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人狼物語 三日月国


59 【R18RP】花韮の咲く頃

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[たぶんそれは、私自身がそう思ってるよりもきっと
 私の自尊心が低いからなのだろう。

 恭介は沢山の子に告白されて、付き合って。
 幼馴染の私は誰とも付き合ったことがなかった。
 告白されたことがなかった。
 ブスとかブサイクとか思いたくないけれど
 私よりも可愛い女の子は星の数ほどいるし
 恭介だって、そうだったでしょう。

 私は"女の子"に見られない。
 "恋愛対象"とは見られない。
 無理やりに心を近づけようとしてくる人や
 ストーカー、はいたけれど。
 普通の恋はできないんじゃないかと思ってる。
 女の子として、恋愛対象として、
 その価値はかなり低いんだと思っているから。

 だから、なんで言えば良いんだろう。
 手を差し伸べてくれて、この役割を引き受けてくれて。
 心の底から嬉しかったし、
 ……それなら出来る限りの事をしたいと思った。
 
 女の子扱いされるとくすぐったい。
 成り行きとは言え、お付き合いという形に浮かれてしまう。
 誰でも良いわけじゃないんだけど、

 あのとき隆司さんに声をかけてもらえて
 本当に良かったと思ってるんだ。]

【人】 矢川 蛍

  ですよね、とは言っても私も
  母の味はあんまり覚えてないんですけどね。
  今は美味しければ良いのかなって感じです。
  お正月におせち食べた記憶もないし。
  お刺身とお雑煮とレンコンサラダなんですよね、うち。


[お雑煮もコンソメ味だったりする。
 それは、父が好きだからそうなったらしい。
 レンコンサラダは定番かと思いきや、
 そうでもないと知ったときには本当に驚いた。

 スタパの紙袋を受け取りつつ>>84
 隆司さんの休みを大まかに把握する。]


  でも、美味しいって言ってもらえたから嬉しい。
  作り甲斐があるってもんですね。
  じゃあ、基本的に水曜はお弁当作ります。
  ……朝、大丈夫そうですか?


[時間とか、体力とか、そんなもの。
 実際今日は学校まで来てもらったし
 朝も家に来てもらったが、大丈夫だろうか。
 あんまり甘えてはいけないような、
 でも今のところは安全優先で甘えたいような。]
(85) 2021/03/03(Wed) 19:24:22

【人】 矢川 蛍

  無理はしないでくださいね。
  休みの前の日って飲み会とかもあるんでしょう?
  残業とかもあるだろうし……。


[本当に、良いのだろうか。
 そんな想いが不意に迷いを生む。
 少しだけ視線を伏せて言葉を濁らせた。
 確実に隆司さんに負担はかけている。
 それをどうにか軽減はしたいけれど
 自分ができることは何だろう。

 ……積極的自衛、だろうか?

 悩んでもあまり良い考えは浮かばない。
 浮かばないなら、積極的に
 恋人、お付き合い、で良いの……だろうか?]
(86) 2021/03/03(Wed) 19:24:42

【人】 矢川 蛍

  あの、今日はどうします?
  どこか行きますか?


[水族館とか、映画とか?
 一般的なデートコースを頭に思い浮かべる。
 少し手を伸ばして、けど、
 その手を降ろしてスタパの紙袋を持ち直した。

 ……どのくらいの距離感が。
 お付き合い、にちょうど良いのかな?**]
(87) 2021/03/03(Wed) 19:25:02

【人】 矢川 蛍

  うん、レンコンサラダ。
  年末になると大量に茹でてマヨと塩胡椒で。
  ……なんでか、お正月の定番なんです。

[あれこそは矢川家の味だと思う。
 あれを食べないとお正月な気がしないし、
 お正月にアレがないと何だか物足りない。
 けれど、その他のものは確かに自分の味かもしれない。
 いや、コンソメ味のお雑煮も矢川家、か。
 けれどだからこそ変えることに抵抗はない。
 驚いたりはするけれど、美味しいなら良いかなと。]


  どちらかって言うと、私が作りたいんです。
  たくさん作るの楽しいし、
  美味しいって言ってもらえると嬉しいし。
  私の楽しみの一つ……ではダメですか?


[両親のことを考えて作るお弁当は、普通だ。
 そして特に感想ももらえない。
 最近は話す時間もかなり減っている。
 だから。もし嫌でなければ、と思ったけれど。
 私の負担ではなくて、私の楽しみにしたくて。
 でも隆司さんの負担になるなら……。
 と、躊躇いながらそう尋ねてみる。
 もちろん、口に合わない時はそれもそれで言って欲しい。
 誰かを思って作るご飯は、楽しいのだ。
 だから自分が作るのが楽しいからなのだと
 控えめながらも主張はしておく。]
(91) 2021/03/03(Wed) 22:29:29

【人】 矢川 蛍

  ……ぁ。


[頭に伸びてくる手。>>89
 その手に自然と頭を寄せようとしてしまったけれど
 その手がすぐ離れてしまった事に残念そうな声が漏れた。
 人目のある場所だし、学校も近いから
 仕方がないと言えば仕方がないのだけど。
 
 デスヨネ! 人の目がありますもんね!

 そう、頭ではわかっているのに
 つい自然と甘えた仕草をしてしまった自分に気づいて
 かあっと頬に赤みがさす。
 その上、優しい言葉をかけながら真剣な眼差しで
 見つめられたものだから、恥ずかしくて。]
(92) 2021/03/03(Wed) 22:29:52

【人】 矢川 蛍

  それなら……、良かった、デス。


[つい、とそこから視線を外してしまった。
 外してしまったけれど、そっと手を伸ばす。
 隆司さんの指先を繋ごうとした。]


  疲れてはいませんけど、肉体的には。
  精神的にも昨日よりすごく楽ですし。
  ただ、特別にどこか……となると、あんまり?
  でも、もう少し隆司さんといたいです。

  …………、何て言うか。


  …………。
  …………………。


[今のこの想いを、何と伝えたものか。
 口を開いては噤んで、噤んではまた開いて。
 少しの間それを繰り返したあと。]
(93) 2021/03/03(Wed) 22:30:23

【人】 矢川 蛍

[隆司さんの頬が赤くなる。>>94
 それに気づいて私もさらに赤くなった。
 アレ、いま、そんな赤くなるようなことを言っていた?
 私にはその自覚はない。お弁当のことだけだったのに。
 それとも私が頭を寄せようとしたから?
 それに気づかれたんだろうか。
 それとも、一年後までこの関係が続く前提のお話?
 私にはよくわからなかったけど。


 私のお願い事に戸惑う声。>>95
 ああ、やっぱり甘えすぎたかな。
 そんな風にちょっと我に返って気持ちが凹む。
 もちろんこんな人前で甘えるつもりはないけれど
 歩き始めたその理由がどちらなのか測りかねて
 私のでは隆司さんの指先を掴むのをやめていた。
 それでも、歩き始めたその横にいる。
 手は、……繋いでくれたなら嬉しいけれど。]
(97) 2021/03/04(Thu) 6:09:47

【人】 矢川 蛍

  ……。


[申し訳なくなってしゅんとする。
 自然と言葉少なになった。
 遠回しに断られたのか、違うのか。
 移動自体に不服は全くない。
 けど、どうしたら良いのかわからなくなって
 私はただその足取りについて行く事にした。**]
(98) 2021/03/04(Thu) 6:10:10
手を引っ込めた矢川のしゅんとした顔を見て、上原は自分から手を伸ばしてそっと繋いだ。

 店を出て足を向けたのは、本屋の裏側、店と店の隙間になっている狭苦しい路地。
 裏口から出てくる店員はいるかもしれないが、わざわざ通り道に選ぶ人は少ないだろう。
 本屋の入り口が見えないから、ストーカーが潜んでいることも考えづらかった。

 そういう手近な場所で人目を避けようと上原が思ったのは、矢川の落ち込んだ顔を長々見たくないからだった]


  悪い、人目が気になって……。


[申し訳なさそうに声をかけながら、上原は矢川に両腕を伸ばした。拒む様子が無ければ、そのまま抱き寄せるだろう]**

  ……? 隆司、さん?


[手を離したのに、その手が繋がれて。
 それだけで私は少し気持ちを持ち直していた。
 きっと嫌がられてるんじゃない。
 場所が悪いもの、だからだよね。
 そう自分に言い聞かせながら手を握る。
 けど、連れて行かれたのは路地裏……まではいかない?
 けど、人のあまり通らない店と店の間。
 だから、どうして? と呼ぶ声に疑問符が乗る。
 でも、隆司さんの言葉と、伸ばされた腕。
 それに目を丸くしたけど拒むわけなかった。
 嫌がるわけ無かった。
 でも、じわじわ、頬に熱が宿る。
 恐る恐る私からも手を伸ばして
 隆司さんの背中側に手を回して、ぎゅっと。
 肩のあたりに頭を押し付けながら、抱きついた。]

  ううん、私も、場所は選ぶから……。
  そ、れに、ぎゅーって出来るなら、
  出かける場所はどこでも良いって、
  そう言うつもりで…………。


[もっと言えば。]


  ……わたしからぎゅーってするつもりだったから
  して貰えるなんて、思わなかった……。


[どうしよう、耳まで赤い。
 引き剥がされなければしばらくそのまま
 時々すり、と頭を肩に擦り付けて。

 どうしよう、良いのかな、でも、
 ……嬉しいって気持ちを、噛み締めていた。**]

  蛍に落ち込んだ顔されると……落ち着かない。


矢川に疑問の声をかけられて、上原は小さく答えた。
 おずおずと抱きついて擦り寄ってくる矢川が可愛らしくて、片手でそっと髪を撫でた。

 人目につきにくいと思えば上原の気恥ずかしさは和らいで、代わりに満たされる思いがした。
 自分がそばにいるだけでこんな風に幸せそうにしてくれる人がいると思うと、応えたくなってしまう]

[とはいえ、冬の屋外なわけで]


  寒いからほどほどにしとこうな……?

  それとも、場所変えるか。
  どこなんだろうな……、あまり不健全じゃないところって。


[矢川を無理やり離れさせる気こそなかったものの、あまり長い間ここにいられるとも思えず、上原は尋ねた。
 尋ねながらも、矢川の髪は優しく撫で続けていた。

 登下校でストーカー以外の目にもついているだろうと思うと、行き先は選ばなければならないだろう。
 いくら安らぎや身の安全のためとはいえ、矢川に余計な疑いがかかることは避けたいというのが上原の考えだった]**

  えっ、私そんなに落ち込んでた……!?


[確かにしょげてはしまったけれど。
 そんな風にわかりやすかったなんて!
 何だか申し訳ない気持ちと、
 気持ちを汲んでくれて嬉しい気持ちが混ざり合う。
 でもきっと嬉しい気持ちの方が強かった。
 だから抱きついて擦り寄る姿勢のまま
 頭を撫でられる心地よさに目を閉じる。
 このまま、ずっといたくなってしまうけれど。]


  ……逆に不健全なところって。


[風営法により高校生のうちは18になっても
 ラブホテルは使えないと知ったのは何でだったのか。
 まあ私服の穂含高校の面々は誤魔化せそうでもある。
 と言うかたぶん恭介は誤魔化すどころか知らないと思う。
 教える機会も無いわけだけども。
 そこくらいしか不健全な場所が思いつかず
 首を傾げながらもまだ抱きついていた。
 お互いの家。
 ……一律に不健全では無いが、妄想は掻き立てられる、
 かもしれない。]

  無難なのはカラオケ……ですかね?
  漫画喫茶とかだとお話できそうに無いし。
  あーでも、……。


[トイレに行った時にあいつとばったりとか。
 そんな場面を思い起こして眉を寄せる。
 そんな怯えた毎日は懲り懲りなのに。

 お互いの家に、いければ良いのに。
 そう考えてしまって、一度腕の力を抜いた。]


  ちょっと充電できたから大丈夫です!
  ……別に、うちに来てくれても良いんですけど、
  それはちょっと危ない……ですよね?


[でも、念の為にその提案を口にする。
 毎回どこかのお店に寄るよりは
 資金的にも申し訳なくは無いのだけれど
 まだ、アイツが本当に手を切ったのか分からないから。**]

  俺が気にしすぎなのかね……。


[沈んだ顔をされると気になってしまう。
 思えば上原が一昨日矢川に声をかけたのもそれがきっかけだった]


  不健全なところ……、
  ……なんかこう、誤解を招きそうなところというか。


[邪推しようのある場所と言い出すと、どこへ行くのも難しい気はしてしまう。
 そもそも行く気が無くて避けたいという話なのだが。
 ラブのついていない普通のホテルでも、やはり邪推する人はするだろう。

 外で長時間過ごしても平気な季節なら、公園のベンチだとかでのんびりできたのかもしれない]

[話しながら、矢川が腕の力を抜いたのを感じると、上原も腕の力を緩めた。
 彼女が離れるなら引き留めないつもりだった]


  カラオケは気楽そうだが……。
  店内に監視カメラもあるだろうし。
  でも、独りになるの不安か?


[トイレのたびにいちいち同行というのも微妙な話ではある。とはいえ、ついてきてと頼まれたらついていくだろう。
 むしろ矢川が個室に残ったときのほうが問題な可能性もあった。

 家を提案されると、上原は危険性よりも気後れするのだった]


  単純に行きづらいんだよな……。
  蛍の親が同居してると思うと。

  俺の家までは電車代かかるし、
  その辺の店に入るのとあまり変わらない。

  ……ストーカーが1人いるってだけで気が重いな。
  今日はおとなしく家帰ったほうがいいかねえ。


[どこに行こうにも簡単に決められないぐらい自由が薄れている。
 それを実感して、上原は深くため息をついた。
 矢川さえ割り切れるなら、このまま家まで送ってお別れでも良いとは考えていた]**

  あ、でも気にしてもらえて嬉しいです!
  思えばそれで救われたんですし……。


[あのまま一人で塞ぎ込んだままだったら。
 警察に相談するのも遅れたかもしれない。
 遅れれば遅れるほど、手遅れだったかもしれない。
 だとすれば、きっかけをくれた隆司さんは
 本当に私にとって救いだったのだと思う。

 ……けどまあ、誤解を招きそうな所は
 その覚悟が決まるまで、無しなのかなと思うけど。
 それは、お互いに。]


  まあでも、一人になるのが不安だからって
  いつまでもべったりはいけないですし。
  ただ、やっぱり昨日?も言いましたけど
  何かあった時に声がかき消されてしまいそうで。


[一人になって叫んだ時、どうなるのか。
 それならまだ漫画喫茶の方が
 そもそもが静かな施設な分良いような気もするけど。
 だからちょっと。
 でもそもそも個室で甘えたいから個室をえらぶ、
 その選び方が問題な気もしてきた。
 もちろん、私の問題である。
 個室じゃなきゃ良いじゃない!?]

  ……その、ごめんなさい。


[でも、深いため息には罪悪感が募る。
 たぶん、自分が悪いわけじゃないのだけど。
 だから隆司さんからそっと離れて、
 その代わりに彼の手をそっと握った。
 指先じゃなくて、その手全体を。]


  本当に同居って感じで
  最近は会話らしい会話もないのにね。
  ……うん、今日は、帰る。


[帰りたくないな。
 そんな風に我儘を言えたら、可愛らしいのだろうか。
 小説や漫画で見たシーンがふと脳裏をよぎる。
 でも実際は我儘を言いたくない。
 迷惑をかけたくない。そんな気持ちが強いから。
 だから笑顔で、帰ることを告げる。

 その代わり、繋いだ手は離さないで。]

  春休みになったら。
  隆司さんのお休みの日に、水族館、行きたいです。


[そんな、少し先の約束を持ちかけながら。**]

  救……。


[大袈裟な言葉が出てきた気がして、上原は戸惑ったけれど。
 己が声をかけない間に、ストーカーとの間に何かがあったらと思えば、救ったのかもしれない]


  べったりはまぁ、そうかもしれんが。
  俺も蛍を独りにするのは不安だからな……。


[だから、一緒にいる時間が上原の負担なわけではないのだ。
 それでも「個室で過ごすこと」を主目的に外出先を選ぶのは……確かに少々問題かもしれない]


  明日……朝、何もないといいんだがな。
  帰りは日によるが、会える日もあると思う。


[明日から、登校するときに一緒には行けない。そのときに何かありはしないかと心配になってしまう。
 早く起きれば朝送ってから職場に行くのは、時間だけを考えれば可能そうなのだけれど]

素直に「帰る」と言う矢川に安心しながらも、上原は少しだけ「帰りたくない」と甘えられたときを想像した。
 可愛らしくてたまらなくて、帰したくなくなるだろう。そして、帰さないわけにはいかなくて、とても困ってしまうだろう。
 そんなことを考えながら、上原は手を握り返して苦笑した]


  ……煙草吸わない家だと、来客の匂いが
  残って気づく人がいるから。

  どうしても家には上がりにくい……。
  ごめんな。


[そうなったとき、上原は自分がどう思われるのかも、蛍が何を言われるかも、どうしても不安になってしまっていた。
 彼女が望むように一緒にいられないことが歯痒いとも思っていた]

  …………、えへ?


[なんだか、隆司さんにとても甘やかされてる気がするのは
 気のせいではないかもしれない。
 なんて、一人にするのが不安だと言われると
 ちょっと自惚れてしまう自分がいる。
 けれど明日の話題になれば少し姿勢を正した。]


  うん。何もないと良いけど。
  出かける時と、着いた時と、
  緊急時は連絡して良いですか?
  緊急時以外は未読スルーでも平気なので。


[連絡先として、確かLINEもあった筈。
 それなら隆司さんが見てくれたらわかるし
 スルーならスルーで気が楽かもしれない。
 相手が忙しいのか具合が悪いのか、
 そういうのもこちらも分かるかもしれないし。]

  帰りも。部活終わったり、家帰ったりで
  逐一連絡うるさいかもしれないけど。
  私も部活もあるし、親が夜勤じゃない日は
  あんまり帰り遅いと勘繰られるだろうから……。
  隆司さんがお休みの日はお弁当。
  お仕事の日は連絡して、
  会えそうならそれも連絡、が良いです。


[どうでしょう? と提案しながら。
 けれど家について謝られては
 ぱちりと目を瞬かせてから頬を染める。]

  でも。いつか。……ですね?


[そこまで思いが育ったら。
 お互いにそう思えたら。

 ……そうなると、良いな。]

【人】 矢川 蛍

  だって、よく考えたら水族館って
  基本的に閉館時間早く無かったですか?
  16時とかでしょ? 放課後は厳しいです。
  だからどうせならゆっくり行きたくて。

  ……ジャズバーなら、うん。行きたいです。


[ストーカーはまた背後を追い始めた。
 私はあいつがどうしているかなんて
 気付くことはなかったけれど。

 約束事を一つ一つ重ねていく。
 重ねながら帰路につく。
 それが、ふわふわと浮き足立つような
 多幸感を覚えさせていく。]


  調べたら、19時半入店、20時から演奏で
  結構値段かかるんですよね。
  ドリンクだけならそうでもないんですけど、
  演奏聴きたいと3000円くらい……かな。
  でも、それは私の希望なんでちゃんと払うので!
  だから、うちの親が夜勤の日で、
  隆司さんと一緒に行ける日、かな……。


[いつになるかな、なんて話しかけながらも
 私の家までの距離は近づいていく。**]
(100) 2021/03/04(Thu) 19:39:31
甘やかしている部分があるのは確かだろう。
 上原にとって矢川は年下の女の子。素直に甘えてくる無防備さも相まって、すっかり放っておけない人になっている。

 連絡については上原も頷いた]


  ああ、無事着いたか気になるしな。
  一言ずつでも連絡もらえると安心できそうだ。
  すぐには返信できないかもしれないが……。


[LINEはあるが上原はマメなやりとりはしないほうで、返信が必要と思わなければ放置になりがちだった。
 それでも既読はつくだろうし、たまにスタンプが送られていくかもしれない]


  取材帰りに少しだけ会うとかできるかもな。
  部活終わるのは何時くらいだ?


[帰りが退社時刻と近くて、矢川の帰りが遅くなっても大丈夫そうなら、案外と会える日は多いのかもしれない]

  部活が終わって、17時かな。
  コンクールの前とかは遅くなりがちだったり
  朝練とかも入ってくるけど。


[その時はその時でまた考えよう。
 そう思いつつも軽く予定を伝える。
 月火金で部活があるからと
 その曜日は帰りも少し遅くなることも伝えて。
 けれど再びストーカーについての話になると
 やはり苦い思いを禁じ得ない。]


  ……早く終われば良いな。


[絶対に私の心がストーカーに向くことはないのだから。
 歌にもある。嫌いと感じたら手遅れで
 興味ない人と一秒もいられないのだ、女の子は。
 そこに縛られる生活が早く終われば良いのに。
 そして、安心して、隆司さんと、

 ……なんて考えていたから。
 チラッと見たら隆司さんと目があって
 ふわ!? と、顔が真っ赤になったのは
 事故です、事故。]

【人】 矢川 蛍

  えっと、それじゃあ……来週の金曜日?
  私の家に荷物置いてから行きませんか?
  ふふ、楽しみ!


[細かく日程を詰めていきながら
 その楽しみに顔が綻んだ。
 背後にいるストーカーは徐々に距離を開いていく。
 手を繋いで嬉しそうに話しながら歩く私の姿を見て
 諦めてくれたら良いのに。どうなのだろう。
 背後から見られていたことに気づいてない私は
 家まで送ってもらうと両手で隆司さんの手を握りしめた。]


  今日も有難うございました。
  ……また。時間が合ったら。


[でも、その前に。
 隆司さんの手を自分の頬に添えて
 その手のひらの暖かさに目を細めた。

 少し名残惜しいけど。
 そうしてから、やっと言えたの。**]


  隆司さん、またね?
(102) 2021/03/04(Thu) 20:41:29
 




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