202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】
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ゆずき……、っ……やらしくて、かわい……、
[いくらか窄められた頬に手を触れて指でなぞると、頬の内側にある熱いものが意識されて。
じわりと滲み出した液を舌腹に擦り付けた。]
んっ……ぁ、……そこ……、
上手、……だよ、
[先端の太い箇所から竿の境目に這う舌だとか、深くから浅く滑らされた唇の加減に息が荒いでくる。
喉を開くとかはオレが一度だけ口走ったせいで、覚えようとしてくれているらしいのだけど、そんな必要は全くなくて。
本当にしてもらう度に上手くなってるからただでさえ耐性がない……、有り体にいえば早漏な身としては達するのは避けたいところなんだけど。]
挿れてほしくなったら、いって……
[なんて、挿れたいと此方が言い出す方が先のような気はしているのだけど、堪えるようにくしゃりと黒髪を掴むと眉を顰めた。]*
[囁きには乗せず、声にも出さず。胸の内だけでひっそりと呟く。
自分にはついぞできなかったこと。
彼にまだこの先があるのなら、たとえ絶望しかなくても、正しい道など存在しなくても、その中で一番ましな道を歩んでほしいと、そう願いながら。]**
[食べたくない相手を食べたとしても、得られるのはほんの僅かな平穏。
飢餓感という話であればひと月もしないうちに戻ってくるし、限界まで耐えるとしても3ヶ月が限度。
もう、同じことを繰り返すべきでない。
そう思っても、その次を考えるためには、目の前の飢餓にだけはどうにか対処せねばなるまい]
[いっそ、恐ろしいのを耐えて死を選ぶべきなのだろうか。
これまで何度か思い浮かべては放り捨てている考えがまた浮かび、その度についてくる理不尽さもまた覚えた。
生きてはならない種が存在するなら、なぜ、生み出されるのか。
この世に生み出される以上は、生きていいのではないか。
全ての人に生きる権利があるのと同じように、全ての動物に生きる権利があるはずで、そうなら魔物でも化物でも呪われた獣でも同じように生きていいはずではないのか。
どうすれば希望が得られるか、いくらかでも“正しい”と言える道に近づく可能性はあるのか。その答えなど出そうにないけれど、少しでもマシな道を選びたいという思いはあった。
それが純粋に楓の心の中から出でる思いなのか、彼女の祈りが届いた結果なのか、はっきりと知れる機会は無いかもしれないが]
[のんびりとした日常風景。
今を逃したら二度と得られないかもしれない稀少なもの。
楓にとっては現実逃避でしかなくとも、もう少し楽しんでいたい気持ちもあった。
今日の夜が明ける頃には、どちらからともなく元いた場所・時間へ戻ることになるだろう。楓がそのことに気付くことはないかもしれないが]**
[女にしては背が高くて男顔というだけで、さして愛想もなければコミュ強とはほど遠い自分より、武藤の方が余程に"王子様"だと思っていたよ。
人の輪の中心で屈託なく声をあげて笑っている笑顔とか、一見がさつなように見えて、その実、地味目な後輩女子とかにもマメに声をかけてチョコ菓子を配っていた姿だとか。
だからあの日初めてまともに会話して、"武藤君"とおずおずと呼びかけた自分に対して、"君とか付けなくていいのに"と言ってくれたのは、すごく嬉しかった。
"トラとかトラちゃん♡でもいいぞ"という、その難易度はあまりに高すぎたから、結局あれからずっと、今も、"武藤"呼びになってしまっているけれど。
武藤のご実家に行った時は、すごく頑張って"景虎さん"呼びしてみたものの、お互いなんとなく居心地が悪くて、ご実家を出た直後には再び"武藤"呼びに戻っていたっけ。
……で、本人が"トラとか"と言ってた割には、今、「とら」と呼びかけると挙動がおかしくなってしまうのだから、微妙に理不尽と言うか……いや、悪いのは私なんだろうな、とは。]
「そう。真実か挑戦かゲームは、じゃんけんで勝敗つけ始めたところ、私が笑えるほど弱いものだから、途中からトランプ勝負にした。それでもやっぱり弱かった。
何回連続で負けたんだっけ。5回くらい?
あんまりに負けるものだから武藤は途中、手心を加え始めて、私が「遠慮はしないで」って言い出すことになって。
正直、武藤のあの時の優しさは有り難いものではあったので、そのお礼も兼ねての誕生日にあげた券だった次第。
……なので、何を言い出しても許すよというのとは、ちょっと違う、とは思う。
とはいえ、"挑戦"で、"恋人にピアスを開けてもらう"なんて、かなり重いお題を出され、挙げ句それを承諾してしまったのだから、それを越える拒否事例なんて、そうそう生まれない気はしているよ。]
[私の"したい"と"させて"は正確に伝わったようで、武藤はすんなり縁石に腰掛けてくれた。
常ならベッドの上でする行為、こうして、椅子に座る風にしている武藤の足の間、跪いて……みたいな姿勢は、あまり取ったことがない。
ましてや今はこれ以上なく明るく、春の温かな木漏れ日がちらちらと皮膚に降ってくるような場所。]
……っ、ぅ…………ん……ッ。
[いつだっけ、武藤のって大きいよねと告げたら、目を白黒させていた。
件の"喉を開く"というのが、乞われたものの、理解できなくて。
後日、調べ調べて、辿り着いたのが、"無修正動画"というものだった。
タイトルが"咥えきれない巨根を云々"みたいなものだった記憶があるのだけど、それを見た時に私は首を傾げたのだった。武藤の方が大きいよ?って。
なかなか上手にできなくて、苦しくなってしまうのは武藤のが大きいからなのかな?と思い至り。
他にも学びのためにいくつか……いや、けっこうな数の動画を見てしまったのだけど、なるほど、"自称巨根"にはお粗末なものも相当数混ざっているものだなという知見を得ることができたのだった。]
[お互い初めてだったから、最初のうちは戸惑うこともたくさんあって。
私は痛いわ居たたまれないわで、身体の緊張もなかなか取れなかったくらい。
緊張するのはお互い様なのに、あの頃は武藤ばかりたくさん頑張らせてしまったから、いくらか慣れた今は、私も武藤にきもちよくなって貰いたいと、思ってるんだよ。]
…………っ、ん……ぅ、
[ぺろ、と舌先で切っ先に滲んだ液を舐めあげる。
口に含むままだと、疲れてあまり動けなくなってしまうから、唇と舌を雄芯に滑らせるようにしたり、はくりと上の方だけ口に含んだり。
舌腹に擦り付けられる雫も、全部飲むつもりで舌を動かし、"上手"の言葉に目を細め。]
ん…………、
と、らが……挿れたくなったら、言って……?
[だって私は武藤をイかせるつもりだもの。
先端から滲むものが、滲むところか"溢れる"くらいになってきているところで、私は状況を察して、唇と舌の動きを強くする。
ぢゅう、と、強めに吸い上げたら、武藤の腿が膝ごと跳ねて、ちょっと愉快な気持ちになった。]
……っ、イッて、いい、よ……?
[お湯は汚さない、という目標(?)がある以上、勿論、吐き出されたものは全部、飲むつもりで。
もういい、と強い口調か行動かで止められたなら不満気に顔を上げただろうけど、そうされない限りは、口中に白濁が吐き出されるまで武藤への愛撫を止めるつもりはなかった。*]
[最初からトラとかトラちゃん♡と呼ばれていたら(別に♡を付けるようなニュアンスではなくて良い)、ここまで意識することはなかったんだが。
聞き馴染んだ“武藤“って呼ばれるのも好きだし、ドキドキもする。
気が緩んだ風に“むとー“って呼ばれるのもかわいいなと思うし。
オレの家族の前での“景虎さん“は気恥ずかしさがすごくてお互いもじもじとしてしまうから、慣れるのには時間がかかりそうだけど、結婚しても多分二人の時は“武藤“って呼ぶんだろうな、とは。
“とら“って呼ばれるのだけは、あからさまに体が反応するのがどうにも居た堪れない気持ちになるものの、呼んだだけで煽ったと言われるのは柚樹的には理不尽かもしれない。
オレの方は大学ではいまだに“くっきー“とは呼んでるのだけど、そろそろ“柚樹“呼びの方が馴染みすぎて、うっかり口を滑らせたのは一度や二度じゃないからそろそろ諦めている。
“柚樹“と呼び出したのは初めてそういう雰囲気になった時だから、性行為の最中に他の呼び方をしたこともなければ、二人きりだというのに“くっきー“を連呼してくる一昨日のオレは柚樹にとっては結構つらいものがあっただろうし、体の感覚が巻き戻っていたのも仕方ないことかもしれない。]
[真実か挑戦ゲームでは無茶振りも大量にした気はするが、“恋人にピアスを開けてもらう“という身体に穴を開けさせろというのは戸惑わせたことは確かだし、あれ以上の無茶振りはそうそうない、とは思いたい。
そのカードを切ったくらいには、今の状況……“外でしたい“というのも結構な無茶振りだとは思うのだけど、柚樹が口でし始めるとは思ってはなかった。
喉を開いてなどと言ったことは正直後悔はしていて、あの時は半ば無理矢理此方が動くようなことをしてしまったから、怖い思いをさせた自覚もある。
そのことをオレが気にしないようにというのがあったのだろう、して欲しいとはオレから頼んだことはないのに、度々柚樹は自らしようとしてくれるから、その度に申し訳ない気持ちにはなるのだけど。
申し訳ない反面、気持ちはいいし興奮もするのが余計にオレの中では抵抗があるような気はしている。]
[柚樹がオレに気持ちよくなって欲しいと思ってくれてるのはわかってるし、この行為をするのが好きらしい、とも思っていて。
そんなことしなくてもいいよと思いながらも、懸命に口や舌を動かしているのを見ているとぞくぞくとした快感が背に走ることも否めなかった。]
……っ……、く……、
[唾液混じりの卑猥な水音が木々のざわめきが近い開けた空間で響いて。
部屋の照明とは違う陽の明かりの下、臨戦体勢のモノを晒していることも、眼下に跪いたような形でそれを咥え込んでる姿も現実味があまりなくて。
夢だから現実味がなくても当たり前なんだろうかというと、この類の夢は脳内だけの妄想とも違うことはもうよく知っているから。
滲んでくるものを全て取りこぼさないつもりでもあるのだろうかというくらいに、鈴口を舐め上げる舌が視界に映ると、追って溢れてくる液がそろそろ掬い上げるのも難しいくらいになってきていたと思う。]
……ッ、……挿れ、たいけど……、
[挿れたくなったら言ってと言われても。
ずっと挿れたいんだが?と思ってしまうものの、このまま達してしまいそうなのも確かだった。
このまま出したら柚樹は飲むんだろうし、お湯を汚さないつもりなら口から溢すことも出来ないだろうに。]
……っ、ぅ……、ぜんぶ、こぼさないように、できる……?
[口端に光る唾液か先走りかもわからない液を指先で拭って顎を軽く持ち上げるようにすると、艶めいて蒸気した表情に、預けている雄芯がひくりと震えて。
達する時の無防備な表情だったりは、お互いに切羽詰まっているわけでもないのに一方的に晒すのは羞恥がひどいのだけど。]
ふ……、ッ、……ゆず、き……っ、
[びく、と脚が跳ねそうになって、髪を掴んでいた指に力がこもってしまう。
どうやら吐き出すまで続けるらしいとは、張り詰めた肉茎を吸う口の力が強まって、速度が増したことにわかれば、吐精感が迫り上がってくる。]
変わっているでしょう、燻したような香りがして。
シナモン・シュガーを振っても美味しいの。
[機嫌よく答えながらパンを用意する。
軽く焼いて、バターとマーマレードを添えて。
自分の皿をつつきながら、楓の方をちらりと見やる。
不意に、弱い衝動が湧き起こった。今は無視できるほど小さいそれを、椿はそっと受け止める。昨日ほど強くはない理由はなんとなくわかる。おそらくは、もうその必要がなくなりかけているのだ。残された時間は少ない。]
ぁ……っ、やば……ッ、
……ッ、……も、……、……っ、
[ただでさえでかい声が響きそうになるのを、口元に手の甲をやって押し殺そうとして。
“もう出すから“とは言葉にはならなかったし、飲んで、とも、見せて、ともつかない言葉を飲み込んだ。
どく、と大きく雄芯が脈打つのと同時、ビリビリとした快感が走って背を震わせる。
きつく閉じそうになる瞼を薄く開くと、白んだような視界の先、柚樹の口に含まれたものがビクビクと血管を浮かせて脈動するのが見えて。
その先に吐き出された熱い飛沫を受け入れる喉が動くのに、罪悪感とも満足感ともつかないものは快楽に塗りつぶされて曖昧だった。]
……は……、
柚樹がえろくて、無理……、
[荒いだ息を整えながら、頬に触れて小さく呟く。
もう少し堪えようとは思ったのだけど、なんて。
出すつもりも飲ませるつもりもなかったんだけど、とは、とても言えそうにはなかった。
飲めた?と唇をなぞって口内に親指を差し入れれば、労うつもりで舌を緩く撫でた。]*
どうしようかしら、これから
[空はまだ十分に明るく、しかしどこか夕方の気配が滲み出してきた頃、椿はぽつりと呟いた。]
ここにずっといるのも素敵だけれど。
旅に出るのも、悪くはないわ。
どこかに、狼の国があるかもしれないし。
[冗談めかして、半ば本気で、
ありえないことと知りながら。]**
[例えばここが鍵のかかる貸切露天風呂ではなくて、混浴?と言うのだっけ、男女が誰でも一緒に入れるお風呂だったとして。
そういうところでなら武藤と一緒に入れるね?と私は素直に思ってしまうところがあるのだけれど、武藤は絶対絶対、私をそういうところへは連れていかないだろうなと思う。
まだ遠い話だけれど、夏になったら海かプールへ行こうかなんて話をちらりとした時に、トレーニング用の競技用っぽいのしか持っていないよ、ビキニみたいなの……と告げたら、隠しきれない程度には渋い顔になっていたくらいだし。
他の人が使うところを汚すのはいけないと思うものの、外で裸になるとか、外でえっちする、とか……そのあたりの禁忌は、それほどには感じていなかったのだと思う。多分。
"したくなったから"と、そんな理由で武藤のを抵抗なく口に含んでしまうくらいには。]
[正直言えば、出されたのを飲むのは美味しいと思えるものではないのだけれど、でも、私の手指や舌や唇で武藤が昂ぶっていくのを感じるのは、とても好きだと思う。
常の行為ではそこまでは聞けない苦しげな喘ぎ声とか、あまり顔を見る余裕はないものの、精悍な顔が快楽に歪んで眉を寄せている様とか。
その反応が色っぽいし、かわいいなとも思うし、這わせた舌に跳ねる肉茎の反応にも、目を細めてしまう。]
…………?……ぅ、ん……?
["挿れたいけど"?
でも、"止めて"じゃないんだな?と私は、報告承りましたとばかり、動きを止めることはせず。
"こぼさないように、できる?"の問いには、無言でこくこくと頷いていた。
どうしても口端から溢れてしまいそうになる雫を武藤の指が辿っていき、熱に浮かされたような顔で武藤を見上げる。
実際、武藤の熱とか味とか、におい、とか。
────欲しい。
武藤が、欲しい。
獣じみた欲望が、首をもたげつつあった。]
────出して、いいよ。
[出してよ、とら、と。
またうっかり口から溢れそうな雫を拭ってぺろりと舐めついで、再び武藤の顔をちろりと見上げながら、囁くように告げる。
武藤の瞳には──きっと私の瞳にも──隠しようのない情欲の色が浮かんでいるのが見て取れて、煽るように雄芯を根元から先端まで少し強めに擦り上げた。
膝や太腿の内側が、何を我慢しようとしているものなのか、ひくつくように震え始めれば、限界が近いのはこちらにも否応なしに伝わってくる。
なるべく喉の奥へと招くようにしつつ、強く吸うように促せば、熱い飛沫が叩きつけるように口中に吐き出された。]
……ッ、ふ……、……ぅ。
[二度三度と続く吐精は、もうよく知った脈動だしと、合わせるように喉をこくりと鳴らしていく。飲むのもね、いくらかは慣れてきたんだよ?]
[口中からずるりと勢いを失ったものが滑るように落ちていく。
話に聞くところによると、男の人は、一度達してしまうと続けて二度三度とできるものではないらしいのだけれど、なんでか、武藤はそうではないらしく。
勢いを失ったとは、先の張り詰めていたものに比べれば……くらいのもので、これで終わりではないよね?というのは、私と武藤の共通見解だったとは思う。]
…………えろかった?
[褒められたと思って良いんだろうかと首を傾げながら、微かに微笑む。
我慢しようとしたのをできなくさせたくらいにはきもちよかったのなら、良かった……と、笑みを一段深くした。]
ぇ?……ぁ……あ、ん、
[口中に差し入れられた指に、でも今、ちゅーするのはお勧めできないよ?とばかりに、戸惑いの視線を向けてしまう。
飲めたよ?飲んだよ?と応えるように、武藤の指先をぺろりと舐めて。]
[ええと……、これは、立ち上がって、お湯から出た方が……良い、んだろうか。
だって、立って繋がるとかじゃないと、この場所では多分……むずかしい……のだろう、し。]
お湯、出て……"続き"、する……?
[今更ながらに、ここが屋外だと改めて思ってしまって、武藤のを舐めている時よりも余程に顔を赤くしてしまったよ。*]
[シナモン・シュガーを振ると言われてもどうにも風味が想像できず、やはり彼は首を傾げるばかり。
ならば試してみるのが早かろうが、あいにく甘味をとりたい気分でなく、謎が残されたままとなった。
せっかくパンに添えてもらったマーマレードも味わわないまま、バターだけで食べていた]
椿って……あいつと二人で暮らしてた、んだっけ。
どんなところでだったんだ……?
[彼女の生活に少し興味が湧いて尋ねてみたが、答えは得られただろうか。彼に無理に聞き出す気は無かった。別の話題に変わっていっても引き戻しはしなかっただろう]
[共に食事をし、食事を終えてからもなんとなく場に留まり、取り止めもない話題をのんびりと交わしながら過ごした時間は、随分と長かったようだ。
合間に何度か茶を淹れ直してもらったこともあったかもしれないし、途中で食器を洗って片づけたりもしたかもしれないし、話す場所を移したこともあったかもしれないし、ずっとその場にい続けたのかもしれないが。
“二人暮らしの休日の一幕”
この時間だけを切り取れば、そうも思えるものだった]
[そうして昼過ぎ。これから太陽が傾いていくのだろう、けれどまだ夕暮れまで間がある頃合いになって、彼女の呟きがあった。
ずっとここにいること。
旅に出ること。
そのどちらも彼女の望みなのだろうか。
もし『一緒』を望んでくれるなら──
昨夜巡らせた思いが浮かぶ]
行くか? 一緒に。狼の国探しの旅。
[戯れのつもりで問い返し、彼女の様子を窺った。
今すぐここから旅立つのはあまりにも現実味が無かったが……。今二人で過ごしている時間が本当に夢なら、目覚めた後に彼女の元へ向かってみようか──時が過ぎる間に、そういう考えが楓の中に芽生えていた。
“狼の国”は言うなれば、椿と共に過ごしたあの遊戯の中で楓が作ろうとしたものだった。それが現実に作り得るものなのかどうか、探し求めてみるのも一興だろう。見つかっても見つからなくても、変わらないつもりの暮らしの中で罪を塗り重ねるより楽しい気がしていた]**
……私のバカ。私が1番、バカだ。
[抱き寄せられて暴れる心臓はなかなか大人しくなってくれず、丘の上を吹きぬける風に頬を冷ましてもらった。
異性に免疫がないといえばそうなのだろう。
アスルに触れられて何も意識しなかったとは言えない。
嫌ではないのは、数日間だけでもアスルを知ったおかげで、元の世界で絡んできた男性たちのような気配はなかったから。
アスルが純粋に操縦の安全を考えているのは伝わる。
ただ顔が見られなかったのは、――幼馴染に似ているから。
幼馴染に似ている彼に心臓がおかしくなるのは、自分にとっては当たり前なのだけれど、自覚するのは複雑だった。
それに似ていても違う人なのだ。
ドキドキすると自分が自分を裏切っているような気分になる。
そして同時に、そう思う自分が、何も隠しきれず、なかったことにできていないのを思い知らされた。
誤魔化せない、なにも騙せていない。]
はーい。
[手続きを終えたらしいアスルを振り返る。
滝を通り抜けた涼やかな風は顔の赤さを戻してくれたかと思いきや、自分の動揺のほうが上回ったらしい。
額に手を当てようとする仕草にぴゃっと後ずさる。
もう、なんでそう、幼馴染がするみたいなことするかな。
大丈夫平気大丈夫!と声を張り上げると、最初の警戒心とはまた違う、素直でなく懐かない猫のような距離感を保ち、アスルの後ろをついて歩いていくのだった。
ただし、それも途中まで。
肌も露わな住民たちは平和な日常を過ごしていそうだが、こちらは平常心を保とうとしても目線がとても泳ぐ。]
ダイジョウブ……。
[でも迷子の危険的には大丈夫じゃなかったので、悩んでから、アスルの服の裾を摘まませてもらうことにした。
結局歩きにくいとかなんとかで手は繋ぐことになったのだが、親戚のお兄さん――髭を剃らないままならおじさん呼びにしようか検討している――だなぁとここでは思う。
幼馴染と違う手だった。
大きさも、指の太さも、タコができている場所も違う。
ふたりとも何かを目指す手だった。]
[店に辿り着くと、手を繋ぐ時間は終わり。
アスルが店の人に手早く頼み、終わったら待っていろと言うのに、何事か唇が動きかけたけれど止めて。]
……分かった。
良い子で待ってまーす。
[そんな風に笑って頷く。
そうしてなんてことないように手を振ったのだ。
緊張で身体を硬くしながらも、店の人の手際は良く、服など一式が決まるのにそう時間はかからなかった。
少し心配していたが言葉も何故かちゃんと通じた。
兄妹かと問われたのにはゆっくりと首を振り、親戚みたいなものだと当たり障りなく答えておく。]
……。
[幼馴染になら、置いていかないで、と言っただろう。
ひとりだと心細いと我が儘言って、遠慮なく困らせて、やっぱり別行動すべきと諭されたらむうっとした顔をして頷くのだ。
相当甘やかしてもらってきたと自分でも思う。]
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