会えて良かったです」――私は、文字でならばほんの僅か雄弁である。 それが、嬉しいです、という意味かと言われれば……珍しい事態が興味深い、という感情が一番大きいのだけど。 ] (20) 2022/01/23(Sun) 2:32:52 |
【人】 “観測者” 処暑[ 小満の彼や、小暑の彼、中央の人間、がいる一角に彼女は居て、 人型(にんげん)の姿で交流する彼女を、そういった意味でも、興味深く眺めていただろう。* ] (21) 2022/01/23(Sun) 2:34:02 |
“観測者” 処暑は、メモを貼った。 (a13) 2022/01/23(Sun) 4:53:26 |
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