170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭
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[ 宵稚に耳にある管……
抜いて良いのか?と思いながらも
彼にいつまでも付いていることが許せずに
ゆっくりと少しずつ抜こうとする。 ]
[ 声が響く、嘲笑うように
諭すように、楽しそうにも聞こえる。 ]
可哀想に
本当の幸せってのを知らないんだな
「幸せ」なんて
欲の塊そのものじゃないか
紙一重ってやつ
裏を返せば表になるんだよ
幸せになりたいという欲は
例えば、金への妄執
好きなものへの執着、憧れ
叶えばそれらは幸せであり
幸せになるための欲は尽きない
その人たちは宵稚のために願った
それが叶って幸せと呼べはするだろう
でも、そう思っているのなら
アンタはやっぱり『可哀想なヤツ』だ
[ 人間と妖。
神のことは調べても妖までは調べきれなかった。
人魚……セイレーンだって?
まるで御伽噺だ。
このまま糸に願って
妖怪大戦争になるかを見てもいいのだけれど
俺の思惑通りには動かなさそうだ。
次の手段を模索していると
叫び声が響く。 ]
なっ……!
やめろ!!!!
アンタドSかよ
嗜虐趣味は時代遅れだよ
痛めつけたって
好きな子は喜ばないんだからな
宵稚……痛かったよな
苦しいよな
俺が代われたら良かったのに
[ 強く宵稚の苦しむ体を抱きしめる。
背中を撫でて痛みをどうにか
和らげようと声色もゆっくりと語りかける。 ]
認めるさ
”俺の”幸福の欲の形は
宵稚と一緒にいることだ
でもそれは願いじゃない
俺が自分で叶えるんだからな
自分で出来ることは
俺は人に頼らずにやってきた
……今までだってそうしてきた
これからだって…… でも
[ 宵稚の体が落ち着けば
また元の大勢に戻る。
きっとそれが彼にとって良いのだろうと思ったから。 ]
そりゃあ宵稚の体は魅力的だし
体から落とすか?なんて
邪な考えをしたことだってある
でも宵稚じゃない魂が入るなんて
俺が生理的に受け付けないし
むしろ俺が入りたいし
アンタが嫌いなのは変わらないけど
今は可哀想なやつだって心底同情してる
アンタ友達いないだろ
[ 楽しくおしゃべりしてる時間でも
場合でもないんだけど
そう言おうと口を開いた言葉は
別の言葉で遮られた
]
宵稚……!
動けるか?良かった
[ 手を引き剥がされれば
驚いたように彼を見て
その頃にはゆっくりと抜いていた
管も抜けていただろうか。 ]
ちがう、ちがうよ
宵稚が不幸だなんて思ってない
いや、ん?まってまって
リスカ……?
睡眠薬をお酒と??
身投げ?? は???
……この話はいつかするとして
否定じゃないんだ
俺が幸せにできないのなら
願うしかないじゃないか!
今よりもっと幸せになってほしいんだよ俺は!!
[ 両肩を掴まれて大きく揺さぶられて
加減のないその力が
彼の行き場のない怒りに思えて。
俺はただ受け入れるしかないんだ。
いや、受け入れたかった。
彼の悲しみも怒りすらも俺のもの
気が付けば涙が流れていた。
振動に揺れて涙が弾けて。
悲しいからじゃないよ
君が怒ってくれたことが嬉しくて……だ。 ]
思い出したんだ
俺は、もうきっと一緒にはいられない
名前を知られてしまったから
むしろ名乗ったんだけど
俺、もうすぐ消えるみたいだ
次の贄は俺だったんだ
きっと皆、俺のことすら記憶に無くなってしまう
だから最後に
消える前に
君の幸せくらい願わせてくれたっていいだろ
[ 俺も泣いて、君も泣いていた
俺は臆病で、怖がりで
君にもう嫌われたくなかった。
そんなことないと思う心と
俺の作り出した俺を嫌う君が散らついて
でもそれも俺の作り出した君は
君の叫びで消えてしまった。
俺の心の締め切った扉も壊された。
どんな声量だよ。
開け放たれたら俺の欲が顔を出すのに。 ]
あの時、宵稚は戸惑ってた、困ってた
だから嫌われたって思った
合わせる顔なんてなかった
嫌われたくなかった!!!
俺は宵稚の言葉に怯えてた!
いつ俺は拒絶されるんだろうって
そればっかり気になっていて
でも宵稚はあの頃のままのように
一緒にいると楽しくて、嬉しくてさ
やっぱり心が宵稚を求めてしまうんだ
本当は知りたいよ
君の気持ち
出来るなら
可能なら
二人で幸せになりたかった!!!
願うんじゃなくて
二人で叶えたかったんだ!
消えるのだって怖いさ
消えたくなんてない
宵稚と久しぶりに会えて
これからなのに……
誰に忘れられたっていい、
けど、
宵稚が俺のことを忘れるって考えるだけで
辛いんだ、悲しくて、叫びたくて
俺を忘れないで!
って
喚きたくなる
[ 全部、全部吐き出した。
俯き、吐き出して荒くなった息を整える。
君も黙って
俺も黙れば
再び静かになって
全部ゲロった俺はスッキリしたと同時に
内心冷や汗状態だ。
これ以上沈黙が続くのなら
走って逃げよう、と
意を決して宵稚の方を向く
と、同時に
肩を引き寄せられて
目の前には宵稚のドアップ
]
[ 彼を抱きしめたまま。
先ほど耳を擽られるように
囁かれた小さな君の言葉
同じように君だけに聞こえる声で囁いて。 ]
俺の願いも、一緒なんだ
[管は少しずつ抜けていったらしい。
そしたら、他に何か聞こえやするかもしれないのに、
おかしな話だった。
その時点で、よくわかんない奴らの声は
とうに耳に入ってなかった。
お前の声しか、聞こえなかった。]
だから!!お前が消えんなら、
俺がこれ以上
幸せになんかなるわけねえだろうが!!
それが最後だってんなら
俺の「幸せ」もそれまでなんだよ!!
なんでそれがわかんねーんだよ!!
……っ、困るのも驚くのも当たり前だろ、
俺がそういう意味で好きじゃなくても
気持ちが相思相愛だったとしても
今まで「言葉」にはしてこなかったんだ
俺が言うまで、俺が家に一人でいたこと
お前が知らなかったみたいに、さ
ヒトってのは万能じゃなくて、
形とか言葉にしないと、何もわかんねえんだって
お前が俺の拒絶を恐れてたのはわかった
でも、俺がそれを「言葉」にしたのかよ
だったら最初から好きなんて言うんじゃねえ!!
贄になるとかワケわかんねえ事抜きにして
一緒に居られないって予感があったなら
拒絶にビビってんじゃねえよ
元々一方的だと思ってて
いずれ忘れるものとすら思ってたんなら、
拒絶されたって其処に居ろよ
なんで全部消える前から諦めてんだよ
お前の愛ってのはそんなもんなのか!?
[その言葉は、
俺を好きだと思ってくれていたお前に対して]
勝手に決めつけて、
何も言わないで、塞ぎ込んでってから
気づいたら手遅れになってんじゃねえか
最後の高校の夏祭りの時
「帰りたくない」って言った時に、
「帰らないのはどう?」じゃなくて
「俺も帰りたくない」って言ってくれれば
そしたら、俺からだって傍にいたのに
それが恋愛感情じゃなくても、親友としても
傍にいてやりたいって気持ちだったのに。
そん時からお前は「それ以上」を求めてた
気持ちにすぐ答えられなかったかもしれない
でも、「親友」の俺は信用できなかったのかよ
お前が幸せになる為の努力が出来たかもしれない
なのに、俺は、頼れなかったのかよ、………
[その怒りは、後悔は、
あくまでも親友だった過去のお前に対して]
……………。
ハッ、都合のいいことばっかり。
忘れてくれといわんばかりに
お前は勝手にいなくなったし、
連絡をよこさなくなった。
俺はずっとその気持に潰されてたのに
よく言うよ、お前ばっかり辛いと思いやがって
喚けば良かったんだ
言葉にしてくれればよかったんだ
……俺は喚けも叫べもしなくて
気持ちを誰かの曲にして届けるしか出来なかった
[漸く吐き出してくれた言葉の全部を聞いて
それでもまだ言い足りない気がして。
――嗚呼、何も信じられない。
海音のいう「時間」が迫ってるなら
やれることは限られてるかもしれないのに
いつも通りの、ありふれた日常を枯渇して
それに有限なんてあるはずないって
そうとしか思えなくて。
こじ開けた扉を過剰な程砕いて叩きつけて
もっと、もっと言いたいことはあったはずなのに]
[ この気持だけで、物語が終わるなら ]
[ そう、それこそ「幸せ」なのだろう。 ]
[……けれど、俺は「欲深い人間」だった。]
……………。
今だけなんて、言うなよ。
ずっと、ずっと幸せでいてくれよ
させてくれよ。
神様でも妖怪でもなんでもいい、
海音が愛せるなら、なんだっていい。
一人にさせたくない、忘れたくない。
俺の
海音を、俺から取らないでくれよ………
[ そうして結局「
願って
」。
ヒトならざる領域、その境界線に触れてしまう。
所詮、浅ましい、人間なんだ。]**
。゚ ゚o .゚
..。゚ ゚o
。o゚
……だ、そうですが
どうするんですか、『糸』
私は嫌ですよ 貴方だけなら兎も角
神の領分に触れるのは 面倒なので
[引き抜かれた管を自身に引き戻し、
二つの黒と宙を泳いで
一つの生き物の様に身体を寄せ合い、
離れんとするそれを見下ろす]**
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