170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭
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わたくしは
”聞かなかっただけ”
”忘れただけ”
あの時見た
二人の繋がりが”まこと”なら……
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[ 垂らしたのは一本の糸
それは天から伸びた蜘蛛の糸。 ]
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使い方は如何様にも**
(咳………。)
いや、風邪引いたんじゃないか?それ。
やっぱり夜間でもやってる病院探そうか…?
[火照りの冷めない顔を仰ぎながら、
"掠れ声"を出し続ける姿は見ていて心配になる───
…いや、これは。不安?
心配と称するには、もっと奥底からの恐怖。
おぼろげな記憶が間違っているというわけでもなく、
やらかしはしているけど本来なら嬉しい筈の時間。
けど、お前は笑顔を「作っている」し、
誤魔化すように咳き込むお前に対して、
手放しには、喜べない自分がいた。]
………。
海音…?
[あやふやな記憶の中でも、
俺の散々な告白は──お前に伝わっていた
…はずだ。
それとも記憶の方に違いがあって
あんなことを言われながら
やっぱり断られて玉砕してる…のか?]
っ……うぅ、ぐ、
ああ、くそ、なんだこれ……
[記憶の成否を確かめようとする度、
二日酔いにしてはあまりにも強い痛みが頭を襲う。
ズキズキした鈍痛というより、本当に「痛み」だ。
痛みの中に──、お前との幾度もの口付けは
違いなく覚えがあるのに。
]
[わからない、 …わからない。
他の事を思い出そうとするたびに、
お前の事ばっかり考えてしまう。
──けれど、それは、間違っているのか?
元々、お前の傍に居たいと望んでいた気がするし、
お前の為に音楽を作っていたし、
それ以外、……それ以外?]
海音、俺、
なんか、なんだろ、一体、何忘れて、
[自分一人で考え込んでも仕方ないと、
その「答え」を……「声」を、聞こうとして、尋ねて]
…………?
あ、ぁ、……あ…??
[ 気づけば、無意識に、泣いていた。 ]
[海音の事を考えてしあわせでいっぱいで、
もう、これでいいと思っていた筈の心に、
言葉に出来ない「何か」の感情が差し込まれて、
嬉しい筈でいっぱいの心に。
抑えきれない、悲しみ、怒り、悔しさ。
理由もわからない別の感情が、
全部、あふれて。受け取ったものが涙となった。]
な、なんで、俺。泣いて…??
[わからない、わからない。でも、
「わからない」事自体にも、心が泣いている。
思い出さなきゃ、思い出さなきゃいけない。
明確な確信があるのに──頭痛が邪魔をする。]
♫……♪ ♬──…
[俺が知ってる『海音』なら。
歌詞もない、繰り返す哀傷のフレーズだった。
けれど、あの時からぽつぽつ考えていた歌詞を、
お前しか知らない歌詞を乗せて、お前に捧げる。]
♪ ♬…
[
『 一緒に歌おう? 』
幼い俺が、君の手を取る。
『 お前に、ついてくよ。 』
少し成長した俺が、お前を手放さない。
『……どこかで、聞いてる気がする。』
誰が、とは言わない。
海音になら「誰」かは、伝わるだろ?
悲しみの中に、見つけた煌めきがあったんだ。
どこかで、きいている、きがするんだ。]
[一人になんて、させない。
その力に勢いがあったとしても、
抱きとめた身体を手放しなんてしなかった。
…そうやって、また。
あれだけ言っても、
俺を優先しようとするんだから。]
( ……"それ"って、いつ言ったんだっけ? )
o 。.゚ .゚.。. 。o゚
♫……♪ ♬──…
。゚ ゚ o
。o゚.゚.。. ゚
[ 海の底だというのに、歌がやめられない)
その音が全て泡となろうと、
お前なら、聞いてくれるだろう? ]
[引きずり込まれていくお前が、
そのまま何処かへ行かないように。
口づけで翻弄されたままの、
燻る熱が、水の冷たさに奪われないように。
抱きしめ続けながら、離れる地上を見上げる。
──…ふと。
視界に、『糸』が揺れた。]
[ ただ伸ばした筈だけの糸
どうしてそれが都合よく目の前にあるかって?
…さぁ。
魚か海月でも通り過ぎたのではないですか?
神に意志があるように
この世の全ての命だって、気まぐれなのですから ]
[糸は、いくら沈もうと自分の周りに漂い。
その糸を照らしているのは、二つの
黒い光
。
黒が光っている……なんて、
普通なら、驚く筈だったのだけど。
―――俺は、海音に思い出させてもらったんだ。]
[片手を差し出す。
光が、泳いで、糸を小指に絡めてから、
掌でもしっかりと握る。
同じ様に。俺とお前は対等であるというように。
光は、海音の手にも近づいて。
同じ様に、糸を絡めてくれる。
赤くはないけれど。運命の糸、って奴か?
海音の意識はどうだったか。
自分の力で結えないのなら、俺が代わりに結ってやる。
繋いだ『海音』も、歌は歌えるようになっていた?
……まだだったとしても、
俺がお前を間違えるはずがないけどさ。]
[まだ、底に沈む力が。
何か可笑しな力が残っているなら。
お前に、抗う力を与えてやるよ。
なんとか1000倍って、あんぱん食べながら、
よく言ってたろ?
あげるものがキスしかできないけど。
潮が気にならなくなるくらいの、とびきり
甘やかな口づけを。
それから糸をたどりながら、地上にあがるまで。
水の中だろうと、心で、歌ってやる。
音の方へ。俺の声の方へ、
いっしょに、着いてきてくれるよな──?]**
― 与太話 ―
[人間から、私達は『火の玉』と呼ばれている
けれど、その本質は違うのです
火の玉はそもそも妖よりも格下であり妖ですらなく
ヒトの概念なんて由無きもので「火」とは違う
地上に上がれば風に飛ばされ、切られれば体液を零す
脆いものだが、個体をもってはいるのです
往昔は地上に顔を出していたのだけれど、
『此方』の方が身体を大きくするのが丁度良い
『気にしている』か、って?
『気にしている所もある』と言わざるを得ませんね
私達は個の集合体
この形を維持する為の手段で、
「繋がり」の真似事を繰り返すのです
自我、存在価値、孤独、愛、自己顕示
皆、ヒトだった頃の様々な遺恨を残している
感じているとすれば、それはきっと此の中の誰かの願い]
[故に──
誰とも繋がれず、誰とも切れず
それを私に願われた所で
私達になるしかないのです
本来別々に持っていた願いを
寄せ集めて、離れられなくなる
それが私達。
共通すべきことといえば、
海の何処かに魂があるということ ]
[ 繋げるものなら、と煽るのも、
またソレの言葉が本気とも思っておらず
結局永久に『真似事』の範囲を抜けないのでしょう
それでも――それでも。
貴方の方が、羨望という欲を、感情を
私達のひとつにしてくれるなら
応えるように、指先に管を滑らせて差し上げましょう
貴方の『糸』は私が触れるには大きすぎる
触れるならその手くらいがちょうどいいかと ]**
( 泣いて、る…… )
[ 君の涙に目を丸くする
]
( それはどんな感情? )
[ 戸惑いながら泣く君
手は離したくなくて、
舌先で優しく舐めていく。 ]
( 教えて、どうして泣いているのか
君の体に何が起こっているのか。 )
[ 君の涙の味、君の味。
少ししょっぱくてそれなのに甘い。
俺の好きな味。 ]
( 君の幸せは俺がいること
君の願い
俺しか叶えられないじゃん。 )
[ ごめん、君だって辛かったのに
全然わかってなくて
だからさ俺にも頑張らせてよ。 ]
𓂂𓏸◌𓈒𓐍 𓈒𓏸
𓈒𓏸 𓈒𓏸◌
◌𓈒𓐍
𓈒 𓂂
𓈒𓏸◌𓈒
( 歌が、聞こえる
)𓈒 𓂂𓏸
𓈒𓂂𓏸
𓂂𓏸◌𓈒𓐍 𓈒𓏸
𓈒𓏸◌
◌𓈒𓐍
𓈒 𓂂
𓈒 𓂂𓏸
[ 俺の好きな歌
俺の好きな君の歌声。
口を開く、
歌声は空気を揺らすだけ
唇を噛み締める。
悔しい。
声が出ないと
歌を重ねることもできない。
力一杯息を吸い込んだ。
声を出そうと息を吐く。 ]
[
足を引っ張られ体は海へと向かう
怖くなかったよ、君が歌ってくれるから。
俺も歌いたい
声を出したい
君と声を合わせて歌いたいんだ!!
]
[ 波に攫われ
海に沈む。
俺は声を出したくて
海水を自ら口に入れた。 ]
─ ** ─
𓋪◌ ◌𓈒 𓈒𓐍 𓈒𓏸
𓐍𓈒𓏸◌𓈒 . 𓈒𓂂𓏸
俺伝えたいんだ、歌で
やめておきなさい
奪われた声を使うのは神の領域
何が起こるかわかりませんよ
神に、彼に受け入れられなかった場合
あなたはこの先ずっとを失うことになりますよ
それでもいい
それに宵稚は受け入れてくれる
今、宵稚の歌に合わせられないのなら
伝えられないのなら
言葉なんていらない
声がなくても良い
愚かですね
声を取り戻してからでしたら
いくらでも伝えられると言うのに
タイミングってのがあるんだ
それが今
俺しか知らない歌
俺だけに向けられた歌だ
誰にも渡したくない
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