170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭
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[空を見上げていた視線が重なるのはほぼ同時で]
……。
本当に幸せにするのは、
これからだよ、ばーか。
[今が最高潮、みたいな面して笑う
お前のことがいじらしくて。愛おしくて。
…俺も、お前が好きだと言ってくれた表情に、
なれていたなら、いいな、とお前に"願う"。]*
………なあ。海音。
[ぽつ、と思ったことを話し出す。]
ほんとに、お前の両親って、
お前の事、見捨てたのか?
それもお前が思い込んでるだけじゃねえの?
……もしさ。
本当に「捨てられて」ないなら。
ちゃんと向き合って話してみたらどうなんだ。
[お前は俺の事情に、どんどん首つっこんできて
それが俺の救いになったのは確かだけど。
逆に、俺は人の家の事情に首をつっこむなんて
失礼だし、変だと思っていたから、知らなかった。
でも。記憶が流し込まれた時。
きっと、『触れてはいけない記憶まで受け止めた』。
知って、しまったから。
知らないままでも幸せなのかもしれないけど。
もし、もしだ。
それが本当に『幼心の妄想』で、
つかめる筈の幸せを手放していたのなら。
それは、あまりにも、勿体ない話だと。
俺に対してだけ、勇気が出るなんてきっと違くて。
海音は勇気の出せる人間だって、思ってるから。]
怖いならさ。俺も行くから。
……俺もちゃんとご両親に挨拶とか、
したほうが良い、気がするし…。
[壊れたとしても、真実だったとしても。
それを知った時、俺が受け止めてやれる今なら。
どうか向き合ってみてほしいと
細やかな我儘を告げて……。
それがどうなったか、は、また別の話。]
[ 俺の気持ちが筒抜けだった?
ははっ、いいよ!
だってこれから伝えるつもりだったんだから!
フライングしただけ
受け止めきれなくたって良いんだ。
多すぎると溢れてしまうのは分かってるから。
俺を知ってくれて嬉しいよ。 ]
[ つらいこと、痛いこと
俺どうしても君の前では良く見せたくて
隠してしまうから
だから
君の歌で埋めて欲しい。
胸を貫かれるなら
君の歌がいいな
だって痛くはないでしょ?
君がいろんな表情を見せてくれるのなら
俺もこれから君に見せる顔に変化が
出てくるのかもね。 ]
[ 海の中で歌えるなんて
普通じゃないこと。
貴重な体験したと思わない?
もしかして溺れて混濁した意識でみた
まやかしかもしれないけど
二人で見たのならそれは真実。
見えなくなった小指を繋ぐ糸も。
ひっぱったら君の指が引かれたり、しないかな? ]
[ 部屋に戻って、一人静かに
長く、息を出す。
肩の力を抜いて。 ]
♩〜
〜♫
〜ー
♬ーー……
[ 何の歌でもなく
どこかで聞いたフレーズ
好きな旋律を組み合わせて口遊む。
久しく歌っていなかった。
宵稚に会うと歌が身近になる。
俺の音の世界は君だから。 ]
………。
[脱衣所に立ち尽くす。
聞こえてくるのは、自身の呼気と、
アイツの小さな歌声。
目を閉じて、左手を耳に添える。
ずっとだって聞いていたい。俺が取り戻した「音」。
身体は触れていない。でも、
俺はいまソレに「触れている
」んだ。
海音に触れられるだけで、安心する。
落ち着く。緊張が抜けていく。
俺の世界にお前が満ちる。]
[ 緊張の抜けた身体に、残るのは熱だけ。 ]
[
陶然として、上瞼を緩く開いた。
―――
その目で、お前を捉えるんだ。
]*
─ 回想:海岸で ─
………どうなんだろう
真実を知ることが怖くて
今まで逃げていたんだ
引き止められなかったから
俺を追いかけてくることはなかったから
そうなのかなって勝手に思ってしまって
でももしかしたら向こうも俺と同じだったのかな
だって俺たちは親子なのだから
思考ももしかしたら似ていたのかも
[ 今まで避けてきた。
1人ではこれからも向き合えなかったかもしれない。
でも、君が一緒なら……。 ]
うん、1人は怖いんだ
もし、想像通りだったら
おれ、ほんとうに……すてられてたら
みはなされていたら
泣いてもいいかな
[ 君の指を一つ掴んで。
だって勇気なんて俺にはないから
自分のことになると全然ダメ。 ]
向き合う時が来たのかも
一緒に……俺さ
隣に宵稚が居てくれたら
なんでもできそうな気がするんだ。だから……お願い
俺に勇気をちょうだい
[ それは海でも星でもなく
君に願ったこと。 ]**
( 君の隣に居たい。いつまでも。 )
─ 歌を届けよう ─
[ 祭りが終わって
所謂恋人同士になった俺達。
今でも夢のようで
まだほわほわしている。
朝、君が横で寝ていると嬉しくて
朝、君がいないと
挨拶したくなって
いつもの日常が
全然いつもとは違うんだ。 ]
俺は作って欲しいし
それに夢ができたんだ!
君の作った曲で
2人で歌ってさ
君の曲を世界に広めたいんだ!
……世界は大きく出過ぎたかな
誰の為の曲でもない
君と俺の為の曲
伝えたいこと、たくさん込めてさ!
1人でも多くの人の耳に
入って欲しいって思うよ
それくらいの意気込みってこと!
[ 君がまだ、曲を作りたいって
思ってくれているのなら
この夢を語ろうか。
2人の歌が
君の歌が
誰かの耳にとまる
2人でデビューとか
会社を作ったりとか
そんな夢を語りたいけれど
冒険するには少し現実を知りすぎてしまった。
だからどれがいい?どうしたい?って
君に聞くんだ。
2人の未来だから
やりたいことをやるには
まだまだ俺達は進めると思ってる。 ]
一つ、これだけはやりたいんだ
2人で曲を作ること
君の両親に宛てた曲
出来たら2人で歌いに来よう
毎年お祭りの日には必ず
でも君が両親に会いたくなったら
いつでも行くよ、俺も一緒に居てもいい?
朝でも夜でも夜中でも
俺はいつでも付き合うよ
君の両親は君をいつでも見守ってくれてる
それに、この村に帰ってきたら
出迎えてくれてそうだよね
より近くなれるっていうか
君が、君の家族が少しでも多く会えるようにって
俺は思っちゃうんだ
[ これからのことを考えて
まず真っ先に思ったこと
でもこれは俺の思いだから
君の考えも聞いてそれで決めたいんだ。
未来の約束
頼りにしたいし俺も頼られたい
繋がった糸は俺らを結んで
でも糸よりも前から俺たちは繋がっていたんだ。 ]**
あと、もしよかったら
宵稚と一緒に住みたいです
離れたくなくて……
(どこまでも欲は尽きなくて
その一つを君に小さく囁いた。)
っ〜〜…!!
[『理性』が、お前に、縋る。
水が溢れて、とめどなく落ちる。
俺にはもう救いきれない水の中に、
俺がどこかに流されてしまいそうだと、
縋って、求めて。………お前ごと引きずり込む。]
俺にも、聞かせて。
俺しか知らない『音』
大好きだぜ、海音。
[屈んで、もう一度耳元で囁く。
愛されてばっかりじゃ、嫌なんだ。
お前も、沈んでくれよ、少しくらい。]
―回想:浜辺にて―
[思えば──。
俺達が小さい頃からお前の親の顔を
殆ど見たことがなかった。覚えてなかった。
鳴海家というのが、如何にこの村の伝承に囚われ、
何か役割を持っていたとして、
それが「理由」で忙しかったのだろうか。
とかく、送り迎えは、俺の両親が
「ついで」で、見てくれていた。
海音に対して嫌な顔なんて少しも向けていなかった。
親父やおふくろからすれば、その頃から、
二人目の息子、位に思っていたのかもしれない。
]
…そりゃ、あり得る。
[伝承云々に関しては、改めて考えると、
海音自身どこか諦観しているように伺えた。
『鳴海の家だから、しょうがない』
親子共々そう思っていたのなら。
いずれ訪れる『別れ』が見えていれば。
必要以上の愛情を向けるのは、
自分自身も、相手も、苦しいのだろうか。
……それは、当人達にしかわからないのだろう。
俺が直接口を出すものでは、無い。
……無い、けど。
当人たちになら、溝があったとして、
埋める事は、出来るかもしれないから。]
お前と同じ様にさ、
いつか来る『終わり』のせいで、
お互い、避けてたんなら。
それこそ、全部終わったんだ。
もう、お前が伝承に縛られる事はない。
縛られていたって、俺が何度でも連れ戻す。
だからさ。
ちゃんと生きてて、元気してるよって。
顔、見せてやりなよ。
見捨てていたならともかく、
そうじゃないなら、きっと、
子供に対して『愛してる』って言えるなら…
親なら、言いたい、と、思うんだ。
[空想、妄想、身勝手な、理想。
それでも、可能性がゼロではないのだから。
それが海音の新しい『幸せ』の種となって、
いつか花開く事が出来たらと願い。]
……。
寧ろ。泣いちゃいけない、なんてさ、
誰が決めたんだよ。
[弱々しい手の平の力に、ただ、動かさない。
あんなに『頼れる海音』だけど、一人の人間だ。
人が、嬉しい時に笑うのは普通で。
悲しい時に泣くのは普通で。
怒る時に怒るのは、普通で。
海音は、俺にとって特別な存在だ。
でも『特別な存在』であるだけの、普通の人間。]
幾らでも。
ワーッ、って泣いて、
ワーッって、酒を浴びるのも悪くないな。
[そのひととき、ひとときに、俺が側にいてやって。
悲しみが、笑顔に変わる瞬間に立ち会いたい。
俺がお前の悲しみを埋めて、
笑顔
にさせてやりたいんだ。]
今も、いくらだって怖がれよ。
『それでも俺に会いに来てくれた』みたいに。
お前なら、それが出来る。
一番頼りになる保証人だろ?
[俺がお前に声をかけるのも、相当勇気がいったのだけど。
きっと、お前だって、同じようなこと、思ってただろ?
俺のことばかりじゃあ、なくて。
お前の全てに、
どうか後悔の無いように。]**
[その問に、俺は迷わず、躊躇いなく。
当たり前のように答えていた。]
当たり前だろ。
*海音が聞いてくれる限り、ずっと作るさ。*
[ 君の瞳に映る俺。
その瞳に俺は弱いんだ
だって、ずっと求めて欲しかったものだから。 ]
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